緋弾のアリア
東京武偵高校、そこは武力を行使する探偵――通称『武偵』を育成する特殊な学校。「あるきっかけ」で頭脳が活性化するという体質を持つ遠山キンジは、そのことを周囲に秘密にしつつ、平穏を求めて日々を送る探偵科所属の高校二年生。しかし、通学途中に爆弾事件に巻き込まれ、強襲科の超エリートである神崎・H・アリアと出会ってしまったことにより、キンジの日常は平穏とは程遠いものへと変わっていくのだった――。Sランクの最強武偵・アリアと、(普段は)ただの一般人・キンジの凸凹コンビが凶悪犯に立ち向かう、大スケールアクション&ラブコメディー!!
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2009/04/02 23:35
狼と鬼と幽霊、そして蜂蜜色の小悪魔
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
しかし次から次へとキャラが自由に飛び回るドラマを紡ぐものである。前巻で弾けまくった白雪は今回伏線らしきものを張る役目だけだったが、それでも強烈な「キンちゃんさま大好き!」攻撃を仕掛けている。星伽に帰ること、やたらと「既成事実」に執着することが気になった。星伽で勝手にお見合いでも組まれているのだろうか。次の騒動の火種になるかも。その白雪が行なった占いが本巻の骨子になるのだが、今回は第1巻で敵だった理子の物語でもある。しかし理子は小悪魔振りにもほどがある、というくらいの抜け目のなさと可愛らしさが同居した娘である。その明るく快活なブリっ娘(そして少し腐女子)キャラを誕生させた生い立ちの秘密を挿みながら、この小悪魔の魅力が余すところなく描かれている。そして後半からは理子の宝物奪還作戦。まさにリュパンの曾孫らしい作戦である。この頃にキンジがさり気なくあの執事の決めセリフを入れたりしているが、本巻でも全編に渡って簡潔かつテンポと小気味の良いキンジの冷静な脳内ツッコミが全体のノリを良くしている。また、本巻ではイ・ウーとキンジの兄のことが少し明らかになってきたが、実は兄の生死が本巻で判明する。イ・ウーは兄の能力を吸収したことになっているが、見方によっては兄の協力の元で能力を得たようにも受け取れる曖昧さがあってどうにも判然としない。しかし、場合によっては兄の立場が180度変わるので今後の動向に目が離せない。というのも最後に出てきた【カナ】という人物(これがビックリ超展開!)の言葉が何を意味するか謎だからである。なんだか急に本シリーズのクライマックスが訪れるかのような引きだったが、次巻でカナがどう動くのだろう。そもそもカナの真意は何だろうか。大変気になる本巻の終わり方である。
2008/12/25 18:02
武装巫女が弾けまくる!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
とんだ隠し球である―――星伽白雪。この核弾頭をあえて本巻まで控えていた作者もなかなか意地が悪い。そう、前巻でちらっと顔見せだけだったキンジの幼馴染みが今回弾けまくっている。普段はお淑やかで慎ましい大和撫子だが、キンジのことになると我を忘れ、ひたすら尽くし、寄り付く女子には容赦が無くなる困った娘である。一途と言えばこれほどの一途も無い。そして明記こそされていないが実は巨乳であり、そして少し黒い。時折「黒雪」になる。少々ヤンデレかも。白雪の勢い余る言動にはかなり笑わせて貰った。ただ、白雪がなぜにここまでキンジ一筋なのかは、彼女の生い立ちも踏まえてきっちり書かれている。本巻は白雪の人と成りを綴りながら、彼女を狙う組織との戦いを通じて、彼女が抱えるしがらみからの解放を描き出したものである。二転三転する展開に翻弄され、己の至らなさ、未熟さを痛感するキンジ。一度は別行動をとりながらも任務を最後まで遂行するアリア。敵の驚異的な強さに自らの封印を解く白雪。三者三様の立場と思惑を交錯させながらも仲間を助け合い、チームとして機能させていく展開が巧みで、あっちこっちに張り巡らせた伏線もしっかり、それも効果的に回収していく流れも秀逸である。そして、思うにキンジくん、ヒステリアモードはそろそろ正直に話すべきでは?確かに言いにくかろう、トリガーがアレだし。でも女の子に甘過ぎる(しかも少しキモイ)キザなセリフもこのままでは誤解の元になるばかり。それに何よりそのために白雪を邪険にしては可哀想である。その前に、あれだけストレートな白雪の想いに気付かないニブチン振りにもほどがあると思うが。そんなだからヒステリアモードを逆手に取られるピンチ(?)をエピローグで招いてしまうのである。ところで本巻では絵師さんのグッドな仕事振りも特筆もの。カワイイ挿絵が多かったが、その中でもP.271の白雪には感謝御礼である。
2013/05/10 15:31
アクションシーンが良いですね
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴかりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙のかなめちゃんで萌え。
中身を見て燃えです。
読んでいてどんどん引き込まれて行きますね。
2010/01/14 17:54
ある意味で驚愕の事実が発覚
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
「……え?」これがおそらく読者諸兄があまねく抱く感想を最も少ない言葉で表すものだと思う。中点と?マークを除けば1文字である。壮大なスケールと中二病的要素がえらく膨らんだ展開でここまで来て、最後のクライマックスとばかりに敵のラスボスと思しき人物が登場、圧倒的なまでの「あり得ねー」展開を極限まで膨らませて進んだ結果が全て“前振り”に他ならないなどと誰が予想したであろうか。いかにも「ここから始まる」的な、このままホントは終わりじゃね?みたいな結び方を読めば「これまた大したハッタリだな」との思いも抱きそうだが、どうやら本当にこれから始まるのだそうだ。いや、嫌味や皮肉を言っているのではない。このシリーズの特性についてはもぅ慣れたというか、そもそもこういうものだと認識しているので。ただ、慣れたと言ってもこの構成には想像を越えた驚きがあった。そして、むしろ気になったのは後半からの短編。こちらにチラチラと今後の伏線が張られている。短編なのでこちらから先に読もうかと思ったが止めておいてよかった。前半の本編部分を引き継いでいるので読んでおかないと伏線が分からなくなる。しかし、それより何よりこの短編が面白いったらありゃしない!白雪の妹【粉雪】がやって来たり、何故かみんなでサッカーしたりと日常をベースにした話がとても良い。実に珍妙で笑える新キャラまで登場している(『忍!』はさすがに苦笑だったが)。このテイストを本編にもどんどん取り入れて欲しいくらいである。ヒステリアモードの特性を活かしたクサい結末もまた良しとしなければこのシリーズは読めない。計3編ある短編のうち、最後の1編だけが次巻への引きに使われている。相変わらず不穏な動きを予感させるものだがアリアが何となく切なくてちょっと可哀想かも。ここで俄かに前面登場してきそうなレキの動向に注目である。
2015/12/28 10:09
ほぼ全てのイラストが下着・・・。
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:AKF-ZERO - この投稿者のレビュー一覧を見る
素晴らしい。最高じゃないか!ほぼ全てのイラストが下着・・・。こぶいちさん、いい仕事してくれてありがとうございます!
紙の本緋弾のアリア 1
2008/12/09 21:22
ボーイ・ミーツ・ガールなジェットコースター作品
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
ラノベに求められる要素をほぼ網羅した贅沢な作品である。前シリーズ『アストロノト』でもそうだったが、この作者は実に上手なラノベを書く。アクションとラヴコメのバランス、テンポの良い文章などに巧みさを感じるが、ソツなくまとまりが良い分、全体の印象がやや弱まるように感じるところもあり、少々残念な気もする。いわゆる優等生ということだろう。ヤル気に欠ける主人公、猛烈に頑張らなければならないヒロイン。正反対の背景を持つ2人がドタバタしながら事件を解決していく安心印の王道展開である。ただ、後半はやや大仰に過ぎる超展開と言えなくもないが、ピンチに次ぐピンチを切り抜けていく様は読んでて気持ちの良いものである。まだ解明されなていない謎も多く(ほとんど顔見せだけだった幼馴染みもいる)当初から次巻を想定している内容である。この幼馴染みが本格的に動き出せば、かなり面白いことになりそうな予感である。
2011/01/24 21:25
第2幕の前哨戦と恋敵の登場
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
前巻の最後に出てきた連中の全容が明らかになる序盤を見るに、何だか妖怪大戦争の様相を呈してきた第8巻である。真っ当な人間が少数派に見える状況にあっては、これにキンジやアリアは無関係のようにも見える混沌をも漂わせるが、アリアに隠されていた秘密が別に出てきたので、これらが今後どのように絡むのかが展開の肝となるのであろう。
それにしても、この第2幕というかセカンドシーズンに入ってから進行がやけにスローな気がする。バトルも幾度かあるが前哨戦止まりな感じで、未だ本戦の前段階から抜けていない印象である。マイペースとも言えるが、もしかしたらメディアミックスが軌道に乗った関係で作者が“縛り”から解放されたのでは?と推測する。編集側から自由執筆のお墨付きを貰って伸び伸びと書いているようでもある。
そんな本巻でメインを占めるのが、実はアリアを巡るキンジのライバルの登場とその顛末だったりする。いわゆる恋敵的存在の登場に内心穏やかならぬものを覚えてしまう訳だが、あまりナーバス過剰にならなくてもいいように、彼(ある意味ではアリアのベストパートナーとなるべき宿命にあった人)の“本性”を小出しに見せる配慮もなされている。そして、徐々に苦境に立たせられていったキンジが、最後には自分の真意を自覚せぬままヒストリア・ベルゼにまで昂って「漢」を見せている。また、コスプレ風味な中盤で出てくるサブヒロインの面々に、意外な趣味が判明して可愛らしさがさらにUPしたジャンヌや相変わらずな中空地さんが本巻を程良く賑わしている。
しかし、キンジのニブチンに加えてアリアにも理由を付けてデレ要素を加える律儀な巧みさが今回も出ている。無自覚にデレた後にツンで言い訳する“逆ツンデレ”というか“デレツン”なアリアがこれから見られそうである。
2010/09/24 16:57
本巻の最後から第2幕が始まる感じ
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回の表紙はいつにも増してスカートの裾が際どくて最敬礼を禁じ得ないが……ぱ、パンツ穿いてるよね?などと、どーでもいいことも心配してしまう麗しきジャンヌである。
作品作りの基本である起承転結で見た場合、途中から舞い込んだであろう延長依頼を受けるために、通常は「承」の部分をずっと伸ばしていく手法が多い中で、ラノベでは珍しくも週刊誌連載漫画よろしくスケールUPした起承転結の第2ラウンドを行おうというのが本シリーズかと思うが、前巻から続く、いわゆる『レキ編』がその始まりだと思っていた。実際、始まりには変わりないが、本巻の最後に出てきた不穏な人物達、これまで頂点に君臨していたイ・ウー崩壊後の闇世界を再構築でもするのか?というお歴々達の登場が本格的な始まりの予感である。これを取り仕切る位置に何故ジャンヌがいるのかはさておき、この意味では新たな第2ラウンドのプロローグだったとも言えそうな『レキ編』の完結である。レキ、自分の心をこれから獲得するレキ、ちょっとヤバい。想いがストレート過ぎて萌えそう。逆にトンチンカンな言動でアリアを魅惑の絶頂に叩き込むキンジも罪な人。少しずつ“新参者”に立場を奪われているような白雪が少々不憫にも見えてくるが、本巻では時折ナイスなデレも見せているので頑張ってほしいところだし、相変わらずな理子も含めてチームが結成されたことが次の展開への橋渡しとなっているような気もする。これはこれで楽しみである。
しかし、いかにもラノベらしいむちゃ振りに辻褄を合せるのが見事な展開である。猛スピードで走行する新幹線の上に立つだけでもアレなのに、飛び上がったりしてのバトルなんてあり得ねーと思ったら負けである。ある意味、ラノベ本来の読者層には実にウケの良い展開を巧みに演出している訳だが、これにより事実としての蘊蓄と作者一流の誇張とが混然一体に見えてしまう危うさも出ている。もっとも、これはこれ、あれはあれと割り切れば実に楽しく読めるシリーズなので、ラヴ方面も含めて今後の動向に注目である。
2010/05/02 22:25
新章の始まりはレキから
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実質的な第2部の始まりらしく、無類の強敵たる新キャラが出てきたりする本巻だが、どうやら前後編あるいは前中後編くらいになりそうな話の始まりでもある。不穏さとすれ違いばかりで道筋の見えない展開である。不穏さとはまず今回の敵。はっきり言って強過ぎる。バランスブレイカーばりの万能超人である。この難敵をいかに攻略していくかは次巻以降のお楽しみとなろうが、もう1つ厄介なのがすれ違い。アリアとの仲は依然すれ違ったまま。会話を交わす機会も少なく、しかもすれ違いを助長させる場面に限って鉢合うというお約束展開的徹底振りで、お互いの誤解が一向に解けないのである。武偵の将来を左右する大事な時期にこうした演出を施す意地悪な作者である。その代わり、今回メインヒロインを張ったのがレキ。もぅ全編レキ一色なのだが、これがまたすれ違い、というより一方通行、僅かに口を開けば電波系という不思議っぷりでキンジを困惑の極みに叩き落とす。これがコミカルに展開されることで実に面白くなっている。あまりに無自覚なため、結果的に厚顔無恥というか、唯我独尊の傍若無人にも見えてしまうレキだが、これがこのままで終わらないのが本巻の良いところ。じっくり丸々1冊用いてレキの表装的な人物像と素性の一端や、ずば抜けた能力などを示しながら、その内面で静かに進行していた人間的な感情の醸造、その萌芽をなかなかドラマチックに見せてくれる。己の保身(笑)のためにキンジがコツコツ仕掛けた、一見たわいもない“レキ人間化計画”が、たわいもないからこそ小さな幸せをレキに知らしめることに繋がった、少し溜飲の下がる展開である。しかしそれも束の間、大ピンチに陥ったレキが心配な引きを迎えてしまうのである。それにしても、レキもまた偉大なる英雄の系譜にいたのね。
2009/08/26 23:13
秀逸なストーリーだがスケールの広がりに設定が追い付かないところも
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
本巻に至って敵の全容と思惑が随分と明らかになってきた。なかなか壮大なスケールの物語になってきており、アリアの当初の目的を忘れそうである。ただ、どんどん強い敵が現れ、無敵級に扱われるキンジ(兄)みたいな強者も登場しているため、バトルが何だか無味乾燥……とまでは言わないが、絵空事っぽく感じられ始めているように思う。つまり、いくら高い能力を有しているからって、その戦い方は最早反則では?との「何でもアリ」感が漂っているのである。振り回した斧が音速に達するのはさすがにやり過ぎでしょ、と少し興醒めした。あれだけの強さを見せ付けながら、そして他方のヒステリアモードが解除されているとはいえ、キンジの兄弟対決においても、その緊迫感の割に超展開かつあっさり気味な結末によって少しバランスに欠けたところを感じてしまった。本巻ではキンジとアリアが、いわゆる「選ばれた人物」っぽくなっているのだが、現状ではそれがまだイマイチ伝わって来ない。いやいや、周りの人達の方が全然強いじゃない、との思いを抱くのである。白雪にしても、やり合う相手が今回も強過ぎるせいか、その桁違いとされる強さがあまり活かされておらず、また恋の争奪戦においてもキンジが本心を自覚したようでこれも劣勢と、かなり可哀想なポジションに立ちつつある。白雪派としては、今回もナイス過ぎる挿絵がP.141にあったことだし頑張って欲しいのだが、今回、登場こそ少なくも要所要所で光る存在感を見せたジャンヌが思わぬ好印象というか、意外なドジっ娘振りで魅力を振り撒いたのでジャンヌ派に鞍替えしてしまいそうである。
と、ここまで気になった点ばかりを列挙したが、ストーリーは相変わらず面白い。今回も強力な引きによって続きを楽しみなものにさせている。これまた「おいおい、マジかよ……あり得ねー」なビックリ展開ではあるが。
2022/12/14 06:23
【未曾有のピンチを乗り越え、いざ、恋と戦が咲き誇る次の舞台へ】
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えびし - この投稿者のレビュー一覧を見る
極東戦役の交渉を行うべく、敵陣の藍幇城に乗り込むキンジ達に迫り来る孫の如意棒を攻略する物語。
孫悟空の偉大な名前を冠する武神のような少女、孫。
見据えられただけで戦艦すら撃ち抜く如意棒の攻略法を模索するキンジ達。
諸葛に見出されたキンジの可能性。
それは多種多様な集団を一纏めにする力。
納得出来ない未来にはとことん抗って。
人智を超えた能力が交錯する究極の情熱。
そして、孫の唯一無二の攻略法を編み出す。
辛くも勝利した末、ナチスの残党との決戦が幕を開けるのだ。