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5件
反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―(新潮選書)
著者 森本あんり
アメリカでは、なぜ反インテリの風潮が強いのか。なぜキリスト教が異様に盛んなのか。なぜビジネスマンが自己啓発に熱心なのか。なぜ政治が極端な道徳主義に走るのか。そのすべての謎を解く鍵は、米国のキリスト教が育んだ「反知性主義」にある。反知性主義の歴史を辿りながら、その恐るべきパワーと意外な効用を描く。※新潮選書版に掲載の図版の一部は、電子版には収録しておりません。
反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―(新潮選書)
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反知性主義 アメリカが生んだ「熱病」の正体
2018/05/21 12:03
反知性主義を正確に知る最適な書籍
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「反知性主義」と聞くと、勉強や学問することに反対する思想という誤解を抱く人が多いが、反知性主義とは本来はキリスト教に端を発している。中世のキリスト教のような厳格で格式張って難しい聖書を難しく語る聖職者に対する姿勢として、反知性主義は生まれた。従来の中世キリスト教の典型的な方法だと、一部のインテリのみがキリスト教を理解することができない。そのために、民衆にもわかりやすくエンターテイメント性を取り入れようとしたのが反知性主義者の方法である。ある意味的を得た考え方であり、共感できる部分はある。しかし、果たして反知性主義者によって広まったキリスト教の解釈は本当に正しいのか?その辺も考えながら読むとより面白くなる。本書は、反知性主義を正確に知るための最適な書籍である。わかりやすくかつあっという間に読めてしまう。
反知性主義 アメリカが生んだ「熱病」の正体
2019/12/31 22:44
反知性主義
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書では、メディアなどでよく使われるような使い方ではなく、権威主義的ではない伝道を行うキリスト教という本来の意味で「反知性主義」を使っている。アメリカのキリスト教の歴史に通じている著者が、アメリカで時折起こる熱病のような宗教的情熱について記している。
特に、アメリカ各地で起こるリバイバリズムは、面白いと思う反面、恐いとも感じた。
反知性主義 アメリカが生んだ「熱病」の正体
2016/03/11 18:33
キリスト教史の視点以外にも読める
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぐどん - この投稿者のレビュー一覧を見る
反知性主義について、キリスト教史およびリバイバリズムの流れから追った本書だが、単にそれだけで読み終えるにはもったいない本。結果的にではあるがアメリカの大学史の外殻もなぞっており、もし高等教育史に興味があるのなら強い補助線を引く意味でも読む価値があると思う。
反知性主義とは「バカ」という言葉を学術的に表現したものではない。むしろ正当な存在意義がある事を本書は示している。では反知性主義とは何であるのかは、自身で読んで確かめてほしい。