ダイエットのとらえ方
2021/04/22 10:22
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投稿者:ヒグラシカナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで読んできたダイエットについての考え方や
捉え方を、少し異なる目線で捉えた良書。
物事の視点は多様であることや、
いろんな人の考えに触れる楽しさを教えてくれる。
ちょっと堅苦しいかな
2019/12/05 19:04
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投稿者:Pinokonokonoko - この投稿者のレビュー一覧を見る
想像していたのよりあまりにも堅苦しい内容だった。
せっかく図書館に購入してもらったので一通り目を通した。
自分が本当に知りたかったことはあまり書いてなかったが、文化人類学者が書くとこのような構成になるのかとある意味勉強になった。
もっとも、自分がやってきたダイエットについて見つめ直すきっかけにもなった。
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダイエット幻想にまどわされるのも病気だから、で切り捨てられそうです。根本には「愛されたい」願望なんでしょうけれど。
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夢中で読んだ。読みたいことがすべて書かれている、まさにjust for meな本。ダイエットというタイトルではあるけど、自分と他者との関係性、社会的まなざし、選び選ばれの構造、かわいいの定義、それでも人生には他者が必要ということが文化人類学的視点で丁寧に語られている名著。
今、まさに摂食障害に悩んでいる10代20代の人たちにもいいと思うし、日々のSNS演出に疲れた大人たちにもいいと思う。他者から「よびかけられる」ことで自分を認識する、タグ付けの関係、点としての人間関係からラインとしての人間関係の構築へ。食べることは生きること、生きることは人と関わること。
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文化人類学の視点から「痩せ願望」の正体を分析し、「やせたい」という気持ちと折り合いをつけてうまく生きていく方法を考える。
「やせたい」に限らず、自分と現代社会の「当たり前」「普通」とのずれをどうとらえたらいいか、数字や「科学的」とうたう健康情報にとらわれすぎずにどうつきあえばいいか、意外と考えさせてくれる好著。
「ちくま」11月号の山本ぽてとさんによる「ここでいう「幻想」とは、ダイエットに限らず、「なんでもコントロールできる」と過信することなのではないか」という書評は核心をついていていい紹介だった(この書評を読まなかったら自分には縁のないテーマと思って手に取らなかったと思う)。
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毎日晩酌し、〆にごはんをたくさん食べている罪悪感が薄まりました。いい本を読んだ。磯野さんありがとー。カロリー計算、栄養素、科学的と言われればそうだが、それでは説明できないこともたくさんある。空気で太るとか言う人もいるし。人間の奥深さ、そして儚さ、思い知らされました。文化人類学は現象学に近いと感じました。
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「第六章 数字の魔力で世界が消える」
「第八章 ふつうに食べるをバカにしない」
ふつうに食べられることは、無限定空間で生きられること
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主に若い女性がターゲット(と思われる)のダイエットについて記された一冊。
読みやすい構成であっという間に読み終わってしまうくらい、ダイエットに悩んできた人には興味深い内容ばかり。
少し前からネットで見かけた「シンデレラ体重」も、中野京子さんのお話で知ったシンデレラ纏足説を思い出すとネーミングが絶妙だと思う。
愛するのではなく、愛されるために為す行為は虚しい。
若者向けながらダイエット情報に振り回されている方にもオススメしたい。
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健康で「ちょっと痩せたいなあ」くらいに思ってるわたしには大袈裟に思えてしまうところもあったけど
知らないだけで拒食、過食で苦しんでいる人が日本には少なくない、ということを知れただけでもよかった。
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痩せている方が美しい。痩せなくては…。
可愛くあらなくては…。
これは私たちにかけられた一種の呪いである。
本著ではその呪いのありかをあぶり出し、言語化し、その価値を問いかけている。
そして本当に自分がなりたいと思う自分とはどんな形をしているのか?
著者のそんな問題提起メッセージや問題提起が伝わってくるようだった。
美醜の呪いに囚われている人の解放の一冊だと思う。
本著の中に出てきた「あなたは大人になっていい。」の一文にはかなり痺れた。
ダイエットに関する文化や先人の考察にも触れられており、文化的な美醜の歴史の読み物としても面白かった。
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・痩せている方が絶対的に良い
・痩せ型の人は自己管理が出来ており、肥満の人は出来ていない
そんな考えは自分の中から生まれたと思っていたが、社会からそう思わされていたという視点に気持ちが楽になった。勿論健康を害するほどの肥満は問題ではあるが。
また、社会が「自分らしさ」を推奨する一方で
承認欲求が低い(ように見える)人を賞賛する傾向にあり、それらが相反する事柄である旨を適切に言語化していたのも興味深かった。
最も衝撃を受けたのは予防医学に関する記述である。予防医学は病気になっていない人の身体に積極的に干渉し、病気の原因が自己管理不足にあるという考え方を促進する恐れがあるという点だ。予防医学を志し従事する自分にとって、それは絶対的な正義だと考えていたので、このような視点を知ることができ非常に勉強になった。
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2020.6
思えばいつから食べることを楽しめなくなったのか。おいしいを全力で楽しめなくなったのか。頭で考えて数字を思い浮かべて食べないことがない。そんなのもったいない。やせたいの根本の考え方を見直そうと思う。選ばれる人じゃなくて私が選ぶ。他人の目に支配されてたまるか。ラインを描いて生きてきたしこれからもラインを描く。私の物語がある、ちゃんと。おもしろかった。
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ダイエットを否定していません。しかし,手放しに肯定もしていません。
ダイエットにまつわる功罪を冷静に分析し,ダイエットに囚われない在り方を考えています。
「点からラインへ」という話は大変面白いのですが,「視点の提供」以上になれていないのではないかというこのもやもやをどう考えたらいいのかについて考えています。(視点の提供はもちろん大事です)
補足。磯野先生が視点の提供しかしていないという意味ではなく、本として書くときに「視点の提供」以上のものをどのように作るのか考えているという意味です。
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摂食障害に造詣の深い筆者の作だったので購入しました。
しかし、読んでみると摂食障害の方はもちろん、現代社会に生きる全ての人々に向けられた本でした。
個性的であれ、と言いながら、自由に振る舞うと、わがままだ、うざい、と疎まれる。
周りからの評価に晒され、苦しんでいる全ての人々について書かれた本です。
体重を気にしている方々にも「食事を数字で考え始めたら要注意」など重要な助言がたくさんあります。
ぜひお手にとって、読んでみて下さい。
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こんなことを書くと嫌がられるかもしれないが私はダイエットらしいダイエットをしたことがない。だからこれまで本書の存在は知ってはいても手に取ることはなかった。
今回手に取ったのは、自分に関係なくても、多くの若い女性たちの関心ごとである『ダイエット』について書かれた本を読むことで彼女たちを知ることができるかもしれない、と思ったから。
なんだけど、蓋を開けたら(表紙をめくったら)これはフェミニズムと生き方の本でした。
著者の経歴を見れば専門は文化人類学。
とりわけ興味深かったのは第3章、第5章。
「かわいい」と日本女性の関係について紹介されている。
・「かわいい」というのは自分に危害を与えないという安心感、従順な素直さ、という条件付きの子どもっぽさである。つまり、「かわいい」とは本質的に内在するものではない。相手との関係性のあいだに現れる条件付きの状態である。
・「かわいい」は保護が必要な、無防備で無力な存在である。
・「かわいい」は大人になることを抑止すること力がある。
・大人になるということは、自立し、主体的であることである。
・女性は(殊に日本女性は)「選ばれる性」であることが思考・行動パターンを作り出している。
・ボーヴォワール『第二の性』から伸びた抜粋のまとめ:女性は男性の「他者」として常に存在しており、女性はその地位に対して何ら申し立てもせずに暮らしてきた。なぜなら、女が「他者」であることを拒否したり、男との共犯関係を拒否したりすれば、それは女にとって、上層カーストとの同盟が与えてくれる特典を全てあきらめることになるから。主君である男の家来でいれば、男は女を物質的に保護し、その存在の意味づけまで引き受けてくれるはずだ。自由はなくとも、生きることの不安や緊張からは逃れられる。
→要は、女は男の他者であるほうが自分にとっても都合がいいので他者という地位に甘んじてきた。
ではなぜこの、女性が「他者」である傾向、「選ばれる性」にとどまる傾向が日本では強いのか。
著者は『「選ばれ組」に女性がとどまることを奨励する空気が日本の中にある』(p.112)と書いているが、それはなぜなのか。
Girls powerを本来の『自立して生きる女性、従来の女性の枠組みにらとらわれず、いきいきと生きる女性の力』ではなく、『女の子はかわいくあることが一番』と解釈した広告に繋がってしまうのはなぜなのか。
この本を読んでいたとき、昼のラジオから韓国アイドルの魅力はバキバキに踊れることだけじゃなくてどこかかわいらしさが残っていること、と若い男性(彼自身もアイドル)がいてうっとなった。
かわいさを脱ぎ捨てて大人になろう。自立し、主体的に生きる人間になりたい。