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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本のコメ問題について、わかりやすくてよかったです。待ったなしで迫ってくる最大の危機に、対応してほしいです。
おコメは、大切ですね。
2022/09/12 08:42
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投稿者:おじゃもんくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
農業の専門家の筆者は、田んぼを見て学んで・育った世代。
日本のコメ問題を、一般の人でも理解しやすい本としてこの本を出したとか。
専門用語は極力使われていないが、しかし中々。
読むのに、メチャ時間がかかる一冊でした。
戦後の日本は、食糧難の問題が大きく。
食料の自給の基本をコメと位置づけ。
やがて飽食の現代に至っている。
第一の転換期を1967年。
第二の転換期を1978年。
第三の転換期を1993年。
第四の転換期を2008年。
その後の第五の転換期(2052年)では、農地が余る時代が到来し。
それを転換点Pの先を、領域Xと提起して考える時期に来ていると提案。
日本のコメの問題は、コメ余りから田んぼ余りに。
田んぼを畑に変えて行っているが、その先に農地余りが出て来る。
戦後コメの自給が達成後、日本の農政は方向転換が多く。
また人口増から、大幅な人口減の時代に変わり。
コメ食からパン食への変化。
牛肉・豚肉の大量消費の時代。
この飼料の為には、コメや麦・トウモロコシを農地で作らなければならない。
第一から第四の転換期で、政策の転換の遅さは国民の理解度の低さと考え。
転換点Pが来る前に、みんなで考えようというのが本書の狙いかな。
自分たちの未来を、考えて行く為の一冊ですね。
政治・経済にも精通した農業書・素晴らしい良書です。
2022/07/19 15:20
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本でのお米生産の歴史を振り返りながら、日本のお米のあり方について著者が説いた1冊です。
当書の素晴らしい点は、著者が農学者でありながら、政治・経済にも精通している点です。日本の国政の話、経済学で習う数学などを用いてお米について説明している点に、著者の勤勉さ、学者としての能力の高さを強く感じました。類まれなる素晴らしい良書です。
なお、個人的には第一章が1番好きです。日本人のお米に対する考え方に、著者が「それは違う」と学術的に反論している点が、新たな視点を学べて良かったと思ったからです。
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コメ不足からコメ余りへ―半世紀で大変貌を遂げた日本人とコメの関係を概観。今なお残る未解決問題と忍び寄る最大の危機とは何か?
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大学の文化人類学の講義で、富山和子さんの「日本の米」を読んで以来、コメに関する本を何冊か読んできた。
著者の小川真如(おがわまさゆき)さんは、1986年生まれの36歳である。
大量のデータや内容が整理され、「日本のコメ問題」をわかりやすい言葉で執筆されたことに、とても感動した。
自分にとっては、新書ひさびさのヒット作品だった。
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日本のコメ問題、農地余り問題の本質に冷静かつ稠密に迫った本。農水省、政治家が自身の無策を実働部隊のJAに押し付け、責任回避したのが良く分かります。
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本書はコメに止まらない食糧安全保障に関する知見を素人に分かり易い言葉でよくまとめられており、目から鱗のような気づきが得られる良書である。
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https://www.chuko.co.jp/shinsho/2022/06/102701.html
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雑な要約
日本のコメの消費量は高齢化や代替品の需要が高まり年々減ってきている。ただ著者はコメ余りは消費者にとっては良質な製品が安価で手に入れることができるためそこまで問題ではないと述べている(と思う)。長年、日本の悲願であった米自給化を達成できた事は、コメの不足に悩まさられることがない訳で悲観的に捉える必要は無い訳だ。
むしろコメ問題の本質は田んぼが余ることであるという。
日本は現在、多くの食料を海外からの輸入に頼っており、それが途絶えるとたちまち食料安全保障が脅かされることになる。しかし、人口減少の進行により食料の消費量が減っていき、いずれ現在の輸入に頼る形態から、自給が可能になる転換点が訪れ、それ以後は農地の余剰が増えていくことになる。それに対し著者は警鐘を鳴らしており、なぜそれが危機であるかというかと言うと、ぼんやりとしか覚えてないので断言出来ないが、過去のビジョンなき農政の同じ轍を踏む可能性があるからだ。
昭和後期(年は忘れた)コメの自給を達成した以後、コメは供給過剰となり政府はその対策に公費を使い対応に追われることになる。その財政負担が、財界など各所から非難され結果、コメを作らせなかったり転作を促す減反政策が施行された。このなし崩し的な政策は、後の食料安全保障を脅かす結果となり、農業や国土の衰退を招いた。
このまま何のビジョンも持たずただその転換点までになんの対策もしないと、ただ国内の需給のみに気を取られ、海外展開や飼料用への転換など需要を新たに掘り起こそうとする意欲にかけた過去の政策を繰り返すことになりかねないのだ。
田んぼは食料の生産の利用に限定されず大雨時の治水作用や多様な生態系の保護など豊かな国土形成のために重要な土地であり有効な活用方法を見いだしていく必要がある。
感想
農産物は工業製品と較べ自然環境の要因が生産に大きな影響を及ぼし、植え付け時点で将来の予測を立てるのが難しい。凶作時も想定して農地開発が行われるだろうから、天候が穏やかだと余剰が産まれやすいのではないだろうか。
本書には述べられてないが、私はコメの先物市場廃止の観点からコメの問題を軽くではあるが見ていきたい。
価格発見機能を備えた先物市場は未知のリスク要因をヘッジする機能を持ち、生産者の助けとなる。しかし自民党の農水族の反対により、コメ先物市場は廃止された。先物というと投機的な悪いイメージがあるのも原因の一つだろうがコメの価格を市場に完全に委ねるのに抵抗感がある議員もいるのだろう。
コメは日本人にとって特別だ。凶作になって売り控えが起き、コメ価格が暴騰したら政権運営にも支障をもたらす。そのため本音としたらコメの管理は政府や農協が行いたいのかもしれない。
ただ国際化が進展し、様々な市場で様々な商品の先物取引が行われている現状で日本では価格の決定に瑕疵があるとするならばどうなるか。国際競争力を失うことになるのみである。
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基本的に米が余分に作られていることと「田んぼ」自体が余っていることの問題を分けて考える必要がある。
生産性が上がり、人口が減少しているためコメが減ることは仕方ない。→作りやすい田んぼが中心となって作られるため。
それ以上に耕作放棄となる作りづらいところは災害防止等の観点で重要な意味を持っているためそれがなくなる副次的意味の方が大きい
田んぼは個人の資産であるため結局親戚等の手に渡ることが多い。もしくは多少の赤字になっても生きがいや家族の保険として田んぼを所有する人も多いため赤字で少量の田んぼ所有が増えて農地集約の妨げになっている
米は国が管理したり介入することが多い、多かったものではあるが致し方ない情勢によってルールが突然変わったりすることもある。
とにかく現状等の情報収集を欠かさずに常に対応をチェックしていく必要があることを心においておく