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3件
書記バートルビー/漂流船
ウォール街の法律事務所で雇った寡黙な男は、決まった仕事以外の用を言いつけると「そうしない方がいいと思います」と言って一切を拒絶するのだった。男の不可解な振る舞いを通して社会の闇を抉る「書記バートルビー」。アメリカのアザラシ猟船の船長デラーノは、遭難同然のスペインの奴隷運搬船を発見する。嫌な予感を抱きつつ支援を申し出るが……劇的な展開が待ち受ける傑作「漂流船」。アメリカ最大の文豪の代表的中篇2篇。
書記バートルビー/漂流船
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書記バートルビー/漂流船
2019/10/09 00:05
「おかしさ」の伝染
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読む前はバートルビーがおかしいのだろうと思っていたが、読むうちに語り手の「私」もおかしいのでは?と感じ始め、変な人と対応しているうちに引き込まれていくのかと考えた。あと、私も訳は国書刊行会の酒井訳の「ありがたいのですが...」の方がよかった。
書記バートルビー/漂流船
2015/11/18 04:19
酒井雅之訳の方がいいと思います
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
「書記バートルビー」の主人公はすべてを拒絶する男だ。仕事を投げ出して他者と距離を置き、ついには自らが生きることも止めてしまう。本書では「そうしない方がいいと思います」と訳されているが、1988年の国書刊行会版では「せずにすめばありがたいのですが」と翻訳されている。バートルビーの深い虚無感が伝わってくるのは、後者のほうではないだろうか。
書記バートルビー/漂流船
2015/12/18 11:29
訳の違いの楽しさ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アトレーユ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『幽霊船』は岩波文庫も重版再開になるらしく、なぜ今、メルヴィル祭?(笑)『バートルビー』の決め台詞は好みの問題ながら、以前読んだ別の訳の方が好きかな。何を御願いするにも冷静に、丁寧に、真剣に『しないで済めばありがたいのですが…』と返すバートルビー。無気力なことをひたすら真剣に主張。そこについ笑ってしまう。