ヨハネスブルグの天使たち みんなのレビュー
- 宮内 悠介
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電子書籍ヨハネスブルグの天使たち
2019/12/31 20:57
得意分野かな
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の得意分野の本である。
表題作は。
淡々とした語り口であるが、戦場と埃とゴミの臭いがする部隊をうまく表現している。
その舞台の中の人形との対比が見事である。
そのほかの作品も各々個性はあるが同じ基調を持っている。
紙の本ヨハネスブルグの天使たち
2015/09/29 12:27
ヒトとは
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投稿者:ゐづみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
DX9が連作全体を通底するガジェットな訳だけど、過度に主張してきていないなという印象を受けた。アンドロイドを題材にしながらも、やはり氏の描きたいのはそれに対照されるヒューマニティなんだなと改めて。特に表題作と「ロワーサイドの幽霊たち」が印象に残った。前作収録の「人間の王」を読んだ時も思ったけど、この人は虚実の混交が本当に卓越している。
電子書籍ヨハネスブルグの天使たち
2019/06/05 22:03
玩具ロボットSF
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投稿者:かんけつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
高い場所から歌う玩具のロボットが落下するイメージ。それを描いた連作。ツインタワーのテロを再現するため人格をコピーしたDX9を使うとかもはやリアリティなど軽々飛び越えている。
紙の本ヨハネスブルグの天使たち
2015/10/22 21:26
まさに奇想天外
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投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
落下し続ける少女型楽器?
全く何のことか分からずに読み始めたが、短編ゆえの息抜きも忘れ、物語の持つ迫力に引き込まれ一気に読み終えてしまった。
読後感は、「せめてもう一話」。伊藤計劃にも似た無情感と寂寥感、そしてカタルシスがないまぜになった感情のシャワー。
一番印象に残ったのは、9・11を追体験するためにDX9を落下させるという、まったくもって意味も必然も現実性もない話を、そう、でっち上げる筆力の凄さ。
そして「二つのタワーの間には、何があるのだろう?」という問いかけ。
それこそが、事件以後の世界に住む我々みんなの生きるキーワードではないだろうか。
この本は、まさに多感な少年少女に読んで欲しい一冊である。
紙の本ヨハネスブルグの天使たち
2015/09/02 00:26
SF・文学性の両面で優れた作品です。
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞候補&日本SF大賞特別賞受賞作で、表題作の他に4作品が収録されています。日本製少女型ロボットDX9が普及した近未来の南ア・アフガニスタン・ニューヨーク・東京を描いたSF短編集で、各国を代表する建築と各国が抱える紛争を「DX9の落下」を通して描く技巧派作品です。
この「落下」っていうのがミソで、南アの場合は日系企業が見捨てた耐久試験場で落下し続ける大量のDX9、東京の場合は疑似的な飛び降り自殺をするための意識の筐体として毎日団地の屋上から落下するDX9が描かれています。論理的な作品じゃないですけど、伊藤計劃に似たような訴えかけてくる凄みがありました。
また、解説に載っている宮部みゆきさんの
「人間が神に問いかけるように、DX9が人間に、「かほどの試練を与えるならば、なぜ我らを創り賜うたか」と問いかけてきても何の不思議もありません」
という引用文がとても印象的でした。
ただのSFと侮れない作品でした。ぜひ一読を。
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