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行人(新潮文庫) みんなのレビュー 新着

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一般書

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みんなのレビュー107件

みんなの評価4.3

評価内訳

107 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

100年前の庶民生活

2023/04/18 09:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:大賀蓮 - この投稿者のレビュー一覧を見る

今更感はあれど漱石の人を引き付ける力は卓越と感じる。当時の新聞連載を読んだ知識人が明日の新聞を楽しみにして待ちきれないと感じたろうと想像すると愉快だ。余は明日を待たずに読み続けられる幸福を楽しんでいる。また100年以上前の日本人の会話が思いの外今と変わらないことに驚く。行人の主題は解説者がそれぞれの意見で記載しているのでそれらに任せるが余はこれを漱石自身の夫婦生活ではないかと仮説を立てた。余の仮説はもはや検証できないのがありがたいが、行人には夫婦が4組登場する。一郎と直夫妻、岡田夫妻、一郎の両親、そしてお兼夫婦。いずれも漱石鏡子夫妻の時代時代をあらわしているのではないか。お兼夫婦は結婚を挟んだ前後、岡田夫妻は新婚時代、一郎直夫妻が執筆当時、そしてもはや実現しないが将来の夫婦像が両親。戯言とお許し願いたい。

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紙の本

深読みできる

2019/07/25 09:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Yo - この投稿者のレビュー一覧を見る

弟を使って妻の心を知ろうとした兄。弟はそんな兄を批判しつつ、知人を使って兄の心を知ろうとする、という構成に見るように、実はこの小説で一番信用ならないのは、他人のこと以上に自分のことをわかってない、語り手である弟なんだと思いました。

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紙の本

懊悩する自我

2017/11/30 21:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公の長野一郎は、漱石の生んだ数々の”病んだ”キャラクター中、最も理論的かつ明晰にその内面を吐露する人物である。この学者は、他人はおろか自分の家族や妻、あらゆる人間を信じることのできず、妻の貞操を試すために、実の弟二郎に彼女と旅行をさせるなど、数々の奇行と気難しさで周囲を悩ます。ついに親兄弟の計らいで、彼が気を許す数少ない友人の一人Hと旅行に出かけるが、Hは旅行中の一郎の言動を、手紙で二郎に知らせる。そこには、次のように懊悩する自我が綴られている。
 一郎は、何かをせねばならないと急かれる一方で、何をやってもこんなことはしていられぬという気分になる。何をやっても目的にも方便にもならないことが、ただ不安で怖く、徒歩から俥、車から馬車、汽車、自動車、飛行機と、どこまで行っても休ませてくれない科学の発展を呪う。「美的にも倫理的にも、智的にも鋭敏すぎる」彼は、何事も白黒はっきりさせようと自分を苦しめる。一方で、そのような苦を超越した、邪念のない心には、尊崇の念をいだいている。家の下女で最近嫁いだお貞そしてHが、一郎からすれば、そのような幸福で善良な人間であるという。一郎は、このような精神状態こそ最も幸福であるとわかっていながら、それは決して彼が到達しえない場所にあると知り、絶望している。
 それならばと宗教を勧めるHに、一郎は神など意味のない口先だけのロジックにすぎないと却下をする。「僕は死んだ神より生きた人間の方が好きだ」。しかしその求めている人間を自分の方から求めることができないことが、彼の悲劇である。
 Hは、マホメットが、来いと命じてもやってこない山に向かって、こちらから歩いて行ったという逸話を引用し、「なぜ山の方へ歩いて行かない」とたずねる。一郎は答える「向こうがこっちへ来るべき義務があったらどうだ」「向こうに義務があろうとあるまいとこっちに必要があればこっちで行くだけのことだ」「義務のないところに必要のある筈がない」「幸福のために行くさ。必要のために行きたくないなら」
 こうして一郎は、「死ぬか、気が違うか、それでなければ宗教に入るか。僕の前途にはこの三つのものしかない」という悲痛な叫びをあげる。死ぬことも、宗教に入ることもできない彼には、気が狂うよりほかないという。
 Hは、時折浜辺の蟹を眺めて興じる一郎に、そんなふうに自分を忘れてはどうかと勧める。「君は絶対絶対と云って、この間むずかしい議論をしたが、何もそう面倒な無理をして、絶対なんかに這入る必要はないじゃないか。ああいう風に蟹に見惚れてさえいれば、少しも苦しくはあるまいがね」。このように友との旅をつづけながら、孤独な魂は少しずつ変わっていくような雰囲気を残しながら小説は終わる。
 『行人』は、これまでも何度か読んだことのある作品で、これまでは一郎の内面、その思想性にばかり目がいったが、今回読み直してみてあらたに感じたのは、語り手でもある弟二郎の、一郎の妻の直に対するほのかなというよりも、かなり強烈な思慕、そして嫂の義弟に対する意味ありげな態度である。そこから、一郎が直の貞操を疑い、二郎との2人きりの旅行を強いることも、一郎のゆがんだ性質にのみ帰せられるべきではなく、それなりの理由があるように思われた。さらには、妹の重の一郎に対する思慕と嫂への憎悪など、長野家内部の愛憎関係が、幾重も絡まっていることには新鮮な感動を覚えた。同時に、それにしては最後の一郎の内面的苦悩が、妻への嫉妬という側面をまったく有していないのは違和感も覚えた。

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紙の本

絶対に分からない他人の内面

2002/12/30 20:23

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:金山鉋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

他人の内面。本当の気持ち。これは絶対に分からない。
しかし知りたい。そこで本人に聞く。今度はそれが本当なのかどうか不安になる。
疑い出せば抜け出せない。迷路のようだ。

この迷路に迷い込んでしまったのがこの小説の一郎である。彼は脇役のようであり主人公のようにも思える。弟・二郎の目を通して描かれる迷路の中の彼は、家族を疑い、妻を疑う。

分からないが推し量ることは出来る。だから辛いのかもしれない。

疑うより、盲信するほうが楽だ。

盲信していることすら疑ってみない一郎の家族と、兄を迷路の中に見つけることは出来たが、手を引いて連れ出すことの出来ない二郎の、一郎との間にある壁、或いは溝は、あなたと他人との壁、溝と、ひょっとしたら似ているのかもしれない。

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紙の本

知識人の「闘い」の生の過程

2019/04/29 15:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る

二郎という気さくな人物を通して語られる一郎という理知が勝る孤独な知識人。その夫に翻弄される冷淡を装う嫂。三沢という『三四郎』の与次郎的な悪友。快活な父。何というか、地味なつくりで重苦しい作風で、途中の嫂と二郎が二人で和歌山に旅行するところまでは物語的な面白さもあるが、後半はいっそう地味、というか重くなる。煮え切らないというか、いろいろなものが整理されないまま提示されていてすっきりしない。知識人という近代に生まれた人間が孤独に苦しみ、宗教の門にも閉ざされて苦しむ姿が生の形で、救いを得るまでの過程のまま描かれている。次作でこの問題は解決されていたのかはよくわからない。

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2005/06/10 23:52

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2006/11/29 02:22

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2006/12/05 19:22

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2006/12/27 02:43

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2007/02/17 09:57

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2008/03/17 12:59

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2008/05/11 21:33

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2008/07/31 11:54

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2009/04/14 18:08

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2009/07/24 17:39

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