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みんなのレビュー66件

みんなの評価4.1

評価内訳

66 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

この内容でこの値段なら,本棚に置いておくだけでもお買い得であります

2008/10/19 05:45

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 メアリー・シェリーの「フランケンシュタイン〜あるいは現代のプロメテウス」をちゃんと読んだのは20代後半のことである。もちろんその主人公の一人である「フランケンシュタインの怪物」のことは知っていて(最初の「フランケンシュタイン」体験は藤子不二雄Aの「怪物くん」だ。あれでは怪物そのものが「フランケン」と呼ばれていたが),この有名な話の原典を読んでないのは恥ずかしいのではないか,と思ったのだ。

 考えてみればオレ,齢47を迎えた現在になっても例えば「カラマーゾフの兄弟」であるとか「嵐が丘」「失われた時を求めて」みたいな,なんつか「文学研究における基本的テキスト」みたいに扱われている作品の多くを読んでいないわけで(白状すると読もうと思ったこともない。あ,「フィネガンズ・ウェイク」はこないだ買った),そんな男が「フランケンシュタイン」を読んでいなくて恥ずかしいもないようなもんなんだが,まぁそんときはそう思ったのですよ。

 で,まぁ面白くなくはなかったんだが(19世紀初めの小説だってこともあってちょっと白人臭さがハナについたけどな),今日までその読書体験が人生において何かの役に立つとかいうことはなかった,と。そこに出現したのがこの本である。「批評理論入門」,副題に「『フランケンシュタイン』解剖講義」とあるように,これは世に数多ある文学批評理論について,それら全てをメアリー・シェリーの「フランケンシュタイン〜あるいは現代のプロメテウス」だけをサカナにして解説しようというマコトにありがたい本なのである。

 え,何がありがたいか分からんって? ならば解説しよう。文学批評理論に関する本はたくさんあるが,多くはそのうちの一理論の解説(つうか,その理論こそ真に文学を解明する鍵であり他の理論はなんの役にも立たないクソである,という主張)であり,それらを網羅的に分かりやすく紹介してる本というのはあんまりないのだ。

 しかもそんなかで面白く読める本というと,オレの管見の範囲内では筒井康隆「文学部唯野教授」だけなのである。でもこの「文学部唯野教授」というのはそれ自体が小説なので,理論のあらましは紹介してもそれを具体的な作品に適用して「例えばこうやるのがなんとか批評だよ」とまではやってない。だからオレのように少々知恵の足らない読者は小説としては面白く読めても,そこで解説された批評理論については「わかったような気がする」だけなんだよね(筒井先生すいません)。

 しかも前述のごとく,この本は批評理論適用対象をただ一編「フランケンシュタイン」だけに限っている。つまりこの本に書かれていることを理解するのに他のたくさんの(そしてまたたいがいはえらい大冊なんだ)テキストを読む必要がないのである。類書を読んだことがある人なら分ってもらえると思うが,これは涙が出るほどありがたい。だって例えば○○という小説をサカナに脱構築批評を説明され,次の章で★★という小説を題材に精神分析批評を解説されたって,ほんぢゃ★★を脱構築批評したときどうなるかって分んないんだもん(オレだけ?)。

 とにかくそういうわけなので,文学や文学研究を志すヒト,昔それらを志したけど挫折したヒト,既に「フランケンシュタイン」を読んだヒト,上のいずれにも該当しないけどたまには難しげな本を読んで賢くなったような気分に浸りたいヒトにはこの本をオススメしたい。いや実際,この内容でこの値段なら,本棚に置いておくだけでもお買い得であります。

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紙の本

大学の教材

2020/05/30 02:15

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Chii - この投稿者のレビュー一覧を見る

学生の頃、教材としてよみました。
本書を読んでからのレポートの書き方ががらんとかわりました。いわゆる、本を読むときの視点が増えたと言っていいと思います。今まで考えたこともないような視点から読めるので、一層深く読めるようになりましたし、なにより
読書が好きになりました。

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紙の本

ワクワクしながら読んだ

2018/05/19 20:34

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドングリ - この投稿者のレビュー一覧を見る

こういった類の本を読んだのは初めてでしたが、とても楽しかったです。小説には様々な見方があるということを実例を通してよくわかりました。ぜひ続編も出して欲しいです。

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紙の本

批評理論入門

2016/04/30 15:40

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Carmilla - この投稿者のレビュー一覧を見る

19世紀イギリスの作家メアリー・シェリー(1797年~1851年)が、1817年に発表した「フランケンシュタイン」を、小説技法と批評理論の角度から読み解こうという狙いを持って書かれた文藝理論の解説書。本著は2004年度に京都大学人間総合学部で行われた講義録をまとめたものである。そのためここで展開されている文体は硬い上に内容も高度なので「新書版なので内容は平易だろう」と思ったら後悔するかも知れない。本書の着目点は、後半に登場する批評理論。この本で紹介される批評理論は13種類(小項目を含めると24種類)だが、理論が異なれば、そこから受ける印象はこうも違うのだろうかとうなってしまう。言い換えれば、この作品は多種多様な読み解き方ができる作品、ということがいえるのだ。欲を言えば、もう少し文体を平易にしてくれればと思う。

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紙の本

小説を読んでもよく分からなかった人向け

2017/11/13 15:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本は「フランケンシュタイン」を実例として、まさしく小説を解剖し、読み解く手助けをする本です。
中公新書というと難しそうですが、この本は初心者でも読めるように平易な文で書かれています。
しかし「フランケンシュタイン」をあらかじめ読んでおいて、できれば手元において読むべきでしょう。

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紙の本

「フランケンシュタイン」を通して小説の読み方を知る

2007/03/16 22:43

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:石曽根康一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

実を言うと、最近bk1に書評を書くのがなかなか思うようにいかなかった。
bk1の書評はいわば、本屋さんのポップのような存在だから、つまらない本に対して、「つまらない」ということは、はばかられる。それに、面白いと思っても、その面白さがなかなか言葉にならない場合も書評は書けない。そんなもどかしさがあって、なかなか書けなかった。
本書は、2005年に発行された本である。
「フランケンシュタイン」という多くの人が名前は聞いたことがあるであろう書物を題材に数々の批評理論というものを概説している。
実は、僕も読むまでは「フランケンシュタイン」というのは、出てくる怪物の名前だと思っていた。でも実は違います。
この本は、前半は「小説技法篇」、後半は「批評理論篇」となっている。前半では、批評理論以前の小説の読み方として、「冒頭」、「語り手」、「焦点化」などのキーワードをもとに「フランケンシュタイン」を読み解いていく。これを読むまで、僕は、「ストーリー」と「プロット」の違いなんて知らなかった!
「語り手」の部分では、いわゆる「信頼できない語り手」なども説明される。この前半部分を読むだけで、これからの、小説の読み方が深くなることは間違いなし!
後半は、批評理論が概観されている。といっても新書だからそんなに専門的にだらだらと議論されているわけではない。そのボリュームが僕にとってはちょうどよく、この本は僕の座右の書といってもいい。
後半の目次は、「伝統的批評」、「ジャンル批評」、「読者反応批評」など。
ただこの本は、批評理論さえあれば、小説は読みこなせるといういわば、「批評理論万能主義」に陥ってはいない。
著者はこう書いている。
〈「読む」ということの土台として、読者の印象や直感が大切であることには変わりはない〉(ⅱ頁)。
その意味でこの本は非常に信頼できる本である。
小説愛好者の方々、ぜひ、ご一読あれ!

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紙の本

ひきずられることなく生産的な読み方をする上で示唆に富んだ一冊

2010/02/25 22:38

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る


 著者は京大の助教授。
 本書はメアリー・シェリーの怪奇小説『フランケンシュタイン』を俎上に乗せて、文学批評の方法論とその歴史について概観できる新書です。

 『フランケンシュタイン』という単一の小説を対象としながら、その方法論や批評の土台となっている思想・哲学によってテクストの読み方をかくもたがえていくことが可能なのかと驚きを感じます。
 殊に、文学テクストが常に先行する文学テクストからなんらかの影響を受けているという「間テクスト性」の読みとり方や、西洋的な二項対立の解体という視点で読んでいく「脱構築批評」について述べた箇所は、大変示唆に富んでいると感じました。

 その一方で、読み方によってはその土台となる思想・哲学に過度に引きずられた形で行われる危険もあり、その結果の読書が果たして生産的なものとなりうるのかという疑問も感じないではいられません。
 特にフェミニズムやマルキシズム、フロイト心理学などに基づいた読みかたによって『フランケンシュタイン』をそれぞれどう読み解くかを説明した部分を読みながら、牽強付会といったそしりが付きまといはしないかと危惧したくなりました。

 本書で垣間見ることのできたテクスト分析の手法を、引きずられることなくうまく応用して、今後の読書をより実り多いものにすることができればとは思います。

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紙の本

タイトルの通り入門書

2021/05/14 04:11

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:K.ザムザ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「小説技法篇」と「批評理論篇」の二部からなる。後者では大学の「◯◯文学概論」と題された講義の序盤で聞けそうな話が概ね網羅されている。扱うテーマの広さと解説の分量が入門として適切で、文学理論に興味がある人ははじめに本書を手に取るのがよいと思う。

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紙の本

「批評」に手が出せなかった人へ

2016/08/16 16:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:gozne822 - この投稿者のレビュー一覧を見る

小説についてより深く理解したい、自分でも高尚なことを語ってみたい!
と思ったことをきっかけに、
「批評」というものに興味をもち、
それについての本を探そうとすると、
たぶん多くの人は挫折すると思います。

なぜって、そもそも平易な言葉で書かれた入門書が
ほとんど見つからないからです。
(少なくとも私は見つけられませんでした。)

文学についての本はあっても、
やたらと分厚くとても初学者向きではない難解さであったり、
また、小説を理解するための理論について説明していながら
その本自体に文学的な表現が使われていたりするからです。
これじゃ、英語がわからなくて理解したいのに、
英語で説明された本を渡されているようなものです。

そのような中、この本は稀有な、
初心者に’きちんと’ 易しい批評の入門書となっています。

前半は小説技法について。
1人称、 3人称など誰でも知ってるようなものから、
イメジャリーなど、あまり知られていないものまで。

後半は批評理論について。
伝統的批評、脱構築批評、精神分析批評など
それぞれの理論の内容がコンパクトにまとめられて紹介されています。

もちろんこの新書1冊で、それぞれの理論について完全に網羅することは
不可能ですが、
なんとなくそれぞれの理論に基づいた批評っぽい事を語れるぐらいの事は、
出来るようになるのではないかと思います。

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2005/07/28 09:18

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2006/07/30 16:29

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2007/04/23 01:45

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2008/12/30 00:18

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2009/07/19 00:31

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2009/09/08 03:36

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