電子書籍
ぼくらは、まだ少し期待している
著者 木地雅映子 著
町田そのこ氏、おすすめ!
「自分を誰かに明け渡さない。それが、誰かを救うことにもなるのだ」
札幌の進学校に通う土橋輝明は、数学と生物が得意な高校3年生。同学年の特進クラス国立文系で第一志望は北大文学部という秦野あさひとは、「優等生」同士ということで、学校行事にペアで駆り出されることも少なくない「腐れ縁」だ。ある日、あさひに相談を持ち掛けられた輝明は、予想外の内容に驚き、思わず席を立ってしまう。翌日、彼女が失踪したことを知った輝明は、片親の違う弟で「料理研究部」では彼女の後輩でもある吉川航とともに、その行方を追い始める。彼女はどこへ消えたのか? 輝明は東京へ、そして沖縄へ向かう。徐々にあさひの過酷な生い立ちを知るにつれ、輝明は……。
親に期待できなくても、人生を諦めなくていい――名作『氷の海のガレオン』『悦楽の園』の著者、10年ぶりの新作長篇。
【目次】
前口上
起 二○一三年七月中旬、北海道札幌市
承 二〇一三年七月下旬、埼玉県所沢市
転 二○一三年七月下旬~八月上旬、沖縄県那覇市~慶良間諸島
結 二○一三年十二月下旬、北海道札幌市
納め口上
ぼくらは、まだ少し期待している
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2023/10/24 20:33
『ぼくらは、まだ少し期待している』
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
札幌の私立高校に通う3年生の土橋輝明
成績はトップクラスで、ある事情で高校生ながら資産もある
同級生の秦野あさひに呼び出され行方不明の弟について相談された輝明は、冷たくあしらってしまったあさひが失踪したのを知り、異母弟の吉川航とともにあさひを探しに東京へ行く
ひと夏の冒険の果てに輝明が手にした“探し物”は……
〈当事者になるか、ならないか、それが問題だ。〉p.142
身勝手な大人に傷つけられた子どもたちの喪失と再生の物語
『氷の海のガレオン』『悦楽の園』「マイナークラブハウス」シリーズの著者による10年ぶりの新作長編、2022年10月刊
《輝明の冒険は、理不尽に打ち勝つ方法をタフに考え続けるためのヒントをくれる。そしてそれは、時に絶望的に思える未来に、どうにか「期待」し続けるためのヒントになる。》──「神奈川新聞」書評(2022.12.28)
広げたカバーの美しさが結末とシンクロして、しばし見入ってしまう
2022/12/07 21:15
明るく逞しい主人公たち!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
初読みの作家さん。流行りの言い方だと「親ガチャ」を軸に、震災やその後の生活、株の取引に振り回される人々など様々な重たいテーマに触れながら、若い主人公たちが明るく逞しく生きてゆく姿が印象的です(毎日新聞「エンタメ小説・今月の推し!」221106)。
2023/01/09 11:11
前の世代 次の世代
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて読む作家さん。
若い方かと思ったら50歳代。
両親が離婚して父親と一緒に暮らす秦野あさひは同級生の土橋輝明に相談を持ちかける。
母親に引き取られた弟が福祉施設で暮らす若者としてテレビに写ったのだと。母親とも弟とも連絡不通だがなんとか探したい。君の頭脳を借りていい方法を考えて欲しい。
本書の序章は二人が同棲していて、両親に知らせずに婚姻届を出すところから始まる。二人はカップルだが両親とは何か訳があって不仲な事情がある事を知った上で、二人の物語を読み始める。
両親のネグレクトが主題だが、話の重さに似合わない沖縄の離島のリゾート地が舞台になったり落ち着きの無い小説に感じた。
ただ前の時代よりマシな今があり,次の世代が今より良いのだったら、期待できるこれからがある。