哲学問題の100色パレット
2012/04/06 14:40
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブックトーク - この投稿者のレビュー一覧を見る
目次を見ただけで、これは面白そう!と即、購入。
「心を持つとはどういうことだろう?」「公平さとはなんだろう?」「不倫はなぜいけないのか?」
古典的な哲学の難問から、現代の倫理学の問題まで、とりあげられているジャンルは非常に幅が広い。
哲学や倫理学の問題にはこんなものがあったのか、というのがよくわかる。100の問題が思考実験の形で具体的に提示され、それぞれに著者のコメントが続く。
ひとつの章が短いので読みやすいし、興味を惹かれたどの章からでも読むことができる。
個人的には、「言葉には意味があるのか」ということに興味があるので、「ウサギだ!」(クワイン)や「箱の中のカブトムシ」(ウィトゲンシュタイン)などを面白く読んだ。そのテーマについてもっと深く知りたいと思ったら、出典にあげられている本を読んでみるとよい。
これまでにない、ユニークな哲学の本だ。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ビーケーワン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「列車の暴走で40人が死にそうなとき、
5人だけ死ぬほうにレバーを切り替えられるとしたらどうするか」
NHK「ハーバード白熱教室」で取り上げられた「トロッコ問題」のように、
古代ギリシャの時代から哲学者たちは「思考実験」を
"考えるためのシミュレーション・ツール"として用いてきました。
身体と脳・自意識・生命倫理・言語・宗教・芸術・環境・格差など、
多岐にわたるテーマから選りすぐった
簡単に"答え"の出ない、
哲学・倫理学・論理学の100の難問があなたをぐらぐらと揺さぶります。
★世界19ヶ国で刊行! イギリス発ロングセラー!
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投稿者:藤和 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通り100個の思考実験が載っている本。
ストーリー仕立ての問いかけは、読み物としても面白い。
問いかけの後に解説が入っているけれども、回答を出してくれる物では無くて、考え方のヒントを教えてくれるような感じ。
問いかけだけを読んでもどこをどう考えれば良いのかわかりにくい物が多いけど、解説まで読めばいろいろ考えられる気がする。
答えの出ない哲学的な問いについて考えるのは面白いので、興味のある人は是非やってみて欲しいと思う。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
考えるのが好きなので、すごくおもしろかったです。答えがはっきりとないものなど、じっくり考えるのが楽しいです。
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哲学的な様々な問題について、タイトル通り100の思考実験とそれぞれの簡単な解説。問題は提示されるが当然回答はない。
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答えの無いクイズを解いている気分になる1冊。哲学の本としては、かなり読みやすい部類に入ると思います。
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『これは「読む」本ではありません。「考える」本です。』という帯に惹かれて。
「列車の暴走で40人が死にそうなとき、5人だけ死ぬほうにレバーを切り替えられるとしたらどうするか」のような哲学・倫理学・論理学の難問を「思考実験」として100個集めた本。各問題には著者による解説が付されている。
アイディアはおもしろいと思う。ただ、著者による解説部分は不要だったのでは。問題に対するそれなりの説明があらかじめ与えられていることで、読者の思考は著者によってある程度方向づけられてしまう。最悪の場合には自ら「考える」ことを放棄し、文章を読み流すだけに終始してしまうのではないだろうか。親切のつもりで解説を付けたのかもしれないが、いっそのこと問題のみを集めた冊子として出すほうが、よりタフな思考を要求するコンセプトに合っていると思う。
議論のタネを提供してくれるという点では良い本。この本を読んだ人同士でじっくり話し合ってみたいものだ。そこからが、本書の本当の楽しみなのだろう。
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考えるきっかけをくれる良い本だと思います。これが哲学かは知らないですが、なにが合理的でなにが不合理なのかといった話が苦手な友人はちょっと読んだらうへーって言ってました。
実際に今興味があることをつらつら。
・犯罪者を洗脳装置に入れて、まっとうな人格に変えることは社会にも本人にもプラスではないのか?人格を変えるという点が、尊厳に関わるところだと思いますが、私も親からずっとこうしなさい的に洗脳を受けてきたわけで、その人の歩んできた結果が人格であるとするならば、洗脳装置も「人生のきっかけ」ととらえることができないのか?
・公平とはなにか?卒業論文で公平について研究したけど、頑張っている人にも頑張っていない人にも公平にモノを分配することが公平なのか?それでも、最初の環境や能力を考慮して、ある程度傾斜を付けて配分するのが公平なのか?
・犯罪が未然に分かる装置があったとして、仮に犯罪を起こす前に犯人が特定できれば、その人を極論的な話、殺してもいいのか?
・「白人だけが人間」と考えられる文化では、白人だけが人間として扱われる。では、「考えることができることが人間」とするならば、考えることができるコンピュータや、機械につながれた脳は人間なのか?
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やっぱり楽しい。何の解決もないけれど、思考の幅は広がる気がする。誰かと話したい。誰でもいいってわけじゃない。
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哲学書や社会学等々から引用、もしくは筆者が作成した思考実験が紹介され、筆者のちょっとしたコメントと共に分厚い内容となっている。
科学の実験のように、複雑な要因を退け限定的な状況を作り出すことによって問題や自分の思考の本質を明確にするのが思考実験だ。
仮想浮気サービスや善なる神の実験はおもしろい。
この本はなにか価値観を提供したり、深い洞察をこの本の字面から得る事は難しい。なぜなら筆者のコメントは多くても1頁ほどだからだ。
筆者から何かを得るのではなく、与えられた問いに対して自らがどのように考え、なぜそのように考えるか、そして他者の目線ではどのように受け取られるか、を考えていくことこそがこの本の意義だと考える。
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へっぽこな絵とは裏腹な哲学の本。
テーマは生命倫理や自己の同一性、宗教から環境問題まで。タイトルの実験があらわす通り、あくまで実験であり、問題ではない。答えは一つだってでない。一応全部読んだけど、相当な物好きな本であり、引用の通りである。
テーマはいくつも重複しているものがあるが、著名な哲学者が真剣に悩んだ問題に触れることで、明日に生きる意味を見出すことができるともいえる。
新宿紀伊国屋南口店で購入。いつ行っても大川隆法の本がランキング上位にある。
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翻訳との相性が悪かったな。まそれはさておき。
思考実験とは、僕の解釈では言語による実験。ここではいろんな矛盾が紹介されているが、そもそも、アインシュタインも言っているように、言語の矛盾を言語では解決できない。ではどうするか。言語より抽象度の高いシステムなり、記述体系が必要ということになろう。
村上春樹が「本当の理解とは、誤解の総体である」みたいなうまいことを言ってたと思うけど、我々は言語で思考する限り、常に誤解の可能性と隣り合わせ。完全に無矛盾な言語などありえない。
とはいえ、「実用的」には、他の象徴体系をすぐに導入しろと言われてもねぇ。無理です。じゃあどうするか。
一つの可能性は「物語」。「物語」では「ありえない言語使用」が可能。「ランゲルハンス島の午後」とか「幼い微熱」とかね。これは「世界」の再定義でもあって、新たな認識を獲得できる可能性を持っている。
現代社会の問題の多くは、僕に言わせれば、「言語上の問題」。この本にも出てくる社会哲学系の問題もそうだけど、「法の言語」や「道徳の言語」の「論理」の枠内だけで発想するから、解決できなくて当たり前。
「物語」を導入すれば、これらが簡単に解決するかっていうとそんなに易しいものでもないけど、「論理」だけに留まるだけよりは数段増し。
まずは、個々人が「物語」を手に入れられるよう、独自の「語法」を対象化し、批判的に検討するところから始めるのがよいように思う。自分の「ことばづかい」を疑うのだ。そしてそこから次なる「語法」を編み出していく。もっとも、そういう教育が今の高等教育には欠けているし、大事なことだと僕は考えている。
もしここで「発明」された新たな「語法」なり「物語」が、一定数の賛同を得たとすると、それは共通項として、新たな「≒言語」を生んで、多くの人に使用されていく可能性がある。それは「論理」の壁を超えるに違いない。
人類が「言語」の枠から解き放たれるときがあれば、そのときこそ、次なる進化のときではないか。そもそも人類と呼べるかはわからないけれど。
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サンデル教授の白熱教室にも出てきたトロッコ問題=「このままトロッコが進めば乗っている40人が死んでしまう、進行方向を切り替えることができるが、そうすると別の5人を轢き殺してしまう、どうすべきか?」を始めとした、どっちも微妙ですな~という問題を100も集めた本。
『これは「読む」本ではありません。「考える」本です。』のキャッチコピーの通り、当然答えは書いていない。
最近、どっちも微妙ですな~という問題を判断することが多く、何かのキッカケにできればと思って読みました。
しかし、似たような話も多く、正直、100も要らない気が…というのと、通読するよりは自分に興味のあるものだけ読む方が楽しめるかも。
最後はちょっと飽きてしまった。。。
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哲学的思考実験の本
マイケル・サンデルの「これからの正義の話をしよう」系の本が好きな人にはおすすめかな。
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面白かった!
数ページずつ、答えの無い哲学的な話が語られ、それに対する判断材料がその後にちゃんと提示されている。とても親切。
また一つ一つの話が、とても刺激的で面白い。
これは家に一冊置いて置きたい。