誰も信じられない
2022/06/11 20:23
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人気政治家の自叙本のインタビューした記者が違和感を感じ取材していく内に、政治家の人物像や過去に疑問が生じていきます。
秘書がブレーンとなって政治家を操っている?というスタンスで進みますが、出てくる人出てくる人のみんなが怪しくなってくる。秘書の妻さえ怪しく見てくる。
一番まっとうなのが秘書なんじゃない?と、途中からが逆転。
もう、誰も信じられなくなっていく、とっても面白い(笑)
壮大なスケールに引き込まれました。
2021/12/19 18:00
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投稿者:rita - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物のそれぞれの目線から語られる物語で、時間や物語のスケールが人物ごとに異なり、思いもかけない壮大なスケールに引き込まれていきました。電子書籍で読むと、出てきたキーワードで検索して、それぞれの人物のエピソードごとに確認できるので、とても便利でした。
仮面を剥がすと言うけども
2022/07/29 13:55
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投稿者:すぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
果たして本当の自分と言うのは親類や友人を含めて見せることなどあるのでしょうか。もしそれが政治系の職業によっては如実に見せないでしょう
仮面の下で攻防が繰り広げられていて、自分のマトリョーシカの一番内側の顔が果たして笑っているのかなと自分を疑うぐらいに引き込まれました。
本当に笑っているマトリョーシカは誰なのか?
2022/05/21 07:54
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投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
出版社の紹介文にある「異色の不条理小説」という言葉がピッタリの物語です。前半の高校時代の牧歌的な青春小説の雰囲気から「転調」を繰り返し、気が付けば「不協和音」の世界に引き込まれてしまいました。本当に笑っているマトリョーシカは誰なのか?......読み終えてもまだ物語が続いているような感覚です。
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先が気になりすぎて早々に読了。
愛媛が舞台で馴染みやすかったのもあるけど面白かった!今年おすすめ作品第一位(故郷を知ってもらいたいのも含む)
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仕事しながらも、早く帰って続き読みたいなあって思った本は久しぶり。
これは政治小説じゃなくて人間の歪みとか、心理を書いた作品のように感じた。
私にとっては最初から最後まで面白すぎた!
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官房長官に抜擢されると言う噂のある政治家の著書のインタビューに来た記者の道上。インタビューをするにつれ、何か違和感があった。
一方、愛媛の名門校の入学した鈴木と隣り合った清家はどこかビクビクし、友人を作ろうと必死になっているのが滑稽だった。しかし、ひょんなことから仲良くなり、彼が「政治家になりたい」と宣言。それを支配するかのように支える鈴木。優秀なブレーンになり、一歩目の生徒会長選挙に打って出る。
なんというかすごい話だった…本当に最後まで誰が清家くんを支配してるか分からなかった。鈴木くんが支配してるつもりだが、黒幕はお母さんだとずっと思ってた。大学時代の彼女は絶対に死んでると思ったし、絶対にお母さんには勝てないと思った。母と子の絆は鈴木くんには勝てないと。
しかし、最後の最後まで「え?え?」ってなった。お前も違うのか、お前も違うのかと。そして、清家の残酷さをさまざまと見せつけられた。「僕を見誤るな」すごく怖い言葉だと思った。そして、最初に出てきた「生者必滅会者定離」はまさにこの本のテーマだった。しかし、みんな清家くんのために、暗躍したところがあったのに、それを「裏切られた」と思うのか…んーでも、それは清家くん的には「甘くみられていた」っていうことか…
もう本当に最後まで分からなくて一気に読んでしまった。ある意味怖かった。こういうサイコパスみたいな人が政治家なんて大丈夫か日本!ってなったけど、意外にそういう政治家もいるのかもしれない…
2021.11.23 読了
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ドラマを1話見てから先にネタ明かししようかと思い、一気読みしたが、開始早々ドラマと話が違うぞ?
結局のところ、マトリョーシカに踊らされてた感じか。
これはこれで面白かったが、ドラマはドラマで別に楽しめば良いということか。
130冊目読了。
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【国民的人気を誇る若き官房長官。「彼が誰かの操り人形だとしたら?」そう感じた記者が、偽りの仮面に迫る】圧倒的な魅力で、官房長官に上り詰めた青年代議士と秘書。彼らに違和感を持った女性記者が、隠された過去を暴くため、取材を重ねる。
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「生きるものは必ず死に、出会ったものは離れることが定め」
冒頭から衝撃的な言葉!
笑うマトリョーシカ
いや、最後に笑うマトリョーシカ
著者のマトリョーシカの世界、これまでの作品の中でも圧巻でした。
時代は違っても、未だこの世界もヒトラーとハヌッセン同様の世界。
ニセモノとホンモノ
優しさなのか偽りなのか
これって永遠にわからないのかもしれない。
唯一わかることは、世の中は無常であり勢いの盛んな者もついには必ず衰え滅びるということ。
「生者必滅会者定離」
どんな偉人でも、誰もが共通していつかは滅びる。
政界であろうが、どんな世界にいても皆同じ人間。
必ずいつか滅びるなら、どう生きるのかを考えさせられました。
でも著者の作品から、またヒントとなるメッセージが残されてました。
生きてさえいるのなら、やり返すチャンスはある。
最後の最後で、笑っていることもできるはず。そのチャンスを自分が与えられるかもしれないと。
力が湧くメッセージ、強く胸に響きました。
最後に笑うマトリョーシカは誰なのか…
誰なのかも永遠にわからないのかもしれないし、誰なのかが重要だとも私は思わない。
政界を主題として繰り広げられていく人間ドラマが深くて、また新たな世界を堪能した作品でした。
是非、再読したい一冊です!
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四国・松山の名門高校に通う二人の青年の「友情と裏切り」の物語。27歳の若さで代議士となった男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。秘書となったもう一人の男は、彼を若き官房長官へと押し上げ、秘書となったもう一人の男は、彼を若き官房長官へと押し上げた。総理への階段を駆け上がるカリスマ政治家。
「この男が、もしも誰かの操り人形だったら?」
最初のインタビューでそう感じた女性記者は、隠された過去に迫る。
☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡
操り人形のような清家一郎を陰で操っているのは、高校時代からの友人の鈴木俊哉か、やはり母親の浩子だろうか、もしくは恋人の三好美和子かとあれこれ憶測しながら一気に読み終えた。
最後の最後にやられてしまった!
「あなた方が指摘する清家の正体こそ、僕にしてみればはっきりと演じられた清家一郎だったんです。でも、その演じている清家一郎だって、どうしようもなく生身の僕自身である。僕は自分という人間を誰よりも分かっているつもりですが、その誰よりも分かっているはずの自分のことが理解できていないんです。本当の僕が分からない。何が本当か分からない。僕は本当の自分なんて結局いないと思うんです。僕が生まれて最初に出会ったのは母なんです。その瞬間から、僕は彼女の影響下にあったに決まっています。物心がついたときにはもう喜ばせたいと思っていたのですから。僕は、誰かを喜ばすためだけに生きることの人間なんです。そういう風に作られてきたんです。」
本当の自分は自分自身でも分からないのに、それを他人に判断されてたまるかという一郎の気概を聞いた。
政治家だけでなく、人は自分がいったいどういう人間なのか分からないのではと、問われた気もする。
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面白かった。先が気になり、どんどん読み進めた。生者必滅会者定離から始まった物語に引き込まれた。ストーリー展開が素晴らしい。終盤に三好美和子が出てくるとは思わなかった。もしかしたら佐々木光一が何かを握っているかと思っていたがそうではなかった。小松が精神科医で浩子の過去を知っているという展開も想定外だった。マニピュレーターという説明も良かった。殺人は2回、未遂は一回起こっているが、それは物語全体のほんのわずかな一部に過ぎず、人を操ることがテーマの物語。ハッピーエンドという結末ではないが、見事な着地。楽しめた。ハヌッセンを初めて知った。
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図書館から借りた本
・
27歳にして代議士となった清家一郎はトントン拍子に出世し50代にして官房長官にまで上り詰めた
その陰には彼を操ったとされる高校の同級生鈴木俊哉がいた
かのヒトラーを陰で操ったとされるエリック・ヤン・ハヌッセンと俊哉の運命がリンクする
俊哉は自分が一郎を操っていると思っていたが、物語が進んでいくとそこには一郎の母、浩子や一郎の恋人など影響を及ぼしたと思われる存在が
果たして、空っぽな一郎を操っていたのは誰なのか
・
一郎をマトリョーシカになぞらえてるのかなと思う
どんどん小さくなっていく人形の最後には不気味な顔をした少年の顔をした人形が残る
これこそが一郎本人の本質を表しているのかなと
結局誰が一郎を操っていたのかがはっきりしないラストでコメントを見ててもモヤモヤしてる方が多い印象だった
私もえっ?これで終わり?と思ったけど、結局はその時々で乗っかる人物を一郎本人が決めてるのかなと
読み手それぞれの考察があるラストなんだろうなと思った
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以前、総理大臣になるような人物は口が立ち、カリスマ性があればいい
一番重要なのは頭のキレるブレーンがいることだと聞いたことがあるのを思い出した
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中空構造の人形の中に一回り小さな人形が入っており、それを何度か繰り返す多重式の人形・マトリョーシカ。本作はこのロシアの民芸品に1人の政治家をなぞらえ、空っぽの彼の中には何があるのか、もしくは彼の中にいるのは誰なのかを探っていく。多視点による一人称でミスリードし、最後まで興味は尽きない。彼が本物かどうかなど一有権者のぼくらには知りようもなく、実際にこんな政治家が頂点に上り詰めたら怖いなと思わされた。
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とても面白い小説でした。
永田町で47歳にして官房長官の清家一郎とその元で政策担当秘書として働く鈴木俊哉は愛媛の高校からの同級生でした。
第一部は二人の高校時代、一郎を生徒会長に俊哉がしようとするところから始まります。
一郎は元銀座ホステスの美しい母浩子と、当時官房長官として活躍中だった政治家の父、和田島芳孝の隠し子でした。
亡くなった母方の祖母の願いが「一郎を政治家にすること」だったのを母の浩子が引き継ぎ、俊哉に女の武器を使って一郎のブレーンにしました。
その後二人は俊哉は東大、一郎は早稲田に入学します。
一郎には、シナリオライター志望の彼女、美和子ができますが、俊哉は浩子に頼まれて美和子を一郎から遠ざけます。
27歳の時に一郎は俊哉の力を借りて議員に初当選します。
記者の道上香苗は『道半ば』という一郎の出版した本を読み、一郎にインタビューする機会を得ます。
そして、香苗のところに一郎の卒論の下書きだった、エリック・ヤン・ハヌーセンというヒットラーのブレーンだった人物について批判的に書かれた原稿が送られてきて、香苗は一郎のブレーンを探し出そうとします。
香苗は一郎が官房長官になるまでに邪魔だった人物が交通事故で亡くなり、43歳の時に俊哉もまた殺されかけていることを突き止めます。
香苗は調べていくうちに美和子が劉浩子というペンネームで昔、シナリオコンクールに応募した原稿『最後に笑うマトリョーシカ』を見つけ出しますが…。
誰が交通事故を起こして邪魔者を消そうとしたかの謎も面白かったけれど、誰が清家一郎を操っているのか、最後の最後までわからずそれを探っていく過程が面白かったです。
最初は俊哉の友情によって清家一郎が総理大臣に昇り詰める話かと思ったらそうではありませんでした。
最後に笑うマトリョーシカは一体誰なのかと言うちょっと怖い話でした。
香苗は清家にいいます。
「ヒトラーがハヌーセンを切ったとき何を思っていたかわかりますか。『見くびるな』ですよ」。