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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
普遍と固有という相反する思想についてドイツナショナリズムを通じて述べられており面白い。戦後ドイツがナチスを否定するために国民国家としてのドイツすら否定したがその反動が起きていることなど日本を含む他国でも見られる事象だと感じた。
ドイツをより深く知りたい人向け
2022/03/13 17:57
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投稿者:Kusukusu - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近のメディアや知識人によるドイツ礼賛の背景を知ることができるかと思い、購入。予想以上に内容が濃く、自分の知識不足もあり、全てを理解できたわけではなかったが、ドイツという国がどのように成立し、二度の大戦での敗北や東西分裂、再統一という激動を経て、現在のように国際社会の中で在感を高めるようになっていったのか、またそれ故に国内外の一部から反発を買うようになったのかについて非常に詳しく書かれていて、興味深かった。
ただ、著者が目指したというドイツ史叙述の用語改革については、個人的にはあまりなじめなかった。研究者間での議論ならともかく、一般読者を対象とした本でこのような内輪の論理ととれるようなことをされるのはあまり好きではない。この点が☆-1。
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツナショナリズムについて、わかりやすく解説されていてよかったです。ヨーロッパでの存在感と警戒感が、興味深かったです。
英仏独、どの国が欧州のリーダー?
2022/03/06 19:13
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
各章の副題がいい、第一章から順に、発展、抵抗、萎縮、再生、そのタイトルだけでドイツの歴史が見えてくる、鮮やかな復活を遂げたように思えるドイツにも移民問題や難民問題というハードルがある、と、いっても、私には過去の歴史に蓋をしている英仏よりも欧州のリーダーとして独の方がふさわしいと思える
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツの歴史を時系列的に、忠実に再現した1冊です。
読み甲斐がありました。紙幅が326頁と厚いですが、興味をもって比較的短時間で読み切れました。
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西欧の一体化と普遍の追求。
「68年世代」・・・ドイツ人が自らの過去を積極的に否定する「破壊からの再出発」が活発になり、1968年に学生叛乱が最高潮となる。このような「破壊による再出発」の唱道者を本書では「68年世代」と定義している。
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ドイツは欧州で主導権を握り影響力を高めるが、他国にも「正しい」行動を求める姿勢には反発も強い。メルケル後の欧州はどうなるのか
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読みごたえがあった。「ドイツ的なもの」を考察するために2000年史になるとは思わなかったが、ドイツ史って、英仏と違い、国としての形が時代によってずいぶん変わるから、いまひとつピンと来ていなかった。メルケル後のドイツはどうなるのだろう、注目したい。
サブタイトルの「「普遍(=西欧的)」対「固有」の二千年史」の通り、歴史を紐解きながら丁寧にナショナリズムはどのようなものなのかを検討している。考えたらドイツ=ドイツ語を話す人、ではないのだよなー
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かなり独特のわかりにくい文章で辟易した。結局言いたことは「おわりに」と「後記」に書かれている程度のこと。どんな義理で出版することになったのかはしらないが中公新書の編集部にも責はあると思う。
なんなんだこの人?と思って検索していくと著者のマックス・ウェーバーについての既出版物に対する論評が見つかった。本書で私もこの論評者とまったく同じ感想を持ったので参照しておきたい。
(引用)以上、総じていえば、今野書は、その自負の大きさにもかかわらず、得意なはずの史実の発掘という点でも先行のマリアンネ『伝』およびモムゼン『伝』を大きく超えるものとはいえず、また、その史実、つまりウェーバーの政治的発言・政治思想の「分析」・解釈という点では、結局皮相で突っ込み不足が目立ち、しばしば一面的な解釈に陥っている。(引用終わり)
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「普遍」と「固有」の対立は近代日本、そして昨今ではロシアが直面している問題ではあるが、その先輩格?としてのドイツ史を辿る内容。所謂「戦後史」が半分を占めており、昨今の欧州事情まで言及されている点が特徴的で、東西分裂やその後の統合等については殆ど知らなかったので勉強になった。また著者のある種相対化されたドイツ愛?も随所に感じられる点も面白い。時には批判され、時には模範となる、評価が定まらない印象のあるドイツだが、本書を通読するとその理由がなんとなくわかるような気がしてくる。題名から社会科学的な内容を期待したのだが、基本的には通史的な叙述でかなり細かいし、特に前半は西洋史の前提知識がないと結構読むのが大変(ちなみに後半は思想史的要素もある)。とはいえ、非西欧の日本や準?西欧のロシアが直面する「普遍」と「固有」の対立を理解する上で、ある種の「モデルケース」としてのドイツ史を把握しておくことは有益かつ重要であると言えるだろう(まとめ部分に相当する「おわりに」と「後記」は必読)。
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ドイツの政治と思想の歴史が凝縮して整理されており、現在に至るまでの流れがよくわかった。ナチ政権の反省から、過去を忘れようという動きだけでないとか、西欧の普遍とドイツの固有との狭間で、今もドイツは(実は)悩んでいるということも知ることができた。
ただ、史的事実に忠実に描かれ、著者の意見はほとんど書かれていないので、読むのに少し退屈した面がある。著者撮影のものも含めて写真も多いのだが、各年代ごとの地図(一部しかない)や年表などの資料もあるとよかったかなと思う。
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事前知識があまりない素人だったこともあるのか、非常に読みづらかった。
でも書かれている内容は割と素人向けの部分も多かったと思うので、単に編集の問題も多いと感じた。
戦争前後のナチス政権に関する用語は種類が多すぎてめちゃめちゃ読みづらい。慣れない表現で意味ごちゃごちゃになるから最後に用語集作っといて欲しい。
またドイツ政治思想(学派?)の対立の歴史や政権の流れについて、粗い流れを書く割には語り口が冗長で変な情報が多いため、文字数の割には得たい情報が少なく、読みづらいしわかりづらい。系譜とかは家系図みたいにパッと図で示せるだろ、と思う。
地図や勢力図などのイラストもかなり少ないし、もう少し素人向けに工夫して欲しかった。
(その道のプロからしてみれば読みやすいのかもしれないが、それにしては内容が素人向けに易しいところから書いてくれているような気がした)
“(西欧)普遍化”と”(ドイツ)独自色”の繰り返しという着眼点は自分にとって新しく、これに当て嵌めて捉え直していく前半部分は楽しく読めた。