「古典部」シリーズ みんなのレビュー
- 著者:米澤 穂信
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愚者のエンドロール
2004/08/26 17:48
スタッフロールは後回し
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:祐樹一依 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『廃屋の劇場密室で、少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が、そしてその方法は…?』
文化祭に出展するクラス製作の自主映画は、真相が明らかにならぬまま、中途で製作が中断されていた。映画の「真相」究明のために古典部に持ち込まれた映画から、少年たちは解決へと乗り出すことになるが…。
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」。省エネ行動主義の主人公が消極的な探偵役。数少ない手掛かりから関係者が打ち立てる推論は、しかし一つ一つ否定されていく。誰が真の真相を得るか? アントニィ・バークリーの「毒入りチョコレート事件」をオマージュに書かれた本作は、小さな「解決」の積み重ねから、最後には思い掛けない「真相」が導かれるのです。これはミステリが探偵小説である、というルールすら逆手に取った試みであるとも言えるでしょうね。
実際、僕も読み進めるうちに、一度は真相を看破したと思ったのですが(それは既存のトリックだったので)、とても大きな逆転の発想が仕込まれているのに気付いたときには破顔してしまいました。ちょっとひねくれた、ビターな学園ミステリ、主人公の意識と共に、次第次第に「事件」に引き込まれていくことでしょう。
(初出:CANARYCAGE)
2024/09/28 10:35
「言葉マジック」の書題は、なかなか。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
学園ミステリとして、本書では幾つかの謎解きがされていきます。そして最後の謎解きへと駆け登っていく、そんな展開です。ストーリーの運びは非常に良かったと思います。
クライマックスは本書の書題「氷菓」へ向かい、終盤で明かされます。叙述トリックではなく、言葉マジックといった感じです。
後半の内容からすると、昔の全学連を臭わせる様相があり、著者がその事象への思い入れか、或いは見聞に対する何らかの考えを本作で表したかったのでは、と過(よぎ)りました。
本書全体としてはライトノベルを帯びた感じがあり、読み易い作品だと思います。
2024/05/05 10:31
☆いまさら翼といわれても☆
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
所謂《古典部》シリーズの第6作目です。
6つの短編作品が収録されており、ちゃんと小見出しに沿ったオチ(解決)がなされていて、読みやすいかと思います。
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【箱の中の欠落】
神山高校の生徒会長選挙で、開票時に票が水増しされていたことが発覚。その犯人として、選管委員の1年生が疑われてしまう。総務委員会副委員長として開票作業に立ち会った里志は、このことを不審に思い、最初は自分で推理するが行き詰まり、奉太郎に相談する・・・
【鏡には映らない】
摩耶花は、ある日偶然中学で同級生だった池平と会い、話題は卒業制作の話になる。他の班がパーツを完成させていく中、奉太郎の班は、デザインを無視した明らかに手を抜いたパーツを提出し、多くの生徒の恨みを買ってしまう。摩耶花は疑問に思い、奉太郎にその真意を聞くが、はぐらかされてしまう。調べるうちに、奉太郎と同じ班であった芝野から、鳥羽麻美という人物が関わっていることと麻美が奉太郎の彼女だということを聞く。さらに調べていくうちに、摩耶花は意外な真実を知ることとなる・・・
【連峰は晴れているか】
ある日、奉太郎はふと中学時代に教師の小木が「ヘリが好きなんだ」という趣旨の発言をしたことを思い出す。しかし、小木がそのような発言をしたのはその一度きりであった。調べていくうちに、小木の発言の真意が明らかになっていく・・・
【わたしたちの伝説の一冊】
摩耶花の所属する漫画研究会は"漫画を読みたい派"と"漫画を描きたい派"に分かれ、互いに敵視し始め、殆ど分裂状態に陥っていた。そんなある日、摩耶花は浅沼から、部費を使い神山高校漫画研究会名義で「漫研」をテーマにした同人誌を描きたいから手伝って欲しいと頼まれる。摩耶花は手伝うことを渋ってはいたものの、漫画を描きたかったことや書いて読んでもらいたいという思いを抱いていたこともあり、結果的に承諾する。しかし、その同人誌を描くという計画が露見してしまい、浅沼と摩耶花は、共に漫研で吊し上げられてしまう・・・
【長い休日】
えると一緒に神社の清掃を手伝うことになった奉太郎は、えるに、なぜ奉太郎のモットーが「やらなくていいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。」となったのか理由を聞かれる。質問を受けた奉太郎は、きっかけとなった小学校の時の出来事を話し始める・・・
【いまさら翼といわれても】
2年生の夏休みのある日、摩耶花から「ちーちゃんの居場所を知らない?」という電話が掛かってくる。市の合唱祭でソロパートを歌うはずだったえるが、出番が近づいても会場に現われないというのだ。取りあえず会場に向かった奉太郎は、僅かな手がかりから、えるの居場所と来ない理由を推理していく・・・
いまさら翼といわれても
2024/05/05 10:29
☆いまさら翼といわれても☆
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
所謂《古典部》シリーズの第6作目です。
6つの短編作品が収録されており、ちゃんと小見出しに沿ったオチ(解決)がなされていて、読みやすいかと思います。
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【箱の中の欠落】
神山高校の生徒会長選挙で、開票時に票が水増しされていたことが発覚。その犯人として、選管委員の1年生が疑われてしまう。総務委員会副委員長として開票作業に立ち会った里志は、このことを不審に思い、最初は自分で推理するが行き詰まり、奉太郎に相談する・・・
【鏡には映らない】
摩耶花は、ある日偶然中学で同級生だった池平と会い、話題は卒業制作の話になる。他の班がパーツを完成させていく中、奉太郎の班は、デザインを無視した明らかに手を抜いたパーツを提出し、多くの生徒の恨みを買ってしまう。摩耶花は疑問に思い、奉太郎にその真意を聞くが、はぐらかされてしまう。調べるうちに、奉太郎と同じ班であった芝野から、鳥羽麻美という人物が関わっていることと麻美が奉太郎の彼女だということを聞く。さらに調べていくうちに、摩耶花は意外な真実を知ることとなる・・・
【連峰は晴れているか】
ある日、奉太郎はふと中学時代に教師の小木が「ヘリが好きなんだ」という趣旨の発言をしたことを思い出す。しかし、小木がそのような発言をしたのはその一度きりであった。調べていくうちに、小木の発言の真意が明らかになっていく・・・
【わたしたちの伝説の一冊】
摩耶花の所属する漫画研究会は"漫画を読みたい派"と"漫画を描きたい派"に分かれ、互いに敵視し始め、殆ど分裂状態に陥っていた。そんなある日、摩耶花は浅沼から、部費を使い神山高校漫画研究会名義で「漫研」をテーマにした同人誌を描きたいから手伝って欲しいと頼まれる。摩耶花は手伝うことを渋ってはいたものの、漫画を描きたかったことや書いて読んでもらいたいという思いを抱いていたこともあり、結果的に承諾する。しかし、その同人誌を描くという計画が露見してしまい、浅沼と摩耶花は、共に漫研で吊し上げられてしまう・・・
【長い休日】
えると一緒に神社の清掃を手伝うことになった奉太郎は、えるに、なぜ奉太郎のモットーが「やらなくていいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。」となったのか理由を聞かれる。質問を受けた奉太郎は、きっかけとなった小学校の時の出来事を話し始める・・・
【いまさら翼といわれても】
2年生の夏休みのある日、摩耶花から「ちーちゃんの居場所を知らない?」という電話が掛かってくる。市の合唱祭でソロパートを歌うはずだったえるが、出番が近づいても会場に現われないというのだ。取りあえず会場に向かった奉太郎は、僅かな手がかりから、えるの居場所と来ない理由を推理していく・・・
いまさら翼といわれても
2024/05/05 10:28
☆いまさら翼といわれても☆
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
所謂《古典部》シリーズの第6作目です。
6つの短編作品が収録されており、ちゃんと小見出しに沿ったオチ(解決)がなされていて、読みやすいかと思います。
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【箱の中の欠落】
神山高校の生徒会長選挙で、開票時に票が水増しされていたことが発覚。その犯人として、選管委員の1年生が疑われてしまう。総務委員会副委員長として開票作業に立ち会った里志は、このことを不審に思い、最初は自分で推理するが行き詰まり、奉太郎に相談する・・・
【鏡には映らない】
摩耶花は、ある日偶然中学で同級生だった池平と会い、話題は卒業制作の話になる。他の班がパーツを完成させていく中、奉太郎の班は、デザインを無視した明らかに手を抜いたパーツを提出し、多くの生徒の恨みを買ってしまう。摩耶花は疑問に思い、奉太郎にその真意を聞くが、はぐらかされてしまう。調べるうちに、奉太郎と同じ班であった芝野から、鳥羽麻美という人物が関わっていることと麻美が奉太郎の彼女だということを聞く。さらに調べていくうちに、摩耶花は意外な真実を知ることとなる・・・
【連峰は晴れているか】
ある日、奉太郎はふと中学時代に教師の小木が「ヘリが好きなんだ」という趣旨の発言をしたことを思い出す。しかし、小木がそのような発言をしたのはその一度きりであった。調べていくうちに、小木の発言の真意が明らかになっていく・・・
【わたしたちの伝説の一冊】
摩耶花の所属する漫画研究会は"漫画を読みたい派"と"漫画を描きたい派"に分かれ、互いに敵視し始め、殆ど分裂状態に陥っていた。そんなある日、摩耶花は浅沼から、部費を使い神山高校漫画研究会名義で「漫研」をテーマにした同人誌を描きたいから手伝って欲しいと頼まれる。摩耶花は手伝うことを渋ってはいたものの、漫画を描きたかったことや書いて読んでもらいたいという思いを抱いていたこともあり、結果的に承諾する。しかし、その同人誌を描くという計画が露見してしまい、浅沼と摩耶花は、共に漫研で吊し上げられてしまう・・・
【長い休日】
えると一緒に神社の清掃を手伝うことになった奉太郎は、えるに、なぜ奉太郎のモットーが「やらなくていいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。」となったのか理由を聞かれる。質問を受けた奉太郎は、きっかけとなった小学校の時の出来事を話し始める・・・
【いまさら翼といわれても】
2年生の夏休みのある日、摩耶花から「ちーちゃんの居場所を知らない?」という電話が掛かってくる。市の合唱祭でソロパートを歌うはずだったえるが、出番が近づいても会場に現われないというのだ。取りあえず会場に向かった奉太郎は、僅かな手がかりから、えるの居場所と来ない理由を推理していく・・・
2024/05/03 11:02
☆ふたりの距離の概算☆
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
《古典部》シリーズの第5作目です。
高校2年生に進級した奉太郎。その5月末、神山高校では20キロメートルを走るマラソン大会《星ヶ谷杯》が開催された。一方、大会前日、古典部では、新入部員である大日向友子が本入部届提出の直前に入部を辞退する事件が起きていた。部室でのえるとのやりとりがきっかけのようだが、一緒に部室にいた奉太郎はその一部始終を聞いておらず、さらに大日向は部室から去った後、摩耶花に「えるは菩薩みたいな人だ」というような謎の言葉を残していた。この一件で大日向と向き合う決心をした奉太郎は、入部届締切日である《星ヶ谷杯》の20キロメートルを走る間に、大日向の心境の変化の理由を、あらゆる出来事を回想しながら探っていく・・・
省エネ主義の奉太郎が、徐々に人に興味を持っていくような気がします。
ふたりの距離の概算
2024/05/03 11:01
☆ふたりの距離の概算☆
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
《古典部》シリーズの第5作目です。
高校2年生に進級した奉太郎。その5月末、神山高校では20キロメートルを走るマラソン大会《星ヶ谷杯》が開催された。一方、大会前日、古典部では、新入部員である大日向友子が本入部届提出の直前に入部を辞退する事件が起きていた。部室でのえるとのやりとりがきっかけのようだが、一緒に部室にいた奉太郎はその一部始終を聞いておらず、さらに大日向は部室から去った後、摩耶花に「えるは菩薩みたいな人だ」というような謎の言葉を残していた。この一件で大日向と向き合う決心をした奉太郎は、入部届締切日である《星ヶ谷杯》の20キロメートルを走る間に、大日向の心境の変化の理由を、あらゆる出来事を回想しながら探っていく・・・
省エネ主義の奉太郎が、徐々に人に興味を持っていくような気がします。
2024/05/02 00:12
☆遠まわりする雛☆
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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米澤作品《古典部》シリーズの第4作目です。
前3作と違い、古典部の部員4人の高校入学当初から翌年の春休みまでの1年間を、時系列に沿って描いた短編集です。
『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』を読み終えた後に挑戦してみてください。
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【やるべきことなら手短に】
昨日済ませた宿題を家に忘れ、放課後教室に残って再び宿題に手を付ける奉太郎は、里志から、ピアノソナタ「月光」を奏でるピアノの音が聞こえてきた音楽室でセーラー服で乱れ髪のオバケと思しき女生徒を見たという「神山高校にもあった七不思議」の話を聞かされる。その後、話題は「神山高校にもあった七不思議」のうち学校非公認で総務委員会も実態を掴めない秘密倶楽部「女郎蜘蛛の会」の勧誘メモについて向けられた・・・
【大罪を犯す】
6月頃の授業中、隣のクラスのえるが数学教師の尾道と口論しているのを耳にした奉太郎。放課後の部室で、奉太郎が尾道との一件についてえるに話題を振ると、えるはその発端として、尾道がえるのクラスで習っている範囲より先に授業を進め、それに気づかないまま怒号を上げたと詳細を語る・・・
【正体見たり】
8月の夏休み、『氷菓』事件解決を労いたいと、えるが温泉合宿を提案したことから、摩耶花の親戚が経営する民宿に泊まることになった古典部一行。夜、怪談に興じるえる達は、民宿の娘の梨絵から、使われなくなった本館七号室の話を聞かされる。その翌朝、えると摩耶花が夜中に本館七号室の窓から首吊りの影を見たと言い出し・・・
【心あたりのある者は】
11月、奉太郎とえる2人だけの部室内で様々な謎を解き明かした推理力を称賛された奉太郎。えるの評価を心外に思う奉太郎は、その見解を覆すため、ある状況に簡単に推論をつけられるか検証をするゲームをすることを提案する。その時、教頭の柴崎が10月に文具店で買い物をした心あたりのある者を職員室に呼びつける校内放送が流れ、奉太郎とえるは、校内放送が行われた意図を推理することに・・・
【あきましておめでとう】
正月、えるに誘われ荒楠神社に夜間の初詣に出かけた奉太郎。神社で巫女のバイトをする摩耶花と顔を合わせた奉太郎とえるは、境内で振る舞う甘酒と団子汁作りに追われる十文字家に、蔵から酒粕を取ってきてほしいと頼まれるが、蔵と間違え納屋に入った2人は、通りすがりの酔っ払いにより閉じ込められてしまう・・・
【手作りチョコレート事件】
中学時代に「カカオ豆から作らなければ手作りチョコとはいえない」という理屈で里志からチョコの受取りを断られた摩耶花は、「手作りでカカオ豆から作れない」ということを里志に理解させた上でチョコを受け取らせようとリベンジを決意する。一方、里志と久しぶりにゲームセンターでロボット対戦ゲームをした奉太郎は、里志のプレイスタイルが変化していることに気付く。そしてバレンタインデー当日、えるが部室を離れた隙に摩耶花の手作りチョコが盗まれる事件が発生してしまう・・・
【遠まわりする雛】
春休み、生き雛祭りでお雛さま役のえるの傘持ちの代役を頼まれた奉太郎は、水梨神社にやって来たが、生き雛祭りのルートとして使用される橋が工事によって使えないことが判明する。事前に工事を止める連絡を先方にしたにも関わらず、その後に工事の許可が下ろされる手違いが生じたことが原因だった。別の橋を通る案も出るが、男衆達は何故かその案に躊躇する。えるの鶴の一声で橋を通る許しが出たため、生き雛祭りは無事に執り行われることとなったのだが・・・
遠まわりする雛
2024/05/02 00:10
☆遠まわりする雛☆
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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米澤作品《古典部》シリーズの第4作目です。
前3作と違い、古典部の部員4人の高校入学当初から翌年の春休みまでの1年間を、時系列に沿って描いた短編集です。
『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』を読み終えた後に挑戦してみてください。
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【やるべきことなら手短に】
昨日済ませた宿題を家に忘れ、放課後教室に残って再び宿題に手を付ける奉太郎は、里志から、ピアノソナタ「月光」を奏でるピアノの音が聞こえてきた音楽室でセーラー服で乱れ髪のオバケと思しき女生徒を見たという「神山高校にもあった七不思議」の話を聞かされる。その後、話題は「神山高校にもあった七不思議」のうち学校非公認で総務委員会も実態を掴めない秘密倶楽部「女郎蜘蛛の会」の勧誘メモについて向けられた・・・
【大罪を犯す】
6月頃の授業中、隣のクラスのえるが数学教師の尾道と口論しているのを耳にした奉太郎。放課後の部室で、奉太郎が尾道との一件についてえるに話題を振ると、えるはその発端として、尾道がえるのクラスで習っている範囲より先に授業を進め、それに気づかないまま怒号を上げたと詳細を語る・・・
【正体見たり】
8月の夏休み、『氷菓』事件解決を労いたいと、えるが温泉合宿を提案したことから、摩耶花の親戚が経営する民宿に泊まることになった古典部一行。夜、怪談に興じるえる達は、民宿の娘の梨絵から、使われなくなった本館七号室の話を聞かされる。その翌朝、えると摩耶花が夜中に本館七号室の窓から首吊りの影を見たと言い出し・・・
【心あたりのある者は】
11月、奉太郎とえる2人だけの部室内で様々な謎を解き明かした推理力を称賛された奉太郎。えるの評価を心外に思う奉太郎は、その見解を覆すため、ある状況に簡単に推論をつけられるか検証をするゲームをすることを提案する。その時、教頭の柴崎が10月に文具店で買い物をした心あたりのある者を職員室に呼びつける校内放送が流れ、奉太郎とえるは、校内放送が行われた意図を推理することに・・・
【あきましておめでとう】
正月、えるに誘われ荒楠神社に夜間の初詣に出かけた奉太郎。神社で巫女のバイトをする摩耶花と顔を合わせた奉太郎とえるは、境内で振る舞う甘酒と団子汁作りに追われる十文字家に、蔵から酒粕を取ってきてほしいと頼まれるが、蔵と間違え納屋に入った2人は、通りすがりの酔っ払いにより閉じ込められてしまう・・・
【手作りチョコレート事件】
中学時代に「カカオ豆から作らなければ手作りチョコとはいえない」という理屈で里志からチョコの受取りを断られた摩耶花は、「手作りでカカオ豆から作れない」ということを里志に理解させた上でチョコを受け取らせようとリベンジを決意する。一方、里志と久しぶりにゲームセンターでロボット対戦ゲームをした奉太郎は、里志のプレイスタイルが変化していることに気付く。そしてバレンタインデー当日、えるが部室を離れた隙に摩耶花の手作りチョコが盗まれる事件が発生してしまう・・・
【遠まわりする雛】
春休み、生き雛祭りでお雛さま役のえるの傘持ちの代役を頼まれた奉太郎は、水梨神社にやって来たが、生き雛祭りのルートとして使用される橋が工事によって使えないことが判明する。事前に工事を止める連絡を先方にしたにも関わらず、その後に工事の許可が下ろされる手違いが生じたことが原因だった。別の橋を通る案も出るが、男衆達は何故かその案に躊躇する。えるの鶴の一声で橋を通る許しが出たため、生き雛祭りは無事に執り行われることとなったのだが・・・
2024/04/28 01:27
☆クドリャフカの順番☆
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
《古典部》シリーズの第3作目です。
本作では、主人公達の高校1年生時の秋のカンヤ祭(神山高校文化祭)の3日間の出来事を、学内での連続盗難事件《十文字事件》に挑む古典部を軸に描かれています。
シリーズ1作目の『氷菓』と同じように、文化祭が舞台となります。学校のイベントには、事件がつきものなのでしょうか・・・
本作は、語り部が奉太郎のみだった前作までに対し、古典部メンバーの4人全員が語り部を務め、4人の視点から物語を展開しながらも、1つの事件を追う構成となっています。
また、4人それぞれに「期待」というテーマが据えられています。
読みながら、ぜひ《十文字事件》の解明に挑戦してみてください。
クドリャフカの順番 Welcome to KANYA FESTA!
2024/04/28 01:26
☆クドリャフカの順番☆
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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《古典部》シリーズの第3作目です。
本作では、主人公達の高校1年生時の秋のカンヤ祭(神山高校文化祭)の3日間の出来事を、学内での連続盗難事件《十文字事件》に挑む古典部を軸に描かれています。
シリーズ1作目の『氷菓』と同じように、文化祭が舞台となります。学校のイベントには、事件がつきものなのでしょうか・・・
本作は、語り部が奉太郎のみだった前作までに対し、古典部メンバーの4人全員が語り部を務め、4人の視点から物語を展開しながらも、1つの事件を追う構成となっています。
また、4人それぞれに「期待」というテーマが据えられています。
読みながら、ぜひ《十文字事件》の解明に挑戦してみてください。
2024/04/21 01:25
☆愚者のエンドロール☆
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
米澤作品のいわゆる《古典部》シリーズの第2作目です。
夏休みの湖畔で、3人の探偵志願者の推理を交えながら、古典部のメンバーが、2年F組制作の未完成のミステリー映画の結末とその真意を探っていきます。
最初は乗り気ではなかった省エネ主義者の奉太郎ですが、入須に自身の資質を認められ本格的に推理に乗り出します。しかし、推理の末に奉太郎は、映画の犯人探しに隠された本当の狙いに気付いていくことになります。
果たして、結末は?
愚者のエンドロール
2024/04/21 01:24
☆愚者のエンドロール☆
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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米澤作品のいわゆる《古典部》シリーズの第2作目です。
夏休みの湖畔で、3人の探偵志願者の推理を交えながら、古典部のメンバーが、2年F組制作の未完成のミステリー映画の結末とその真意を探っていきます。
最初は乗り気ではなかった省エネ主義者の奉太郎ですが、入須に自身の資質を認められ本格的に推理に乗り出します。しかし、推理の末に奉太郎は、映画の犯人探しに隠された本当の狙いに気付いていくことになります。
果たして、結末は?
2024/04/21 01:13
☆氷菓☆
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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米澤穂信氏の《古典部》シリーズの第1作目です。
古典部に入部した、自称「省エネ主義者」の折木奉太郎は、同じく入部した千反田えるに振り回されて日常の謎を解くうちに、過去に文化祭のため制作された文集「氷菓」に秘められた33年前の真実に迫っていくこととなる。
何気ない文化祭1つをとっても、往年の生徒の思いが、(当時の心境は風化していったが、)「カンヤ祭」「氷菓」といった言葉として脈々と受け継がれている、という流れは、人の死なない日常ミステリーとして面白かった。
氷菓
2024/04/21 01:12
☆氷菓☆
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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米澤穂信氏の《古典部》シリーズの第1作目です。
古典部に入部した、自称「省エネ主義者」の折木奉太郎は、同じく入部した千反田えるに振り回されて日常の謎を解くうちに、過去に文化祭のため制作された文集「氷菓」に秘められた33年前の真実に迫っていくこととなる。
何気ない文化祭1つをとっても、往年の生徒の思いが、(当時の心境は風化していったが、)「カンヤ祭」「氷菓」といった言葉として脈々と受け継がれている、という流れは、人の死なない日常ミステリーとして面白かった。