気難しい王子に捧げる寓話【SS付き電子限定版】 みんなのレビュー

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投稿者：M　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

とても面白かった。
傲慢で愚かな王太子受けの内政BL。
いつもイライラしていて使用人にも当たり散らすし、手の付けられない引きこもりニート王子が受け。そして攻めはそんな受けを可愛がって甘やかしてヨイショして出世街道を走る野心家。

序盤はろくでもない結末しか見えない酷い有り様なんですけど、そこからの立て直し劇がとても面白い。意図的に沢山の目隠しや妨害を受けて育ってきた受けが本来の聡明さを開花させていく様子にワクワクする。もう1人の重要人物である受けの家庭教師役が受けの才能に気付くシーンとか最高だった。ここの二人の関係性も好き。攻めだけしかいなかった世界に友人という枠が増えてとても楽しそうだった。

そして攻めの複雑な激重感情が最高。愛だけではなく憎しみや羨望、執着などドロドロした感情も含めて全てが受けに向かっている。受けの事で頭がいっぱいな攻めに対して、攻めに何の感情もなさそうにみえる受けに、いっそ憎んでくれ…とさえ言っちゃうシーンがお気に入り。知らない間に別の男（家庭教師）を連れ込んでいたり、王太子として1人で歩み始める受けの姿を見て今までの余裕が崩れ去る様子も楽しくて最高でした。立場が逆転して攻めが追いかける側になるお話が大好き。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：apple2　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

聡明な素質があっても、大人が寄って集って潰せば、愚鈍なワガママ王子の出来上がり。
物語のはじまりはじまり……。

伝説の王子の生まれ変わりとされるエセルは、(周りからも本人すら)甘やかされている様に見えますが、実は虐げられています。
唯一の理解者で、自分の為の未来の摂政だと信じていたオズワルドの本質を、これまでの真実と自国の未来を、謎の老人の示す魔法の鏡で覗いた時から、エセルの第二の……そして真実の物語が幕を開けます。

寓話として読みやすく、王族という庶民とは異なる設定ながら、共感を持って読むことができました。

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投稿者：ニノシノゴ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

しっかりとした政治の話は、意外で面白く、最初の二人のダメダメぶりからの展開もとてと面白く、久しぶりに、一晩で一気読み。

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投稿者：KoLe　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

たくさんぎゅーっと一冊に詰まってて、飽きることなく読める、やや長編の本でした。綺麗だけど嫌なやつというキャラ設定が新鮮で、彼らの変化が面白かったです。最後の最後にご褒美エチで途中ほぼ絡まないのですが、ファンタジー部分が頁を繰る手が止まらないくらい楽しめたので気になりませんでした。絵はいつもの先生のより控えめな感じです。

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投稿者：ほくとん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

最初の受けの無知阿呆さ加減は攻めの視点で読んでしまいました
物語を２割読んだ時点ですでに面白い作品です
受けははじめ軽蔑、嘲笑、服毒、陰謀、などあらゆる悪意が渦巻いている場所で生活をしているので信じられる人間がほとんどいません
攻めも悪意があるそちら側

あるきっかけでそこから受けが這い上がり生まれ変わる生き様が痛々しくも美しかったです
教わらなかっただけで元々能力高いので攻めが後からアタフタするのでスカッとしました
最後はややサクサク物語が進んだ感じもあり
謎の老人も最初から検討がついていたので予測もしやすかったのですが全体として他のBL作品にはない厚みの世界観があります
ハッピーエンド

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投稿者：rosehiptea　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

これはすごい引き込まれました。
物語の端から端まで作り込まれていて、一人ひとりの人物がそれぞれ魅力的。

とんでもないワガママなエセル王太子。
そうなる理由もしっかり語られ、変化の過程も丁寧に語られます。
周りの人の表と裏の顔も知り、本当の姿が見えてきます。

その中で、私が一番好きだったエピソード。
庭師の老人とのエピソードです。
小さなエピソードですが、私はここで一番泣きました。
この庭師エピソードに出てくる花が、エセル自身を表しています。

悲しい涙もあれば感動の涙もあり、読みごたえのあるお話でした。

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投稿者：やじやじ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

始めは王太子のエセルもオズワルドも酷い有様で
読み続けるのが結構力がいります。
多分これを越えたらと思いながら読んでいたのですが
エセルの変化のきっかけもかなり重くてきつい。
エセルとともにそれを受け取ってからの物語
（そうなるように描く作者さんの力量に感服）

エセルは簡単に言えばネグレクトされた王太子
しかも宮中の企みが絡んでかなり酷い虐待された状態です。
そのせいで酷い有様だったのですが、からの変化
痛々しくも立ち上がる様に胸が痛くなるし
憐れで愚かな醜い王太子としか思っていなかったオズワルドが変化したエセルについていけない
しかも家庭教師（参謀）のマルジルの存在にやきもきする。
自分の手の内だと思っていたエセルが意味わからずに変化していたのだか
動揺するのは当たり前だろし、それ故にエセルへの執着がいや増していくの様ににやにやしてしまう。
（エセルの記憶力を気が付かなかったのかと指摘されたところの小気味よさと言ったら）
あんなにずっとそばにいて見えてなかったエセルの姿にすべて持っていかれてしまうのだ。
エセルは変わらずにずっとオズワルドを心に抱えているのですが
変化してからは（オズワルドの実態を知ってしまったので）押し殺しているのが切なく痛々しい。

分水嶺たる円卓会議が思ったよりあっさりしていたのがちょっと物足りない感じもありましたが、
最後の答え合わせ的結末にたどりつく様は見事でした。
銅鏡まできちんとピースに嵌った感があってすっきりしました。
ページ数も多いですし、割としんどいので
気力があるときでないと読めないなぁって作品でした。

☆4.5

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投稿者：なつゆき　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

攻め受け共に魅力を感じられないというかむしろ本当に彼らが主人公なのかと疑うレベルの最低さのまま話は進む。
受けが不思議な体験により自分の愚かさに気づき元々の聡明さを取り戻してからも長年のつけは重く攻めとの溝も埋められるはずもない。物質的には恵まれていはいても、精神的には不憫な受けが己のしてきたことを客観的に見ることが出来るようになってからの心情を思うと切ない。
父親をはじめ周囲の思惑で愚かになるべく育てられていた王太子と、そんな王太子を利用してのし上がろうとしていた攻めとのシリアスファンタジー。

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投稿者：おはな　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

もっと長々と政治的な争いがあるのかと思いましたが、あっさり決着した印象です。
鏡が見せた最悪の未来は、王宮と貴族の腐敗と貧民街の広がり具合から、割と近々だったのではないかと思います。
そんな転覆寸前の王国で権力を握っても大していいことないだろうと思うのですが、欲に溺れた人達のする事は理解し難いです。

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投稿者：はな　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公のエセル王太子のふるまいが嫌で、最初はなかなか読み進められず。でも、謎の老人との遭遇から、ぐんと面白くなりました。途中に残酷なシーンもありますが、因果応報です。

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投稿者：ゆき　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ボリュームがあるのにスラスラ読めたので一気に読んでしまいました。ストーリーも良く、お値段以上の作品だなと感じ、大満足の1冊でした。昔から名のある作家さんは購入しやすい値段のままでありがたいです。
これからも小中大豆先生のファンタジーチェックして購入したいと思います。これからもよろしくお願いします。