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神様の暇つぶし
著者 千早茜
あのひとを知らなかった日々にはもう戻れない。デビュー作で泉鏡花賞受賞、艶めく文章に定評のある著者が全力でぶつかった恋愛小説。一重で三白眼で、ヒールを履いたらすれ違いざまに...
神様の暇つぶし
神様の暇つぶし
商品説明
あのひとを知らなかった日々にはもう戻れない。
デビュー作で泉鏡花賞受賞、艶めく文章に定評のある著者が全力でぶつかった恋愛小説。
一重で三白眼で、ヒールを履いたらすれ違いざまにびびられるほどの大柄。
女子高では「お父さんみたいで安心する」ってふわふわ可愛い同級生に抱きつかれた。
大学で義務のように経験したセックスは未遂だから“半分”処女。
中学のときに母親が出て行き、こないだ父親が事故で死んだ。
そうして迎えた二十歳の夏、私は荒々しいほどの恋と欲を知った。
高身長と目つきの悪さを気にする藤子は父の四十九日の後、何もかも億劫で半ばひきこもり生活を送っている。
ある夜、父の死を知らず訪ねて来たのは、近所の写真館の不良息子で今は有名なカメラマンで、ついでに痴情のもつれで流血している全さんだった。
父より年の違う男に振り回され、踏み込まれ、撮られる、嵐のようなひと夏を十年越しに振り返るとき、藤子の中で何かが動き始める。
綺麗なだけの恋なんて、いらない。苦くて重くてどろりと蜜が溢れるような。
そんな恋を堪能する一冊。
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紙の本
五感に訴えかける生々しい一夏の恋愛
2019/10/01 19:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ルカ - この投稿者のレビュー一覧を見る
身嗜みも無頓着で恋愛経験0の大学生・藤子は、父を亡くしたばかり。突如現れた初老のカメラマン・全に、父性を求めながらも、いつしか恋心が芽生える。
これは、単なる歳の差のある恋愛物語ではない。若さと老い、ほとばしる生と抱え込む闇を、五感特に嗅覚や湿度等に訴えかける表現で、非常に生々しく感じさせている。
あの一瞬から藤子を撮りたいと思ってしまった全。彼が撮った写真とは。。。
千早茜さんの真骨頂を見た作品。
紙の本
喰らい尽すような恋
2019/09/14 20:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
背が高くて無愛想な二十歳の藤子。そんな藤子の目の前に父の友人で近所に住んでた写真家が現れます。
恋に臆病な藤子にとって、ただのおっちゃんだった人が何か心に引っ掛かり、急激に引き付けられていきます。
出会った頃と数年後の今と行き来しなが話が展開し、あの出会いは何だったのか振り返っていきます。
多くの未来を持ってる二十歳と、人生を閉じようとしている写真家の食い荒らすような恋愛がなまなましくて一気に読めます。
藤子の大学の友人里見くんも魅力的なキャラ。
紙の本
私を輝かせる父の友
2022/06/02 18:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
生命力に満ち溢れたヒロイン・藤子と、傷だらけで老いた広瀬全とのコントラストが見事です。他人から見ると汚れていても、恋する自分こそが美しいのかもしれません。
紙の本
うだるような暑さの中で読むのが似合う
2020/08/24 16:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひと夏の恋、というサラサラとした響きとは真逆の
猥雑で濃密な、でもどこか純粋さが潜む夏。
その季節は、その人生を変えてしまったけど、
それもこれも、俯瞰で見れば神様の暇つぶし。
とらわれすぎることなく前に進んでいってほしい。
じっとりとした暑さの中で読むと、
空気感が肌から伝わってくるようです。
紙の本
神様
2019/12/06 09:05
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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
神様の暇つぶしとは、いったいどういう事だろうと思い、この本を読むことにしました。そういう意味でも、タイトルというのは大事なものだと思います。