“古代幻想ロマン”シリーズ 1 葦の原幻想
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2024/01/17 12:56
神話とロマンに満ちた日本古代の終焉を描く傑作
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投稿者:Solaris1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
長岡良子の古代幻想ロマンシリーズは、大正時代シリーズと並んで長岡良子がもっとも油の乗り切った時期の傑作だと思う。中大兄皇子の時代から藤原仲麻呂までの時代を描くこの連作短編シリーズは、天智を理想とする藤原鎌足、田辺大隅らの流れが、天智天皇没後権力を握った大海人皇子(天武)の時代、裏面に追いやられ、天武‐大友皇子及び持統以外の側室の子が勢力を持った時代に、密かに暗躍し、陰謀を巡らし、ついには藤原不二等という傑物を得て、再び天智系が権力を掌握して模様を、個人の夢や希望を容赦なく叩き潰す政治の非常な救い様のない殺伐とした流れを、諦念と詩情とが混在する筆致で華麗に描いた歴史絵巻といえる。
この大河物語の主軸はそうした様々な登場人物達の運命を描いた傑作であることは勿論だが、当事の歴史のもう一つの流れ、集権的国家が誕生し、政府の統治から阻害されてゆく様々な異形の者たちの運命や桎梏についても描かれている。不二等らは律令の制定に伴い、人民を完全に国家の管理下に取り込む政策を推し進める。これに反抗するのは、異形の者達、山人、遊民、そして役の小角に代表される超常力者達である。彼らは国家と正面切って闘争をするような勢力は持たない。せいぜい陰謀に荷担し、歴史の表面に顔をだすことなく、流れの中に埋没し、不二等らの推し進める律令体制に収まりきらす、どこか遠くへひっそりと身を隠して行く。
本作「夜の虹」は、この大河物語の各テーマが集約された、連作物語のピークともいうべき場所を占める。若い時の希望や夢を押しつぶされ、骨の髄までマキャベリストとなって次々と策謀を巡らす不二等と、消え行く異形の民たちの対立。新しい時代の体制の元、締め出されたのは彼らだけではない。それは天智時代の再現を望みながら、実際には法と鉄と血で塗り固められた国家を作り上げる結果となってしまった彼ら自体の目指した天智時代というユートピアをも締め出すことになったのである。天智時代とは異形のものも含んだ、明暗併せ持つ一つのユートピアであった。作者はそれを「夜の虹」という現象に象徴させているかのようだ。ラスト不二等は語る。
「夜の虹か。私には見えん。見る必要もないものだ」
異形のもの、超常力とともにユートピアもまた現実の国家運営には必要が無い。こうして神話とロマンに満ちた日本の古代は終わる。
ロマンや悲劇という娯楽要素とともに、フーコーの「監獄の誕生」をも思わせる奥の深い作品「夜の虹」。歴史マンガの傑作である。
2021/11/14 13:54
大伴家持の生
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
家持とその従姉妹にあたる坂上大嬢、そして美しい外国の少女……まだ大人になりきらない面々の足掻くような恋の顛末はちょっと悲しい。
2021/03/25 17:29
この后が主人公
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
有名な天智天皇の后なのに影の薄い倭姫皇后が主人公。
記録にあるのは生い立ちと和歌くらいなのによくここまで人物を練り上げたと思う。
美しい作品。
2019/09/20 21:51
定恵
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタばれあり。
藤原鎌足の息子で唐へ渡っていた定恵が唐の使者とともに帰国。
本人は僧であり政治の世界には興味はないのだが、鎌足の息子という立場が難しい・・・
有間皇子に続きこれも非業の死を遂げる。
電子書籍“古代幻想ロマン”シリーズ 9 夢の奥城(おくつき)
2019/09/15 00:25
天智天皇の后
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタばれあり。
天智天皇の后、倭姫王の視点からみた天智天皇の時代。
倭姫王はあまりほかの作品では出てくる人物ではないので面白かった。
2018/11/05 01:04
あれほどの思いも
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
不比等の少年時代と五百重の幼い頃からのつながり、そして不条理にも引き裂かてしまった悲しみを描いています。
何より悲しいのは後の二人の心が離れてしまった結末。
物悲しいラストだった。
2018/06/01 14:10
ちょっとだけ気になるのは
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても小気味良い物語です。あの二人なら今後何があっても大丈夫と思わせてくれる読後感。気になるのは神を探している仙人のお爺さんのははこれで終わり?
電子書籍【期間限定 無料お試し版】“古代幻想ロマン”シリーズ 1 葦の原幻想
2017/09/29 18:01
古代幻想シリーズ
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投稿者:とりのひよこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的には、あまり好きではないストーリーと言うか、展開でした。
展開のテンポがもう少し早く、広がりがあれば違ったのかもしてません。
説明マンガってところもマイナスポイントですね。
2017/03/19 18:11
日本語の美しさ
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵にも硬質の美しさがらありますが なんと言っても日本語が美しく響いている作品です。字面も美しく流れるようの台詞の数々を堪能させてもらいました。
2016/09/24 22:07
古代幻想ロマンシリーズ
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投稿者:しましま - この投稿者のレビュー一覧を見る
『葦の原幻想』からシリーズ通して読んでほしい作品です。発表当時、この時代を扱っている漫画が少なかったので、貴重でした。
電子書籍“古代幻想ロマン”シリーズ 13 昏い月(くらいつき)
2015/12/27 13:33
古代ものです
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代ものといえば山岸凉子さんや里中満智子さんが有名ですが、長岡さんの作品も読み応えがあります。
このキャラはあのマンガのあのキャラの子供…などとクロスオーバーして考えるのも楽しいです。
2015/12/27 13:29
藤原不比等
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
藤原不比等が主人公です。
この時代の漫画て少ないのですがこれはストーリーもしっかりしてい面白かったです。
歴史の勉強にもおすすめです。
電子書籍“古代幻想ロマン”シリーズ 12 初月(みかづき)の歌
2015/11/21 17:04
大伴家持が主人公
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
大伴家持が主人公の漫画作品はなかなか無いので興味深く読めました。
大伴の家持と坂上郎女の娘・坂上大嬢の恋を描いています。
2015/11/21 16:58
こちらはファンタジー色強め
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
首とまゆりの話はファンタジー色強め。
神と人間の間の子で、神に近い存在の二人に行基が絡んできます。
高市皇子と但馬皇女、穂積皇子などのエピソードもあります。
電子書籍“古代幻想ロマン”シリーズ 15 春宵宴(シュンショウエン)(2)
2015/11/14 23:59
これだけ趣が違う
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
これだけ雰囲気が違うんですよね。
そもそも平安時代の話なので「古代」ではないのでこのシリーズに収めることが間違ってると思うのですが。