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投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物が、なんともまあ豪華絢爛。
どれだけ労力がかかっていることやら。
それとも、このお方にかかっては、何でもないことなのでしょうか?
最後に姓を明かされる、語り手は実在してるのか、ちょっと気になるけど・・
紙の本
幻の本屋に導かれて
2020/07/20 16:52
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
1冊の本と、明治に生きる知識人たちとの出会いがドラマチックでした。弔堂のご主人の過去や、塔子さんの上の名前も明かされていて嬉しいです。
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近京極作品で「男尊女卑観」とそこからの解放が
話に組み込まれているのをよく見るのだけれど、
マイブームか何かかしら。
以前からなかったわけではないけれども。
内容的には1巻とほぼ変わらず。
あの人やその人が来店。
すごく思わせぶりだった塔子さんは創作?
それはまた、別の話。
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投稿者:ムギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ第2弾、語り手は薩摩士族の少女。本を読んだことがない少女が男尊女卑の風潮が残る中、いろいろな思いをかかえてながら生活している。うまく言葉に言い表せない気持ちをかかえながらも、弔堂のご主人やそこに来る人々との会話を通じて彼女の心も変化していく。
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濃い。
今回もとびきり洗練された言葉の渦に
呑み込まれてしまいそうだった。
ほぼ全編でオマージュされた柳田國男の
頭の中まで覗き込んだような感覚に
思わず眩暈すら覚えた。
今作の狂言回し 塔子の存在も大きい。
実在の偉人たちとのやりとりは格別。
早くも三作目が待ち遠しい。
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書を弔う、とは言いますが、始終ヒトに対する愛とあわれみに溢れている小説ですね。
文章に京極夏彦さんの繊細さと慈しみと優しさが感じられました。
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文庫化。
京極夏彦自体を久しぶりに読んだような気がするな。講談社ノベルズのシリーズもそうだが、こっちもなかなか新刊が出なくてツライ……。
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書楼弔堂(破暁)の続編。
明治という日本の歴史の大きな転換期に奔走した賢人たちと古書店を営む元僧侶であった店主との「本」を通じての対話が面白い。前作に続き、その人に合った1冊の本を紹介していく。
自分にとって大切な1冊の本ってなんだろう。これまでに読んだ本はそれなりに感動を与えてくれているけれど、この「書楼弔堂」でいう1冊の本にであっているだろうか。自分にとっての1冊の本が見つかるまで、マイペースで本を読んでいきたい。
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つらつらと、書き連ねているものがあります。
文字にする前に、消えてしまったものもあります。
折角文字になったのに、失くしてしまったものもあります。
ことばも同じ。
積み重ねてきたことば。
消えてしまったことば。
ことばには、恵まれていると思う。
子供の頃からいろんな種類のことばに触れられる環境があって、ぁあ、種類というのは新旧古、みたいな意味で別に独仏ラテン語に通ずると云うわけではないですよ! いろんなことばを仕入れられてきたなぁ、と思っていて。
けれど、なのに。
この、オレから出ていくことばの虚しさたるや、何だ。
なーんつって。
書楼弔堂、待望の続刊である。これはこれは…なんというか椀飯振舞。誰を誰、と云うと仕組み上のネタバレになるのでアレですが、もう登場人物が…あれやこれや。終盤、振舞過ぎて少し勿体無いというか、時代が進みすぎてこのあとどうするんだろうと…と書きながら思ったんだけれど劇中たかだか2年くらいしか経ってないのね。なんという時代よ…
弔うことは、書も、想いも、それがあるべきところに納めること。
ならば、さて。
戯言を、
このままでは嘘になることばを、
せめていつか弔うために。☆3.8。
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身近で大切な命の危機を感じたいま、ご主人の言葉はいつも以上に重い。
人間の弱さを救い上げてくれるご主人の言葉は、こちら側の人間さえも救ってくれる。ご主人のように言葉を解釈できて、発することができたらいいのに、と思う。
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・京極夏彦「書楼弔堂 炎昼」(講談社文庫)のヒロインは天馬塔子であらう。塔子が導いた人物達がこの弔堂で一冊の本を選ぶ。いや、弔堂主人から薦られる、それが物語となる。ただし、多くの物語にはヒロインの他にヒーローもいる。本書も同様で、それが松岡國男である。この二人、物語に必ずといつて良いほど出てくる。颯爽とと言ひたいところだが、実際にはとてもさうはいかない。二人ともいかにも悩ましげである。塔子は女性としての生き方に悩んでゐる。松岡は新体詩を捨ててどうするかを悩んでゐる。この2つの悩みがそれぞれの物語の登場人物にまとはりつきながら、ライトモチーフのやうに物語を作つていく。19世紀から20世紀に移りゆく時代の物語であつた。登場するのは田山花袋、添田唖蝉坊、福來友吉、平塚らいてう、乃木希典、そして勝海舟も加はる。唖蝉坊は有名な演歌師だからわざわざ書くまでもないか。友吉は千里眼や念写を学問的に極めようとした人ださうで、生まれる時と場所をまちがへなければといふ感じであつたらう。私は初めて知つた。本書はこれらの人々の織り成す物語、「迷える人々を導く書舗の物語」(帯)である。
・そもそも弔堂は書店、本屋である。本屋は江戸時代でも本を店先に並べてゐた。ところがここは違ふ。「それは、迚も迚も大きな建物なのに、不思議に景色に馴染んでいて、ともすると見逃してしまう」(36頁)やうな建物で、塔子自身も「そもそもその建物が何なのか判」(37頁)つてゐないのであつた。それでも心当たりの場所へ松岡、田山の2人を案内して行つた。そこは書舗であつた。新体詩から自然主義文学に進まうとする田山に対して、松岡はまだ迷つてゐた。 「私は既に、詩作に情熱を注ぐ気になれなくなっているのです。」(88頁)主人は、「その進むべき道が見定まってから、またお出でください」(89頁)といふ。さうして塔子と松岡は弔堂の客となつていく。夏の炎昼のことであつた。これが本書第1話の「事件」である。以下、「普遍」「隠秘」「変節」「無常」 「常世」と続く。何か思はせぶりな並べ方ではないか。事件が起き、いろいろあつて、最後は世は無常で常世を目指す。季節は夏に始まり正月に終はる。本当は1年以上経つてゐる。しかし、雰囲気は塔子の祖父の病気から死へと暗くなつていく。松岡もまた最愛の人の死に近づいてゐる。常世とは常世の国の意味であらう。不老不死の仙境か、黄泉の国か。死者の国が、たぶん、近づいた。しかし、春が来れば明るいのである。最後に2人に示された書は……これは書かないでお かう。少なくとも松岡には、新体詩に代る新しい世界が開けることを教へてくれるものであつた。いつ果てるとも知れずに松岡にまとはりついた悩みも巻末に至つて消える(ことになる)、たぶん。これは予想されたラストでもあらう。ならば塔子はと思ふ。結局、塔子は新しき女性として生きることになるのであらうか。それを象徴させるものとして、かの書は選ばれたのであらうか。私にはよく分からないのだが、塔子にも分かつてはゐないのかもしれない。ただ、勝海舟の 「声が聞こえたような気が」(540頁)したといふ。これは、塔子がそれを肯定的に理解したといふことであらう。い��れにしても「それはまた、別の話なのでございます。」と例の調子で終はる。この続編があるのであらう。悩み深き女性の物語であらうか。それを待たう。ちなみに、初めの二話はこの部分、「別のお話」と書かれてゐる。これは特に意味のないことであらうか。「お」の有無は行数には関係ないから、たぶん、気にすることはないと思ふのだが、それでも気にした次第。
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2020年7冊目
明治時代の書舗「書楼弔堂」を舞台に、本を読むこや学問を良しとしない祖父に何も言い返せない塔子だったが、乃木希典や勝海舟、平塚らいてうといった偉人たちと交流を通じながら自分と向き合っていく。
江戸時代から明治時代にかけての混乱から立ち直ってきた日本。それでも女性蔑視の風潮が色濃く残っていた時代。幸せの価値観が今とは全く異なった時代。それでも本を読むことで知らなかった世界にアクセスできることの楽しみは、いつの時代も変わっていない気がしました。
本書の弔堂の主人は、自分にとっての一冊があるはずだという。きっと、自分が本を読み続けるのもその一冊に出会いたいからかもしれない。そして、そのための本の旅も決して悪いものではないと思う。
そう言えば、初京極作品かも。
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前作の破曉より面白く感じられた。語り部が女性という事で感情移入しやすかったからかな?時代設定が設定だけに価値観などがその時代に則したものなので理解に苦しむところはあったけれど今の時代にも十分に通ずるものがあると思える。今の歴史に名を残す色んな方々が登場するが一番気に入ったのは「無常」に登場する方かな。塔子ちゃんのその後も気になるところだがいつかわかる話が来るのだろうか。
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作品の中で描かれる歴史上の人物が抱える懊悩が、実話だったのではないかと思う位、人物とその人の歴史を掘り下げて、そして思いを寄せて書いたんだろうと感じる。
そして次作への期待も高まる。
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シリーズ2作目
前作同様に明治の有名人がたまたま弔堂に行きついて、主人と京極節の会話をして本を買って帰る
そしてその人のその後が説明されて各編が終わるスタイル
前作は高遠さんという人の視点で語られていたけど、今回は塔子さんという女性視点
(高遠さん同様に実在しない人か?)
薩摩武士だった祖父の男尊女卑に凝り固まった思想に疑問を持つ
全編通してそんな事が語られているけど、その辺のくだりは平塚さんのところが顕著
他にも田山さんだのおっぺけぺーの人とか、鈴木光司のリングで説明されてた透視実験の人とか乃木さんとか
どの人も後でWikipediaで来歴を読むと、「本当にこんなやり取りがあったんじゃないか?」と思ってしまうほど
流石は京極さん、フィクションなのに史実を基にしているからリアルとの境界がわからねぇ
アニメで明治東亰恋伽をながら見してたので、明治の有名人はなんとなく知ってるけど、どこまでリアルな設定に基づいているのかねぇ?
あと、塔子さんと同じく全編登場している松岡さん
名前が最初に出ているので、「もしかしてあの人?」というのが容易に思いつく
そして次第に地方の文化や風習に興味をもつところとかね
こっから後の百鬼夜行シリーズにつながるかと思うと胸熱
破暁は朝、炎昼は昼
となると、夕方や夜のタイトルの続編あるわけですよね?