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もうひとりのアトムの物語
2004/12/01 21:12
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KOMSA - この投稿者のレビュー一覧を見る
連載当時から「傑作」との呼び声が高かった
この作品を18巻の最終巻までようやく読了した。
浦沢直樹のストーリーテラーぶりが
発揮されている秀作だと思う。
主人公の名は天馬。
これは「鉄腕アトム」に出てくる天馬博士からの引用だろう。
アトムの一挿話を壮大な物語に再構築する試みの「PLUTO」を
連載中とするならば浦沢の手塚治虫への傾倒も納得がいく。
しかし、主人公・天馬は名を借りたばかりではない事に気付く。
「鉄腕アトム」の天馬博士は最愛の息子トビオを亡くしたことで、
地球上でいちばん優秀なロボット=アトムを誕生させる。
天馬博士にとってそれは神の領域に近づく行為だったのだ。
「MONSTER」の天馬(脳外科医であるからやはり博士だ)も、
瀕死の子どもを自らの手で救った事で、
その子ども=ヨハンがもたらす凶事に身を委ねざるを得ない。
ヨハンを神と奉る手強い敵を排除しつつ、
自分の手で救ってしまった「MONSTER」との決着を希求して。
天馬と共闘するキャラクターも魅力的だ。
アトムを巡る人物がとても多彩で輝いていたように。
「MONSTER」はもうひとりのアトムの物語でもあるのだ。
Dr.テンマの旅の終わり
2002/07/23 23:08
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏野涼 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヨハンと彼を追う天才脳外科医Dr.テンマの旅もいよいよクライマックスへと突入する。平穏から一転、異常な狂気に支配されてしまったドイツ・ルーエンハイム。そこには、この物語のカギを握るフランツ・ボナパルタが存在した。そこで起こる殺戮の中、テンマはついにヨハンと対峙することになる。幼いヨハンの命を救ってから、冤罪に巻き込まれ逃亡しながらヨハンを捜し続けた12年の総決算を果たすときが来たのだ。たくさんの命が失われ、多くの登場人物は救いようのない運命に翻弄された。Dr.テンマは無事疑惑が晴れ、国境なき医師団に参加するなど、ついに運命から解き放たれた。しかし、ヨハンは病院のベッドの上で心神喪失状態で、いまだ出生の時に背負った運命に縛られたまま物語は終焉を迎える。MONSTERにも「明日はくる」のだろうか。
本当の怪物はだれ?
2002/07/05 12:34
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:麒麟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とうとう最終巻です。
おもしろい作品というのは、最終巻で肩透かしということも多々あるのですが、さすがは浦沢さんです。最後まですばらしいです(というよりこの最終巻が一番すごかったです)。
怪物ヨハンの命を助けてしまったテンマの、ヨハンとの対決、そして最後の決断(選択)も良いのですが、その後の物語がすごいです。
——本当の怪物はだれ?——
ヨハンをもっとも苦しめたある記憶。その恐ろしさは鳥肌ものです。
どんな殺戮シーンより、どんな大量殺人より、恐ろしさを感じました。
最終ページの描き方も見事で、何も文句のつけようがない作品です。
途中、「人間は感情を無くすことはできない。感情は、どこかわからない所に迷いこんでいたんだ。まるで、俺宛てに出した誰かの手紙が、何十年もたってから届いたみたいだ」というセリフが出てきます。
人の感情や記憶を消しさる施設で育った人間も、本当に感情をなくすことなどできなかったというこの言葉に、とても救われた気持ちになりました。
最高の終幕
2002/07/29 13:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポーリィーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
惹きつけるだけ惹きつけておいて最後にガックリすることが多々ありますが、本書は最後になってようやく衝撃的事実を明かし、余韻までも与えてくれる素晴らしい最終巻となっていました。途中、次々と新しい人物が出てきて少々ウンザリしながらも結局個々の人柄に魅了されていきましたが、その登場してきた人物たちがただその場限りで出てきていた訳ではなく、ちゃんと意味があった(再び登場した)という点でも面白さが倍増されていました。これまでのお話が振り返られる「もうひとつのMONSTER」も面白いのでオススメです。
怪物の正体。
2002/04/14 03:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みやぎあや - この投稿者のレビュー一覧を見る
判明する事実が新しい謎を呼び、どんどん加速していったサイコサスペンスの完結編。怪物、ヨハンを殺すために追い続けてきたテンマが最後に取った行動は。そしてMONSTERの正体は…。
最初に言ってしまうと、この最終巻で、はっきりとした絶対的な決着は描かれていない。しかしテンマやニナ、そしてヨハンの取った行動は読み手に深い余韻を残す。読み手によって受け止め方もその後の予想も違うだろうエンディングがとても印象的。他の人がこのエンディングに対しどんな感想を持ったのか知りたくなった。
ついに衝撃の最終巻…
2002/03/12 11:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポーリィーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
謎についてだいたいの予想はついていたものの、最後の最後でその予想を上回る恐ろしい事実が暴かれ、背筋をゾッとさせられました。果たして、本当の怪物は誰だったのか…? 最終巻ということで生き残った人達が登場しますが、余りに連載が長かった為、誰だったのか思い出せない人もいました…。本書を読む前に最初から読み返しておくと、一層楽しめるかと思います。
謎を残したままのエンディング
2002/03/04 14:07
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投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
謎また謎、複雑に絡まる人間関係、手に汗握るサスペンス。雑誌連載では読んでいなかったんで、次の出るのが待ち遠しくて、待ち遠しくて。新しいのがでる度に第一巻から読み返してました。こんなにハマッたマンガはホントに久しぶり。まだまだ終わってほしくない、続いてほしいと思いながらも早く結末を知りたかった「モンスター」がとうとう終わっちゃいました。
東西の冷戦が「怪物」を生み出してしまったのですが、全てが戦争の責任というワケではなく、それを作り出した人間たちがすでに「怪物」になっちゃっていたんでしょうね。全部がキレイに解明されないで、謎を残したままでのエンディング。いつかこの謎が解ける日がくるのでしょうか?
HEHASNONAME
2002/03/03 07:24
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投稿者:MITU - この投稿者のレビュー一覧を見る
人が彼に名前をつけた。ほんとうにたくさんの名前を。彼はすべての名前を引き受けた。次第にそれは吸収され、彼の一部になっていった。どれもが本当で、どれも嘘の名前。人は彼に名前をつけた。彼はそれが自分なのだと信じた。彼は名前を食い尽くし、それは一つずつ減っていった。…彼には本当の名前がない。しかし彼は存在しつづけた。憎しみに覆われた名前のみを持ち、彼は誰かが本当の名前を呼んでくれるのを待っていた。「神」でも「天使」でも「怪物」でもなく、ただの名前を。真実とは、本当のことじゃない。そこにたどり着くことはできない。だから生きようと思う。切実で、残酷なモンスター級のミステリー対に完結。
終わりの風景
2016/03/20 11:02
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投稿者:ひややっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうしてヨハンはあんなにテンマにこだわらくてはいけなかったんだろう。双子なのにヨハンは怪物になりニナはそうはならなかった。何が二人を分けたんだろう。これが余韻なのかなあ。