紙の本
人生のゴール
2023/05/29 17:54
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
生き抜くことのつらさ、切なさを感じさせ、そして死に臨む際に温かな思いに浸ることも可能であることを思わせる物語。生まれた者は必ず死ぬのだが、死を人生のゴールと考え、そこへ向かい一歩づつ確かな生きている日々を積み重ねる大切を示す地域医療医師の姿は、神々しい。しかしそんな彼にも、生きる上での重荷を引きづり、生きづらさを感じていたのは驚きだった。その生きづらさに負い目を感じて、医療過疎地域での医療に身を投じたのだが、医師の確保の難しさが生んだ現実だったのだろう。
紙の本
素晴らしい
2023/03/15 04:12
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投稿者:ママさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
隠された秘密が繋がると言う要素もありますが、やはりなんといっても生き方、死に方の素敵さですね。
満天は満点なんですね。感動しました。
紙の本
いろいろ考えさせられました
2024/02/13 15:37
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投稿者:再び本の虜に - この投稿者のレビュー一覧を見る
藤岡氏の2作目を読みまして。初めは何かイメージとは違ってヒロインの暮らし方というか考え方が専業主婦でずっと生きてきた私にはしんどい捉え方だなぁと思いました。でも読み進めるうちに医療小説っぽくなってきて、本筋はやはりこうこなくっちゃと勝手な思いが沸き上がってきたのでした。藤岡氏の作品は生命の終わりを扱っているのですが勿論悲しみもあるけれど、ただ悲しいだけではなくて何というか温かい心があるというか読後感が寂しくならないんです。それに加えて現在の地域医療やヤングケアラーや虐待など時事問題が盛り込まれていて社会を知ることが出来ました。ナンカとりとめのない感想になってしまいました。
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物語の舞台は、海が近くて星空も綺麗な医療過疎地域。
そこが故郷で逃げ帰ってきた奈緒と息子の涼介。そして地元の病院勤務の三上。3人が主な登場人物。
地域医療、訪問診療などが描かれてる中で、癌を患い人生の終わりが近づいている高齢の患者が登場する。
読みながら、けっして病院の多くない故郷を思い出し、また、癌で亡くなった父のことを思い出しました。
そして、これからの日本の医療の課題について語られているようにも感じました。
『満天のゴール』
ゴール=死ぬ日
自分の死ぬ日がゴールと言えるような人生がおくれたら、どんなに幸せだろうと思いました。
予定?では、まだまだ先のはずだから、それまで精一杯頑張ります。
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いつの間にか強く育っていた息子の涼介と共に、奈緒も踏ん切りをつけて、新しい生活に進んでいく。
奈緒の夫はいつかきっと痛い目に遭うだろう。
過去に大変な思いをした医師の三上、独居で頑張るトクさん、奈緒と三上の人生に深くかかわっていた早川さん。奈緒と涼介に関わる人達が、自分の辛さや痛みを優しさに変えていった人達だった。
死ぬことを『ゴール』という言葉に置き換えると、気持ちが楽になる。まさしくそうだなと思った。
頑張った日の数だけ星形のシールを貼り、その星がたくさんたまって、満天の星空ができたときにゴールする。病気で大変な思いをしているときに、そういう考え方ができたら、少しだけでも救われると思う。私も満天のゴールを目指して、頑張っていこう、と力をもらえた一冊だった。
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この本はスピリチュアルな感じはないのだけれど、心の繋がりは人が思う以上のものだと思わずにはいられない。
生きることは大変なことだけれど、救われることもたくさんあるし、救えることもあるのかもしれない。毎日、星のシールをもらえるように生きていこう、そして、満天の星空を見たい。
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生きる力がふつふつと湧いてくるような1冊だった。
シングルマザーになった奈緒は10歳の涼介を連れて故郷に戻り、資格を取ったきりになっていた看護師として働くことに。
医療過疎といわれる地域で年老いて病を抱えながらも自分の暮らしを続ける人々や、医師の三上との出会いから奈緒は様々なことを感じる。
人生の中には苦しいことや悲しいこともあるけれど、それでも精一杯生きるということ。
満天の星、満天のゴール。
私も誰かのために、自分のために胸を張って生きたいと思った。
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僻地医療、限界集落、かつて祖父母が生活していた離島を思い出しつつも、生活となりますと、都心で暮らす自分には想像もできない。
そういった世界で、主人公と息子、とあるお婆さん、一人の医師を中心とした、死生観を考える小説でした。
満点のゴール、素敵な考え方だと感じました。
途中で心に響いたのは、仕事を階段に喩えた一言。『上がるのをやめてしまったらそこからさきの景色は見えない』頑張ろう!
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ジイの第一人者に現役の看護師に、この時点で引き込まれる予感しかない。実際にそうなりました。出だしの弱い現実を受け入れられない社会に放り出された奈緒、浅はかな、どうしようもない人間の厚かましい旦那に愛人、愛人なのに立場が対等と抜かしやがる愛人ってあなたはただの愛人でしょうと一声かけてあげたい。まあ数年で同じ運命を辿るであろう、妻になったのが命とり、あーまた管を巻いたよう。三上先生の事ホント知らなかったんだ早川さん、でも最後にゴールが このゴールって石野先生が使っている言葉なのかな、死が怖くないと言わせる先生
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人はみんな一回しか死ねない。だから、後悔のない死に方を。そういう考え方で死を考えることで、今をよりよく生きることができると思った。
生と死を深く考えられるいいお話だった。
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藤岡陽子『満天のゴール』
2023年 小学館文庫
NHKで今週9/19と26にドラマ版が放送されるのを見て、映像を見る前にと、積読からこちらをセレクト。ドラマは3月にNHK 4Kドラマとして放送されたものの再編集版だそうです。
さて、本物語は僻地医療、医療過疎という現代社会の問題をベースにした様々な〝愛〟の物語。
生と死を誇張してドラマティックに演出するのではなく、身近なものとして見事に表現されてるため、素直に心に染み入ってきました。
「死は生きたことの証」
僕も満天のゴールを目指して日々を大切に歩んでいきたいと思いました。
感涙とともに何とも穏やかな読了感漂う、素晴らしい作品でした。
#藤岡陽子
#満天のゴール
#小学館文庫
#読了
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どん底の人生にどう生きるか迷い避けて実家に戻った奈緒
子供の頃の後悔に自らをせめ続けている三上医師
自分の人生を諦めてしまっている老人早川さん。
3人が出会い、お互いがお互いを少しづつ
温め合いながら、前に進んでいくその姿は
人生とは、生きるとは、後悔とはと
たくさん考えさせられました。
長い人生の中で出会いや別れを繰り返して
人は深い厚みのある人間になるのだろうと思います。
ですが、その道中は山あり谷ありで
苦しい事もたくさんあるのだと思います。
最後まで
人間味あふれるお話に感動と涙がとまらず
明日から私も頑張ろう。
毎日毎日を大切に過ごそうと思いました。
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シングルマザーの主人公とその4年生の息子涼介が過疎化する故郷に住む人達のゴールを見届けながら一歩一歩成長する物語ではあるものの、故郷を離れず満天のゴールを目指す人達の姿は穏やかながらも神聖ですらある。物語もグイグイと凄い力で引き込んでくる。
ここにも素晴らしい作家さんがいたんだと、とっておきのものを見つけた感がたまりません。
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「手のひらの音符」が良かったので
藤岡作品を読みたくなって。
過疎地、最期の迎え方等
考えさせられる問題も入っている。
前回の作品もそうだったが、
親からの虐待等の暗い部分も含まれており
読むのが辛い部分もあった。
主人公は夫の不倫を機に
「ペーパーナース」を卒業して
ナースとして成長していくという
前向きな終わり方で良かった。
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夫に裏切られ、10歳の息子を連れて実家に戻った 奈緒は
地元の病院で働き初める
そこで出会った医師や、患者を通して
生とは何か、死とは何かを考え
生きる勇気を得ていくのだった
思わず涙があふれる
とてもいい小説でした