天地明察 みんなのレビュー
- 著者:冲方 丁
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天地明察 上
2012/06/13 12:40
無茶苦茶おもしろい!!
14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽかぽか - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻のページをめくるやグイグイ引き込まれてページをめくる度にたまらない快感を覚える。まるで映画を見ているようにハラハラドキドキしながら読めた。
囲碁技師で算額(江戸時代の日本の数学)好きの主人公が、突如お上から測地の仕事を命じられ、未だ知らぬ大きな運命に向かって翻弄されながらも成長していく物語。算額、測地、天文学などが物語の切り口になっているというと、何やら読みにくそうに思えるけれど、読んでみるとそんなことはなくて、一切の専門知識なしにスラスラと読み進めることができる(なのにちょっと頭が良くなった気分になるのは不思議)
主人公の渋川春海を含め、登場人物は全員実在した人なのかな? もしそうなら、よくここまで史中の人々を生き生きと描けるなぁと思う。まだ1巻を読み終えたばかりだけれど、早く次が読みたくてたまらない。流石は本屋大賞など複数の賞を取った小説。これは老若男女問わず、誰が読んでも面白いんじゃないだろうか。上巻の時点では文句なしの★5点!!
天地明察 上
2012/05/31 00:42
キラ星達のエリミネーションマッチ
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
渋川春海は、碁家の生まれだが、この安井家というのは元は畠山氏を祖にする源氏の流れの武家、戦国の世が続けばどこかの合戦か関ヶ原あたりで討ち死にしていてもおかしくなかった身の上だ。それが父の一世安井算哲が囲碁にすぐれて、公家や武家に可愛がられたことで、碁打ちとして生計を立てるようになった。生まれも育ちも京で、公家屋敷などに出入りするのもしばしばであった二世算哲少年は、様々な人々との交流があり、広い見識を身に付けることができたと思う。神道や占星術、算術もあれば、歌も書もあり、その幾つかには才能を発揮したかもしれない。
それに対して、囲碁の上でのライバルとして描かれる本因坊道策は、石見の国から幼少時に江戸へ出て、若くして師の道悦の域に達し、さらに新しい囲碁理論を完成させて、囲碁のレベルを飛躍的に向上させた、この道の天才にして革新者。春海とはまったく違った内面構造を持っていたろうが、二人はお互いをどのように見ていたろうか。
春海の意識を形作った背景には、かつて花開いた東山文化があり、それは戦乱の世のために居場所を失ったが、脈動を伝える人々は残り、平和が訪れた安土桃山から江戸時代へと大きく花開かせた。文化人達にとって精神的な意味も含めての最大のパトロンは天皇家であり、その威光に近づこうとした秀吉も家康もまた、文化振興策を取るのは必然だったかもしれない。春海や彼を取り巻く人々は、そんな世の流れによって才能を開花させたという見方もできるだろう。
一方で、安井家は会津藩にも縁が深く、保科正之ら幕府初期体制を構築した人々にも春海は薫陶を受ける。その武断政治から文治政治へ移行する流れの中に春海を位置づけたのが、本作の独創的な点であり、物語の力強さを生み出している。
現代風にモラトリアム意識の強い性格に設定された春海は、当時の囲碁界に(あり得ない設定ではあるが)真剣勝負が無かったということの物足りなさから、算術の世界にのめり込み、そこから改暦プロジェクトに抜擢されることになる。筋道自体はある種の成長物語であるし、成功物語であって、挫折を乗り越えて名誉を勝ち取るまでの描写は痛快に楽しめる。ただ彼のどこが周囲に評価され、またどのような内面の成長があったのかはさっぱり分からないままで、少年マンガ風に必殺技を編み出しながらひたすら勝ち進んでいく話でもある。
春海自身がどうであれ、彼の中には彼を支え、信じてくれた人々の思いが積み重なっていく。暦法は世を治める知恵であり、様々な文化や学問を統合した一つの集大成だ。春海という一人の人間は、実はこの時代のある種の人々の思いの集合体として存在している。剣術や武力で活躍した武士、武将だけでなく、これらの人々もまた時代を形作った人々であり、光を当ててみれば幾多のロマンがあることが知れるだろう。そこには発展もあれば、衰退も諍いもあり、希望も哀しみもあるだろう。そういった物語達の一つの入り口にもこの作品は位置づけられるのではないだろうか。
天地明察 上
2012/06/15 10:35
天を読み地を知る
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pokhara - この投稿者のレビュー一覧を見る
暦(カレンダー)というと、ふだんは空気のように使っているけれど、それが古人によって天を観測し、体系化されたものだと改めて認識してみると、随分印象が変わってきます。この物語はその暦を作ることに命を賭した男たちの物語。個性的なキャラクターがたくさん出てきますが、みんな実在の人物というところが驚き。また、昔の日本の数学や天文学の話が随所に出てきますが、難解な部分はなく話自体はとても読みやすいです。映画がもうすぐ公開されるようですが、自分の中にできた原作のイメージを壊すのが勿体ないように思えるくらい面白かったです。
天地明察 下
2013/03/31 00:50
プロジェクト遂行のために
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しあん - この投稿者のレビュー一覧を見る
改暦というプロジェクト遂行のために、様々な布石を投じる春海。
それまで関わってきた人たちのため、宣明暦の呉謬を正すため、自分の知識と研究成果すべてを投じて、何十年もかかって発足させ、土台を作って次の世代へそれを託す。
ずっとそのプロジェクトを見守っていたくなる。
下巻で終わってしまうのが少し寂しい気もする。
天地明察 上
2013/03/31 00:38
天地明察への布石
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しあん - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、上巻では春海が改暦という一大プロジェクトを担うまでにお偉い方に品定めされる期間となる。そうとはつゆしらず、自分の思うとおり素直に行動する春海。研究者としての素質たっぷりの素行を見せる春海を見守る周囲の面々。期待されて、試されている感がたまらない。
天地明察 下
2012/10/16 16:45
天地明察最高!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:takuma - この投稿者のレビュー一覧を見る
だけど、読み終わった後にもう読むものはないのかと、めちゃくちゃ悲しくなってしまう
天地明察 上
2012/10/16 16:39
史上最強
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:takuma - この投稿者のレビュー一覧を見る
読まないと絶対に損する!
本当に面白い!読んだ後、尋常じゃないほどの満足感に浸されます!
2012/09/23 16:45
面白い!!
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koubou - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画も見ました今までほとんど本を読まなかったですがこれはおもしろい!!!
天地明察 上
2023/07/29 11:51
面白かった
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:doremi - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ著者の『はなとゆめ』をきっかけに手に取ってみた作品。
テンポ感がよく、ぐいぐい惹きつけられた。
碁や暦に関する知識がなくてもスラスラと読めてしまう作品。自分は、歴史小説に疎かったが、ものすごく楽しく読むことができた。
天地明察 下
2023/05/14 11:00
地道な努力の末の大願成就
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
素晴らしい1冊でした!改暦というとピンとこないのですが、一月を30日にするか、31日か、28日にするかし、1年を何日にするか考え、誤差が生じないようにする暦にすることでしょうか。この改暦に携わる渋川春海。何度も挫折に遭いながらも、一歩ずつ進む姿が印象的でした。事をなすには、一足飛びには無理。いかに地道な努力が必要かがよくわかります。そしてそれを支える多くの人たちの思い。算術の天才、関孝和。時の大老、酒井。会津藩の保科公や水戸光圀。そして妻のえん、などなど。この人たちの想いや別れにジーンときました。最後は、二人で旅立って良かった。
天地明察 下
2020/03/18 15:00
読み終わってしまった…。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:笑う門ふう - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻からほぼ一気読み。
面白かった~。
素敵でした!登場人物の皆さんが!
沖方丁氏の本は初めてだったのですが、他の作品も読みたいと思います。
楽しい読書時間をありがとうございました。
天地明察 上
2020/03/18 14:57
一気読み!
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投稿者:笑う門ふう - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白かった~
有川浩さんが、お勧めされていたので、読んでみたら
はまった!文章も大好き!
数学も天文学も何もかも無知だけれど、ぞんぶんに楽しめました。
2019/06/22 22:39
面白い。本屋大賞は伊達でない
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投稿者:パーソロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
囲碁の持つ技術、宇宙感を知っている人間が天文学に生涯を掛ける構成が興味を深める。映画化もされている様だが、勝気なえんが何故か広末涼子と被りながら読んでました。最後の数十ページは読み終えるのが寂しくて仕方ありませんでした。
天地明察 下
2016/10/24 16:37
歴史小説にはまりそう
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投稿者:留年天使ダブリエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史小説など読まない私に父がこの本を薦めてくれた。
小説自体あまり読まないのだが、この本は読んで良かったと思えた。
しかし、この本はおそらく歴史小説の中でもかなり面白い部類に入るので、あまり本選びに自信のない私がこのまま他の本に手を出すと痛い目に遭いそうだ。
2016/10/24 16:30
歴史小説の醍醐味はこういうものなのだろうか
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投稿者:留年天使ダブリエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公たる渋川春海は、様々な外圧を乗り越えて改暦という大がかりなプロジェクトを完遂していく。
この様子は現代社会に生きる私たちの周りにもよくあることだ。
歴史小説の醍醐味とは、過去の偉人たちの行動から今を生きる私たちがどういう風に身を振れば良いのかということを学ぶものなのだろうと、読後に理解した。