ミッキーマウスの憂鬱 みんなのレビュー
- 松岡圭祐
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ミッキーマウスの憂鬱
2008/11/19 16:03
夢の守り人。
12人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めてすぐ、「これは一体アリなのか!?」と驚いてしまう。この物語は東京ディズニーランドの裏側、つまり絶対のタブーについて事細かに説明しながら進んで行くのだ。日本人なら知らぬ者のない夢の国、東京ディズニーランド。その裏側や実態は、子供であっても触れてはいけないと分かっている、絶対のタブーであるはず。それが採用面接の様相から実際の裏方の仕事の詳細(美装部・運営部・法務部・調査部他)からその理念やポリシー、細かいマニュアルまで詳細に知らしめている。それどころか、夢の世界の裏側は決して夢の世界ではなく、対立や出世欲さえ渦巻く、普通の会社と何ら変わらない世界である事まで描かれているのだ。まるで、ディズニーランドに関する暴露本の様相さえ呈しながら、物語は進んでいく。良くここまで書けたなと、不思議にさえ思った。
そういえば松岡さんの作品で、以前ディズニーランドが出てきた事を思い出した。「千里眼-岬美由紀」のラストで、心身共に鍛え上げられた北朝鮮工作員の女が、ディズニーランドのどんなアトラクションに乗っても憮然としているのに、最後の最後イッツァスモールワールドに乗ると激しく涙し、拍手喝采で素晴らしい!と絶賛するのだ。私はその一節を読みながら、ああ松岡さんは相当ディズニーランドに詳しくてらっしゃるのだなぁと思ったもの。その松岡さんだからこそ、書けた内容なんだろうと思う。
派遣の青年後藤大輔が、何とか面接を通り裏方としてディズニーランドで働き始め、夢の世界と裏方の現実とのギャップに悩む・・・という展開なのだが。一つの事件が、物語を俄然面白いものに変えていく。何とミッキーマウスが失踪・・・いや喪失してしまうという、前代未聞の事件が起こるのだ。たかがきぐるみと思うなかれ、それは東京ディズニーランドの存続の危機に繋がり、何とアメリカとの外交問題にまで発展しかねないという。最後にきぐるみに触れた、後藤と同僚の美装部の女の子が犯人に仕立て上げられそうになる。調査部の面々は大問題に発展する前に、彼女をスケープゴートにして責任転嫁を図っているのだ。一体ミッキーマウスはどこに行ってしまったのか。後藤は彼女の為ディズニーランドの為に、必死にミッキーマウスの跡を追うのだが。
そこに働くキャストでさえ思いもよらぬ展開、そして驚きの結末。本作はもちろん、暴露本などではない。ドキドキハラハラのミステリー、そして胸熱くなる青春物語なのだ。ぜひ誰にでも、読んでもらいたい。本作を子供達が読んだら、夢を壊してしまうだろうか。否、私は思う。夢には汗と涙が、必要なんだって。そして仲間と心を通じ合わせて力を合わせてこそ、実現できる夢があるんだって。夢を与える事に夢を見て、一生懸命になっている人達がいるんだって。そこにはただ夢があるんじゃない、夢は作られ、守られているんだって。教えてやることは悪くない。そこにまた、夢が一つ膨らむようにさえ思う。
最後のどんでん返しも見事!超胸スッキリ、で読み終えることが出来た。
もう何年も足を運んでいないが、久しぶりにディズニーランドに足を運んでみようかな、等と思わされてしまった。
2021/10/18 15:38
見事なお仕事小説!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
素晴らしい青春お仕事小説でした。テーマパークを支える人々の熱い想いがガンガン伝わってくるとても楽しく愉快な感動小説でした。正直なところ松岡さんのイメージが180℃変わりました。ホラーの印象が強すぎて、そんな人がこんなに人間臭いリアルな青春を真っ向から描けるなんて…。クライマックスもラストも感動的で読後感も最高でした。いつまでも余韻が残りそうです。主人公は後藤ですが、時々視点が変わるパートもあり、みんなで作り上げてる夢の世界という感じでした。傑作だと思います。
ミッキーマウスの憂鬱
2013/10/26 09:31
何度も読みたくなる!
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あかね - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初に言っておきますが、これはフィクションであって本書において必要があって作られた設定もあります。だから、これを読んで夢を壊されたとは思いませんでした。確かにタブーとされている東京ディズニーランドの裏側での話ではありますが、これを読むと最後にはスッキリするし、とても楽しめます。タイトルも深いと思います。あまり詳しくは言いませんが、「ミッキーマウスの憂鬱」のミッキーマウスは誰のことを指すのか?憂鬱は何のことを指すのか?人によって、いろんな解釈ができるのも面白いかなと。だから星5つにさせていただきます。
ミッキーマウスの憂鬱ふたたび
2023/12/29 12:43
夢と現実
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いぬ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公・環奈は高校を卒業後、某夢の国ランドのカストーディアルキャスト(パーク内の清掃員)の準社員として働き始める。母は「ただの清掃バイト」と冷ややかで、何も変わらない現状にイライラが募る頃、新たな「アンバサダー」が選出されると知り、その役職に立候補するが……という導入です。前作「ミッキーマウスの憂鬱」の続編で、主人公は変更になっていますが前作主人公も頼れる立場になって登場します。環奈がアンバサダーになるべく努力し、その中でカストーディアルキャストの仲間たちとの絆を育んだり、気になる男の子と距離を縮めたりと成長していく姿がとても良かったです。終盤に出てくるモンスタークレーマーにはちょっと……いやかなり腹が立ちます。
ミッキーマウスの憂鬱
2023/12/17 19:22
ゆめの国の話
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いぬ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの通り、某テーマパークでバイトを始めた新人バイトの話。主人公が割と癖のある性格なので最初はとっつきにくいものの、話が進むにつれて好感度が増していきます。ゆめの国のドロドロした内部事情をこんなに細かく書いちゃっていいの?!とドキドキしながら読んでいましたが、話に登場した部署は実在していないらしいので安心しました。
ミッキーマウスの憂鬱
2022/11/14 20:45
これってノンフィクションなの?
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やっち - この投稿者のレビュー一覧を見る
ディズニーランドの裏側を舞台にしたお話です。あまりにも実際にありそうな設定で、ディズニーランドのタブーの覗き見した気分になりながら読み進めていくことになります。もしかしたら、ディズニーランドの裏側を暴いている小説なのでは!?と現実とフィクションを混同してしまいそうになりました。ディズニーランドの裏側を舞台にしていても、ディズニーランドにリスペクトした作品でディズニードリームを壊すことは無く読み終えました。ディズニーランド好きの人もそうでない人も楽しめる一冊です。
ミッキーマウスの憂鬱ふたたび
2021/10/09 21:41
『ミッキーマウスの憂鬱ふたたび』
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
体育会系のノリとスクールカーストに嫌気がさして、高校を卒業して東京ディズニーランドの準社員になった永江環奈
しかしそこにあったのは夢の世界などではなく、体育会系とカーストの構図そのものだった
配属されたカストーディアルキャスト、カーストのいちばん下の清掃作業をこなすだけだった環奈は、夢を追い、TDRの顔であるアンバサダー候補の選考に思いきって手をあげる
研修が始まり、壁にぶつかりながらも力をつけていく環奈
パーク閉園後に居残る不審な人影が担当区域にあらわれ、本社による違法な猟銃使用の疑惑ももちあがるなか、選考会当日を迎える
「エントリーナンバー27番、永江環奈さん……」
夢に向かって進む環奈が見つけた幸せとは
《「夢」を見て、「現実」を見る。けれど、その夢から覚めたとき、自分が生きる現実も、捨てたものじゃないと、少し信じられるようになる──。青春とはその繰り返しで、これこそが成長小説の醍醐味だと思うのです。》──藤田香織「解説」より
『ミッキーマウスの憂鬱』から16年
前作の主人公や『マジシャン』『イリュージョン』のヒロインもキーパーソンとして顔を出し、松岡ワールドが堪能できる書き下ろし青春小説、2021年10月刊
ミッキーマウスの憂鬱
2017/03/28 21:54
初の松岡作品
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ディズニーランドはチャリ通圏内の江戸川区在住の私にとってはとても面白い内容です。ミッキーの基本色はブラックだけど、ランドはドリームカラーだよね、だよね…!!と念を押したくなるような。。。
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