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AIと政治との関わりを考えるきっかけとなる好著
2021/02/26 17:13
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
SNSは個人が様々な人や情報との接点を持つことを可能にし、その結果として2011年当時の「アラブの春」と言われるような、情報統制下の民衆に広く情報を提供して民主化を加速する要因となりました。一方、2016年アメリカ大統領選挙では、SNSを介してロシアの介入や、現在に至る民衆の”分断”の原因ともなっています。
科学技術が生活を便利にする一方、使い方を誤ると多くの弊害が発生するのと同様に、SNSもその使い方次第で民主主義を加速することも、また衰退させることにもなります。本書はその後者の側面について、2016年アメリカ大統領選挙の実態に迫りつつ、もはやSNSなしでは成り立たない現代において、SNSから発信される情報とどう関わり合うべきかという点について、警鐘を鳴らす内容となっています。
現代ではネットを通じて個人の様々な行動が本人の意識しない間に収集され、それを基に個人の嗜好や性格に至るまで分析されている状況となっています。2016年アメリカ大統領選挙においてもトランプ陣営はそれをフルに活用し、自陣営への投票を促す政治広告だけではなく、民主党支持者が投票しないようにする政治広告も利用しました。本書に登場する民主党支持者は自らの判断で民主党へ投票しないという行動をとりましたが、それはSNSによる巧みな誘導による結果であった可能性が指摘されています。
SNSで個人がどのような投稿に「いいね」をしたのか、100個ほどのデータがそろえば、その人となりはかなり正確に把握できると専門家は断言しています。その分析(プロファイリング)に基づいて、その人が好むような政治広告を集中的に表示させる技術(マイクロターゲッティング)が確立されると、もはや自分とは異なる価値観や考え方に触れる機会が奪われ、分断が深まる(フィルターバブル)という構図が本書で解説されています。
このような時代に、情報とどう向き合うべきかという点を本書後半で述べています。情報過多と言われる昨今ですが、情報の質を見極める力が問われているのは間違いなく、これからの時代で非常に重要なテーマを分かりやすく扱った1冊だと思いました。
『AI vs.民主主義 高度化する世論操作の深層』
2020/08/31 20:39
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2016年のアメリカ大統領選挙
総得票数ではヒラリー・クリントン候補が286万票も多く獲得したにもかかわらず、民主党の牙城だった3州をトランプ候補が7万7千票差、率にしてわずか1.1ポイント差で制した結果、選挙人総数で上回り勝利したと言われる
この7万7千人に個別に有効な政治広告を届ける技術がSNSを利用した「マイクロターゲティング」だった
AIを活用して個々の有権者にカスタマイズした政治広告を届ける──夢物語のようなことがすでに起き、民主主義を脅かそうとしている
NHK国際部、社会番組部が渾身の取材で明らかにしたトランプ陣営のデジタル選挙戦略の取材記録
(2018年11月に「クローズアップ現代+」で放送)
この大統領選挙にはフェイスブックから流出した8700万人分の個人データが使われた疑惑もあり、知らずに利用するこわさを実感する一冊
《米フェイスブックは26日、米アップルが近く導入する新基本ソフト「iOS14」の搭載端末からは、自社のアプリを通じた利用者ごとの端末データ収集をやめると明らかにした。》──「ブルームバーグ」2020.8.27配信記事
利用者側にとっては個人データ提供の歯止めになる変更となる
……NHK政治部にも渾身の取材を期待したいところだが
考えさせられました&ゾッとしました
2020/03/12 07:50
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
米大統領選挙を引き合いに出し、個人情報をAIが分析することで選挙結果がどう変化するかをNHK取材班が分析した1冊です。
AIが民主主義の土台を崩す代物になるのでは・・・と、読み終えて考えさせられ、かつゾッとしました。人間はAIの扱い方に気を付けなければならないな、と感じました。
かなり内容が重い1冊です。文章は多少難しく、読み進めるのは簡単ではないでしょう。
AIと政治との関わりを考えるきっかけとなる好著
2024/12/20 18:05
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
SNSは個人が様々な人や情報との接点を持つことを可能にし、その結果として2011年当時の「アラブの春」と言われるような、情報統制下の民衆に広く情報を提供して民主化を加速する要因となりました。一方、2016年アメリカ大統領選挙では、SNSを介してロシアの介入や、現在に至る民衆の”分断”の原因ともなっています。
科学技術が生活を便利にする一方、使い方を誤ると多くの弊害が発生するのと同様に、SNSもその使い方次第で民主主義を加速することも、また衰退させることにもなります。本書はその後者の側面について、2016年アメリカ大統領選挙の実態に迫りつつ、もはやSNSなしでは成り立たない現代において、SNSから発信される情報とどう関わり合うべきかという点について、警鐘を鳴らす内容となっています。
現代ではネットを通じて個人の様々な行動が本人の意識しない間に収集され、それを基に個人の嗜好や性格に至るまで分析されている状況となっています。2016年アメリカ大統領選挙においてもトランプ陣営はそれをフルに活用し、自陣営への投票を促す政治広告だけではなく、民主党支持者が投票しないようにする政治広告も利用しました。本書に登場する民主党支持者は自らの判断で民主党へ投票しないという行動をとりましたが、それはSNSによる巧みな誘導による結果であった可能性が指摘されています。
SNSで個人がどのような投稿に「いいね」をしたのか、100個ほどのデータがそろえば、その人となりはかなり正確に把握できると専門家は断言しています。その分析(プロファイリング)に基づいて、その人が好むような政治広告を集中的に表示させる技術(マイクロターゲッティング)が確立されると、もはや自分とは異なる価値観や考え方に触れる機会が奪われ、分断が深まる(フィルターバブル)という構図が本書で解説されています。
このような時代に、情報とどう向き合うべきかという点を本書後半で述べています。情報過多と言われる昨今ですが、情報の質を見極める力が問われているのは間違いなく、これからの時代で非常に重要なテーマを分かりやすく扱った1冊だと思いました。
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