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安楽死を求めて廃病院に集まった12人の少年少女
いざその死の集いを実行しようとしたところ、
本来の参加者ではない13人目の人物が、既に死んでいてーーー
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珍しく一気読みをした!
謎解き云々も引き込まれたけれどそれよりも、それぞれの人物の心理状態というか、思考がとても面白かった。
実際に死に臨む人間として、やはり一癖も二癖もあり、思考が一方向に凝り固まってもいて、かと思えば散漫になったり、ともすれば病的な心理状態だったりもして
それが各々暴れるようでいてスゥッとまとまっていったりだとか、思わぬところで激しさを増したりだとか。
変な感想だけど、作家の想像力、創造力ってすごいんだなぁと
よくもこんな精神状態が描写できるもんだなぁと感心したり。
予定調和というか、結局救われるんかい!というのでガッカリする読者もいそうだけど
自分は希望のある終わり方で良かったなぁと思う。
こんな綺麗事で現実はうまくいかないけど、それでも、死を選ぶほどに思い詰めた人の1人でも、他者と対話をする、ただそれだけで違う選択も現れるものなんだと、思えたらなぁと。
生まれたことに後悔をしない世界になったらいいな
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それぞれの悩みを抱えた自殺希望の子どもたちが集まる中、アクシデントが起こる。議論と可決を繰り返し意見を交わすうちに、変化していく子どもたちの心境。それぞれの動機が現代の若者の抱える悩みに通ずるものがあった。
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多少の中弛みはあったものの興味深く読めた。
ストーリー展開や結末など面白いと思った。場面場面で話しの成り行きを見守る視点(人物)が変わるところなども、誰が事件などの核心なのか想像させられる。
でもどこかしっくりとこない感じがする。
本来の目的から多少逸れた事柄について、採決を取りながら延々と話し合いを進めるというところに違和感を感じた。
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安楽死がテーマ
12人の子供たちが廃病院に集まる。
それぞれ、死にたい理由がある。
でも、知らない13人目の死体が集合場所にある。
このまま実行する?どうする?
を話し合いながら、13人目の謎を解いていくおはなし。
「誰かに生きてきて欲しいと思われているのに、死を望むなんていけないことだと言われるんだから。」
そもそも生まれるべきではなかった?
安楽死を望んでも、最初から生まれなかった事を望むわけじゃない
「いつか死ぬまで生きてみようと思えた」
こういう、重いテーマだけど最後ちょっと良い気持ちで終われる本は好き
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こちらの方の作品は初めて読みました。
天地明察とかは読もうと思いましたが、読んでなかったです。
ライトに読めそうだったので、これから。
全体の構成としては面白かったです。
自殺願望の少年少女が12名+1名集まった廃病院でのやり取りでは
密室殺人の小説と同じ手法で、誰が嘘を付いているのかを探り合う展開です。
12人それぞれが色々な思いを抱え、考え、話す様はよく構成されていると
思う反面で、文字、字面だと誰がいつ何を発言したかを覚えていられず、
なかなか辛い部分もありました。
そろそろ、後半かと思った時にまだ半分も読み終わっていなかった。
正直、中だるみが大きかったです。半分くらいの量で圧縮してくれれば
いいかと思いました。
映画でやるので、それでしっかり楽しみたいです。
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バカの書き方が上手い!
あ〜これはバカだわ〜と思わされて、そこだけでも人に話したいな〜と思いました。
話し方とかそんなんじゃなくって、バカだからこその思考回路、本当に最高。
偏差値が低いので説明の箇所はときどき飛ばしながら読みました。正直すまんかった。
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映画の予告から興味が湧き、映画を見る前に原作を読む。
自殺を希望する12人の前に謎の1人の死体が現れた事により集団自殺を予定通りするのか皆んなで話し合いながら進んでいくストーリー。
最初はそれぞれのキャラクターが覚えられず大変だが徐々に整理出来て面白かった。
最後の結末も納得行く気はするかな。
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心理描写の上手い作品であった。冷静に、相手を分析する。
読んでいてものすごく頭を使うし、恐らく映画もそのような作品になるだろう。
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集団自殺のために廃病院に集合することにした12人だが、話し合いをするための部屋には見知らぬ13人目の死体があり……というところから始まる小説。
まぁ、これだけ引っ張っておいて集団自殺を完遂するエンドはないだろうなとは思っていた。しかし、議論が紛糾することなく「自殺しよう」「うん、そうしよう」と意見が全員一致してしまう可能性は本当にないのか。その場合は、(とある人物)が反対意見を投じるのか。
死ぬような病気じゃないのに勘違いで自殺を決意した少女の存在は、清涼剤的な効果を狙ったのかもしれないけれど、本当に死んでしまう(実際、余命幾ばくもない)別の参加者が彼女の打ち明け話を聞いた時の反応とか、全くもって笑えないと思った。
映画版は観に行くかどうか、まだ決めていない。
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もっとバトルロワイアル的なのをイメージしていたが全然違った。
終始話し合い。議論。紛糾。終結。
え、これを映画化すんの?画が動かないけど?ま、どうでもいいけど。
個性的な十二人の死にたい子どもたちによる話し合いもなかなか面白いね。
そしてこの結末。ある意味どんでん返しだよ。台無しだよ。
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邦画「キサラギ」を彷彿とさせる密室推理劇。面白かった。こういうタイプの話は大失敗と紙一重だけど、そこはさすがの冲方丁。まもなく映画化されるようだけど、はたして。
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面白かった。
12人もいると、登場人物を把握しきれないのではと思ったけれど、キャラクターがたっているので、難なく読了。
それぞれの思惑と、それぞれの推理? 推測? が入り交じり、最後はどう決着するのかと思ったが、納得感があった。
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ホラーサスペンスもしくはSFかと思いきやまさかの推理小説。一人ひとりの登場人物は個性的だが、死にたい理由は案外あっさりしており感情移入はあまりできない。ラストも明るくサクッとしている。
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2019年1月25日に公開が迫った堤幸彦監督作品、『十二人の死にたい子どもたち』。本書はその原作小説である。
作者冲方丁の小説が実写映画化されるのは岡田准一主演の『天地明察』に続き2度目。前作は時代物だったが、本作は一応現代ミステリーに分類されるだろうか。
冲方丁ほど多ジャンルで才能を発揮する作家もなかなかいないだろう。デビュー作『黒い季節』は現代が舞台の異能バトルものであったが、『マルドゥック・スクランブル』『シュピーゲル』シリーズなどのSF作品、『麒麟児』『花とゆめ』などの時代小説、さらには異世界ファンタジーから官能小説まで(!)、ジャンルにとらわれず多彩な作品を発表している。
また小説の執筆だけでなく、アニメ脚本、漫画原作、ゲームのシナリオライターとしても活動している。アニメ脚本の例を挙げるとしたら、ロボットものの『蒼穹のファフナー』やSFサスペンス『PSYCHO-PASS』などだろうか。
こうして冲方作品を列挙してみると、現代が舞台でしかも異能や武器銃器が登場しない作品というのはとても珍しいと感じる。
閑話休題。本作の内容に目を戻すと、ジャンルはミステリーとされているように思う。確かに正体不明の「十三人目」の死体の謎は、この作品の軸となる大事な要素だが、本書の主題は決して謎解きではないように思う。実際作中でも十三人目が発見された当初は、不自然な状況にも関わらず、集団自殺を決行しようとしたほどだ。(2番君の活躍で謎を放置したまま自殺、完!の展開は回避された。実際に彼が同級生だったら「ウザい」と感じてしまうだろうが、この点はナイスプレーである。)
解説で吉田伸子氏はこの作品を『十二人の怒れる男』や『12人の優しい日本人』に連なる「十二人もの」の作品だと述べている。廃病院に集った子どもたちは裁判を開くわけではないが、集団自殺の実行には参加者全員の賛成が必要になるため、十三人目の謎を放置したまま自殺を決行するか、謎を解き明かしてから自殺するかで議論が始まる。この議論というのが作品の本筋であり、それによる子どもたちの心情の変遷が最大の見所ではないだろうか。
章が進むに連れて語り手となるキャラクターも次々と入れ替わる。語り手となるキャラクターの心情だけでなく、そのキャラクターが別のキャラクターをどう評価しているかも細かく書かれていて面白い。
個人的なお気に入りキャラクターは11番のマイである。いわゆるおバカキャラの少女で、議論の展開に理解が追いつかず、ずれたような発言を繰り返すが、中盤から終盤にかけてとても重要な役割を果たす。彼女の不用意な発言による盛大なちゃぶ台返しは必見です!
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ストーリーの面白さというより、子供たち1人1人の際立った個性が面白かった。みんな死にたがってるどけあって世の中や自分に絶望を感じてて、その主張がどれも正しいのだけど間違っている感じが痛々しく、現実味があって心に刺さった。