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彼岸過迄(新潮文庫) みんなのレビュー 新着

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みんなのレビュー93件

みんなの評価3.9

評価内訳

93 件中 1 件~ 15 件を表示

タイトルの意味

2020/10/08 21:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルの「彼岸過迄」は漱石が序文でことわっているように、彼岸すぎまで書く予定という意味から来ている。漱石のことだから、もっと深い意味が本当はあるのかもしれないが私にはわかる由もないが、彼岸という言葉がでてくるのはいわゆる「修善寺の大患」ともいわれる療養中の大量の吐血が関係しているのかもしれない。「自分は又自分の作物を新しい新しいと吹聴することも好まない。今の世に無暗に新しがっているものは三越呉服店とヤンキーとそれかた文壇に於る一部の作家と評家だろうと自分はとうから考えている」と当時の文壇について手厳しいことを書いている、自然主義派やネオ浪漫派の連中とは一緒にされたくないという矜持を感じる

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明治版オタク男

2002/11/13 15:27

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 奇妙な隣人の冒険談とその遁走、謎の人物の尾行とその人物の過去、友人の恋愛問題…主人公田川敬太郎をとりまく人間についての観察が、綿々と綴られていくこの小説は、今どきの言葉を借りれば、オムニバス小説とでもいうべきか?
 しかし物語の中心は、後半に描かれる主人公の友人、須永市蔵の精神の葛藤であろう。
裕福な家に育ち、「安泰な境遇に慣れて、奮闘の刺戟を失った結果」特定の仕事に就かずにいる須永は、何事にも冷淡で無関心な青年である。
 その冷淡さは恋愛にもあらわれる。須永の母親は成年に達した息子に従妹の千代子との結婚を強くすすめる。父親を早くに失い、幼少から母ひとり子ひとりで育ち、母親とは強い愛情で結ばれていた彼は、母の異常なまでの熱意に戸惑い反発をする。当の千代子に対して須永は、ひそかに惹かれ、彼女に近づく男に嫉妬を覚えているものの、終始無関心を装い、結局彼女を傷つけることとなる。やがて彼は、自分の出生の秘密と母との真の関係を知らされる…。
 須永の内面に巣くうのは、他人へのかぎりない猜疑心と現実とのつながりをもたない者の孤独と恐怖である。相手のちょっとした言葉づかいや、視線を敏感に感じとり、それを自分に対する悪意ととる。また彼は生身の女性よりも、写真の中の女性に憧れ、いつまでも写真を眺めていられる想像的世界の住人である。
 「市蔵という男は世の中と接触するたびに内へとぐろを捲き込む性質である」。叔父の松本は、彼をこう評する。内攻し苦悩する自我を解放するためには、どうすべきか? 「外にある物を頭へ運び込むために眼を使う代りに、頭で外にある物を眺める心持で眼を使うようにしなければならない。天下にたった一つで好いから、自分の心を奪い取るような偉いものか、美くしいものか、優しいものか、を見出さなければならない」。
われわれの時代が、ひとり自分のからに閉じこもり、ビデオやゲームなど空想の世界に遊ぶ人種のことを「オタク」と呼んで久しい。漱石が小説で創造した青年像は、現代人がそのように呼んでいる人と似ていないこともない。
 この小説においては、登場人物が主人公敬太郎の目を通して描かれている。須永の物語が終わり、読者はそこに同じドラマを見終わった敬太郎の姿を見出す。よく最後のシーンが、スクリーンやテレビ画面になって、それを見ている人間が映し出されて終わる映画があるが、それに似ていないだろうか。本当の観客であるわれわれも、はっと気づいたようにそこにいる。
 物語の冒頭からさまざまな人間のドラマを垣間見てきた敬太郎もまた現実の世間を知らぬ若者である。敬太郎の覚醒は、読者へと降り返ってくるだろう — 須永の苦悩を他人事のようにながめ、イマジネーションの世界に遊ぶ自分も結局は、同じ人種ではないか? 漱石が仕掛けた奇妙なプロットの暗示するものは、案外こんなところかもしれない。

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「まとまり」はないが

2024/04/07 00:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る

作品としてまとまりが良くないが、須永市蔵という帝大法科を卒業しながら職につかず、思いを寄せる千代子にも煮え切らない態度をとる意志薄弱と言われそうな男が主軸の小説。でも「須永の話」の章は非常に充実して、須永の語る無間地獄のような自意識が重く、千代子という女の存在が感じられてこの小説のコアであった。こうした男女の関係性を小説の中で立体的に描き出した手腕は流石。

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漱石は自意識を掘り下げるのが上手い

2021/08/09 18:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:キクチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

夏目漱石といえばその緻密な心情と精神性の描写が特筆されるべきところだと思いますが、特にこの作品はそれがよく出ています。「こころ」で漱石が描いた「先生」のエゴイズムは当人をして自殺をさせるほど追い詰めるわけですが、「彼岸過迄」で描かれる須永の「内へととぐろを巻き込む性質」は最後に一種の回復を見せます。これは登場人物を苦しめる自意識からの逃避と考えられると思います。真反対の結末を辿ったように見えるこの2つの物語はどちらも読んでこそ本当の魅力というものが見られるでしょう。こころ、または他の漱石の作品を読んで響くものがあるなら、この作品もまた特別なものに感じられるでしょう。

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2006/04/09 23:24

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2006/05/26 14:40

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2006/10/21 21:09

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2007/01/08 22:15

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2007/05/24 11:48

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2007/10/19 18:30

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2008/02/20 00:07

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2008/03/17 12:57

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2008/05/04 13:59

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2008/05/06 21:37

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2008/05/11 21:39

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