紙の本
冨山さんの危機感がビシビシ伝わってくる本。
2020/09/25 10:13
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投稿者:オオハシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
冨山さんの危機感がビシビシ伝わってくる本。
ちょっと危機感を表出しすぎて逆に本質が見えにくくなってしまうかもしれないというぐらいが個人的な見解です。
しかしながら産業再生機構でカネボウやダイエーと直接かかわってきた『経営実務家』(さらに本当に社員の給料が払えなくなるぐらいのキャッシュの生々しさも経験している方)であるたがめ、その経験から発せられるメッセージはしっかりと受け止めねばならないんだな、と思う。
ここのところ多くの本を読んできていて佐宗さんの本とかファクトフルネスからシン・ニホン、両利きの組織を作る、両利きの経営、世界標準の経営理論と読み進めてきたので、おおむね両利きの経営の根本の考え方・概念が見えてきてからこの本にたどりついたので、メッセージはよく伝わるが厳密なところでは深化と探索という表現をよく用いられた学者としての入山先生とは少し違うんだなと感じました。(あくまで個人の所感) 両利き経営への提言と自らが格闘してきた?日本カイシャモデルへの提言、これだけの実績をお持ちの方のメッセージだからたとえ表現方法が厳しすぎると思いつつも歯を食いしばって学んでいかねばな、と思います。
個人のレビューなので、あくまで個人的な話をすると、前半部や憲法改正的概念のところぐらいまでは勢いつけて読み進められたけど、後半部分が少しスピードダウンしてしまいました。すみません。 方法論、というところのはずが、自分の浅はかな経験と変なすりあわせをしてしまったから、ざらつき、を感じてしまったからなのかな。
この提言が、10年・20年後にどうなっていくのか、また、確認したい。今回の抜粋は書籍のラストの文から。
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P382
いずれにせよ、会社のために滅私奉公することが、必ずしも「業によって事をなす」ことに結実しない時代。 個人の職業人としての生き方、働き方をより直截に世の中へのお役立ちとその対価に関連づけていくことが、会社としても、個人としても重要な時代が来ている。これこそがCX時代における個人としての生き方のトランスフォーメーションの第一歩になる。
そして、人の役にたてる業(わざ)を持てれば、それなりに食えるようになるし、その上でまだ業(わざ)の余力があるなら、あまり対価をもらわずに世のため人のためにそれを使う自由度も生まれる。 こうなると人生はかなり愉快である。 一回切りの人生、どうせなら愉快に過ごそうではないか。
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しかしながら超個人的には、この文のほうが効いたな。
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P251
日本的カイシャの内部環境に適応し、出世してきた人材、特に日本人中高年男性にかかる能力を持っている人がたくさんいる確率は低い。私はテクノロジー系でそういう人を何人か知っているが、日本的マネジメントの価値観では、「面倒な人」「無駄に敵をつくる人」「(社内)人望のない人」ということで途中からメインストリームを外される人がほとんどである。
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Transformated な会社として上がるのは
・リクルート、稼ぐことへのこだわりの強さ、みんなが終の住処と思ってない文化、カリスマに頼らずに成長。デジタル化も上手くやり、インディード買収も成功
・キーエンス
ローカルをデジタル化し、人材と資金を注入してイノベーションを起こしていくことで新たな成長をうながす。そのサイクルを強める
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読み応え十分。冨山節炸裂の本。個人的にとても共感するしこれに近い考え方で今も実行中だしこれからの実行していくつもり。
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全体的な評論に興味なし。ここまで経験から敷衍できるといいが、学ぶ側はこういう批判的な概論に惑わされず、やるべきことをリアルに掴んでいきたい
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今年読んだビジネス書の中では、私にとっては、ベスト。
第1章にある通り、「今こそ日本的経営モデルから完全決別せよ」が主題。そして、新しい時代の経営モデルに乗り移り、会社自体を生まれ変わらせよ、すなわち会社のトランスフォーメーションを進めよ、という内容。
筆者は、ご自身でも修羅場をくぐって来られた方なので、議論が具体的で説得力を感じた。
内容に異論はほとんどない。
どうやって、現実問題として、トランスフォーメーションを進めていくつもりなのか、という事を、この本を読んだ人は問われている。
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前作「コロナショック・サバイバル日本経済復興計画」に続き、コーポレート・トランスフォーメーション(会社を変える、作り変える)という対策が書かれた本。
感想。「今のままではダメなんだ」という主張が長く続くのです。どれもなるほどと思います。でも、私は早々に、むしろ前作を読んだ段階で「今のままではダメなんだ、変わらないとダメなんだ」と共感済なので、長い主張と自分の期待にギャップを感じました。
この本によく登場する「両効きの経営」も読んだ後なので、、なんとなく道足りないような感想。
備忘録。
・全体の中では少ししか触れてなかったが、地方の国立大学と地方銀行と行政がしっかりタッグを組んで、人材を地方に残し、ノウハウも伝えて、地方創生する、というくだりが、なるほどと思った。
・最後に書かれていた個人の生き方もグッときた。グローバルの世界でトップを目指すか、ローカルの世界でかけがえのない人材を目指すか、そこに上下関係はない。大事なことはその人がどれだけ役に立っているかである。そこで繰り返し検証すべきは、自分ができること、やりたいこと、やすべきことが重なっている仕事ができているかである。もしそうでないならば、できることを広げるか、やりたいことを他に探すか、やるべきことを変えるために会社や仕事を変えるか。若い人はまず出来ることを広げたい。
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『コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える』(冨山和彦 著/ 文藝春秋)vol.561
https://shirayu.com/blog/topstory/strategy/9421.html
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以前読んだ「コロナショック・サバイバル」の続編にあたる本。
コロナショック・サバイバルは薄い本だったが(内容が薄いという意味ではない)、
こちらは骨太で重厚な内容。
※コロナショック・サバイバル
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4163912290#comment
結論的に言うと、日本版「両利きの経営」というスタンスの本か!?
(両利きの経営、まだ読めていないけど…。)
著者の表現を借りると、「両利きの経営ができるような、経営力と組織能力を持っていないと、今後企業はは生き残れない」ということだろうか。
結構骨太な内容な上に、著者のスタンスが良くも悪くも振れ過ぎているため、
読むと賛否両論に分かれそうだ。
(或いは、「この部分は賛成・共感だが、この部分は絶対反対」みたいになりそうだ。)
正直、自分はどうかと言われると、著者の意見に賛同するところは多々あるけれど、
この改革案では今回も日本企業は変われないな…というのが正直なところ。
というのも、著者のスタンスが、完全実力主義的な考え方に基づいていて、
おそらくこの考えが理想なんだが、これだと日本国民の上位5%くらいしかついてこれないような気がする。
日本はどちらかと言うと、階層をきちんと拾い上げる(見捨てない)文化があるような気がしていて、
その層から圧倒的な反対を受けそうだ。
そうなると、結局、政治も身動きが取れなくなるし、
(大)企業といっても、そういった人たちが相当数いるので、
彼らを見捨てるのは現実的に厳しいだろう。。
改めて経営って難しいなぁ…と感じさせられた。
まずは、どこかで早々に「両利きの経営」を読まないと。。
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【会社がコロナ危機後を生き残る唯一の方法】コロナ破綻を避けるため、デジタルトランスフォーメーションをやり遂げよ。そのためには会社組織を根こそぎ変えよ。全ノウハウ公開。
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企業が生き残るためには、常に環境に合わせた変化が必要だ。
これはよくダーウィン進化論を引用されるが、この点については疑問を挟み込む余地はないと思われる。
話は単純。「生き残りたければ、変化しろ」ということだ。
そこで「どうやって変化するのか?」という疑問が出てくる。
現状儲かっている事業を捨て去ることはできない。
もちろん、それらが稼ぎ出しているキャッシュは、次の変化を促すためには大変重要な原資となりえるために、みすみす手放す必要すらない。
変革を推し進めるには、これら既存のキャッシュを生み出してくれている人たちに対して、どうやって納得してもらうのかという問題があるのだ。
これが「両利きの経営」ということ。
既存事業でキャッシュを稼ぎながら、変革をしていくということだ。
しかしこれは理論であって、実施するには相当にハードルが高いだろう。
本書では、会社の悪しき慣習をまず変えること。
当然に短期間での変革が望ましいが、それらが無理な場合でも必ず変革をやり遂げるという、経営陣の覚悟が必要なことを上げている。
至極まっとうなご意見である。
悪しき慣習の変革とは具体的に、新卒一括採用、年功序列、マネジメント層の中途採用、メンバーシップ型の取締役会、ダイバーシティ、女性活用、外国人活用などなど。
これらに加え、ペーパーレス、デジタル化、無駄な会議の削減なども入ってくるだろう。
当然にこれらをやり遂げるには、現場からのボトムアップでは無理だ。
変革の責任を背負えるリーダーからの発信が絶対に必要。
そこで、そんなリーダーをどうやって見つけるのか。育てるのか。
メンバーシップ型で一丁上がりのサラリーマン社長では絶対に変革は無理だ。
まずは本書でそれを指摘している。
これもまた当然だ。社長がヤル気ないのでは、社員が進んで行うはずがない。
本書の後半は、急にローカル再生に話が向かう。
両利き経営を行うために、改革が最も必要なのは地方企業、しかも大手でなく中小なのだという。
勿論異論はないが、ここからは自分の環境とかけ離れた話になっていくので、少しトーンダウンしてしまった。
しかしコロナ禍の状況では、地方再生は一つのチャンスとも取れる。
(直前の読了図書が「シン・ニホン」だったことも影響していると思う)
人口過密地帯の都市部は、それこそ今回のようなパンデミックには非常に脆弱だ。
開・疎である地方が今後どういう付加価値を生産していけるのか。
まさに地方こそCXが重要というのは非常によく分かる。
感覚的にはこれからの10年でどこまで世界が変化していくのか。
我々がそれら変化にどうやって対応していくのか。いけないのか。
焦りと共に、気持ちを入れ替えねばと改めて感じてしまった。
「生き残りたければ、変化しろ」
「変化に対応できなければ、滅びるだけだ」
もちろん頭では分かっている。
体が反応して動けるかどうか。
ここが人生の勝負の分かれ道のような気がするのだ。
(2020/8/8)
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冨山さんの危機感がビシビシ伝わってくる本。
ちょっと危機感を表出しすぎて逆に本質が見えにくくなってしまうかもしれないというぐらいが個人的な見解です。
しかしながら産業再生機構でカネボウやダイエーと直接かかわってきた『経営実務家』(さらに本当に社員の給料が払えなくなるぐらいのキャッシュの生々しさも経験している方)であるたがめ、その経験から発せられるメッセージはしっかりと受け止めねばならないんだな、と思う。
ここのところ多くの本を読んできていて佐宗さんの本とかファクトフルネスからシン・ニホン、両利きの組織を作る、両利きの経営、世界標準の経営理論と読み進めてきたので、おおむね両利きの経営の根本の考え方・概念が見えてきてからこの本にたどりついたので、メッセージはよく伝わるが厳密なところでは深化と探索という表現をよく用いられた学者としての入山先生とは少し違うんだなと感じました。(あくまで個人の所感) 両利き経営への提言と自らが格闘してきた?日本カイシャモデルへの提言、これだけの実績をお持ちの方のメッセージだからたとえ表現方法が厳しすぎると思いつつも歯を食いしばって学んでいかねばな、と思います。
個人のレビューなので、あくまで個人的な話をすると、前半部や憲法改正的概念のところぐらいまでは勢いつけて読み進められたけど、後半部分が少しスピードダウンしてしまいました。すみません。 方法論、というところのはずが、自分の浅はかな経験と変なすりあわせをしてしまったから、ざらつき、を感じてしまったからなのかな。
この提言が、10年・20年後にどうなっていくのか、また、確認したい。今回の抜粋は書籍のラストの文から。
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P382
いずれにせよ、会社のために滅私奉公することが、必ずしも「業によって事をなす」ことに結実しない時代。 個人の職業人としての生き方、働き方をより直截に世の中へのお役立ちとその対価に関連づけていくことが、会社としても、個人としても重要な時代が来ている。これこそがCX時代における個人としての生き方のトランスフォーメーションの第一歩になる。
そして、人の役にたてる業(わざ)を持てれば、それなりに食えるようになるし、その上でまだ業(わざ)の余力があるなら、あまり対価をもらわずに世のため人のためにそれを使う自由度も生まれる。 こうなると人生はかなり愉快である。 一回切りの人生、どうせなら愉快に過ごそうではないか。
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しかしながら超個人的には、この文のほうが効いたな。
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P251
日本的カイシャの内部環境に適応し、出世してきた人材、特に日本人中高年男性にかかる能力を持っている人がたくさんいる確率は低い。私はテクノロジー系でそういう人を何人か知っているが、日本的マネジメントの価値観では、「面倒な人」「無駄に敵をつくる人」「(社内)人望のない人」ということで途中からメインストリームを外される人がほとんどである。
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間に合わせ?で書かれたコロナショック・サバイバルはコロナのインパクトなど改めて認識をする意味で良かったが、こちらは要は「これから日本企業は変わらねばならないそのためにはリーダーが強い意志を持ってCXを断行しないといけない」という事を大方針として記載してるだけかな。
日本にはL型産業及びG型産業でも地方企業がGDPの9割を占めるので地方創生は日本の大きな課題というのは情報としてなるほどだったけど、この本はそういったL型産業の地方の中堅・中小企業の社長もしくは経営幹部に向けて書かれたのだろう。私のようなそこら辺のサラリーマンではなかなか手をつけられないような改革案が多くいつしか自身が所属している会社を客観的に評価し始めてる自分に「いかんいかん…」と思いながら読んでいた。
この本を読んでまずは
・スマイルカーブの両端を狙う施策を意識
・両利きの経営を読む
・ROICは指標を分解して組織に浸透させる
あたりをやってみようと思う。
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https://www.silkroadin.com/2020/10/blog-post.html
合理的に機能しなくなったと言われている日本企業。
本書はこれからの時代を生き残るための日本企業の変容計画について書かれました。
これから企業は、過去の日本的経営から抜け出し、両利きの経営を目指す必要があると著者は言います。
新しいサッカー的なビジネスをやるために、野球向きの選手や組織のまま、外だし的にサッカーチームを作り、そこでちょこちょこサッカーをやってみても埒があかない。サッカーの素質のある人間を集め、あるいはM&Aで組織ごと獲得し、新しいモデルの中核事業、中核機能の一つと位置付け、今、稼いでいる野球集団と、これから稼いでもらうサッカー集団の両方が共存できるような、両利き的な組織アーキテクチャへと会社のカタチを作り直さなければならないのだ。(引用、コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える/冨山和彦/文藝春秋)
わたしたち個人はそれぞれどんな生き方をしていくべきかについて、そこに正解はありませんが、
そこそこ食べていくことが出来て、それなりに人の役に立つこと、その上で重要なことが本書では共有されています。
綺麗ごとではなく、事業は人の為にあるという本質的な理解を再確認することが出来る書だと感じました。
世の中が変われば企業もわたしたち個人にも変化が求められます。
新しい時代で生きていくための変容計画を個人でも、ご参考にいかがでしょうか。
是非ご覧ください。
コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える/冨山和彦/文藝春秋
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両利きの経営、探求と深化
コーポレートトランスフォメーション 日本経営からの脱却
Venture for America
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コロナを危機ではなくむしろ「機会」と捉え、バブル崩壊以降長きに亘って放置・温存されてきた「日本的経営モデル」の根本的な転換に向けた方策を提示する一冊。
デジタル化の進展に伴う産業レベルでの構造転換の時代に必要な「両利きの経営」、すなわち既存事業の「深化」と新たな成長機会の「探索」の両立が不可欠となっている今日の経営環境において、連続的改良・改善を前提とした同質的・固定的な共同体としての日本型「カイシャモデル」は既に陳腐化しているにも関わらず、人事・組織・財務・ガバナンスといった複数要素の整合の上に確立された既存の経営システムから脱却できない日本企業には、本業の稼ぐ力の強化や事業ポートフォリオの新陳代謝、また組織能力の多様化・流動化が大きな課題となっている。
著者は特に、GDPの7割を占める地方経済圏、中堅・中小企業経済圏の改革が重要であり、コロナを機に東京一極集中の流れが変わる可能性があるとして、これまで以上に組織の「内と外」の関係が流動的になる中では、より個人としての働き方の価値観が問われる時代になり、企業もそれに合わせた人事制度や組織戦略へと”トランスフォーム”する必要があると説く。大著故に多くの論点にキャッチアップするのは読み手として大変な側面もあるが、それだけに読み応えも大きく、「社会を構成する一人ひとりの主体性と能動性」であるとする著者のメッセージが心に響く良書。