ミステリと言うよりは、人の想いが綴られた物語。
2020/01/21 23:15
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投稿者:氷狼 - この投稿者のレビュー一覧を見る
名士、紫峰家。
その当主である太一郎とその娘、葵、桜、茜。 そして、使用人たち。
戦時中、彼らに何があったのか?
現在、再開発で庭を掘り返すと数体の遺体が...遺体は一体誰なのか?
刑事を名乗る西ノ森泉はその謎を追うが...
西ノ森の正体。 遺体の正体。
生きている当時の関係者からの事情聴取、そして、彼らの独白。
そこから徐々に見えてくる真実...
見せ方が良く、テンポも良い。
それぞれの想い、読み進めるとより深く見えていなかったものが見えてくる。
なかなか良かった。
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在進行でない状態で
本格的な伏線を読み取っていくのは難しかった。
とはいえ、きれいなパズル状に組み上げられた謎は
解かれていくさまが気持ちいい。
ただ事件の中身は読後感の爽快感よりも
苦みの強めな事件になっているかも。
mandshurica
2020/09/16 23:10
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この著者の作品を初めて読みましたが、「降田天」は二人から成る作家ユニットだそうです。
しかし展開がダルい。しかも文章が小説になっていない感じです。画像が浮かんでこない。展開がバカバカしい。読むことを苦痛に感じました。無念。
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60年も前の秘密を生き残っている関係者の証言をもとに解き明かす。華美な貴族生活と戦争が落とす影。証言者が必ずしも真実を語っているわけではない。徐々に明らかになっていく緊張感。とても面白かったです。
事件の構図や伏線の張り方など、とても細かく気配りされた物語です。映像が目に浮かぶような文章で、これは映像化してほしいなぁ。
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読書は、いつも通勤時間に読んでたけど出勤日が減って読む時間がなく時間がかかってしまってた。
でも、つづきが気になってたらどんなことをしても読んでたのかな??
って感じで、なかなか読み進めなかった。
嘘に嘘を重ね、こんがらがってきたけど
人を思いやっての嘘が大変なことに…
やっぱり嘘はいけない…
で、結局のところ
ヒナさんは、どーなったの?と気になる終わり方でした。
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戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された白骨死体。かつての女中や使用人たちが語る、屋敷の主人と三姉妹たちの華やかな生活と、忍びよる軍靴の響き、突然起きた不穏な事件。やがて真実が明らかになり…。傑作ミステリー。
物語が二転三転するのでついていくのが大変だったけれど、結末もなかなか印象深くて、読み応え十分だった。「傑作ミステリー」の看板に偽りはなかったと感じた。
(B)
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幾多の証言から蘇る過去の事実と偽り.ストーリはゆったりとした雰囲気だが,そのおかげで十分に思いを馳せながら読み進められた.終盤は驚愕の事実にショックを受けつつ,深い愛の行く末に気持ちが折れそうになる.救いは彼に孫がいたことだろうか.彼女もまた小さな幸せをつかみとっていたと思いたい.
あらすじ(背表紙より)
長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された白骨死体。そこで暮らしていた屋敷の主人と三人の姉妹たちは、終戦前に東京大空襲で亡くなったはずだったが…。死体は一体誰のものなのか。かつての女中や使用人たちが語る、一族の華やかな生活、忍び寄る軍靴の響き、突然起きた不穏な事件。二転三転する証言から、やがて戦下に埋もれた真実が明らかになっていく―。
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お屋敷から発見された白骨死体。住人たちは東京大空襲で亡くなったはず。死体は一体誰のものなのか。
戦時下の話で暗い部分もあるが、かつての女中や使用人たちから真実を明らかにする。
主人公が一体何者かも分からないし、証言の内容も二転三転してついていくのが大変だった。最後は納得できるもので、悲しいけれども愛情があった。
これから読まれる方には、間をおかずなるべく一気読みしたほうがいいですよと言いたい。
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再読3回目。
はじめ、嘘つきばっかり出てくる話だと思って読んでいた。だんだん、これはそうではないな、と思い始め、何人ものやさしい人の話だと気が付いた。結局、幸せな結末ではなかったけれど、なぜか泣けた。
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これを読み終わったあと、すみれの花の画像を検索してみた。紫色の小さな花びらとヒョロヒョロとか細い茎を持つ、野に咲くような素朴な花だった。
花言葉は「謙虚」「誠実」
紫色のすみれのそれは「愛」だった。
戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された身元不明の3つの白骨死体。この屋敷に何が起こったのか、その3つの死体はかつてこの屋敷にいた誰かのものなのかというのが、ひとつめの謎。
その過去を探る刑事を名乗る若い男性は、誰かから命を受けてその真相を掴むべく、当時お屋敷にいた使用人の元を訪ね、話をして聞く。果たして真実を知りたがっているのは誰なのかというのが、ふたつめの謎。
もうみんな結構な高齢の方ばかりなので、記憶が曖昧な部分や、意図的に嘘をついたり隠したりしていることがあるのだが、本当のことを知っているのはただ一人で、その人は、その守らなければならない秘密を抱えたまま、自らこの世から消えようとしている。
真実は二段階の嘘に隠されているため、最後のほうで「そうだったのか」と思わず呟いてしまった。
人の心は目で見ることができないので、本当のことが分からない。相手を思いやることが思わぬすれ違いを生み、悲劇を引き起こすこともある。
優しい嘘で守られた、昔、そこにあるすべてが美しかったお屋敷の話だった。
現在進行形の事件ではないので、ハラハラドキドキというミステリーではない。
当時を知る人物へのインタビュー形式なのだが、途中で挟まれる青年西の森のある人物への報告書のおかげて、なんだか余計混乱する気がした。
でも全体的に良くできているお話だと思う。
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戦前の名家の敷地内から出た三つの白骨死体の正体に迫るミステリー。
関係者たちの証言から語られる“すみれ屋敷”の歴史は、雲の上のような優雅さと不穏な時代の足音、美しさに秘めた激しい感情に彩られ何となく落ち着かない。三姉妹の葵と桜が主軸かと思いきや途中でいきなり爆ぜる三女の茜の存在が鮮烈。
明かされる真実に驚かされながら、秘密を抱えたまま逝った人たち、秘密を抱えたまま生きてきた人たち、互いを想い想われる愛情がひしひし胸に迫る。
終盤短く登場したあの人は幻?いや、どこかでひっそりすみれと共に生きていたと祈りたい。
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由緒正しき名家だった洋館。敷地を掘り起こしてみれば、身元不明の3人の遺体。身元を突き止めるため、当時の使用人に聞き込みに来た若者。調査を依頼したのが誰なのか、若者が誰なのか、明かされないまま聞き込みが進む。使用人は皆なにか隠し事がある様子。名家の麗しい主一家のことが語られているのに、嫌な空気がつきまとう。
評価が高いのもわかる面白さではありましたが、登場人物にあまり共感できなくて、私は今ひとつ。直前に読んだ本数冊と情景がかぶってしまったのもたぶん乗れなかった要因。やっぱり明るいのと暗いのと順番に読もうっと。
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2001年、戦前の名家である旧紫峰邸から二つの白骨死体が発見された。その真相をめぐり当時の関係者らに話しを聞いて回るうち、意外な真相へと導かれていく。
ゆっくり読むつもりが、証言者によって二転三転する展開につられ、するする読み進めてしまった。
時代の物悲しさと、すみれが匂い立つような三姉妹の美しさに魅せられながら、いつの間にか話に引き込まれていく。
何人もの人物が入れ替わり証言を重ねていくような物語は、もどかしいながらもついつい読んでしまう。
嘘か、本当か、記憶違いか、忘れたのか。
同じ話しをしても、語り手によってガラリと印象が変わる所もワクワクする。
最後まで読んだ時にみえる「罪人」は一体誰であったか。人によって意見が分かれそうな結末が尾を引いた。
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戦争と金持ちとすみれが織りなす、ミステリー。
聴取編と告白編に別れていて、一緒に推理しているように読めて楽しかった。
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ミステリーというと悲惨で、悲しい、救われないというようなイメージがあったんですが
これは実に暖かい、優しさに溢れた物語でした
過去の出来事を現在に生きる証人から紐解いていく
語る人間が変われば印象も変わり新たな情報も出てくる 真実を語っているとも限らない
真相が明らかになった時、感じたのは人々の優しさでした
読後には非常に爽やかな気持ちにさせられました
ちょっと盛り上がりには欠けるか