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紙の本
癖のある、刺激的な物語集
2024/03/04 09:03
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
ルシア・ベルリンという既に亡くなった、私が今まで知らなかった作家の短編集。私小説風でありながら、実体験を取捨選択し、一部改変し、脚色され、どれが本当のことかはわからなくなったストリー。彼女の子供時代の度重なる転居、複数の結婚の影響もあり、転職を重ね、シングルとして、アルコール依存症としての人生が、実体験そのものだった。時として予想を裏切る結末に驚き、短編を読み終える。
紙の本
ダイアモンド・シー
2023/08/23 14:58
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投稿者:ダタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドライでありながらメランコリック。
音楽でいうとソニックユースあたりが
BGMとしてハマりそう。
ジャンルを問わずこういった感性が
米国のアンダーグラウンドな文化を
豊かにしているのかなと思いました。
決して明るい話ではないが
不思議と暗い気持ちにもならない
素晴らしい一冊です。
紙の本
短編集
2023/07/29 11:02
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投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
訳文の言葉が冴えている。
きっと原文もいい感じなんやろなと思う。
段落替えがあまり激しくないので、文の塊が大きいが、それによる読みづらさはあまりない。
文章の脈絡もあまりないのに、クセになる。
幼い頃からの経験をじっと見つめ、自分の手で書く、その過程すらも想像してしまうようなヒリヒリする感じ。
決してキレイな話ばかりではなく、ずっしりくるものもある。
いくらか年齢を重ねて、様々な人との出会いや経験を積んだ人には味わい深い。
そのため、読んでしんどくなる人もあると思う。
そういう意味での評価3。
電子書籍
半分以上、事実
2023/07/03 22:35
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説だから、もちろん、フィクションなんですが、半分以上は、本当のことらしいですね。とすれば、すごい一生ですね……波乱万丈、とは、まさにこのことです。結婚と離婚をくりかえし、さまざまな職業を、経験し…。
紙の本
岸本佐和子氏が翻訳していると聞けば
2022/07/02 22:35
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作者のことを全く今まで存じ上げなかった、しかし、ミランダ・ジュライの「いちばんここに似合う人」を翻訳した岸本佐和子氏が翻訳していると聞けば、心配ご無用、安心印、躊躇わずに読むことができた。彼女の死後、息子の一人が「母は本当にあったことを書いた。完全に事実ではないにせよ、当たらずといえども遠からずだった」と語っている、そして、「我が家の逸話や思い出話は徐々に改変され、脚色され、編集され、しまいにはどれが本当のできごとだったかわからなくなった。それでいい、とルシアは言った。物語こそがすべてだから」と続ける、事実をねじ曲げるのではなく、変容させる、作品集にはテキサスで過ごした暗黒の少女時代、チリでのお嬢様時代、ブルーカラーのシングルマザー、がんを患った妹と過ごすメキシコ時代が描かれる、どの作品も私を引き付ける
紙の本
渇き切った熱風。
2022/06/11 22:42
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投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者であるルシアン・ベルリンの紡ぐ物語には、剥き出しの感情だけが持つ圧倒的な熱量、そしてそれを俯瞰的に捉える冷徹さが同居している。
想像を絶する人生経験を源泉とした物語たちは、彼女の血と涙で書かれていると言っても過言ではないだろう。
にもかかわらず、本作からは自己憐憫や哀愁といったものは一切感じられない。
むしろ本作を読み進めていくと同時に、渇き切った熱風に襲われたかのような、他の作品からはあまり感じられない異様な熱を体験するはずだ。
類まれなる観察眼と、これほどまでに言葉とは自由なのかと思わされる見事な表現力。
そして何より世界を定義することなく、美と醜を同時に見つめるその姿勢が唯一無二の物語を紡ぐ基盤となっているのだろう。
創作と実体験の境界線を自由に飛び越え、喜劇と悲劇を同時に描く彼女の作品に、もっと浸っていたいと思ってしまったのは私だけではないはず。
絶望と希望、幸福と不幸。
人生とはどれか一色に染まるものではない。
全ての色を内包しつつも、混ざりあうことによってそれ以上の何かになりうるのが人生なのだということを本作は私たちに突き付ける。
孤独や痛みに正面から向き合った彼女の言葉は、私たちの心を掴んで離さない。