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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
暗く、重々しい内容でした。陰鬱とは違う、人の深い闇といった感じです。
真犯人は意外でした。ちょっと気を衒った感はありましたが・・。
主人公の弁護士と被告人、更に警察担当者などといった数多くの登場人物がそれぞれ活き活きと描かれていた点が非常に良かったです。
それにしても人の執念には瞠目すべきものがある、とつくづく感じました。
徹夜したくなった
2020/05/26 17:15
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投稿者:deka - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに徹夜してでも先を読みたくなった作品でした。
作者や作品について何も知らずたまたま書店で場所をとって陳列されていたから何となく買ってみた本だったからここまで引き込まれるとは思わなかった。
面白かった。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーリーが、あまりにも都合良く進行しているような気がしました。何も、ここで、自供で解決というのは……。せっかく、おもしろく引き込まれて読んでいたのに……。
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大門剛明『完全無罪』講談社文庫。
文庫書き下ろし。面白いし、興味深いテーマなのだが、些か捻り過ぎた感じかな。タイトルから推測できる通り、冤罪事件の真相を描いたミステリーである。
新人女性弁護士の松岡千紗は21年前の少女連続誘拐殺人犯の再審無罪を勝ち取る。実は千紗も21年前に誘拐された少女の一人であり、無罪となった平山が実は真犯人であったのではと疑念を抱く……
描かれる事件は北関東連続幼女殺人事件をモデルとしているようなのだが、さらなる捻りが加えられ、最後まで真実が見えて来ない。実は平山が犯人なのか、平山は警察の捏造により犯人に仕立て上げられたのか、真犯人は……
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最後まで犯人の予想ができず、
私もこの人か犯人か?と疑っておりました。
読み始めてから、あっこりゃ面白いなと
読み終わるまで読み続けたい、気になるが
常に付きまとい、読み終わるまでのドキドキ感
最高でした。
はい この大門先生の本を読み漁る事決定です!
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少女誘拐殺人で服役中の男、平山、冤罪を訴え再審査請求する。担当するのは昔誘拐されたことのある女弁護士。事件を調べなおしていくうちに、警察の証拠ねつ造が発覚し、無罪を勝ち取る、しかし、本当に無罪なのか?疑念を持たす出来事が。
結局犯人は別のじいさんで、寿命で死ぬ前に告白、理不尽な結果に。しかし平山の怒りは妹を嘘で追い込んだねつ造刑事2人に向かい復讐する。
最後はまあまあのスッキリした読後感。
ただ、一番曲者の大手弁護士事務所のボスの正体は何なのか、少し続きそうな感じを匂わせる。
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何だろう。この平山という男の人生は…
冤罪で捕まり、妹を死に追いやられる。21年も無実の罪で服役してからようやく釈放され、再審無実となったが、かつての刑事たちの罪は裁かれない。
ようやく得た自由を犠牲にして復讐しようとするが、事情を知らない警官に撃たれる。
裏表紙には「大ベストセラー『雪冤』を超える傑作」と書かれている。
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21年前の少女誘拐殺人事件の冤罪再審請求の担当を任じられた新人弁護士・松岡千紗。彼女は当時、誘拐・監禁された被害者少女の一人だった。弁護することになった受刑者・平山は本当に無実なのか?自分を監禁した犯人ではないのか?
疑心暗鬼のなか、自分の過去と向き合い、犯人を明らかにするために千紗は動き出す。
冤罪という思いテーマのわりに、さらっと読める文章と先が気になる展開でどんどん読み進められた。
未だにトラウマで悪夢を見る千紗に、幼い子供に対する犯罪の罪深さを思う。
――警察の正義とは犯人を逮捕すること、検察の正義とは負けないこと、裁判所の正義とは法的安定性――
早く犯人を捕まえてという期待から、犯罪の絵を描いてそれに合わないものは見ようとしない警察、起訴したからには多少の不都合は排除してでも有罪に持ち込もうとする検察、被疑者を心から信用できなくても、無罪を声高に叫び弁護する弁護士。
誰もが正義に埋没して、泣くのは無実の人間、弱い立場の者だけという悲劇。
――正義ってやつが、一番の悪だよな――
事件の真相にはあっけにとられ、胸糞悪くなったが、受刑者の無実が立証されても、21年の歳月は取り戻せないという現実は重い。
法律事務所のボスの闇が謎として残されたのが釈然としないけれど、これは次への伏線なのかなぁ・・・
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たしかに一度読み始めたら読み進めてしまう面白さはあるのだけど、登場人物の人生に重みを感じられず、結末も淡白で、テーマはいいだけに今一歩惜しい作品だった。
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どこかで読んだり、観たりしたような物語だけど、面白かった。
冤罪で21年間服役し、再審で無罪となった男と、再審を戦った子供のころに誘拐被害にあった弁護士が中心となり物語が進んでいく。
読んでいて情景が見える感じだったので、読んでいても飽きなかった。なので僕的には良い小説かな~と。。
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大門 剛明氏の『冤罪』を巡る社会派ミステリー。
21年前の少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判に抜擢された期待の女性弁護士・松岡 千紗(まつおか ちさ)。
果たして、自分にこの難しい再審裁判が闘えるのか?
しかも、千紗は、21年前の同様事件で監禁され、間一髪助かった少女であった。
もしかしたら、自分を殺めたかもしれない容疑者・平山 聡史(ひらやま さとし)と、敢然と対峙する千紗。
果たして、自分に平山の無罪が立証できるのか?
二転三転するストーリーに、謎の真犯人からの電話もあり、読む手が止まりません。
恐らく、真犯人はこの人物では?との予想は、見事に外れました。なるほど、そう来たか...
表題にもある『完全無罪』が如何に困難か。
そして、仮に無罪になっても、そこがゴールではなく、失ったものを取り戻す新たな戦いのスタートなのだと...
最後、千紗が悪夢から解放され、新たに歩み出すシーンに、希望を感じました。
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今回も冤罪です。テンポ良く話が進み、読みやすかったが、ちょっと唐突なところがあったり(裁判)、犯人の意外性も今ひとつ。テレビの2時間スペシャルとかには向いてる内容かも知れない。香川県が舞台。
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冤罪についての話は「それでも僕はやっていない」ぐらいしか見たことないけどあの映画も冤罪を晴らすまでも大変やけどそれからが大変て感じで話が終わったと思う。(もう一度機会があれば観てみる)
子供の頃に誘拐された経験をもつ女性が弁護士になってその誘拐事件と他の女の子の殺人事件の容疑者の冤罪を追求。再審査請求まで持ち込むことを中心に書いた本と思って読んでたから早い段階で無罪が証明されたことに驚いた。
でも無罪になっても世間の目は厳しい。しかもその犯人を逮捕した刑事まで人生が変わってしまう。
平山が「こんな人殺しを無罪にしてくれてありがとう」と言ったときにそういう展開かとまんまと騙された。やはり平山がって思うし、千紗がそこでも信じ抜いたのが凄い。
真犯人ぽく匿名の電話の人物が登場してからは熊さんが犯人だと思ってしまった。好きな気持ちが実はその事件の時からで…とか色々考えながら一気読み。
だいぶハマったし切ない
「妹には無罪証明を見せることができなかった」想いが重すぎて悲しすぎる。
もしかしたら世の中の刑に処せられている人達の中にも冤罪を晴らすことができないままの人がいるかもしれないと思った。
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4.0 最後、2転、3転で読むのをやめられなかった。設定が小説にとっていかに大切かの見本のような話。
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人が、他人の罪を裁くのは本当に難しい。
他人の証言の信頼性、物的・情的証拠の確実性の両面から、公正な判断をしなくてはいけない。
でも、どうしたって人間だから主観が入る。立場の違いで、かかげる正義が違う。その正義のもと、誤った判断をしてしまうこともある。
冤罪という難しいテーマを扱った、とても面白い作品でした。弁護士、警察、被害者、みんながそれぞれの正義を持って、信念のもと動いている。何が正しいのかは、それぞれの正義の元でしか答えが出せない。
最後まで、誰を信じたらいいのか、真相はどこにあるのかが分からず、ハラハラしながら一気に読めました。
他人の心は、分からないことがあるから人付き合いは面白い。でも、分からないことがあるから怖い。身近な人でも分からないことがあるのに、赤の他人の心と向き合っていくのは本当に覚悟と信念がいるなと思いました・・