紙の本
明るくない
2023/02/17 16:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本の人口減少に警鐘を鳴らし続けてきた『未来の年表』シリーズの第5弾である。
28の業種・職種について現状の人材不足あるいは需要の減少、すべての業種・職種ではないが、20年から40年先にどのような状況になっているかについて考察されている。その業種・職種は自動車整備士、銀行、地方新聞社、ローカルテレビ局、トラック運転手、住宅メーカー、鉄道会社、水道事業者、病院、寺院、地方自治体など広範にわたる。これに加えて、サービス施設(コンビニ、書籍・文房具小売店、総合スーパーマーケット、理容店、郵便局、銀行、病院、有料老人ホームなど)が存続できる自治体規模が明示されている。明るくない日本の近未来の一部は次のとおりである。◆わずか20年で新規学卒者が4分の3になる。短期間での急激な減少により、大企業や人気業種でも求める人材を十分に確保できなくなる可能性がある。◆2050年、消費者の4割が高齢者となり、消費者の実数が減る以上に消費力が衰える。◆子供を産むことができる年齢の女性が減っていくため、少子化対策を強化しても出生数の回復は簡単には見込めない。◆新聞発行部数は20年前に比べて38%の減少。現時点での新聞の平均閲読時間は10代1.4分、20代1.7分、30代1.9分と若い世代にほぼ読まれていない。今後、さらに発行部数が急速に減少していく。◆今後30年で30代前半が3割減。これに伴い新築住宅販売件数も大幅に減少する。◆今後40年で上水道使用料は4割減。水道事業は水道料金で運営する独立採算制であるが、需要の減少は経営環境の厳しさが増す。
著者は、既往の『未来の年表』で、人口減少に対応するために、「戦略的に縮む」ことを強調している。本書では「戦略的に縮む」ための10のステップを示している。ほぼ同時期に出版された野口悠紀雄著『2040年の日本』(中公新書)と併読、明るくない日本の未来を直視してはいかがか。
紙の本
いろいろなデータを提供してくれているので楽しい
2023/12/01 14:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
副題にあるとおり、まさしき日本は「瀬戸際」に立っていると思う、移民を認めない政策に拘り続けた結果、賃金は東南アジア諸国に迫られ、魅力的な職場ではなくなってきている。また、いろいろなデータを提供してくれているので楽しい
電子書籍
戦略的に縮む
2023/10/31 15:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいて気が重くなる事ばかり
しかし、この現実から目をそむけて以前のままだと日本は急坂を転げ落ちるように転落していくだろう
戦略的に縮むための10のステップ
多極分散でなく多極集中
薄利多売でなく厚利薄売ビジネスモデルへ
わかっていても難しい問題だが、
むきあわないといけないと思う
紙の本
人口減で、ビジネスやサービス施設の未来は。
2023/01/30 08:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おじゃもんくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの「未来の年表」「未来の年表2」の続編ですねぇ。
思わず買ってしまいました。
「未来の年表」は、統計に基づいて未来を予測し。
データーは、残酷でもあり正直でもあり。
新型コロナウイルスの蔓延もありますが、この国の未来を提示されていました。
さて今回は、前作の様に国全体・地方自治体の大きな動きに対して。
ビジネス産業や私達の暮らしにかかわる部分での未来予測。
そして、人口減少は当分止められないので業界自体の動きへの提言ということでしょうかね。
昔の様に、「右肩上がりの成長」は望めず。
人が減り、特に若者が少なくなるので。
働く人が減り、消費者も減り。
その縮小していく社会の中で、最良の方法を模索して欲しいとの願いも見られました。
既にこの国は、その瀬戸際に来ている様です。
物流では運転手不足で、鉄道は利用者減少で。
60歳代の自衛隊が、高齢の国民を守る国家。
多死社会なのに、寺院が後継者・檀家不足で消滅危機。
水道代がインフラ整備に追い付かず、どんどん値上げされる社会。
外国人労働者は、環境整備が遅れている日本より他国を選び出し。
時だけが過ぎて行き、今取り組みを始めないとタイムオーバーになるなぁ。
と、思いつつ。
この国の終焉を見たい気もします。
本書の続編は、どんな未来を書かれるのか。
楽しみですね。
紙の本
財界、政界、官界もわかっているけど変えることができないか
2023/01/17 19:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は「未来の年表」シリーズで、人口減少・少子高齢に関し、繰り返し警鐘を鳴らしていたが、さらにいくつかの業界を取り上げ、掘り下げようと格闘したものである。未だに、子どもを3人産みましょうと説く政治家が多いからなおさら繰り返し問題提起をしないとどうにもならないのだろうか。政治家だけでなく、行政の進め方を変えようとしない官僚、高度成長期さながらの経営方針のままか、賃金等を抑え、内部留保に走る経営者を見て、いら立ちが募るのだろうか。本書の目次を見ると、
はじめに
序章―人口減少が日本にトドメを刺す前に
第1部 人口減少日本のリアル
革新的ヒット商品が誕生しなくなる――製造業界に起きること、整備士不足で事故を起こしても車が直らない――自動車産業に起きること、IT人材80万人不足で銀行トラブル続出――金融業界に起きること 等が続く。業界大変化ということで、少子高齢化での人口減少で、これでもかという具合にその影響を説く。単純に人口が減るから大変だというのでなく、高齢者増で開業医は繁盛するのか、寺院や葬儀業界は潤うのかという点でも、そうは問屋が卸さないと指摘する。今や防衛予算増が取り上げられているが、長年、自衛官は集まらないまま、採用時の年齢を引き上げても集まらず、特に現場を担う層の欠員が大きいので、60代の自衛官が80代~90代の命を守ると取り上げる。ウクライナ侵略でも、ロシアのワグネルという軍事会社に雇われているパイロットに60代がおり、現実の話になっている。2022年の出生数は約77万といわれ、今後100年近くは縛られる。頼りの外国人労働者からも見捨てられつつある。本書ではこれも世界競争というが事実であろう。
第2部 戦略的に縮むための「未来のトリセツ」(10のステップ)
ここでは、ステップ1~10までの著者の提案が提示されている。これまで、多くの方が取り上げたレベルと言えるが、メニューとしてはわかりやすいと言えるだろう。さらに、深く掘り下げた書籍や論文等で押さえていくべきだと思う。一読する価値はある。
投稿元:
レビューを見る
<目次>
序章 人口減少が日本にトドメを刺す前に
第1部 人口減少日本のリアル
第2部 戦略的に縮むための「未来のトリセツ」(10のステップ)
<内容>
基本的な構造は他の本と変わらない。情報がリアップしただけ。まあ、わかることは、少子高齢化は止められない。自治体一つの対策は、近隣自治体の足を引っ張ることになるだけ。従来の成長神話は捨てる。知的財産をしっかりと作り、キープし、製品・サービスに付加価値をつけて、「厚利少売」する…。こうした発想を持てる経営者や政治家、役人はどれだけいるか…
投稿元:
レビューを見る
第一部は、様々な業界における人口減少の影響について解説しているが、広く浅くやや総花的な印象を受けた。
第二部は、人口減少を前提に、戦略的に縮む方法について解説されている。全体のパイが小さくなるので、売上よりも資本効率性を重視するべき/高付加価値化を目指すため、無形資産・人的資本を重視すべき等、最近よく言われていることが、人口減少という背景を踏まえていることが理解できた。
投稿元:
レビューを見る
このシリーズも5冊目のようだが、次第に少子化対策への期待が薄れ、具体策の有効性はないものとして、その上でどう生き残っていくか、という方向にシフトしている。
外国人労働者も低賃金の日本にはきてくれないだろうし、子どもを産むことのできる女性の総数が減っている以上、少子化対策を強化しても出生数の回復は見込めない。
ならば、人口減を前提として、それでも豊かにあり続けられる方法を模索した、とのこと。
「多極集中」という考え方は、ありだと思う。限界集落があちこちに分散するのは、インフラのコストが莫大になってしまう。東京一極集中を避け、いくつかの地方都市に分散して移住し、駅を中心に人が住むという居住の仕方は、現実的だと思う。
日本すばらしい!のテレビ番組はまだあるようだが、そんな目くらましをうっとりして現実逃避してないで、早く現実を見つめて、自分たちの社会を変えていこうという風が吹いてほしいと思う…切に。
投稿元:
レビューを見る
もはやシリーズ化したと言える未来の年表、少子高齢化によって具体的に起こることの事例を列挙してますがまだまだ他にもあるでしょう。著者も続編の執筆をほのめかしています。
問題は対策なのですが、成長路線からの脱却、選択と集中、生産性の向上など、今となっては陳腐化した施策ばかりが提言されています。第一人者だからこそ、何か斬新な提案を期待したいです。
投稿元:
レビューを見る
内容はこれまでのもの、ただし産業別に個別展開 Data収集が大変
日本は官庁がDataを独占しているので、知や政策が創造されない
投稿元:
レビューを見る
業界ごとに未来予想が書かれています。
ビジネスマン的には、どの話もまあそうだよなと思う一方、目を引くような話はなかったかなとの印象でした。
目覚ましい勢いでテクノロジーが発展してるんで、そのまま、この本に書かれてるようにはならないのかなと思ってます。
投稿元:
レビューを見る
2023年最初の読書は、『未来の年表』シリーズを選んだ。
元祖『未来の年表』の衝撃から5年が経った。当時は「この本に書かれている通りに変わるのかな?」「もし変わったら、世間の価値観が変わって面白そう」と、ボンヤリと感じた程度。あの頃から日本の状況は改善されたどころか、急速に「崖っぷち」へ追いやられた。読み進めるうちに、厳しい現実を突きつけられ、読み終わる頃には、ワールドカップの熱狂の名残が吹き飛んでいた。
あらゆる公共サービスと社会機能が急激に縮小するリングの上で、ヒト·モノ·カネを取り合い続ける「ゼロサムゲーム」をいつまで続けるのだろうか。ますます貧乏で閉塞感の漂う未来がすごそこに近づいている。100歳まで生きるためには、日本企業でサラリーマンを続けてはいけないのだろうか。現実の延長では想像できない。
もはや「将来は田舎で穏やかに過ごす」なんて、暢気に構えて居られなくなった。夢を見るのは良いが、数十年かけて、相当な準備と覚悟が必要なのだろう。新年の仕事始めにあたり「異次元の働き方で売上を伸ばせ」「うちは安定した業界だから転職なんて考えるな」などと言う、社長のコメントが空虚に感じられ、1ミリも心に響かない。
確かに私自身、転職する計画は無いのだが、「この会社が潰れたらどうするのか」「60歳を過ぎた時に何をしたいのか、どうなっていたいのか」くらいは、本気で考え始めたいと思う。(昨年は何も思い描けなかったので)
投稿元:
レビューを見る
人口が減少する日本で、各業種や公共サービスに何が起こるのか。
今後日本が直面する、実人数が減り消費量が落ち込む「ダブルの縮小」。
日本にこれから起きる大変化を詳細に描き、「戦略的に縮む」という成長モデルの手順を深掘りしていきます。
投稿元:
レビューを見る
「未来の年表」シリーズ5作目となり、著者によるこのシリーズはすべて、関連書籍も読んでいます。
今回は、これまでと同様、人口減少に関する内容の中で、それぞれの業界がどのように変化していくかということにスポットを当てた内容になっていますので、自分の業界や地域の状況などにより、一層身近な問題として感じることができる内容となっています。
著者がこのシリーズを始めたのが2017年で、5年近く経過しており、それでも状況が変わっていない現状を嘆いています。その思いを「人口減少対策は夏休みの宿題のようなもの」という表現をしているのが、著者の複雑な心境を感じさせます。
個人でできることは限界があるものの、人口減少はわかっている未来。少しでもできる対応策を考えたいものです。
▼マーケットの縮小とは単に総人口が減るだけの話ではない。若い頃のようには消費しなくなる高齢消費者の割合が年々大きくなっているのである、今後の日本は、実人数が減る以上に消費量が落ち込む「ダブルの縮小」に見舞われる
▼商圏人口が減るということは、同時に、消費者が求める「便利さ」のモノサシも変わるということだ
▼ここで言う「人口減少に打ち克つ」とは、人口が減ることを前提として、それでも日本社会が豊かであり続けられるようにするための方策を見つけ出すことだ。社会やビジネスの仕組みのほうを、人口減少に耐え得るよう変えようというのである。
▼人口減少対策とは「夏休みの宿題」のようなものである。いつかやらなければならないと頭では分かっていても、ついつい後回しにしがちだ。その変化は日々の暮らしの中では目に見えないほど軽微なためである。「まずは目の前の課題をこなすことが先だ」と言い訳しながら、時だけが過ぎていく。
<目次>
序章 人口減少が日本にトドメを刺す前に
第1部 人口減少日本のリアル
●革新的ヒット商品が誕生しなくなる
ー製造業界に起きること
●整備士不足で事故を起こしても車が直らない
ー自動車産業に起きること
●IT人材80万人不足で銀行トラブル続出
ー金融業界に起きること
●地方紙・ローカルテレビが消える日
ー小売業界とご当地企業に起きること
●ドライバー不足で10億トンの荷物が運べない
ー物流業界に起きること
●みかんの主力産地が東北になる日
ー農業と食品メーカーに起きること
●30代が減って新築住宅が売れなくなる
ー住宅業界に起きること
●老朽化した道路が直らず放置される
ー建設業界に起きること
●駅が電車に乗るだけの場所ではなくなる
ー鉄道業界に起きること
●赤字は続くよどこまでも
ーローカル線に起きること
●地方に住むと水道代が高くつく
ー生活インフラに起きること
●2030年頃には「患者不足」に陥る
ー医療業界に起きること1
●「開業医は儲かる」という神話の崩壊
ー医療業界に起きること2
●多死社会なのに「寺院消滅」の危機
ー寺院業界に起きること
●会葬者がいなくなり、「直葬」が一般化
ー葬儀���界に起きること
●「ごみ難民」が多発、20キロ通学の小学生が増加
ー地方公務員に起きること
●60代の自衛官が80~90代の命を守る
ー安全を守る仕事に起こること
第2部 戦略的に縮むための「未来のトリセツ」(10のステップ)
ステップ1 量的拡大モデルと決別する
ステップ2 残す事業とやめる事業を選別する
ステップ3 製品・サービスの付加価値を高める
ステップ4 無形資産投資でブランド力を高める
ステップ5 1人あたりの労働生産性を向上させる
ステップ6 全従業員のスキルアップを図る
ステップ7 年功序列の人事制度をやめる
ステップ8 若者を分散させないようにする
ステップ9 「多極分散」ではなく「多極集中」で商圏を維持する
ステップ10 輸出相手国の将来人口を把握する
投稿元:
レビューを見る
人口減少で起きる未来を書いている。
商店やインフラ等を身の回りにも大きな影響があると思った。
第一部が人口減少で起き得ること、第二部でその解決策の構成だが、第一部の分量が非常に多いと感じた。