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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつては大学病院で数々の難手術を成功させ将来を嘱望されていたけれども、今では、京都の地域病院の内科医になっているドクター。そして……という物語。さすが、作者が、現職のドクターだけありますね、説得力ありますね
終末医療について
2024/06/09 16:33
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
終末医療について考えさせられる一冊。
周りに迷惑をかけないように逝きたいけれど、
単に治療を拒否すればいいってもんじゃない、
大変なんだな、と。
矢来餅と阿闍梨餅と長五郎餅が
何気に一番心に刻まれました。
読んでいて安心する本
2024/05/15 20:16
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投稿者:ジャッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏川草介さんのどの本にも当てはまるが、この本もやはり登場人物が誰しも魅力的。読んでいると、頼もしい気持ちになる。
こんな風に、医療と人間の暮らしを織り交ぜて、丁寧に人の生と死を考えていく人がいるのなら、なんか良い世界だなあと思ってしまう。
医療のことも哲学もよく分からないけれど、満ち満ちた生命力とユーモアに溢れていて、読んでいて安心する本の一つになった。
人の死に向き合う
2024/02/10 18:33
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高い技術を持ち、将来を嘱望されていた医師が、妹の忘れ形見を養育するために野に下り、そこで人の死と幸せに真摯に向き合う姿が感動的に描かれています。
医療小説としては一番好きかも。
ミステリー性とか全然ないくて、淡々と現場に向き合い、患者のことを考え、悩みつつも自分の良心に従う姿が美しい。
スピノザの哲学に触発された医療者
2024/02/07 10:59
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
医療を正面からではないが、まじめに思いを込めて描きあげている物語。医療技術や診断主義の巧みさだけに目を向けることなく、医療者が持つ哲学的な心持を著者は大切にしている。スピノザに心を惹かれている優秀な内視鏡医が、看取りを控えた老人や難治療患者のいる市中病院で働く日々を、主人公の持つ遠くを見ながらも温かく支える姿を描く。暗闇で凍える隣人に、外套をかけてあげることが医療者の役割だと思っているのかも。難しい病気を治すことではなく、治らない病気にどうやって付き合っていくかを考えなくてはいけない、私たちは。
医療の力は、本当にわずかなもの。人間はどうしようない儚い生き物で、世界はどこまでも無慈悲で冷酷。けれど、だからと言って無力感にとらわれてもいけない。努力しなければ。
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
人を見ない医者か。
大学病院には多いのかもね。
医療系の作品を読んでると、ホント、大学病院っておかしいって思う。
なんでそんな体制が残ってるの?って。
本屋大賞を逃したけど読み応え十分
2024/04/26 08:14
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投稿者:Toshi - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物の個性が魅力的で、苗字がお酒の銘柄ということも隠れた魅力。同僚の医師以上に患者や甥の言葉が珠玉で、涙を誘う。
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これほどまでに医学の事をくわしく書いた小説はないと思う。さすが現役医師である夏川さんであるとつくづくと感じました。医療の現場がこれほどまでに大変で困難であるのかと思いました。作中で印象に残ったセリフは「借金は友とし、空腹は敵とせよ。」と「ここの仕事は、難しい病気を治すことじゃなくて、治らない病気にどうやって付き合っていくかってことだから。」納得です。マチ先生の好物の三代もちは甘党としてとの私も食べて見たいです。ラスト近くの内視鏡の手術のシーンはハラハラドキドキの緊迫感あふれるシーンでした。あなたもぜひ読んで楽しんで下さい。感動して下さい。
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凄腕内視鏡医の哲朗が、妹の死をきっかけに京都の地域病院で働くことに。
高齢の末期癌や認知症などの患者さんがほとんどで、同じ病院と言っても全く違う世界のよう。
治る見込みのない人が不幸なのか、何が何でも治療することがいいのか、様々な問いを投げかけられた。
「世界はどうにもならないことが山のようにあふれているけど、それでもできることはある。」
哲朗の医療との向き合い方から、「幸せ」について考えさせられた。
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【「本物の医師は、科学者でも哲学者でもあるーー」】今は京都で町医者として働く、かつて将来を嘱望された雄町哲郎。誇りと希望を忘れず奮闘する医師が「幸せ」の正体に挑む感動の物語。
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大学病院で最先端の医療に携わっていた医師が、妹の死により残された甥を引き取ることになり、大学病院を辞め決して大きくはない高齢者の多い病院へと移り、最先端の医療とは逆の対人間の医療と向き合う。
読んでいくうちに胸に深く刻まれるようなグッとくる言葉の数々。
号泣する涙ではなく、気がついたら頬をつたう涙が出てしまうような話。
人間の生と死、医療の向き合い方、生きる意味、幸せとは??
言語化するには難しい感情が、ここには書いてあった。
印象的なのは、アルコール性肝硬変の辻さんの言葉。
-生活保護は受けられない。自分のこの病気は自業自得だから。病気を治すためにアルコールをやめたら良いのかもしれないけど、それは相方(奥さん)が死んでしまった今、寂しすぎて止められない。それなら、静かに迎えが来るのを待ちたいのだよ-
治療費がないなら生活保護を受けてどうにか治療を受けてほしいと言った先生に対する答えがこれだったわけだけど、筋が通ってないようで通っていて、なんだか寂しさが伝わってきて、印象的だった。
「先生のところなら安心して逝ける」そんな風に言える先生に出会いたいなとも思った。
「人は無力な存在だから、互いに手を取り合わないと、たちまち無慈悲な世界に飲み込まれてしまう。手を取り合っても、世界を変えられるわけではないけど、少しだけ景色は変わる。真っ暗な闇の中に束の間、小さな灯りがともるんだ。その明かりは、きっと同じように暗闇で震えている誰かを勇気づけてくれる。そんな風にして生み出されたささやかな勇気と安心のことを、人は『幸せ』と呼ぶんじゃないだろうか」
マチ先生の人柄が温かくて、皆が慕う理由がわかる。
心が浄化された話でした。
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理想の医師像。
患者として、このような先生に出会いたい。
その分、医師側からしたら苦悩も多いだろう。
治して生かすだけでなく、どのように看取るか。どこまで治療するか。患者の意思、家族の意思、医療費、看護の負担、そして倫理観。考えれば考えるほどきりがないだろう。
そして、現在の医療の細分化についても、医療の進歩にとっては必要なことかもしれないが、患者の立場としてはどんな病気でも、外来でも入院でも同じ先生に診てもらえたらどんなに安心だろうと思う。
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医療ものといえば夏川草介っていう安定感。
京都が舞台。高齢者中心の地域医療の原田病院の勤務医。でも以前は大学病院のバリバリな内視鏡医という過去もあって設定だけで期待値⤴
甘党な主人公。京都の3大餅菓子に目がない。この本を読んでいる途中でたまたま阿闍梨餅を頂いて食べた。一見餅?だったが確かにもっちりとした外皮で上品な餡が絶妙においしかった。他の2つも食べたい。
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本屋大賞ノミネート作。
これまでは長野を舞台にした作品が多かったが、今作の舞台は京都。
主人公のマチ先生は、大学病院での出世も期待されながらも、若くして亡くなった妹の息子の面倒を見る為に、終末医療の病院に転職する。
舞台は変わっても、描かれるのは終末医療の難しさ。
助けることを第一に考える大学病院と、死ぬまでの時間を精一杯生きる人たちと向かい合う地域医療の対比が上手く描かれている。
夏川作品の登場人物はいつも魅力的だけど、今回の主人公マチ先生も非常に魅力的。
どんなに頑張っても、死が訪れることをしっかり描いているし、決して綺麗事ばかりを並べずに、現代医療の問題点をしっかり伝えていることが、この作家さんのいいところ。
登場人物それぞれの個性もあり、シリーズ化として続くことを期待したい。
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2024年本屋大賞4位
夏川さん久しぶりだったけど、やっぱりじんわりと良い。
変な人は多いけど、基本的に嫌な人は出てこない。
チームワークというのはピタッとハマるとすごく気持ちよくて、ただ自分はあまりそういったことには向いていない気がしてだからこそ羨ましい。
舞台は京都の町病院。主人公は大学病院の消化器内科の第一線で活躍していた甘党のマチ先生。周りの先生たちも、患者さんたちも、大学病院の人たちも素敵な人ばかり。
マチ先生が慕われているのは技術があるから、だけでなく人間性なんだろうな。
私は思考回路が好みな人が出てきたりする小説がすごく好きで、マチ先生の思考回路もすごく好き。しゃべり方・考え方が。
相手を気遣うときに相手に気を使わせては元も子もない。私は気遣っていると気づいてほしがってしまうので、相手に気を遣わせてしまうが、マチ先生のようにそれが当たり前だから、自分がそうしたいから、という風にできるといいんだろうな。