納豆侮るべからず
2020/09/18 23:10
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投稿者:うみべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の納豆の知識をこどごとく粉砕してくれた画期的な本。納豆の元祖は水戸→×源義家が納豆の発祥→×・・・。特に日本だけかと思っていた納豆が東南アジアでも食されていたこと、またその作り方や料理、調味料として使われていることも驚きだった。手前味噌ならぬ手前納豆というのもなるほどなと思わせた一冊。
納豆という食べ物を巡るノンフィクション作
2021/04/30 17:43
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投稿者:文学少年A - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本にはいつ納豆があっただろうか・・・と兵庫県のジュンク堂書店で購入し、1年くらい積読して、今年(令和3年)に読書開始。ほかの本も読みつつページをめくっている。ちなみに単行本版も持っていて、内容はほとんど変わらない。作者の探求心もさることながら実際に納豆づくりの現場から作者が実際に納豆を自作する行動力は到底真似出来ない。
手前味噌ならぬ、世界の「手前納豆」を探した旅行記
2020/11/18 19:29
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投稿者:オカメ八目 - この投稿者のレビュー一覧を見る
当たり前だが、本書はどこを開いても「手前納豆」と、それを作る人と、その人と、その「納豆」とに、著者が出会うまでの不思議な縁を、いくつも描いている。 それが、なかなかの、ある種のスリルが有り、読む側をあきさせない。 また、結果的に「納豆から見た民俗学」になっている。
旅行記と、納豆が好きな人には、おすすめの一冊。
常識を覆す納豆論
2020/06/18 21:31
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
多くの日本人にとって、納豆とは外国人と日本人を隔てるある種の踏み絵のようなものであり、納豆で外国人を試してみたりもする。しかし本書はアジア各地で納豆が食べられており、そのバリエーションも日本より多様だったりする。中には日本では失われた納豆を汁に入れて食べるような風習も残っており、貴重な一冊。日本以外の納豆について記した学術書もあるようだが、そこにはないことについても書かれていると思う。
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十数年前にミャンマーの密林で食べた納豆ご飯の記憶をたどり、アジア各地に納豆のルーツを探すという、なんとも高野秀行氏らしい壮大なエンタメノンフィクション作品。
本作を読んで驚いたが、タイやミャンマーなど東南アジアの一部地域には、確かに日本の納豆と非常に似た食材が存在している、と言うより日本よりはるかに洗練された納豆文化が根付いている。しかも納豆を食べている地域は、タイやミャンマーなどの東南アジアだけではなく、ネパールや中国の湖南省など、アジアの広い地域に点在していたのだ。
納豆文化が根付いている地域には共通点があって、それは割と海から離れた内陸部である事、そしてもう一つの共通点は、マイノリティのソウルフードという事だ。ミャンマーのシャン族やナガ族、中国湖南省の苗族、そして日本の納豆発祥地である秋田県は、かつて蝦夷の拠点だった地域である。アジア各地の辺境の民に、共通した食文化が存在しているとは、とても興味深い。
ネパールの美少女や東北の納豆名人、そして大学時代の先輩から愛犬まで巻き込んだグローバルな納豆珍道中は、読み終えるのが惜しいくらい久々にエキサイティングな読書体験だった、次回作のアフリカ編がとても楽しみである。
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面白いの一言に尽きる。そもそも納豆が日本以外の国にもあるなんて思いもよらなかったが、「へぇー納豆って外国にもあるんだね」ですまずに、納豆とは何か?納豆の起源は?自分で納豆を作る!というところまでいくのが、他の人にはできない書けないノンフィクション 。
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納豆食べない関西人なので納豆にどうしても興味が持てず単行本出たときは見送ってたんだけど、この度文庫になったので一応読んでみるかと思って買った。
今後も納豆食べることはないだろうけど高野さんが納豆にはまってる様子はおもしろかった。
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日本の文化といえば、納豆。
そう思っておりましたが、冒頭の1ページはおろか、タイトルからすでに、そんな幻想が消え失せてしまい、衝撃とともに。
納豆で思い出すのは、茨城へ旅行へ行った際、味噌汁にも納豆が入っていて驚いたこと、本当に藁に入った状態で販売されていたことです。
発泡スチロールに包まれた納豆しか見たことなかった自分にとって、あのときもなかなかの感動がありましたが、それをいとも簡単に超えてくる、納豆の世界がこの本の中にありました。
肉も魚も取れない、山岳地帯において、重要なタンパク源とされた納豆。
発酵という製造工程を経ているので、保存も効く上、健康にもよい。そんな便利な食品だからこそ、各地で独自の進化を遂げてきたのでしょう。
納豆を軸にした、アジアの文化史。
日本の納豆というフィルターを通してみた、アジアの納豆。そして、逆にアジアからみた日本の納豆。
そんな納豆論が、ものすごく新鮮で、惹きつけられました。
実はワラでなくても納豆は作れるのです。
読み終えて、納豆に関する幻想が吹き飛ぶことでしょう。
そして、読み終える頃には、納豆を買いに出かけること間違いなし!
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だめだ、面白すぎる。
アヘン王国潜入記からツボに入って講演会まで行ってしまった高野さんが、アジアの辺境各地で食べられてきた納豆を取材し、やがて西南シルクロードを連なる納豆の神秘…?を解き明かすルポだ。
さすが高野さん、ニュートラルにクレイジーで、そしてどこまでも好奇心に誠実だ。
ほかにここまでアジア全体の、辺境の民の食卓の、お客さんに出すほどのものでは…(だけど自分たちの納豆が一番うまい)に上がり込んでおいてその製法を分類し(しかもその表現が絶妙に上手い)、歴史的経緯や人類史のレベルまで鮮やかに考察するのはさすがとしかいいようがない。他の「納豆本」の追随を許さないに違いない(他の納豆本の存在はしらないが)。
あまりにも真面目に、何かの使命に駆られるように水戸から首狩族から各地の納豆を取材しまくり、「国際納豆犬」マドに食べさせたり、果ては自分たちで作ってみようというところに行き着いてしまう。
とても真似できないが、できないからこそ憧れる。
そして、出会った人たちの家に上がりこめてしまう高野さんの相手との接し方は、いつもながら対「人」への敬意と観察が感じられてとても好きだ。その眼差しを通じて、納豆というよく考えれば珍妙な、しかし生活に欠かすことのできない代物を、同じような食べ物として海の向こう、山奥の藁葺き屋根の下で毎日うまいうまいと食べている人たちのことを想像することができるのだ。
納豆カレーはうまいけど、納豆トーストはやったことがない。やってみようっと。
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アジアで作られているという"アジア納豆"を探しに行くドキュメンタリー。
作り方は違うものの匂いや味は日本の納豆に近いという。
いつも食べている納豆なのに知らない事だらけ。
まさかアジアにも納豆があるだなんて…
結構分厚いけどおもしろいのでどんどん読めます!
学者さんじゃないのに好奇心だけで
ここまで追い求めるのはすごいと思いました。
(間違っていたらすみません)
地名や民族に馴染みがないので
途中途中わからなくなることがあったので
自分でわかりやすい様にメモを取りながら
読み進めていますが、
自分で自分がどこを目指しているのか
分からなくなりました。
そしてアフリカ編も出ているので早く読み終えなければ…!
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毎日朝ごはんで食べる納豆がこんなに奥深い食品だったとは!アジアで納豆が食べられていることに驚き、しかも納豆文化は日本より根付いている。納豆を求めてアジア各国を旅するだけでなく、日本納豆の起源を考察してみたり、納豆を自作したりと盛りだくさんの一冊。
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ひょんなことからアジア納豆を追うことになった著者。行動力と操る言語は健在で、東南アジアから日本国内を巡る。その中で、日本は納豆先進国ではなかった。アジアでも日本でも納豆づくりを体験し、本書は次第に納豆文化人類学の様相を呈してくる。それが深く、また面白い! 続編も楽しみだ。
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納豆を探して巡る辺境の旅!約500ページのドキュメンタリー。高野ワールド炸裂で全く飽きさせない。納豆の食文化を通じての民俗学、文化人類学研究と言っても過言ではない作品。読むだけじゃなく、実際にそんな旅をしてみたい。
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フィールドワークと実践で当たり前に思っていることを解き明かしていく。
過程も面白いし説得力もあるので納得できる。
海外では見かけたこと無かったから日本特有だと思ってたけど違うとは。
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納豆って日本だけのソウルフードじゃないんだ。
藁じゃなくてもできるんだ…
納豆感が変わった一冊。
納豆を中心に色んな国、文化が登場し、それぞれで食べ方や作り方が違う。だけど納豆。
楽しい一冊でした。