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紙の本
「核の復権」とも言える国際社会の流れを分析
2023/12/14 18:12
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
冷戦後の30年あまりの核軍縮の流れがロシアのウクライナ侵攻で終わり、核兵器の役割が再び増す「核の復権」とも呼べる動きに呼応して、日本でも「核共有」をさぐる動きがある。著者は2022年を、核兵器が「使えるかも知れない兵器」に転じた年、歴史の分岐点、というふうに受け止め、このかんの国際社会、政治外交の流れ、関連する議論などを整理、分析。図表も多く、全体を見通せ、分かりやすかった。
電子書籍
破れ傘
2023/11/29 16:21
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
中露の微妙な関係、外交交渉力としての核、核兵器を『使えない兵器』の状態のまま封印し続ける核のチキンレース状況。安全性と使用済核燃料の問題が解決しない限り、エネルギー問題や安全保障問題で取り沙汰される”核の復権”に断固反対したい。
紙の本
核兵器を脅しに使うのは弱体化の象徴、それも原発と共に
2023/11/12 10:05
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ロシアのウクライナ侵攻の失敗で、プーチン大統領が核兵器を脅しに使い始めたあたりからの核兵器や原発の「核の復権」という取り上げ方をしたものである。日本は広島、長崎で原子爆弾を実戦で投下された唯一の国である(実験等で被曝した国・地域は多い)。これを忘れ去ったと見える政治家等は多い。「核共有」という言葉も一国の総理が使っていても軽い。いかにも核の傘での抑止力といいながら、役に立っていないとも聞こえる。核武装という意味とも聞こえる。NPT体制への挑戦ともいえる。一方、国家のトップであるプーチン、トランプ、金氏らの発言は国家の苦しさを表明した発言といえる。覇権国家の力が落ち、大国の核に怯えて核武装に国民生活を犠牲にしてでも開発に力を入れる。世界が核兵器や原発に振り回されている。このあたりをまとめた書としてわかりやすい。目次を見ると、
はじめに
第1章 核共有は日本の安全保障を本当に高めるのか
第2章 核軍縮の流れは断ち切られた
第3章 ロシアの弱さが核に向かわせる
第4章 核の闇市場を探る
第5章 日本を脅かす核保有国の現在地
第6章 原発も「復権」
□コラム
ICBMとSLBM
戦術核兵器と戦略核兵器
燃えるウランと燃えないウラン
ウラン型爆弾とプルトニウム型爆弾
ミサイル神話
原子力潜水艦とは
黒鉛炉と軽水炉
核兵器と核のゴミ
おわりに となっている。
以上のように展開される。核の復権は核兵器が全面的に出てきただけでなく、核兵器と原発の深い関係にも触れる。原爆の実戦使用後のソ連の核兵器開発、イギリス、フランス、中国が保有していくが、核の平和利用という触れ込みで原発が「第三の火」として取り上げられる。しかし、核兵器と原発は切り離すことができないものであり、原発がないと原爆もハイコストになることを示してくれる。ロシアから原油やガスを買わないという経済制裁を課しても、資源高に陥り、老朽原発を動かそうというが、世界的にウラン資源や原子力産業ではロシアの影響力が大きい。矛盾に陥っている。もう一度、核兵器廃絶の流れをつくるためにも、さらに具体的な政策等の提案があればと思うが、一読してほしい本である。
紙の本
核問題の色々が学べる1冊です。
2023/12/17 22:00
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
核兵器など、世界が抱える核問題の色々が、当書を読んでたくさん学べました。
著者は現役の新聞記者。ご自身の体当たり取材から得た核問題の知識が、当書で思う存分ご披露されています。表も的確に用いられ、文章も読みやすかったです。核問題に詳しくなれました。
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