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問題だらけの リニア中央新幹線
2023/02/28 22:44
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投稿者:清高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1.内容
COVID-19によって、移動の需要が激減したから今だからなおさら思うが、現在建設が進んでいるリニア中央新幹線は見直すべきである。本書が引用する橋山禮治郎『リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」』(ただし、筆者未読かつ本書からの孫引きである)によると、「一般にプロジェクトの成功の条件として『経済性が確保されているか」『技術的な信頼性があるか』『環境を破壊することはないか』の3項目を挙げ、『この3点をすべて満たしていればプロジェクトとしては成功と言えるが、その一つでも不十分または不適切であれば、ほぼ確実に失敗に終わる』」(本書p.18から引用)そうだが、リニア中央新幹線はこれら3点を満たすか怪しいものである。電力も新たに原子力発電所が必要なほどだし、人口減や需要減も予見できるし、トンネルを掘っていることですでに環境を破壊している。本書は、リニア中央新幹線の問題点を複数取り上げたものである。
2.評価
(1)本当は推進派の本も読んで判断しないといけないのだろうが、本書は説得力があった。東海道新幹線の問題、ストロー効果、事故が起こった時にどうするかなど、これほど課題のあるプロジェクトだとは思わなかった。
(2)従って、(1)に書いたように、一読に値する本だと思うが、第3章までの根拠を示す姿勢と、第4章の主に思想的な面のトーンの違いが気になるので(第4章の根拠がよく分からない)、その点で1点減らして4点とする。
紙の本
リニアの問題点
2022/09/28 14:25
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
リニア中央新幹線の問題点が一通り触れられているので、何が問題なのかわからないという人はまず本書を手に取ってみてほぢい。ついに着工されてしまったリニア中央新幹線であるが、技術的にも経済的にも課題が克服されたのではない、政治的意図に基づく見切り発車なのであるというおそろしい現実が理解できる。
電子書籍
極端な意見もあると思う
2023/11/05 21:29
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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
間違ったことは書かれていないと思うが、極端な意見も多いと思う。リニア不要論は、個人的には賛成だが、関連する仕事がなくなることも事実であり、複雑な思いがする。
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問題提起
2022/04/20 21:46
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
新型コロナが、日本をいや、世界中をこんなにしている今、果たしてリニア中央新幹線は、必要かーこれは真剣に議論しないといけないと思いました。凍結、または中止という選択も勇気要りますが
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リニア中央新幹線構想を知ったのは昭和の時代で随分前のことになるが、超伝導というすごい技術を使うようだけれど、そんなに速くしてどうなのかなという程度の、あまりに素朴な考えしか持っていなかった。
また最近は、トンネル掘削による大井川水系への悪影響を巡って、JRと静岡県が揉めているニュースを耳にすることが多かった。
本書は、リニア中央新幹線に関する問題点を一つずつ暴いていく。
巷間言われているのとは異なり、相当な電力を必要とし、原子力発電からの供給が想定されていること。超伝導マグネットの冷却材として液体ヘリウムが使われるが、ヘリウムは希少資源で日本は100%輸入に頼っていること。事故が発生した場合の避難が極めて難しいこと。リニアでつながる東京・中部・近畿圏を包含する6000万人メガロポリスの誕生が喧伝されるが、結局東京一局集中が進むのみで地域振興の効果は期待できないこと。トンネルを掘ることによる南アルプス地域の環境への影響が予測し難い上、大量の残土の運搬、処分が大変なこと。もともとはJR東海の事業であったのが、財投を活用して無担保で3兆円を融資するという国家的事業となったこと。
事業単体としては経済的に成功が覚束ないと言われており、様々な問題のあるリニア事業が、どうして国家的プロジェクトとなり暴走してしまうのか?
科学技術も決して中立的なものではなく、国家ナショナリズムと容易に結びつき、政界、役所、企業と癒着し既得権益化することを、原子力ムラの例を上げながら著者は論じていく。
フロンティアを食い潰し、弱者にしわ寄せを押し付ける、現在の資本主義をこのまま延命させるのか、フクシマ、コロナ・パンデミック後の新たな方向性を見出していくのか。
200ページほどで大変読みやすく、リニアを通して現代社会の今後を考える貴重な示唆を与えてくれる。
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保守政党、中央官庁、財界の権力集合体に対してこの本を読んでいる間、ずっと腹がたちまくっていた。
計画当初と今では環境がまったく違うので、もうリニア新幹線はいらない。
リニア新幹線が地下鉄だなんて知らなかった。
南アルプスの自然を破壊しないでほしい。
日本は撤退するのが昔から下手。
太平洋戦争、原子力発電所、オリンピック…。
マスコミも客観的なデータを出さないで報道しているし。
読みやすいので、多くの人に読んでほしい。
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リニアは、資本主義の縮図。
リニアは、漠然とした成長神話の象徴であり、それ以外に意味を持たない。
資本主義とは、全体のパイの成長に依っており、拡大への欲望は無限。
しかし、成長のためには、地球という資本がエネルギーとして必要。その地球資本が尽きようとしている。
だからこその脱成長であり、脱リニア。
明快だ。
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科学史家によるリニア中央新幹線についての批判的考察。エネルギー多消費、緊急時の安全性、採算性、東京一極集中の加速、トンネル建設に伴う環境破壊など、論点が網羅されている。推進側のものも含めて、典拠がしっかり記されているので、気になった話題についてはそれに当たるのが良いだろう。
リニアの考案者と言われる技師は、エネルギー浪費の観点からリニアに反対するようになったとのこと。現行の新幹線よりもエネルギー多消費であることは、推進側も含めた共通認識のようだ。
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リニアについては前から需要に疑問を感じており、南アの自然をぶっ壊すクソ事業と捉えつつもその程度の考えしか持っていなかったが、本書を読むとこの事業が日本没落の象徴事業で如何にヤバいことであるかひしひしと理解でき、自分の無知をひどく恥した。。。
この事業の影響をリアルに受けるのは多分現在20代以下の若者と子供たちだろう。
折角汗水たらして作り上げても需要が全くなくて維持に莫大なコストがかかるとすれば、何の価値もない徒労、失った時間と資源は戻ってこない、ヤバすぎる。。。
人口的に需要が期待できなそうで都市(東京)集中を加速させるし、一番厄介なのは膨大な電力消費の問題だろう。。。ばかばかしくアホみたいな税金を投入し運賃1000円で運用していくのなら新しい生活環境は誕生する可能性があるが、そもそも誰がリニアを使いたがっているのかが全く想像できない。。。私は生きてあと40年だから知ったこっちゃないが100年200年で考えてみると素人目で観ても負債と時限爆弾な事業としか思えない。。。
著者の山本義隆さん、ちょっと調べると肩書は予備校教師だが東大で将来を期待される物理学者だったようで、学生運動でその道を変えたみたいであった。そういえば私の高校の頃持っていた物理の参考書はこの山本さんの本であった!
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これも日本人全員必読かも。リニアには電力がたくさんいるから原発が必要になるし環境にも悪い、というだけの知識で読み始めたが、これほどの壮大な無駄で危険なものとは知らなかった。電力の浪費についてはリニアを考案した国鉄の技術者がなんと1989年にすでに指摘しているのだ。しかもスピードだけを優先しているため新幹線よりも安全性が落ちている。そして、車体は新幹線より細いのにトンネル壁との間隙が大きくないといけないそうでトンネルのサイズは大きいので、1日8000台ものトラックが必要になる残土処理の問題もある。大深度の地下を掘り進んで環境にどんな影響が出るか本当のところは誰にもわからない。といいつつ最近も住宅地で陥没が実際に起きているわけだから、多大な悪影響があることは明らかだ。右肩上がりの経済成長が期待できない今の社会の環境重視、脱原発という世界的な流れに完全に逆行している。東京、名古屋、大阪が短時間で繋がっても、恩恵を受けるのは実は東京だけという「ストロー効果」の問題もあるという。どこを探しても何のメリットもなさそうなのに巨費を投じて環境破壊をするだけではないか。しかも最初はJR東海の事業だったのが、途中から社長が安倍元首相のお友達だったので半分国の事業のようになったという。こんな無駄なものに国費を使いつつJR東海は小さな駅の無人化を進めてリニアの予算に充てているという。まったく誰のための事業だろう。
本書の後半でも触れられているが、脱成長社会に本気で取り組んでいかなければ。
そのために戦後の歴史が概観されているが、わかりやすくまとめてあって頭が整理された。戦後の日本の経済成長には朝鮮戦争の特需が寄与したことは知っていたけど、ベトナム戦争の特需もあったのだ。しかも戦後の荒廃からいち早く立ち直ることができたのは、アメリカが日本の民主化でなく対共産圏防衛の基地として、賠償請求よりも経済の安定を目指す方針転換をしたため、軍需工場などがほぼすべて破壊を免れて、設備も人材も十分に準備できていたからだという。本当に荒廃してインフラや建物から造りなおさなければならないのだったら、あれほどの急激な成長はできなかった。なので現在の企業にも戦時中の総力戦体制のマインドセットが残っているらしい。経済戦争に勝つ、国威発揚、一番になる、ということだけを目標にすれば、この時代にもリニアを継続しようという発想は理解できてしまう。この時代錯誤のマインドセットを捨てさせるためにはどうしたらいいかが考えどころだ。
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2つの構造線を貫く地下トンネル。乗っていた車両に事故発生。300mの高低差を登り、命からがら脱出できたがそこは冬山。救助到着はいつになるのか・・。想像するに恐ろしい。超高速を生み出すのは超電導。機構の複雑さが、故障確率を上げる。最新技術の超特急だが、「乗ってみたい!」と思わない人が35%。その気持ちも肯ける。全長247kmのトンネル掘削。残土運搬のトラックは1日8000台、それが何年も続く。環境破壊に一役買いたくない。リモート環境定着で移動の需要も減った。行きつく先は破綻の道。リニアは世界をリードしない。
しかし、「脱成長」を語る第4章は余計。本章で提言される「地域分散ネットワーク型」社会を作るのも成長してこそ。目先の利便性を追い求めることだけが「成長」ではない。人が働き、知恵を出し、環境保護や心の平穏を希求することも「成長」だ。人を動かすのにはお金がいる。「脱成長」という言葉は財政出動を阻み、”緊縮財政”につながる。お金の動きが止まりデフレは継続し、格差は拡大。地域間格差も大きくなる。意図するものとは反対する方向に進む。読まれる方には、第4章を読み飛ばすことをお勧めする。
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リニア中央新幹線は要らない、と常々思っていたのですが、この本を読んで、その思いを強くしました。
この本によると、少なくとも次のような観点から、リニア中央新幹線は不要、といえそうです。
○工事のコスト
○工事による環境負荷
・トンネルを掘る際に出る残土の対応
・様々な水系への影響
・森林をはじめとする生態系への影響
○運用コスト
・ハイスピードにともなうエネルギー消費増
・超伝導状態を維持するためのコスト
○事故時の対応の難しさ
○人口減にともなう需要減
○WEB会議システムの充実による、移動の必要性減
書くのが面倒ですが、これ以外にも不要な理由があります。
それにしても、著者は、非常に丹念に、リニア中央新幹線が不要な理由を集めていると思います。
少なくとも、これらにすべて、明確な反論がなされない限り、リニア中央新幹線の実現に向けた動きは、すぐにでもすべてストップすべきだと思います。
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静岡知事が反対している論拠が書いてあるかなあ、と思って読みました。それらしい話は出てきますが、あまり納得できません。確かにコロナでリモート会議が増えて、出張は減りました。なので中央リニアは経済的に大変なのはわかります。でも、だからと言って、成長社会そのものを否定するのはちょっと違うかなあ。
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リニア中央新幹線の孕む多方面にわたる問題点を、諸々の文献に依拠しながら、明快にわかりやすく紹介する啓蒙の書。エネルギー効率的にも社会経済的にもまったく割に合わない「時代錯誤」の代物であることが示される。そして何故そのような時代錯誤がまかり通るのは、成長発展を本質的に前提とする資本主義がすでに行き詰まっているにも関わらず、それにしがみつくメンタリティがあるからだと指摘する。それにしても、本当に様々な面で負の遺産となりかねないリニア計画について、何故マスコミは大きく取り上げないのだろうか。今更止められないということか。今までこの問題にあまり関心がなかったため、日々のニュースを見る中でリニアについて漠然と思っていたことといえば、何だか静岡県知事がケチをつけて工事が遅れているらしいということだった。これではまずい。今からでもリニアの是非について国民的な議論が必要だと思う。
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リニア新幹線中止で見直すべきでしょう。運行には大量の高価なヘリウム、原発前提の膨大な電力がかかるうえに地下か深くを走るため難工事かつ地下水脈にも影響があり、少子高齢化で採算も取れそうにない。元総理から3兆円融通してもらったからあとに引けないか。なかなか刺激的な指摘で、隠れがちなリニア利権の闇を暴いています。今やリモートも普及したし、超短時間移動のニーズがあるか疑問ですね。国力低下しているなかで時代遅れの国威発揚のナショナリズムに振り回されたらかないませんね。