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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
不安定な世界が揺らいだ時、自分が見ていた平凡な世界の新しい可能性を知る、ファンタジーありの思わず微笑む多彩な短編集。
掌編も含め7編すべて、文体や展開は平板なのにインパクトが凄い。不思議な要素も淡々と進む事で違和感が薄れ、逆に現実的な要素しかない作品の方にふわふわと影響を及ぼす。謎の相互作用を生み出す唯一無二の森絵都ワールド。
表題作を始め、自分では気付いていない心の底に溜まっていく何かを掬いあげて浄化する。「はればれ」と前を向いていける清々しく優しい物語。
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投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
ランのスピンオフ?の話が載ってるとは思わなかった。
ハタくんは確か小枝ちゃんに振られてた気がしてたので(うろ覚え)付き合って三年というくだりに驚いた。ランの主人公と大島くんのその後も知りたいけど、リーダーが「大島たち」って言ってたのが答えかな。
他の短編では「あした天気に」が好きです。最初の願い以外、自分のための事じゃないのが偉いなと思いました。てるてるさむざむつぶやくてるてる坊主がコミカルで面白かったです。
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こ、これは…
めちゃくちゃ面白い…
文章も言葉も綺麗だし、物語としても面白いし、テンポもいい。
女性が描く男性目線の話が好き。
男性は、どう感じるのかしら…
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モヤモヤから解放される感じが清々しく心地良い!
「あした天気に」は、
親友の死から立ち直れない主人公の気づきがハッとさせられる。自分も過去にあった何かを言い訳にしながら生きてないか。
「俺のあしたを晴れにできるのは俺自身だけだったのに」
短編「ポコ」は切なさと優しさでジワジワくる。
どのお話も前向きになれる素敵な短編集でした。
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どの話も面白かった。コロナ禍の話もいくつかあり、それぞれがどこかにパンチがある話、中でも最後のあした天気には一番モヤっと、いや、ある意味でイヤミス的な要素が入ってて好きって思った。表題作の獣の夜はジビエが食べたくなるし、ドロっとした感情があるはずなのにとてもうまくまとまってる感じが好感的。
それぞれのボリュームもちょうどよく読みやすかった
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表紙とタイトルから抱いたイメージとは、ちょっと違った内容の短編集。
ふとしたきっかけで、ありふれた日常が違ったものになるってことは、確かにあるかも。
「あした天気に」が一番好きだった。
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原因不明の歯痛に悩む私が訪れた不思議な歯医者(『太陽』)。女ともだちをサプライズパーティに連れ出す予定が……(『獣の夜』)。短編の名手である著者が、日常がぐらりと揺らぐ瞬間を、ときにつややかにときにユーモラスにつづった傑作短編集。個人的には『太陽』と『あした天気に』がお気に入りです。
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SFあり
ファンタジーあり
恋愛ものあり
とバラエティーに富んでいて飽きない。
ともすると
芯がぶれて雑然としそうなものを
きっちりと自分の色でまとめている。
器用だなー。
人の滑稽さ、あたたかさ
生きていく上でのやさしさとか
そんなものを感じた。
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軽めの短編集
設定がファンタジーだったりちょっと不思議世界だったりこちらの想像力を刺激してくる。
心の動きの細やかさはさすが森氏という感じ。
現実とファンタジーの交わりが妙な「スワン」と「あした天気に」が好きだった。
わたしもてるてるぼうずに話しかけられたい。
さむざむと。
以下朝日新聞出版からの引用
「雨の中で踊る」リフレッシュ休暇の最終日、永井はふと海を目指す。
「Dahlia」“ATTACK”後、変わり果てた日本で生きる私の見つめる先。
「太陽」原因不明の歯痛に悩む加原は不思議な歯医者を訪れる。
「獣の夜」女ともだちをサプライズパーティに連れ出す予定が……。
「スワン」恋人乗り込んだスワンボートが見せる心の「澱」とは?
「ポコ」大好きな飼い犬を亡くした小4の朔が心にきざしたある思い。
「あした天気に」
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目次を見たところ短編集なのかと思ったけど、めっちゃ短いお話もあり。
タイトルとカバーイラストから、動物系の短編集かと思っていたら全く違っていたし、表題作品も「獣って!そっちか!!」と、いい意味で(?)裏切られて驚愕www
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短編集。森絵都さんというと『カラフル』を思い出して児童書のイメージだったけれど、充分楽しめた。「太陽」「獣の夜」が良かった。何編かはカラフル的要素もあってどこか懐かしかった。
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変わり映えしない今の生活がふとした出来事がきっかけでぐらりと動き出す。
自分ではどうしようもない現実に、対面し戸惑いながらも一歩前へ進む。
コロナという誰もが経験したことのない
混乱を経験した私たちが、今だから感じあえる
感覚をさわやかにユーモラスに
書かれています。
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『獣の夜』が一番好き。二番目が『あした天気に』かな。全部のお話が前向きエンドなのが良い。
『雨の中で踊る』
【あらすじ】
人生のモヤモヤを抱えた主人公が幕張の海で不思議な男性に出逢う話。
【感想】
森絵都さんの作品の中でおじさんが主人公のお話を初めて読んだかも。「人生とは、嵐が通り過ぎるのを待つことじゃない。雨の中で踊る。それが人生だ」って素敵な言葉。
『Dahlia』
5ページの超短編。世界観に入りきれずに終わってしまった。
『太陽』
【あらすじ】
謎の歯痛に悩む加原さんが受診した歯医者さんは歯科医でありながら何処か占い師チックな人だった。歯痛が心の痛みから来ている(代替ペイン)ことを指摘された加原さんは、自分のストレスの源を探すことになる。
【感想】
1話目で出てきたKさん=風間先生?って勘繰ってしまったけど違ったみたいだ。この短編集はそれぞれが独立してる。
代替ペインっていうのは興味深かった。身体に異変が出るまで心の痛みに気づかないっていうのは現実によくありそうな話。日々忙しくしてると忘れがちになるけど、もう少し自分の心の声に耳を傾ける時間を持ってもいいかもしれないと思った。
『獣の夜』
【あらすじ】
大学時代のサークル仲間である美弥のサプライズ誕生日パーティーをすることになり、彼女を会場に連れてくる役を急遽頼まれた紗弓。紗弓が懸命に会場へ誘導しようとするものの、美弥が急に「お肉が食べたい」と言い出し、どんどん予想外の方向に…
【感想】
この本の中で一番好きな話。ジビエフェスタ。お肉の吸引力が凄すぎる!一心不乱にお肉を食べる2人の描写を読んで、すごく爽快感があって良かった。あと、ありのままを認め合える友人っていいなって思った。
『スワン』
【あらすじ】
恋人同士の小枝ちゃんとハタくんが、スワンボートに乗って、沼に潜む精霊に心の澱みを取り払ってもらう話。
【感想】
ハタくんっていう男の子の描写や小枝ちゃんの語り口のひとつひとつが、子供の頃によく読んでた森絵都作品と似たテイストで懐かしくなった。このお話は「ラン」の番外編らしい。
『ポコ』3ページの超短編。飼い犬の話。
『あした天気に』
【あらすじ】
冴えない日常を送る一平に、てるてる坊主が話しかけてきて…?!というファンタジー。
【感想】
これも懐かしいテイストのファンタジー小説(カラフルを思い出した)。そういえば朝起きるのが楽しみだったのっていつ頃までだったかな…?毎日低めのテンションで目覚めるのが日常になってたから、そんなこと考えもしなかったな。なんだかノスタルジーな気持ちになった。
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朝起きてから夜寝るまで、同じ時間が繰り返される毎日。
目が覚めたときに思う、「あぁ、また今日が始まる」
夜寝るときに思う、「あぁ、また今日が終わる」
昨日と同じ今日。今日と同じ明日。そして明日はきっと昨日と同じ。
そんな日常の、同じ時間の繰り返しがある日少し変化する。いや、変化するんじゃない、変化させるのは、多分、自分自身。
7人が変える、7つの日常。
何も変わらないと諦めて足踏みしているこの足を、少し前に出すだけで変えることのできる明日。
誰かが何かがその一歩に力をくれるのなら、流されるように乗ってみるのもいいよね、とそんな気になる物語たち。キャラメルとクッピーラムネに背中を押されるのもいいんじゃない?
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森作品はカラフル、みかづきに続き本作で3冊目。みかづきはめちゃくちゃ長かったけど、本作は短編集でサクっと読めた。カラフルのように少し不思議だったり、変わった内容なお話が多かったけど、ちょっとほっこりな感じがよかった。