幻魔大戦 みんなのレビュー
- 著者:平井 和正
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2023/08/15 16:22
表紙とサブタイトルに偽りあり(笑)
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投稿者:忍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
正月三日の話。大晦日の夜以来、東丈は失踪状態で、GENKEN事務所をあずかる杉村由紀はヤキモキしている。秘書見習である平山圭子のほか、野沢緑、夏本幸代をまとめ上げていく役割も荷が重い状態。そんな中、8巻末に登場した女優が性懲りもなくやってきて来て丈に会わせろと催促。その場にいた高鳥が相手を務めるうちに、女優のボディーガードを果たすことに。女優に対する江田四朗=幻魔の攻撃に対抗する中、いつしか自分の超能力がパワーアップしていることに気づいていき、やがて悪の救世主への道に陥っていく...一方、真冬の大峰山脈で一人祈っていた丈のところに、入院中で翌日に手術を受ける予定の井沢郁江が出現、なぜか卵巣癌が治癒してしまったらしい...
40年前の初読時には、表紙とサブタイトルの内容から、1~3巻のようなドンパチが始まるのかと期待して読んでいたのですが、完全に裏切られました。大峰山脈とベガを思わせる石像は、この時点では唐突な感じがして、どういう理由で登場させたのかが分かりません。それが理解できるのは、並行して執筆されていた真幻魔大戦がエピソードが進んでからで、本作の初出(1981.3)から半年以上たってから(1981.12~1983.3)になり、たびたび言及されてきた役行者にもつながってきます。
この巻で東丈は悟りを開いたのか、以降は雰囲気が変わって内面を伺わせる描写がなくなり、何を考えているのかよくわからないようになっていきます。それに反比例して変貌した高鳥のストーリーに重点が置かれていきます。
2023/07/29 21:41
2巻は原作コミックにはないシーンから始まります
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投稿者:忍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
超能力に目覚めた主人公の東丈は、その力に戸惑い気味で不安定な状態。そんな丈を姉の東三千子がささえるという流れ。姉とともに超能力で夜空を飛ぶシーンがすばらしい。特に、過去の素晴らしい思い出として述懐しているところが、後の悲劇と対比するように描かれており、「昔はよかった」的なノスタルジーであふれています。
このあたりのシーンは、原作のコミックにはない小説オリジナルの部分であるためか、主人公の雰囲気が1巻と3巻とはやや異なっているように感じられます。また、三千子が幻魔に襲われるシーンがありますが、無事切り抜けられたものの、場面が切り替わってしまうため、幻魔の脅威が現実のものになっているのに、あっさりとした1シーンのようになっており、不自然な感じがします。
場面が変わってニューヨークのシーンは、原作そのままなのですが、有色人種に対するルナ王女の偏見が原作よりも深く描かれています。このため、黒人に対してだけでなく、黄色人種に対しても偏見があることが、原作よりもよく理解できます。
2023/07/22 22:08
第一巻にはすべてがあった
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投稿者:忍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アニメ映画化された頃に出会って以来、何度目かの再読。何度読んでも1~3巻は最高のノリで、初読時には小説ってこんなに面白くてもいいんだ、と思ったのを覚えています。後のグダグダ感のただよう展開から比べると、あっさりとしすぎているようにも思えますが、コミックをノベライズするというスタンスなので仕方がないところでしょう。超能力に目覚めた主人公が、英雄になることを妄想する場面がありますが、その内容が4巻以降の展開をなぞらえているようにも思われ、またラストがバッドエンドを思わせる内容になっており、シリーズ全体のダイジェストのように思えました。発表されたのが1979年で、描かれている場面は1967年(春~夏)のため、古臭く感じてしまうのは仕方のないところですが、名作です。
2024/06/17 08:38
アニメ作品とはまったく違う話
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投稿者:Misty - この投稿者のレビュー一覧を見る
幻魔大戦との出会いは、アニメーションをみてから。大友克洋のキャラクターデザインで、多少ほかのアニメよりも現実的な設定ではあったが、普通に超能力ファンタジーものと感じた。そこから入って読んだ一巻は、驚きでしかなかった。東丈は姉三千子に甘やかされた卑屈な暗い青年でしかなく、偉大な超能力者のリーダーの片鱗もみえない。丈が普通の日常生活をおくる中、ルナ王女や超能力者たちがあらわれ、丈が望むと望まざるとにかかわらず、非現実世界にひきずりこんでいく。
2023/09/02 23:39
表紙背景は幻魔と思われるが、ジャバザハットに思えて仕方がない
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投稿者:忍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一月上旬から十四日の話。ほぼ章ごとに場面や登場人物が変わるという珍しいパターンで、小さなエピソードの中に、今後の展開の伏線が張られている一方、楽屋落ちが差しはさまれるというレアな場面も。全体としては生まれ変わったような郁江と、変貌していく高鳥の動きが描かれ、丈の神秘性が深まってその内面性がうかがえにくくなっていく。
冒頭、郁江の執刀医だった笛川医師、松代看護婦に郁江の父、井沢謙吉と杉村由紀が面会、その後、郁江の快気祝いのパーティーが決まる。
1月8日。丈と郁江は高校には出席していない状態。事務所での丈と郁江の会話の傍ら、杉村は疎外感や嫉妬感でもやもやしていたものの、丈の一言で舞い上がってしまうという不安定な状態。丈の執筆した"幻魔の標的"が光年社から三月初めに出る予定。最初は懐疑的だった担当の小浜は、丈との打ち合わせで改心したように協力的になる。ぱっとしない青年部部長の内村久雄は、井沢郁江のおだて(?)に乗せられて、やる気を出し始める。
1月11日。新年講演会をひかえて、自宅にも帰れない丈のために姉の三千子が着替えなどを届けるために事務所を訪れる。それを目ざとく見つけた高鳥が案内を行うも、郁江に横取りされてしまう。三千子は会員の前で挨拶を行うつもりが、なぜか講演会のようになってしまい、丈の幼いころの話を始めてしまう。結局、丈には会わずに帰ってしまうが、高鳥からガードするため郁江が駅まで送っていく。杉村由紀は、丈から預かった著書の印税二百万円を銀行に預けに外出する。秘書室の運営に悩んでいる状況で、秘書見習いの郁江が高鳥と会っているところを目撃する。夜、丈は田崎宏が作った無名塾に行く。その席で、警察が丈の身辺を内定していることを田崎より聞く。また塾長になることを引き受ける。塾での会話のシーンで、江田四朗の動きや幻魔の攻撃のやり方に関するやりとりがあり、意識誘導というキーワードが出てくる。郁江が幻魔問題担当問役割を与えられる。丈は、幻魔による会への破壊工作が始まっており、手先が買いに入り込んでいる、と明言する。また、"幻魔の康夫"が話題に上がり、塾生の過去生の話になり、張孔堂=由井正雪のことがでてくる。
1月13日19時。郁江と高鳥の喫茶店での会話。実在した一の日会のメンバーがちらっと出てくる。喫茶店をでたところで、いきなり5人のチンピラに襲撃されるものの、なんとか
難を逃れる。
1月14日、新年講演会の当日、会の事務所に英語で電話がかかってくる。その場にいた高鳥が対応、メイン財団のジョン・メインに自分を売り込みにかかる。
2023/08/13 22:03
表紙が怖い、でも誰なのかよくわからない
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年末から大晦日の話。明雄による治療の効果もむなしく、郁江の子宮癌はよくならず、ついに丈が自ら乗り出して治療にあたる。癌にエネルギーを注入していくと、中からは幻魔が現れ、さらには久保陽子の顔が現れてきた...
大晦日、GENKEN事務所では、非会員の高鳥慶輔が丈に直談判し、会員を募集していないわけを執拗に質問したあげく、自身の超能力を実演させられる羽目に。そして青年部設立の提案を認められる者の、責任者は別の人が指名される。
その晩、丈の自宅では、杉村由紀、木村市枝、田崎宏らが集まり、年始の挨拶とともに、GENKENとは別に自分たちで集まって丈の活動を支援していくとの申し出。その後、郁江が自分から入院することを決め、早ければ正月早々にも手術が行われることを市枝から打ち明けられ、激しく動揺する丈...
誤解を恐れずに言うと、東丈はかなり依怙贔屓をする人物である。久保陽子が離反したときは追いかけようとしなかたのに、(その反省もあってか)郁江に対しては手厚い。また新規会員は募集していないとして高鳥を全く相手にしなかったのに、田崎や市枝に入会を勧めている。今後の展開から考えると、高鳥を無視するのは当然なのかもしれないが、少々腑に落ちない気がする。
2023/08/12 22:28
表紙の女の人は誰?女優?杉村由紀?
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クリスマス講演会後から年末までの話。講演会で出会った杉村由紀がGENKENの秘書になる一方、井沢郁江は風邪を理由に会に出てこなくなる。しかし、風邪ではなく子宮癌らしいとのことで、超能力を身に着けた木村明雄が丈の代理となって、郁江の治療を行うと、癌の正体は幻魔による負のエネルギーであった...
東丈に小遣いの持ち合わせがないという人間的な一面が見られる一方、その内面では、超能力では何も変わらないと考えるようになっており、GENKENが超能力者を集めるために発足したことからすると、会の存在意義が変わりつつある。さらに、会を縮小する方向であることも宣言される、年明け以降の動きが注目される。また、最後に出てきた女優と、大学生も..
2023/08/10 21:34
表紙の女の人は陽子?郁江?
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クリスマス講演の当日の話。未明に久保陽子の母から東三千子へ陽子を返せとの電話、三千子の幽体離脱、丈、三千子、田崎宏、井沢郁江が江田四朗から陽子を救い出して夜が明ける。丈は徹夜のまま事務所に行き、講演会の準備が進む中、執筆していた本の原稿を完成。そのまま講演会を行い、次巻以降、秘書となる杉村由紀と出会う。
江田四朗の不気味な動きとともにに、久保陽子の行動も不可解で、今後が危ぶまれる。また、講演会では、秦の救世主と悪の救世主、覚醒などのキーワードが出てくるようになり、宗教くささが増していく。
2023/08/09 21:07
表紙が素晴らしい(ちょっと怖いけど...)
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クリスマス講演会を間近に控えたころ、木村昭雄の治療、父との和解の後、江田四朗の変貌を知ることになる。久保陽子が離れた後、井沢郁江との行動が増えていくとともに、議論することが多くなる。郁江との会話を通じて、主人公、東丈の考えや心の中が浮かび上がってくるが、それ以外の場面では優等生的な発言や行動であることが多い。シリーズ全体のストーリーが進むにつれて、丈の内面の描写が少なくなっていき、浮世離れした感が増していくが、少しずつそういう気配が見えてくる。
2023/08/06 21:32
来るものがある一方、去っていくものも...
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校内活動から抜け出し、社会へと歩みだしたGENKEN。発足から数か月が経過した12月。主人公の思いとは裏腹に、周りは新たな宗教団体であるかのように考えており、軌道修正がはかられる。一方、アンチGENKENを意図した活動も進んでいるらしいが、周りのスタッフはあてにならない状態。その上、GENKENを立ち上げた久保陽子は、会から離れていく。また、マスコミとは距離を置きつつも、協力者となっていく編集者本田と接触。また"不良"である、木村市枝、河合康夫らと知り合い、難病を患う市枝の弟、昭雄の"治療"を行う。
2023/08/06 20:24
アクションSFからジュブナイルSFに
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学園ものです(笑)。季節は9月から10月頃です。
この巻から登場する久保陽子、井沢郁江、平山圭子、田崎宏は、この後の巻でも重要な役割を果たしますが、岩田邦子はそのうちいなくなり、須藤久美子はこの巻にしか出てきません(というか、こんな人物がいるのを覚えていなかった...)。
主人公は、超能力集団を作り上げるために、高校の部活動に間借りする形で、GENKENを立ち上げていきます。とは言うものの、雰囲気は学芸会的な感があり、主人公の思い通りにはいきません。しかし、講演会のあと、後援者が現れ、GENKENの校外活動への道が開けていきます。
ということで、この後は宗教SFになっていきます。
2023/08/02 21:59
前半部分は原作コミック通りで、後半から別の展開に
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ザメディボールとの闘いは、読み返してみると、意外にあっさりした感じがする。今時ならもう少しひねりがあってもよいのかもしれない。アクションシーン満載の前半に対し、後半からはかなりトーンが変わり、4巻目以降への橋渡し的な感じがする。真幻魔大戦に関わる人物が登場するものの、すぐに退場してしまう。前半の大事件が、後半ではほとんど語られておらず、まるで忘れ去られてしまったかのよう。何となくストーリーのつながりが悪く、断片的なアイデアでつないでいるだけに思えてくる。シリーズ全体のターニングポイントであり、原作からは大きく方向性が変わっていくところなので、仕方のないところかもしれない。
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