最低の名探偵・神舞まりあが帰ってきた!
2023/04/23 15:28
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
『化石少女』の続編がついに一冊にまとまりました。前作『化石少女』のネタバレがあるので要注意、必ず順番に読んで下さい。
『化石少女』での主人公まりあは、逆恨みから、最初に犯人を無根拠に断定。それから、その人物がどうやって犯行を為したかを考えるという前代未聞(というか最低)の推理を披露していましたが、何と、まりあの代名詞、化石少女シリーズの最大の特徴だと思われていたこのスタイルが本書では放棄されてしまいました。
それでも、まっとうな、悪く言えば凡庸なミステリには決してならないのが麻耶雄嵩作品。相変わらず奔放な発想で繰り広げられるまりあの推理に、ワトソン役・彰の思惑や怪しい新入部員の秘めた目的などが絡み合い、精緻かつスリリングな謎解きが展開し、前作以上の驚倒のクライマックスへ。本格ミステリ連作のクリーンヒットと言えるでしょう。ただし、書影の帯にもある通り、後味については保証しかねます。
このオチでは続編は難しい、と思わせて普通に第三シリーズがありそうな本作。化石少女みたびを待望しています。
解決しない高校生探偵
2023/05/03 20:02
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
名家の子女が通う名門高校。なのに次々死人が出る。こんな学校、親なら子供を入れないだろってくらい死ぬ(笑)
古生物部の部長まりあが推理をします。しかし、真実に近づくのを彰が阻止。一年の双葉も何やら曲者。
シリーズ二冊目なのを知らずに読みました。前作をかなり土台にしてるので、順番に読んだ方がいいですね。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいて、まりあの推理がめちゃくちゃだったので、なんだこれは、から始まりました。途中で、抵抗感じて、本当に、読了やめようかと思ったくらい。なんとか読了しましたが、後味は……
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
やたらと殺人事件が起きて在校生が死ぬ高校。
それでも、ふつうに運営される高校。
理由のわからない探偵役の推理。
とってつけたような恋愛話。
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2023.6.27読了。
途中でのもやもやした感情が最後に一気に昇華。
やはりただでは終わらない、さすがの麻耶さんでした。
なお前作を踏まえて読むことを強く薦めます。
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『化石少女』の続編。前作がどんな話だったのか、まったく思い出せないままに読み進めて、化石少女まりあの推理を後輩彰がことごとく否定するという話だったなというのをふんわり思い出した。
それくらい印象としては薄かったということか。
七章からなる短編集だが、毎回殺人事件が起こる私立高校ってどうなのか。しかも事件は解決してないし。そしてラストはこう来たかという後味の悪さ。さすが麻耶さん。
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前作のラストから探偵と助手の関係性も大きく変わり、推理を全面的に信頼するからこそのフェーズへ。
たった一つだけ欠けた情報が探偵行為の不確実さを知らしめる。
時に意図的だったりするのでタチが悪い。
犯罪の温床のような学園で前作同様の冤罪祭り!
今回は桑島くんが背負った業が縦軸になってるので犯罪小説みがある。
次作があればいっそ倒叙モノになるのか...??
ずっと漂ってた嫌な予感が顕在化する6話と最悪の構図が完成してしまう最終話。
前作の感想を見にいったら「貴族探偵みたいにドラマ化してほしい」って書いてた。ここまで含めてできます??
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多分日本一、殺人事件が起こる高校が舞台。そんなだから、その高校には殺人犯がたくさんいて…相変わらず、毒の効いた先生の短編集。
トリックも本格で、大満足。
恋愛的な部分でも期待は哀しく裏切られ、その結末が、先生らしくて好きです。
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「化石少女」第二弾です。怪しい生徒会メンバーが今回は登場しません。残念です。でも、もっと怪しい新入部員、ヘンリー・メルヴェールを名乗る探偵、あとありえないような部活が出てきて、やっぱり殺人事件は起こる。神舞まりあは推理し、桑島彰は否定する…というパターンが、あれよあれよという間に崩れて…? 殺人学園・ペルム学園は、魔界としての京都のスポットなのでしょうか? そして、まりあの卒業とその後までは語られていませんが、無事に済むわけないような気がするのです。気にしすぎでしょうか?
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ラスト...え?え?え?え?ってなりましたw
前作もえ?まさかの?ってなっていたのに、そこからのこうなるのか...と。
数ページを残して先に進めず、どんどん戻ってもう一度読み返しました。(失○のショックもあり切なさ満載で、)
次作はどこまでいくのか今から怖くなっています(;;)
まりあの魅力はどんどんアップしていますね。
ゾワゾワする感覚、そして麻耶雄嵩らしさも満喫できる作品でした。
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連作短編集
もう第一章から前作『化石少女』のネタバレ全開です
んで、それを利用して、前作ラストで殺人者となった桑島と今作第一章で殺人者となった高萩とを誤認させる叙述トリックが最終章に仕掛けられています
いや高校生だけど殺人経験があるという共通経験を利用した誤認トリックって!!
相変わらずの麻耶先生らしい邪悪な世界観でにんまりしながら読んでました(笑
叙述トリック自体はわかりやすいように書かれていると思います
(P.284のグラビア部の写真のくだりとか、『第四章 化石女』のオチにも使われていた描写だから特にわかりやすいヒントだったように感じる)
箸尾が告白時に言っていた「秘密」発言も、よく知らないまま桑島に入れ知恵されたんだろうなーとか考えたり、作中で明言されていないあれやこれやを妄想するのがまた楽しいです
片理ではないもう一人の未登場探偵はいったい?
次作への伏線?
てか化石少女の続編はあるの?
桑島の闇落ち、自分で気持ちに蓋をしていた本心は高萩(や読者)の想像が正解と思っていいのかい?
などなどなどなど……
個々の短編の感想とか、作品全体としての流れとか、語りたいことが多すぎる!!
とりあえず、ラストの高萩くんのまりあへの愛情(または依存)が本心だとわかってホッとしてます
書きたいことは山のようだけど、キリがないのでこのあたりで終わり
常磐線ユーザーとしては、第一章の登場人物の名字で楽しめました
他の章も何かで名字が統一されていたりするのかなー
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「化石少女」の続編。
ガッツリ前作の内容に触れているので注意!
奇妙な三人の心中死体の謎に挑む『三角心中』なども素晴らしいが、何より最終話の『禁じられた遊び』が最高。
麻耶先生らしいダークな読み味を楽しむことができます。
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面白かったが、前作の記憶が薄れてしまっていたため充分に楽しめなかったと思う。悔しい。
そういやそういうこともあったな、あったけ?が多かった。なんで忘れちゃうんだろうな。
「古生物部、差し押さえる」
GW前の話。高萩君登場回。まさかレギュラー入りするとは。まさかまりあと恋人同士になるとか。多賀さんとは別れたのかな。多賀さんも高萩が犯人なの知ってそうだけど。
推理は言われてみればそうだなと納得するし、名前の件も面白かった。これ、まりあ名前に気づいたらわかっちゃうよな。
「彷徨える電人Q」
七不思議が出てきて、この作品も7章だてだからもしや七不思議に準じて?と思ったらそうでもなかった。九不思議自体は面白い。この学園は作者の都合によって変な部活やおまじないが登場してくる。便利。
目撃情報と足跡、そして一種の密室的な状況をどう崩すのかなと思ったら、なるほどね。消去法的に犯人が部長であるとわかる。
ハーブ部は名前からして怪しかった。この学園やばすぎる。
「遅れた火刑」
一応良家の子女が通う学園なのにやばい。しかも堕胎までさせるとか。
殺した人間と燃やした人間が別というのが面白かったな。
まりあの推理が鈍ったのはどうしてだろう?
鹿沼が登場する。
「化石女」
9月の話。まりあが大発見して、写真を撮られて、化石女と誤認させる。どうして被害者は化石女というダイイングメッセージを残したのか。
今回もまりあの推理が鈍る。しかし犯人はわかって面白い。
「乃公出でずんば」
10月下旬の話。名前は先に登場していたヘンリー・メリヴェールこと片理めり登場。
犯人は鹿沼で未解決、のちに解決。女子に接近していい匂いを嗅ぐというのは良いシチュエーションなのにそれを推理に組み込むとは。青春殺しでは。
殺されそうになったから殺したでギリ正当防衛と言えなくもないような。
「三角心中」
12月半ばの話。面白い題材。殺し?自殺?と悩ませるのは面白い。自殺と他殺と他殺。最初に自殺した男の子はびっくりだな。
今回はまりあの推理は鈍ってない。半月前から高萩のまりあへの呼び方が変わる。彰が顔を出さなくなった影響で二人きりの時間が出来て親密になったのかもしれない。
そして鹿沼は逮捕される。
「禁じられた遊び」
叙述トリック。殺人経験があり、次期部長。冒頭の告白のシーンで、あなた呼びが気になったし、タイ飯部との会議で向こうは二人出してるのはこっちは一人だけ?と違和感を感じたのに気づけなかった。悔しい。
高萩視点になることで、高萩がどういう思惑でまりあに近づき恋人になったのかわかって良かった。まだここから掘り下げられそう。
まりあと彰と高萩の三位一体。面白いな。続編書いて欲しい。読みたい。
今気づいたけど、まりあの推理力が鈍っているように見えるのは彰の視点なわけで、高萩がまりあと二人きりの時にひそかに推理を握りつぶしてる可能性がある。三角心中ではっきりとつぶしてたし。
ああ~。彰の存在義がどんどん奪われて、もう犯人しか残ってないのか。
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【収録作品】第一章 古生物部、差し押さえる/第二章 彷徨える電人Q/第三章 遅れた火刑/第四章 化石女/第五章 乃公(ダイコウ)出でずんば/第六章 三角心中/第七章 禁じられた遊び
「名」探偵・まりあとその推理を否定する腹黒ワトソン・彰のコンビ再び、と思いきや。黒々とした作品。
前作のテンポが続き、ちょっと飽きたかなというところで、やられた。伏線はちゃんとあったのに。
それにしても、この学園、被害者と加害者だらけで心配になる。カウンセリングどころの話じゃないのでは。
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麻耶雄嵩さんの新刊は『化石少女』の続編だが、正直前作の内容は忘れた。覚えているのは、学園ミステリだったことと、古生物部の部長・神舞まりあの推理を、幼なじみの後輩・桑島彰が否定するという異例の構図。
結論から言ってしまうと、前作以上に印象に残らないというか、評価に困る内容だった。プロ目線で本作の読みどころを挙げるとしたら、何だろう。以下、ネタバレには配慮しないので、未読の方はご注意ください。
それにしても、前作から引き続き、殺人事件が頻発する私立ペルム学園っておかしいだろっ! ほとんどが未解決のまま、次々と新たな事件が発生するのだ。まともな親なら、こんな学園に通わせるのはやめるのではないか?
化石と推理に熱心なまりあだが、ある大発見をしたことで、まりあは「化石ガール」として一躍全国的な有名人となる。指定校推薦で進路も確定した。すると、まりあは化石に比重を置き、推理への興味は薄れたように見える。
それは彰が望む状況のはずだが、なぜか彰は一抹の寂しさを感じる。さらに波乱含みな要因として、古生物部に3人目の部員・高萩が入部してきた。彰はただのお守り役だが、高萩も化石に興味があるわけではない。興味があるのはまりあの推理?
探偵役である以上、まりあは毎回推理はするものの、今ひとつ身が入っていないというか、燃え尽きているというか。前作のような明確なモチベーションがないのだから、無理もない。当面古生物部の危機が去った今、何のために推理する?
前作のようなラストの仕掛け(忘れた)があるのかどうか、読み飛ばすように先に進む。うーむ、高萩の告白で彰が受けた衝撃が、一応本作のクライマックスか? 何だか波乱含みなラストだが、もはや推理がメインではない本作を、麻耶フリークはどう評価するのか?