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魔の山 上 みんなのレビュー

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みんなのレビュー43件

みんなの評価4.1

評価内訳

43 件中 1 件~ 15 件を表示

魔の山上

2001/06/19 14:36

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:55555 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ドイツには古くから教養小説という伝統的な分野がある。それはどのようなものかというと、主人公が色々な人に出会ったり、色々な体験を経て大人に成長するというものである。
 そんな、ドイツの教養小説の枠をトーマス・マンは「魔の山」で破壊した。
 何故かというとこれまでの教養小説は少なくとも主人公が遍歴を経て成長するというストーリーであったが、「魔の山」の主人公ハンス・カストルプは移動することなく療養所に何年間も居ることによって肉体的に精神的に成長するのである。
 ドイツ教養小説の新たな地平線を切り開いた傑作。

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病気と死、そして生と愛

2017/02/28 23:29

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

長いながい小説である。どちらかというと、変化に乏しく、つまらない内容である。それでも、読んでいる途中でいろいろな箇所に引き込まれ、読後もいろいろ考えさせられるのは、名作の名作たるゆえんだろうか。
 青年技師ハンス=カストルプは、数週間の予定でやってきたアルプス山ダボスにあるサナトリウム(療養所)で、結核にかかっていることが判明し、そのまま入院が決まる。彼は、さまざまな人びととの出会いと別れを繰り返しながら、結果的に7年間山上で過ごすことになる。ハンス=カストルプの従兄で、彼が来る前からそこで治療を続けていたヨーアヒム。ともにクセのある、しかし憎めない二人の医師、ベーレンス顧問官と代診のクロコフスキー。進歩思想の擁護者で人文主義者のセテムブリーニ。彼の対立者でイエズス会士のナフタ。そしてハンスが思いを寄せるロシア人女性ショーシャ夫人。その愛人のオランダ人ペーペルコルン...
 セテムブリーニ、ナフタが繰り広げる政治談議は、現代の日本でも見られそうな左翼と右翼の不毛なやりとりを彷彿とさせる。語彙が稚拙で、話に論理性に欠けるが、鷹揚な親分肌のペーペルコルンもまた、わが社会に見出すことのできる人物の典型である。後半ではオカルトにはまる療養所内の興奮が描かれるなど、まさに現代社会に共通する事象にあふれている。
 しかし本書における最も重要で根本的なテーマは、病気と死であり、それらが襲いかかる肉体と魂の問題である。また病気や死によって浮き彫りにされるのは、生であり愛である。
 だから、上巻最後に描かれるハンス=カストルプのショーシャ夫人への愛の告白と、後半の佳境で描かれるヨーアヒムの死とが、最も人間的かつ最も劇的な場面として私の心に残ったとしても不思議ではあるまい。前者は、フランス語を交えながら語られる魂と魂の美しい交流であり、ハンス=カストルプにとっては決して実ることのない、しかし最も満ち足りた、最も幸せな瞬間である。感極まったハンス=カストルプがフランス語で叫ぶのが次のせりふだ。
「アア、愛ハ、君...。肉体、愛、死、コノ三ツハ一ツノモノナンダ。ナゼナラ、肉体ハ病気ト快楽デアッテ、肉体ガ死ヲ招クノダカラ。愛ト死、コノ二ツハドチラモ肉体的デアッテ、ソコニコノ二ツノオソロシサト偉大ナ魔術トガアルノダ。シカシ、死ハ…金モウケシ、腹ヅツミヲ打チ、笑イ興ジテイル生ヨリモズット高貴ナモノナンダ...同ジヨウニ肉体モマタミダラデイマワシイ性質ノモノデ...同時ニ肉体ハマタ偉大ナ尊敬スベキ光輝デアッテ...ソレヘノ愛ハ...世界ノスベテノ教育学ヨリモ教育的な力ナンダ...」
 後者のヨーアヒムの死においては、物理現象についてのごとく淡々とした死の記述が、妙に涙を誘う。その涙だが、ハンス=カストルプが流したそれについては、こう述べられる。
「それは、世界のいたるところでどんな時間にも惜しみなくさめざめと流されていて、詩人にこの世を涙の谷とうたわせた透明な液体であり、心身のどちらかが激しい苦痛をあたえられたときに、神経の衝撃で肉体からしぼりだされる塩分をふくんだアルカリ性の腺分泌物であった。ハンス=カストルプは、粘液素と蛋白も少量含まれていることを知っていた。」

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2005/02/10 14:14

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2006/01/16 17:44

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2006/04/13 18:01

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2006/04/02 01:57

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2006/08/02 01:28

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2006/10/21 16:53

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2007/02/24 20:26

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2008/05/18 22:49

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2008/09/20 22:02

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2009/04/12 00:50

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