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2022/06/26予約 42
1つ目 信仰
カルト教団を立ち上げるための話。
現実こそすべて、好きな言葉は
原価いくら?
のわたしが主人公。それを知らずに浮かれている人に、原価いくらか考えてみて!と伝えることが正義で一番正しいと思い込んでいる。
友達にもあなたといると疲れる、現実の中には夢みたいなものも含まれての金額なのでは?と言われる。
妹は、お姉ちゃんこそカルトだ!と家出する。
この話が一番心に残った。
原価、と言いたくなる気持ちは私にももちろんある。
これを他人に言うのは、確かにやりすぎかも。
他の短編も、そもそもの設定が???という感じ。今の私がどの立ち位置にいるのかわからなくなるくらい。
これが当たり前になる日が来たら、怖いと思う。
でもここ何年かのコロナで、こんなにもマスクの生活が当たり前になるなんて思ってもいなかった。それが今や、当然になっている。
人間もランク分けされ野生にかえる人がいたりする世界があってもおかしくないのかも。
かなり短い薄い本なのであっという間に読み切れます。
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野人!
こういうびっくりするような考え方の村田さんが好き。
イマジナリー宇宙人。
多様性のとらえた方がすごい。
深い。
お湯で戻すタイプのフリーズドライの自分のクローン、わたしも欲しい。
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★4.0
意味はよくわからないがめちゃくちゃ面白かった。
コンビニ人間を読んでから、世界観がすごすぎて、読んでなかったけど、言葉にできない。なのに面白いってすごすぎる。
『信仰』『生存』『書かなかった小説』が印象的。
ネタバレ
信仰 現実信仰って自分も
生存 生存率に支配された世界って、現代だと何に支配された世界なんだろ
気持ちよさという罪 個性と多様性一つでこんなに考え込むかね
書かなかった小説 自分のクローンほしい 本体が乗っ取られるってこわ
最後の展覧会 地球が滅んで、展覧会ってなんなんや
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確かにブランド品の原価を考えるともったいないと思う面もあるが、見栄や優越感をお金で買ってると思って自分を納得させてるところはある。そこを否定されると極論「均一」社会になってしまうのではとも思った。無駄な要素に対して何を選択するかによって「個性」は生まれるんだろうなと。
極論を宇宙レベルで表現される村田氏はぶっ飛んでいて好きだわ。
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今回の旅のお供。
「コンビニ人間」以来、村田沙耶香さんの本を読んだ。読後の著者のインタビューで小説の実験と聞いて納得。「多様性」「現実的」「温暖化」「家族」どれも体がいい言葉だが、違和感のあるモノ、一つずつ架空のSF小説にして、人の中にある嫌なモノについて問題提起し、どう思う?って聞かれている感じ。
「最後の展覧会」は、違和感があったが、これもインタビューを読んで納得。松方さんに対する知識なく与えられたお題について書いた短編小説と聞けば、違ってくるかも。
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村田沙耶香の作品は「コンビニ人間」しか読んだことがなかったのだが、こんなモチーフで書く人なのかと、驚いた。
李琴美の「生を祝う」を思い出した。
誰もが均質化した近未来に対する恐怖感は、感性の鋭い若き書き手の描かずにはいられない世界なのだと思う。
李琴美と違って、村田沙耶香ならではの描写は
「皆が笑うとほっとして、自分がここにいていい時間がすこし延長されたような気持ちになる」
といった、いわゆる同調圧力への違和感や
「気持ちよさということ」での、自分の罪に言及するといった自省的な姿勢かな。
しかし、「コンビニ人間」での村田沙耶香のイメージは、むしろ人間性からの逃避をしたい人だと思っていたので、すこし意外ではある。グチャグチャした人間味から距離を置きたい人なら、むしろ、均質化した無味乾燥な人間性が疎外された未来は歓迎すべきものでは?
そんな単純なものではなかったわけだ。
この人の小説、目が離せない。次回作も読みます。
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最近はたまたま宗教がらみの小説が多い。神という実体のない空想上のものを心から信じることが出来るのは人類の中でもサピエンスだけに見られる特徴だという。そしてそれが他の人類種を駆逐しサピエンスが地球を支配できた理由らしい。現在でもその特徴を生かし、国家やマネーなど実体のない決まり事を全力で信頼している。これも宗教の一種だとすれば、誰もが信仰を持っていると言える。だからこの主人公たちを笑うことが出来ず、薄ら怖い気持ちにさせられるのかもしれない。
あと面白かったのは”書かれなかった小説”私の中では著者はすでにSF作家の部類であるのだが、この短編集の中でも気に入ったSF。自身のクローンをヨドバシカメラで4体買ってくることから話は始まる。著者ならではの世界観が良い。
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「信じること」そう言うとなんとなく良いことのように聞こえるけど、「信仰」と言うと第三者目線ではどこかうさんくさくなる。だけど、当事者から見たら周りの人の方がおかしく見える。何が正しいのか、正しさなんてあるのか。虚構を信じることはいけないことなのか。現実だけを見て生きていくことが幸せだろうか。
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さすが村田沙耶香。今回も不可思議なワールドを作り上げていて、興味深い。
信仰
カルトにハマれる、信仰できるというのも、一種の才能なのだな。主人公の現実主義もひとつの信仰であるというのが、なるほどなぁ。
生存
少し前に読んだクオリティランドみたい。生存率で人間のランクが分けられる世界。
ランクDが野人、っていうのがぶっ飛んでいて面白い。
カルチャーショック
世界は均一とカルチャーショックの二種。って設定が、よく思いつくなぁと。均一語。味もない世界。
気持ちよさという罪
村田沙耶香の正直な独白。
クレイジーさやか、と愛を持って呼ばれている裏で、こんな葛藤があったとは。このことを罪だと思う感覚に、純粋で崇高なものを感じる。
書かなかった小説
クローン4体と暮らす日々を断片的に描く。
最後気弱なクローンDに家を乗っ取られるまでに何があったの?新しい試みで、面白い。
最後の展覧会
芸術とは、身体の中で花が咲くこと。美しい表現だ。
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この本は『信仰』と言うタイトルだったので、新興宗教を村田沙耶香さんがどういう風に描くのか非常に興味があり、買いました。
村田沙耶香さんには以前柚月裕子さんのレビューなどにも書いた地域の小説の講座でお目にかかり講義を聴く機会があり(ちょうど芥川賞を受賞される直前です)その頃、以前の作品は予習としてほとんど全部、拝読し、面白く読みましたが、その後『地球星人』が全くわからなかったので、村田さんからは遠ざかっていました。
『信仰』他、エッセイを含む七編が入っていますが、(160ページしかないので半日で全部読めます)ちょうど、拝読している時に、安部元首相の狙撃のニュースが入り、容態の安否が気になり、ずっとテレビのニュースをつけっぱなしにして聴きながら、ながら読みをしていたせいか、トコロンロン星のヒュポーポロヒュンである物体のことなどは、やっぱり全然頭に入ってきませんでした。
ごめんなさい。
安倍元首相の御快復を心よりお祈りしています。
村田沙耶香さんの昔の作品は面白かったし、村田さんもとてもキュートな素敵な女性でした。
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「なぁ、俺と、新しくカルト始めない?」現実こそ正義、好きな言葉は「原価いくら?」の私は、カルト商法を始めようと誘われてー。
『コンビニ人間』以来の村田沙耶香san。8つの短篇&エッセイ集。お気に入りは、6話目の「気持ちよさという罪」。村田sanが中学生の頃に感じた、先生の「個性を大事にしよう」という言葉に対する薄気味悪さ。「ちょうどいい、大人が喜ぶくらいの」個性。本当に異質なもの、異常性を感じさせるものは、今まで通り静かに排除されるのに・・・。
普通、個性、多様性、償いなど。『コンビニ人間』からも通ずるこの感性がとっても好きです!
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題名に興味あって購入した。自分の生まれ月日の当てはまる項目は成る程ななんて考えながら気持ち良く読めたが他の項目では自分には当てはまらないななんて考えながら読み進めた。
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やはり村田沙耶香さん、読後のこのムズムズさがクセになる。
「信仰」と「最後の展覧会」が特に好み。
原価いくら?と思いながらもワクワク分を加味して買うかどうか考えられるが、どっちかしか考えられないのもなかなか狂気的なのか…と実感。
信仰、崇拝するものがある方が幸せだったりそうじゃなかったり、そうじゃないつもりが実は信仰しているのかもしれなかったり、難しい。
最後の展覧会は全然読後にムズムズしなかったが、芸術、いいものだよなと。
自分の全てを賭けている人もいるし。
同じ人類でも人生の全て!というレベルの人もいれば無駄と思う人もいて諸々意見がわかれるところだと思う。
登場人物へではないが、この話を通した意見(と思われるもの)には共感した。
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8篇の独立した短編で構成されている。
1篇目の「信仰」では、物の原価と売価との乖離を許すことができない主人公の話。
マルチ商法や高価な時計、ディズニーの食事代金などは非現実的でカルト信仰だと考えていた。
しかし、行き過ぎた現実思考が、逆に周囲からカルトだと指摘され、人が離れていく。
現実思考から脱却しようと、知人が主催するカルトセミナーに参加して洗脳されようとするが・・・・。
その他、個性や多様性を取り扱った篇や、宇宙人と芸術の話など、現実と空想との間を行き来する、不思議で楽しい1冊。
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著者、苦手なのに読んでしまう・・・
けれど、今回は星新一?ぽくってSF小説だったんだー。と、私の中でのジャンル変更された瞬間でした。
次回作は進んで読みます!