法律は科学に追い付いていない
2017/10/22 17:53
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投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際の犯罪から犯罪と脳との関係を分析している。たとえば、脳に腫瘍があり、それが犯罪の原因であるとするならば、それを取り除けば犯罪を起すことはない。しかし、服役しなけらばならず、それは意味があることなのだろうか。
犯罪の神経科学的知見の総まとめ
2018/06/21 22:15
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投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
犯罪を脳の研究から解明する研究が近年行われるようになった。その先駆けが、著者でもあるエイドリアン・レインだ。犯罪学分野ではその名を知らない人がいないくらい有名である。本書は決して易しくはない。ある程度の神経科学の素養がないとおそらく良く理解することは難しいだろう。しかし、それだけ詳細にかつ包括的に犯罪研究を網羅している珠玉の一冊である。読む価値は大いにある。
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反社会的行動やサイコパシーに、どんな生物学的要素がどの程度要因となり得るのかを統計的にまとめた書物。ともすれば、社会学者やリベラルから優生学と批判されがちな内容であるが、生きていく上では(特に暴力の被害者になりやすい女性は)必読の書。下記要因について詳しく影響の有無と範囲が紹介されている。
遺伝的要因
XYY(受精時の3倍体)(低レベルMAOA酵素生産)
脳の未発達もしくは後天的外傷
自律神経系(低い脈拍)
環境と集団の大きさによる部族毎の攻撃性の比較
周産期の環境(妊婦の喫煙飲酒(MPAs)、出産時の合併症、母性剥奪)
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シリアルキラーやサイコパスといった暴力犯罪者は遺伝や脳損傷などの生物学的要因と劣悪な生育環境などの社会的要因の相互作用によって生み出される。神経犯罪学者の著者は、法廷にMRI画像を提出する活動もされています。「クリミナルマインド」や「CSI科学捜査班」を見ているので、思わず手に取ってしまいましたが、各章の冒頭に記された凶悪殺人犯の実例がとても怖かったです。でも、子育てに関して注意すべきことなど、日常生活で役立ちそうなことも書かれていました。
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非常に面白かった。タイトル通りの内容の本であり、様々な調査や統計の結果が掲載されている。暴力、犯罪行為のバックグラントとしての、脳の機能、状態…とはいえ、人間の事であるゆえ、とかく要因というのは複合的であり、相関関係と因果関係というのは見誤ってはいけないのだと、定期的に語られている。今は世の中、普通の人でも脳科学という言葉を使い、メディアは少々卑俗化した脳科学ネタをはびこらせているが、人の行いそのものを、脳の機能、社会的背景、心理学等々、複合的に読み解いていこうという姿勢がもっとこの先大切になっていくのではないだろうか。人は単純化した理解が好きである。それは危険なのだろう。そして、人間の事が解れば解るほど、優生学的な目線が気になるのも、人の世か。これを読了した後、サリー・サテル「その脳科学にご用心」などなかなか面白い読書になる気がします。
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生理学的要因と、社会的要因が重なると、暴力的人間になり易いという研究は、恐らく正しいものと思う。これにある程度積極的に関与することで、暴力犯罪が減らせられることも、多分正しいのであろう。著者も言っている通り、どこまでの介入が許されるのか、非常に難しい問題だ!日本の司法は、報復主義に押され、厳罰化の方向に進んでいる。この流れの行き着く先は、・・・とても心配だ。
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堂々600ページ超の大著。でも、どっちかっていえば一般向け。
なぜ、人は罪を犯すのか、てことを、いろんな角度からデータを挙げて論じてる。
例えば本能。遺伝子の異常。脳や自律神経の不全、器質的な障害。栄養不足。虐待や育児放棄など幼少時の不遇……生物的な原因が強調されてるのは、そもそもが犯罪学は1990年代までは社会的要因のみに求めるのが主力で生物学的要因を論うのはタブーだった、てことの反動かな。
犯罪は道徳ではなく、公衆衛生の問題だ、てのは明快だ。でも、犯罪は病気で、予防と治療が大事、て主張には反撥覚える人も多いだろな……
著者は一貫して、生物的要因と社会的要因双方が絡み合っている、て述べる。片方だけならぜんぜん問題ないのに、二つが合わさるとその子供が将来、暴力的な犯罪を起す確率は何倍にも跳ね上がる、と。
ナイーブな問題であるのは確か。犯罪学そのものが政治問題になる。
終盤で著者が提示する未来の社会の姿は、ハクスリーだのオーウェルだのPKDだの思わせて、グロテスクでもあるが、現実、世界各国はその方向に進んでる、と。
著者本人も、理屈ではそれが“素晴らしい新世界”だと考えてはいても、どこかで納得してない様子。
各章で、ヘンリー・ルーカスはじめ、有名無名な犯罪者の実例を挙げてるのもミーハー的にウレシイ。しかし、ルーカスの生涯て悲惨すぐる……長じて彼がアメリカ史上最悪のシリアルキラーと呼ばれるようになるのもさもありなん。
サスペンスでお馴染みの“サイコパス”についてこの本読むまで勘違いしてた。グロスマンのいうような本能的な殺人の禁忌のない人間、ではなくて、もっと複雑な良心の欠如であって、つまるところは躾の問題ってことじゃんかよー。そもそも、今は、ソシオパス(社会病質者)ていうよな。良心の欠如は、精神異常(=サイコ)でなくて、社会性の問題、てことだし。
で、シリアルキラーの中にも、人を殺す瞬間は気分が悪い、て人もいるのは興味深い。そのへん、人殺しはまた別口の本能的な禁忌っぽい。
やっぱり、妊婦や乳幼児は大事に扱わないといかんよね。公衆衛生のために。
もちろん煙草や酒や栄養不足は厳禁。
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めちゃくちゃおもしろかった。
2回も読んでいっぱいノートとっちゃった。大学図書館で借りたけど,買ってもいいかもって思うぐらい。
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暴力が起こる要因と予防について、多角的な視野から切り込む一冊。
優生学的であるとの理由から、犯罪者に対する生物学的な研究は停滞していました。
しかし、社会学的なアプローチに限界が見え始めた今、再燃の研究分野となります。
後半にはSF物語「ロンブローゾ・プログラム」が語られますが、社会と学問の認識が収斂された未来では夢物語と言えなくなるだろうと思いました。
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なぜ暴力をふるうのか、犯罪を犯すのか。本書は先ず、直感に反する生物的要因を明らかにする。更に暴力を生む生物学的変化を生むことに社会的要因が強く関与することを解説する。生物学的要因とはすなわち犯罪者予備軍を認知するための技術を人類は手にしているということであり、未然に防ぐことが可能となること、また犯罪者は治療可能であることを示している。社会はこの事とどのように付き合って行くべきか、本書最後の主題であり投げ掛けである。白黒つく命題ではなく程度を測りながら少しずつ法制度に組み込んでいくのだろう。誰しもが被害者、加害者になる可能性のある問題。日本でも暴力事件の際にこの観点からの考察が増えて議論を促して欲しいものだ。
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ロンブローゾへの回帰という感想もあるかもしれないが、現在の犯罪者理解の最先端は脳神経科学を抜きには語れない。
学者が書いたものでもあり、やや小難しい表現もあるが、基本的には初学者でも読める。
犯罪者の自己責任などという言葉が空虚に思えるようになりますよ。
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(エビデンスを示してても)ほんとかよwちゅーのも多々あるし、くそほど差別を助長しそうな内容だがしかし、はっきり言い切るのが潔くて好き
道徳ジレンマの二者択一の問いって全然迷わんし良心の呵責とかひとつも感じないんだが
え、男を線路に突き落とさないの逆になんで?
泣き出した赤ちゃん殺さないのなんで?
選べないのはただ決断力がないだけやろ
海産物の消費と殺人発生率の関係まじかよ
日本やば
あんまり優等生すぎる
言ってることはわかるがしかし死刑は必要、プシコは足枷に鎖でいいと思う
報復を是とするのがダークサイドとは思わん
訳者の高橋洋さん推せるわ
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● 2025年3月7日、母と新宿 紀伊国屋にあった。純粋に面白そう。色んなタイプの殺人やらサイコパスとかのケースが書いてあるっぽい。