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みんなのレビュー33件

みんなの評価4.5

評価内訳

  • 星 5 (12件)
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  • 星 1 (0件)
33 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

先生、ありがとう。気づいてくれて。

2010/07/10 18:58

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildflower - この投稿者のレビュー一覧を見る

トリシャの家の不思議な儀式。それはハチミツを本の表紙にたらして、家族が声をそろえてこう唄うのでした。
「ハチミツはあまーい。本もあまーい。よめば よむほど あまくなる」。
このひとことを書評仲間でこちらの先行評を書かれているwildcatさんに教えてもらいました。
本を読むこと、知識を蓄えてゆくことへの、最大の応援歌のように聞こえます。

でもこの一言が、主人公のトリシャにとってどれほど大きな意味を持っているのかは
本書を最後まで読むまで、ちっとも分かっていませんでした。

このときトリシャは5歳。
本をひとりで読み聞かせてもらわずに、読めるように…という年齢です。
日本ならば小学校へ上がる前の時期。そろそろ仮名を読ませようか、書かせようかと両親が思うような年齢です。
トリシャも幼稚園に通っていますが、一説によればアメリカでは年長から学習過程にカウントされるらしいので*、
いわば入学準備への祝いごとのようなかたちで、先に挙げた「ハチミツの儀式」が行われていたのかな……と感じました。

ところが本が大好きだったトリシャは大きな壁にぶつかります。
「本は、だいすき」なのに「ぜんぜん、よめない」。
なぜなら字が「くねくねした かたちにしか みえない」からでした。

見かけは普通にみえる彼女。絵を描かせれば上手な少女。
家族は温かく支えてはいますが、誰も彼女の抱える悩みに気づくことはなかったように感じられます。
彼女が恥ずかしさで必死に隠していたからかもしれません。

そこへ家族のカリフォルニア州への引っ越しが挟まります。
5年生になったとき、運命の出逢いがありました。
フォルカー先生と出逢って、初めて、彼女はLD(識字障害)の専門の教育を受け始めることができるようになったのです。

この5年の間の彼女の哀しみを思うと痛々しいです。
頭が悪いことと、字が読めないことは「同じ」ではないのですが
子どもたち、そういう知識をもたないおとなたちは、そうは考えないからです。
もちろん本人も。

無条件に愛してくれたおじいちゃんおばあちゃんがいなくなり
小学校といういわば誰も庇護してくれない場所で、彼女がよく耐えてきたと思います。


   フォルカーせんせいは、トリシャが よめると おもっているはず。
   となりの子が よんでいるのを あんきできたし
   せんせいが よんでくれたあと、おなじことを くりかえしたから。

とうとう先生にバレてしまった、自分はだめな子だと傷心してなきじゃくる彼女でしたが
それに対して、はじめて彼女の悩みに気づいた先生はこう答えます。

   でもね、よーく、かんがえてごらん。
   きみには 字や すうじが みんなとは ちがってみえるのに
   らくだいしないで ここまで きたんじゃないか。
   せんせいたちでさえ 気づかなかったんだよ。

   つまり きみは かしこくて、
   それに とっても ゆうかんだって ことじゃないか。


そしてやっと、彼女がほんとうに必要としていた支援が与えられました。
自分のちからで、彼女が本を読めた瞬間の感動は
ヘレン・ケラーがはじめて「Water!」と叫んだ、あの名場面のように胸を打ちます。


末尾には日本LD学会会長の言葉が載っています。
これは、絵本であり、また著者ご自身がLDで悩んでこられた経験を書かれた優れた啓蒙書でもあります。

巻末のひとことが印象に残ります。

  このすばらしい本を 世界中のトリシャに、LDのこどもたちに、
  そして、誰よりも、いじめっ子エリックに贈りたいと思います。


識らないことというのは、ときにとても不幸なことだと感じます。



※教育課程に日本の幼稚園(英 kindergarten)の年長組に当たる1年間を含めるのが一般的であるため、
通常は初等・中等教育を称してK-12(幼稚園から12年生まで)と呼ぶ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%95%99%E8%82%B2

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紙の本

ハチミツの味

2005/12/11 22:59

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

彼女の絵は、とても、リアル。
絵本の絵というものを超えているリアル感。
私は、出来事を言葉で記憶しているけれど、
きっとパトリシア・ポラッコは、正確に映像として
記憶していたのではないかしら・・・。
私は、絵本でさえも、絵よりも文章を追ってしまう方なのだけど、
これは、絵を追わずにいられない。
絵が語りかけてくる。
トリシャの喜びも悲しみも、まるで絵の中にそのまま
記憶として残っているように見える。
笑顔も泣き顔も、あまりに、リアルで、
特に、いじめられて泣いているところなどは、
いっしょに泣きたくなってしまう。
この絵本は、自伝的な作品です。
絵はみんなが注目するほどにうまいのに、
トリシャは、字を読むことが苦手。
彼女には、読み書き障害があったのです。
みんなと同じようになかなか読めるようにならない
トリシャをみんながからかっていじめます。
おなかがいたい、のどがいたいとずるやすみをするように
なるほど、がっこうがだいきらい。
5ねんせいなったときに、あたらしくやってきたのが
フォルカー先生。
フォルカー先生は、トリシャにあった方法で、
読み書きを教えてくれたのでした。
トリシャの家には、こんな儀式がありました。
こどもが5さいになると・・・
本を持たせて、ハチミツをたらし、
こどもがそれをなめるのです。
「どんな あじだね?」
「あまーい」
かぞくが こえを そろえて
うたうのです。
「ハチミツは あまーい。
本も あまーい。
よめば よむほど あまくなる!」
この儀式、大事な大事な象徴です。
こんなに本を大事にする家に育ったから、
トリシャは本を心からきらいにはならなかったのでしょう。
彼女は、読み書き障害を克服して、
児童絵本作家になったのでした。
大好きなことと苦手と思っていたことが
ミックスして、だからこそ、深いものが生まれたんだ
という気がします。

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紙の本

現在は

2019/12/14 19:17

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

昔に比べて、できないことに対するケアが進んでいるように思うけれど、それでも理解はまだまだ進んでいないと思うし、自分がわかっているかというとわかっていないようにも思う。
物語からでも理解できたらなと思う。

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紙の本

本を読める幸せを再認識

2002/04/01 08:27

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:キャンディーブーケ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 字が読めないことでつらい日々を送っていたトリシャにとって、フォルカー先生との出会いがどれだけ貴重で、人生を変えるほどのことであったか、ひしひしと伝わってきます。

 でも、本人に「字を読みたい、本を読めるようになりたい」という強い意志が無ければ、先生の熱心な指導も、かえって嫌になってしまうはず。幸い、トリシャには、本を読みたいという渇望がありました。それには、本を読めることに感謝する、家族の影響も大きかったのだろうと思います。トリシャが落ち込んだ時、温かく慰め励ましてくれるおばあちゃんの存在も、印象に残りました。

 ところで、私としては大変気に入ったこの本でしたが、幼い娘には、リアルな絵が怖かったらしく、敬遠されてしまいました。もう少し大きくなってから、また勧めてみようかと思っています。

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紙の本

ありがとう

2020/02/07 21:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る

トリシャは、本を読むことをとても楽しみにしていました。でも、トリシャにとって、字も数字もくねくねした形にしか見えません。トリシャが、5年生になったときにフォルカー先生と出会います。

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紙の本

すべての子どもたちに、フォルカー先生があらわれますように

2002/08/05 02:52

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 字や数字がくねくねしたかたちにしか見えなかったトリシャ。
 字が読めないことに苦しみ、友だちもできなかったトリシャ。

 けれど、5年生になったとき、新しい先生がやってきて、トリシャの心を理解して、特別な訓練で文字を教えてくれることに。
 トリシャは初めて自分で本が読める喜びを知り、やがて大きくなって、絵本を描く作家になりました…そう、パトリシア・ポラッコという作家に。
 これは、LD(学習障害)児であった著者自身の体験を描いた、自伝的な絵本。

 ラストの一文を読みおわると、胸がいっぱいになります。
 自分を理解してくれる先生との出会いが、人生を変えることもある…これは、そういう真実の物語です。

 子どもを持ち、毎年、さまざまな先生と出会いますが、子どもにとっては学校にいる時間がとても長いわけで、先生との出会いは、子どもの精神的成長にとって、良くも悪くも大きく影響するのを実感します。
 すべての子どもたちに、フォルカー先生があらわれますように、と願いをこめて…。

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紙の本

そう、ハチミツは甘い、本も甘い。読めば読むほど甘くなる!

2002/01/08 14:18

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まち - この投稿者のレビュー一覧を見る

まわりの人はすらすら読める本が、自分にとってなんだかわからないものだとしたら、どんなにつらいことでしょう。主人公の女の子、トリシャにとって、字は、くねくねした形に見えるだけのものでした。おじいちゃんやおばあちゃんに読んでもらうのは大好きなのに、自分で読めないなんて。「わたし、みんなとちがうのかな」「あたまがわるいのかな」。友だちにもいじめられます。転校しても状況は同じ。「あかんぼみたいな読み方、するなよなー」。いじめっ子たちのことばが、突き刺さります。
そんな中で、奇跡は起こりました。フォルカー先生との出会いです。背が高くておしゃれなフォルカー先生(ネクタイもシャツの色もいろいろ。なによりも、顔の表情が素敵)は、どの子が一番かわいいとか、勉強ができるとか気にしていないようでした。トリシャの描く絵がすばらしいことをほめてくれ、トリシャがいじめられていること、なぜいじめられているのかを見抜きます。そして、国語の先生とも組んで、放課後、不思議な方法で読み書きの特訓をしてくれます。そう、トリシャのための特訓です。とにかく、字、字、字。ことば、ことば、ことば…。なにがなんだかわからなかったトリシャも、だんだん楽しくなってきます。何ヶ月もその特訓を続けた後、トリシャは分厚い本を、意味を考えながら読めるようになります。魔法みたいに、すらすらと。ぱあっと光が差し込むみたいに。
作者のパトリシア・ポラッコは、『チキン・サンデー』(邦訳:福本友美子訳 アスラン書房)、『彼の手は語り継ぐ』(邦訳:千葉茂樹訳 あすなろ書房)などの作品がある絵本作家です。殊に『チキン・サンデー』を最初に読んだときの、衝撃を今思い返します。主人公の女の子の視線が優しく鋭く、独特のものがあったのです。このLD障害児の物語が、ポラッコ本人の子ども時代の実話ということで、合点がいきました。トリシャ=ポラッコは、たとえ文字が読めなくても、その底に流れるものをじっと黙って見つめることができる子どもだったのでしょう。うれしくてたまらない時に流れるなみだを、早いうちに知ったのでしょう。
「読める幸せ」を感じているトリシャの表情を見ていると、文字が読める、書けると思っている自分が、いったいなんだというのかな、トリシャの半分も、ものごとを感じることができないのかもしれないと、思うのです。
日本LD学会会長の上野一彦氏の、LDの子どものまわりにいる大人へ向けた文章が巻末にあります。

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2008/10/13 23:26

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2010/06/16 22:23

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2010/07/11 13:50

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2010/10/15 16:57

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2010/11/24 21:31

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2013/10/27 22:58

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2011/01/14 15:05

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2011/03/10 20:07

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