電子書籍
妹背山婦女庭訓
著者 大島真寿美
江戸時代の大坂・道頓堀。穂積成章は父から近松門左衛門の硯をもらい、浄瑠璃作者・近松半二として歩みだす。だが弟弟子には先を越され、人形遣いからは何度も書き直させられ、それでも書かずにはいられない。物語が生まれる様を圧倒的熱量と義太夫のごとき流麗な語りで描く、直木賞&高校生直木賞受賞作。
※この電子書籍は2019年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
渦 妹背山婦女庭訓 魂結び
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紙の本結 妹背山婦女庭訓波模様
2021/12/04 20:16
人形浄瑠璃を観たことはないが
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
人形浄瑠璃に魅せられた人々の、人間模様はこうも鮮やかで複雑かと思う群像小説だ。浄瑠璃は人により操られるが、この世は、神により、見えぬカラクリと縁の糸により、人々が操られて時が幾重にも流れていくのかもしれない。日々の生活の中で、ふとした拍子に、そのカラクリと糸の存在に気づくようだ。もどかしくもある人を想う気持ちの貫和らなさ、すれ違いに、ため息が出る
紙の本渦 妹背山婦女庭訓魂結び
2021/10/08 06:55
女たちがいるから世界が生きる
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第161回直木賞受賞作。(2019年)
この長編小説は、江戸時代の大坂・道頓堀を舞台に人形浄瑠璃作家近松半二を描いたもの。国語や日本史の教科書には近松門左衛門の名前はよく出てくるが、近松半二は実際にいた人物ながらほとんど知られていない。
そのあたりがこの作品をとっつきにくくしている。
直木賞の選考委員のひとり浅田次郎氏は「いったいどれほどの読者の理解を得られるかと思えば、ためらいが先に立った」と評価が低い一方、宮部みゆき委員は「私は人形浄瑠璃はもとより歌舞伎にも疎い不勉強者なので、最初のうちは敷居が高く、おそるおそるという感じだったのですが」と正直に書き、読み進むうちに楽しくなったと評価している。
一方でこの作品は浄瑠璃作家が主人公で、創作にかかる苦悩が随所に書かれていて、そのことを評価する委員も多かった。
「物語を紡ぐ者として同意できる部分が多々あり、楽しめた。」と書いたのは東野圭吾氏。
また北方謙三氏は「表現者たちの熱気の渦は強く感じた」と評している。
それ以上にこの作品が断然面白くなるのは、女性の登場シーンだ。
半二に辛くあたる母親にしろ、半二の兄の元婚約者ながら捨てられてしまう幼馴染のお末にしろ、半二のよき理解者である嫁のお佐久にしろ、彼女たちが登場すると俄然物語が輝いてくる。
女性作家ゆえの功績ともいえるが、この作品はその点をもっと評価されていい。
紙の本結 妹背山婦女庭訓波模様
2021/10/03 11:16
ええ話
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
浄瑠璃に魅せられた人たちの物語。
今回の主人公はきみさんかな。
松へもいいね。
出てくる人たち、みんな良いキャラクターをしてる。
紙の本結 妹背山婦女庭訓波模様
2021/09/25 13:13
直木賞受賞作の「その後」
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:higassi - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞を受賞した「渦 妹背山婦女庭訓 波模様」の続編。前作で完結と思っていたので、周囲のメンバーの「その後」を追うことができて嬉しい一冊。芸能への熱い思いは普遍的なのか、現代の話を読んでいるような人間模様も味わいつつ、一方で人生50年時代ゆえの晩年の短さに切なさも感じました。
紙の本渦 妹背山婦女庭訓魂結び
2021/09/22 20:48
おもいろいです
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Jung - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまり期待もせずに読み始めましたが、さすがは直木賞!人形浄瑠璃の世界にすぐに引き込まれてしまいました。今まで読んだことがない世界の話で新鮮でした。
紙の本渦 妹背山婦女庭訓魂結び
2021/08/27 21:52
人形浄瑠璃
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あゆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
完璧な関西弁で語られる浄瑠璃界の歴史小説。物語の筋は、後半になるほど、少し飽きてくるものの、その業界の伝記物語として読むと趣深い感じになる。それにしても完璧な関西弁には驚く。大阪弁ではなく、京都や奈良にも通じる関西弁。作者が名古屋人だとは思えない