権力は、時に恐ろしい面を見せる
2024/05/18 09:29
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投稿者:M.F - この投稿者のレビュー一覧を見る
1985年に発生した、日本航空機の墜落事故の真相を、探求した本である。
この本の著者が、複数の目撃証言等を元に、(場合によっては専門家の知見も借りながら)推定した事柄が、もし正しいのであれば、本当に恐ろしいことがなされたものだと思う。
私も日本人であるから、この本の著者が推定しているような、なりふり構わぬ揉み消し工作がなされたとは、(本来であれば)信じたくはない。
しかしながら、数々の目撃証言や当時の遺体の状態(炭化した遺体)等を矛盾なく説明出来るひとつの可能性として、本書の主張するところはかなり有力な一説だと評価せざるを得ないのではないだろうか。
事故機のボイスレコーダーが公開されていないということもあり、完璧に正確な事故原因の推定など、誰にも不可能である。
そのような状況下にあって、本書の主張するところは、(完璧とはならずとも)、それでも、かなりの程度で真実に近づいている可能性が高いと考える。
「本当にそんなことがなされたのか」と考えると悲しくなり、絶望的な気分にさえなるが、民主主義社会における権力というもののありかたを考えるうえでも、多くの方々に読んでいただきたいと思う本である。
驚きの内容でした・・・
2020/07/06 11:07
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
1985年に発生した日航機墜落事故の真相について、元日航キャビンアテンダントである著者が追及したノンフィクションです。
ビックリする内容でした。当書に記される仮説が真実だったとすると、恐ろしくてゾッとします。真相の究明はあるのでしょうか。知りたいですが・・・。
33回忌に「天空の星たち」に捧げられたこの書が、一人でも多くの方の手に取られますよう。
2021/09/04 08:13
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投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
1985年8月12日。
日本航空ジャンボ機123便が、東京羽田空港を離陸して大阪伊丹空港へ向かう途中、突発的非常事態に陥り、群馬県多野郡上野村の山中に墜落。
乗員乗客524名のうち生存者はわずか4名。
史上最大の航空機事故となってしまった。
この事故当時、私はまだ高校生。
その後、「沈まぬ太陽」(山崎豊子著)や「クライマーズ・ハイ」(横山秀夫著)を読んでの断片的知識はあった。
友人が感想を投稿し、また是非にとすすめられたこともあり手に取った。
そして、事の本質について何もわかっていなかったことを思い知った。
著者は日本航空の元客室乗務員。
この事故で、多くの同僚を失っていた。
「圧力隔壁修理ミス」が事故原因だと公式には発表されていたが、本当にそうなのだろうか。
陰謀論や憶測も渦巻く中、その原因にはつじつまの合わない部分が多い。
「私は当時を知る客室乗務員として、また、単独機として世界最大の航空機事故を起こした日本航空の関係者として、不明な点を明らかにしなければいけない、という責任感にかられた」
綿密な取材、わかりやすい記述、そして真相を明らかにしようという執念が、「隠されていた真実」に迫っていく。
突然の出来事に、無念の中で愛する家族への思いを綴った乗客。
自身が生命の危険にさらされる中、最後の最後までプロとしての職務をまっとうした乗務員。
地元の小中学生たちの事故を目撃した当日の文集。
その中で、明らかになる日航機を追尾していた2機のファントム機の存在。
機体の左腹部にみえた赤い物体。
その目撃者は機体から発せられた悲鳴にも近い「キャーン、キャーン」という高音が忘れられないと語る。
「助けてほしい」という心の声を聞いた気がする、と。
「これは事故ではなく520名が亡くなるという事件であった可能性が非常に高い」(巻末の「謝辞」より)
この「事件」の33回忌に「天空の星たち」に捧げられたこの書が、一人でも多くの方の手に取られますよう。
そして著者の、関係するすべての方々の努力が実り、真実が明らかになることを祈ります。
追及してほしい。
2023/09/02 13:50
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投稿者:閑人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっと自分に腹が立ってます。鵜呑みにして日航が悪いとしか考えてませんでした。国民で追及しないといけない案件です。マスゴミはこの時代からだめなんだな。
事実を知ろうとする執念の熱意に身震いする。
2021/11/17 21:36
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
事実を知ろうとする執念の熱意に身震いする。重要な情報が意図的に隠蔽されてるのではと疑いたくなるような不可思議な経過ののち、圧力隔壁の修理ミスという意外な結末であっという間の解決に疑問が生じたのは事実である。しかし、ボイスレコーダの記録の非開示にも見られるように重要な情報が隠蔽されてるのでは我々一般人にはそれ以上の切り口は無い。しかし、著者は様々な証言記録や状況証拠を積み上げることでその疑惑に切り込み、不十分さはありつつも一つの仮説を組み立てることに成功している。逆に、事の重大さにも関わらず、それに対して何等の説明もせず、新たな証拠にも関心を示さない政府の対応はいやが上にも何かを隠蔽しようとしてるとしか映ってこない。やはり疑惑のままに隠蔽、風化していくのかな。実に残念。
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のっけからセンチメンタル過剰な書き振りで、スチュワーデスの視点からの記述は当事者の迫真で引き込まれたが、それ以降の証言の検証や事故原因の究明にあたる箇所まで同じ調子で来られると、おっと、これは用心して読まなけりゃいかん。となる。
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筆者が事故当時の日航CAということで興味を持って。確かに当事者意識が高く、亡くなった同僚や先輩を悼む気持ちや思い入れは強く伝わってくる。が、肝心の「新事実」が…。ほぼ目撃証言だけで導いた仮説は、根拠が弱く飛躍し過ぎ。もっと多角的な調査・検証結果がなければ納得しづらい。他の著書は未読なのでこの書に限って言えば、感情的な表現も目につき、ルポとしてはどうかなと思った。
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日航機事故で同僚を失った元客室乗務員が、人生をかけて調査し、論文調に書き記したノンフィクション大作です。
私は2020年コロナ騒動に当初から違和感を感じ、いろいろ探っていたところ、この本にもたどり着きました。
一見、コロナ騒動となんら関係のないものと思われるかもしれませんが、世の中の構造を知ってしまうと、いろいろと繋がってくるのです。
この日航機事故についてはまだ未解決事件ですので、いつの日か解明され、無残に命を落とされた人の無念がはらされることを願います。
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今日読むのにこれ程ふさわしい本があるだろうか。陰謀説のトンデモ本かなと不安だったけど、公式発表と矛盾する目撃証言を丹念に拾い上げ、憶測を完全に排除した内容だった。ファントム2機の追尾、オレンジ色の物体、ケロシンは灯油なのに現場にはガソリンとタールの焦げた臭い、完全に炭化した遺体… 自身の客室乗務員としての経験を踏まえて記した墜落までの描写は読んでいて緊張感が凄かった。事故の再調査を望むけれども、本書から導き出されるような真実が公開されて、日本社会はそれを受け止める事ができるのか?解説に、この事故でボーイング社に泥を被って貰ったことがプラザ合意にも繋がりバブルを経て現代日本を形作ったって推測があって背筋が冷たくなった。
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自分が小5の時の大事件が未だに終わっていないということに衝撃を受けました。当時小学校の行事で軽井沢に行く数日前だったと記憶していますが、幼心に大ショックでした。もちろん新聞報道に間違いや嘘があるなんて思いもしな年齢なので、そっくりそのまま受け入れましたが、こんな話があったなんて。何が正しいのか確認する術がないのですが、報道に出た時には注視していこうと思います。
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防衛費が膨張し、政府が公言していた「GDPの1%以内に防衛費を抑える」という約束が破られたのではないかというのが、野党の主張だった。自衛隊に対する国民の理解が、いまとは全く異なり、自衛隊に対する批判が根強かったのだ。 そうした世論のなかで、国産ミサイル開発をしていた自衛隊が、ミスとは言え、五二〇人もの命を奪った事故の原因を作ったとすれば、それは自衛隊への批判が強まるどころか、国の存亡にかかわる事件になってしまう。そこで、中曽根政権は、ボーイング社に泥をかぶってもらうことにしたのではないだろうか。
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私は図書館で当日の新聞を読みながら涙した記憶があります。受験を迎える年で、下敷きの当日書かれていた震える手で書いた遺言をしばらく挟んでいた。この図書は、当時に涙した記憶を思い起こしただけでなく、今なお閉ざされた闇があることをしましている。最後の森永氏の解説は、納得できる。今のオリンピックの問題も同じであるが、不正直なものたちに導かれた負の資産を我々が背負わされることを解説しているように思える。きっと墓場まで真実は持ち込まれてしますのであろう。
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本書は、1985年8月12日に、東京発大阪行きの日航ジャンボ機123便が群馬県の御巣鷹の尾根に墜落し、乗員乗客524人のうち520人が亡くなった、単独機では世界最多の死者を出した事故・事件の真相を問うものである。
著者の青山透子氏は、元日本航空国際線客室乗務員で、国内線時代に当該機のクルーと同じグループで乗務。その後、官公庁、各種企業等の接遇教育に携わり、専門学校、大学講師として活動。東京大学大学院博士課程修了、博士号取得。
私は、この事故・事件については、しばらく前に、群馬県警高崎署の刑事官として身元確認班長と務めた飯塚訓氏が、現場で見た127日間を記録した『墜落遺体~御巣鷹山の日航機123便』を読んだが、その真相を問う本・文書に接したのは、不覚にも今般が初めてである。
事故・事件当時私は学生だったが、日本国内の陸上の極めて限定的な地域に墜落し、赤々と炎上している機体が、一晩中発見できないなどということが、本当にあるのだろうか?という疑問を、漠然と抱いたことを思い出す。
そして、本書を読んで、公式発表に対してこのような様々な疑問があることを知り、驚くと同時に、9.11米国同時多発テロや、古くはケネディ米国大統領暗殺をも思い出した。
著者の推測(端的に言えば、自衛隊が誤射したミサイルが当該機に当たったことが墜落の原因)には妥当と思われる部分も多々あるが、一方で、①隠蔽する動機が弱すぎるのではないか?(9.11やケネディ暗殺の疑惑は、真偽は別として、事件に対する国家の積極的な意図・関与が指摘されているが、本件の原因はあくまでもミスであり、明るみに出たときの衝撃・リスクを考えれば、隠蔽しようなどとは考えないのではないか)、②生存者がいる可能性のある現場を、火炎放射器で焼き尽くすなどという行為が、倫理的にできるだろうか?、③生存者4人は②の行為を目撃しているのか?、などの疑問が浮かぶのも事実である
本書を読むだけでは、その真相は即断しようもないが、一つだけ確かなことは、30余年を経た今も、これだけ多くの人々が疑問を感じている以上、公式な再調査が行われるべきということである。それが、亡くなった方、遺族の方、また、上記『墜落遺体』で語られているような、事故に献身的に対応した人びとに対する、最低限の誠意というものであろう。遠からぬ将来、誰もが納得する形で真相が明らかになることを願いたい。
(2021年6月了)
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1985年8月12日、日航ジャンボ機墜落事故。
この事故はいまだに解明がされているとは言えず、数々の疑惑、不審な謎が多すぎます。
目撃された二機の戦闘機、胴体下部に見えた物体、墜落現場特定の遅れ、事故原因の意図的な漏洩など。
もと日航スチュワーデスの著者が調査し、解明をこころみ、事件性を示唆していきます。
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まずは犠牲者の方々のご冥福をお祈りします。
当時の記憶は断片的ながらとても強く残っている。毎年のニュースや、山崎豊子さんの「沈まぬ太陽」での衝撃が、その記憶を色濃くさせた。
事故ではなく「未解決事件」として、膨大な情報から導いた仮説を検証している。そこについて理解はできた。言及はしない。
職務を全うした乗務員の同僚であり友人である著者の、「人を思い行動し続ける生き方」は強く突き刺さりました。