ひたすら、言葉の曖昧さに気付かされる内容です。
2024/01/06 16:54
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
言語学者の著者が、様々な日本語の例文を取り上げ、言葉の捉え方の曖昧さ、認識のすれ違いについて論じた1冊です。
当書では本当に沢山の例文が取り上げられており、いかに言葉というのは曖昧なものなのかに何度でも気付かされ、「こういう解釈もあるな」と驚かされました。同時に、言葉というものの奥の深さについて思い知る内容で、読んでいい機会を得られたと思いました。
第三者の目を入れる
2024/02/04 22:13
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
様々な日本語の「曖昧」を深掘りする内容で、日本語を勉強している学生や外国人、日本語が好きな方はもとより、ビジネスマン等々にもお勧めできる本です。「この先生きのこるには」「今年金いくらもらえる?」「頭が赤い魚を食べる猫」「オードブルって何ですか?」また、ビジネスシーンでもありがちな「二日、五日、八日の午後が空いています」等々。そして、曖昧表現に対する手っ取り早い解決策は、「第三者の目を入れる」に尽きると思いました。無論、私的な文書では難しいですけどね。
あいまいにまみれて
2024/03/25 14:31
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あいまいにまみれて楽しかった。
日々、あいまいな表現に惑わされたり、あえて楽しんだりしていた。今回、詳しく解き明かしてもらいすっきりした。
ことばについてのエッセイ
2024/08/31 19:17
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投稿者:キェルケゴ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ことばの曖昧さや誤解について、具体例を挙げながら、考えていく内容になっている。プリマー新書だけに、言語学の高度な理論の紹介もないし、脱線や雑談の類も抑えられている感じがします。
同じ著者が東京大学出版の「UP」に連載しているエッセイの方がマニアックで面白いと思う。
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人によって、文章を読むと捉え方が違う。そのパターンを丁寧に解説した本。SNSやインターネットが普及した昨今、いわゆる「どちらにも意味がとれる」内容で炎上沙汰になった(炎上を見た)ケースが多くあるだろう。書いた人はそんなつもりじゃなかったのに、といった言葉足らずというより情報の不足だったり、日本語独特の句読点の切り方だったり。自分もLINEやメールを送る時に、客観的に読み返してあいまいな文章になっていないか、話し言葉で説明するときに情報は足りているか、注意するように気をつけようと思う。事例がとても良い。アンジャッシュのコントなどわかりやすく巧みな「誤解を引き起こす」例が用いられ、読み進めていてとても楽しかった。
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ちくまプリマー新書に待ってましたの川添愛!
「本書では、言葉のすれ違いの事例を紹介し、それらをもとに言葉の複雑さや面白さを紹介していきたいと思います。本書で目指しているのは、読者の皆さんが言葉の曖昧さに少し敏感になり、言葉のすれ違いを早めに察知できるようになることです。同時に言葉をさまざまな角度から眺める経験を、頭のエクササイズのような感覚で気軽に楽しんでほしいと思います」(はじめに)
言葉の曖昧さによる誤解・すれ違いはどのようにして生まれるのか、具体的な例を使った解説で楽しくおもしろく読める十章仕立て。表記、単語や文法の多義性、単複や比喩、修飾など文の構造、並列、否定や疑問のスコープ、代名詞、さらに「言葉」をいくらみてもわかりえない言外の意味まで、人によって受け取り方が違ったりすれ違ったりしてしまう理由や仕組みが分かれば、それを意識することでより伝わりやすいコミュニケーションができるようになる(具体的な指南も多数)、という非常に実用的ですぐにでも役に立ってしまう一冊。そのおもしろさは田窪先生、大津由紀雄先生ら言語学界隈の御大の折り紙付き。
あいまいさを100%なくすのはほぼ不可能だけれど、多くの人がそれを理解した上で発信したり受信したりできればSNSなどでのトラブルなども減るだろうし、そのあいまいさを逆手に取った言葉遊びなどを楽しむこともできる。そんな著者(はじめ言葉マニアすぎるわたしたち)の思いがたくさんの人に伝わるといいなと思う。こういう言語学入門的なことを学校でももっとまなべるといいのだけれど。
個人的には、プリマー新書初期の藤原正彦・安野光雅「世にも美しい日本語入門」と藤原正彦・小川洋子「世にも美しい数学入門」につづくひさびさの「世にも〜」タイトルがなんだかうれしい。
そして読み終わってみると、このタイトルがまたいろいろに読めて、それだけでごはん3杯ぐらいいけると気づく。
***
「UP」(東京大学出版会)連載の「言語学バーリ・トゥード」第24回にこの本の番外編として「日本語は「世にも曖昧な言語」なのか」(←答えはもちろん否)があり、曖昧さというのは人間の言語とは切っても切れない性質の一つだと改めて指摘していて、たしかにこのレベルの誤解ははやく解けてほしいものだと思った。
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「七割以上の問題」を取り上げているのがすごい。何度もゆっくり読めば違いがわかるのだが、すっと読んでしまうとなかなか把握できない。今年最後に出会えた良書。
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国語の副読本にしたいと思いました.あいまいな言い方を平気で使う人に是非読んでいただきたいと思います.
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日常にありふれている日本語の表記を使って、言語学をわかりやすく、興味深く解説してくれている。川添さんは語学に対していい意味でミーハーなんだな、と思える。それが親近感に繋がって一気に読めた。
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読み進める程、日本語はここまで曖昧になってしまうことが多い実感が湧いてくる。「この先生きのこる」など知ってる人の多いような話や、ロバート、アンジャッシュなど芸人のネタも混ぜてきたりとネタも多彩で、真面目な本という印象を与えないのも良い。曖昧にならないようにはどうしたら良いかを書きつつも、曖昧であることが面白い遊びも生むし悪いものではない、というまとめも納得だった。勉強になった。
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「頭が赤い魚を食べる猫」
これだけで腹抱えるほど笑うことになるとは誰も思わない。
途中までは、曖昧な文章を多面的にとらえないで自分が意図した意味が正しいというのはけしからん!とか思ってた。でも読み終わる頃には曖昧な日本語オモロいwマジ最高wwwってなったので、べつに正確に伝わらない文章にいちいち苛立ちは覚えなくなった。笑
コールセンターに勤めてるので言葉の問題は非常にウェイトが大きい。お客様が意図したことを正確に伝えてない場合もあれば、こちらが意図したことを伝えられてないこともある。でもそれ如きでお互いがイライラするのはナンセンス。言い換えて伝えればいいだけ。むしろ、言い方が曖昧だったことをそっと楽しみたいくらいだ。
この本はホント笑かしてくれた。そして大事なことに気づかせてくれた。少なくとも、意味を正しく伝えられない人を糾弾する本では無い。
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日本語の曖昧さを、実例により解説したもの。
普段何の疑問もなく使っている言葉が、実は曖昧であることがよくわかる。曖昧であるが故、話した本人はそのつもりでも、聞いた側が必ずしも同じように理解しているとは限らないのだ。
話している時は文脈で理解していることもあるが、抜き出してみると、結構あいまいなやり取りをしていることに気づかされる。
普段使っている言葉を例に取り上げているので、理解に入りやすいが、言語学者である著者による詳しい解説もある。多少難しい内容もあるが、使っている言葉の意外性に気づいて興味深い。
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読みやすく、楽しい。中学生であれば問題なく読み進められるし、小学校高学年でも楽しめると思う。(言葉の題材で桑田佳祐氏の歌詞が出てくる箇所があり、小学生が読むなら要注意)
身近な言葉を通して、自分の外側に別の見方がある可能性に自然と目が向けられる。多くの子どもたちに楽しく読んでもらいたい。
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著者が「お笑い好き」「プロレス好き」なのが伝わってきました。
久しぶりにしかも偶然、友達にばったり出会ったとき、
「いま、何してるの?」って聞かれたらどう答えたらいいか迷いますよね。
あと「なんで来たの?」と聞かれたとき、理由を聞いてるのか、手段を聞いてるのか。
そんな言葉のスレ違いを解析してくれています。
よくそんなにたくさん例が浮かんでくるなぁと感心します。
仕事上でメールのやり取りをすることがあると思いますが、ハッキリ言って何を言いたいのか分からない時がありますよね。
わたしは自分では十分に気をつけて書いているつもりですが、これからももっと気をつけていきます。
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著者の既出の著作とやや内容が被る部分もあるが、新書としてコンパクトにまとまっている分、読みやすく、充分に楽しめた。例が具体的で丁寧な解説が付いていることに加えて、ユーモラスな表現が随所に散りばめられて思わず「くすっ」となる癒しの要素も満載。「おわりに」の章で曖昧さは日本語だけに生じる特性ではない、という補足にも思わず首肯した。