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サイレント・ブレス 看取りのカルテ みんなのレビュー

  • 南杏子
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みんなのレビュー10件

みんなの評価4.2

評価内訳

  • 星 5 (4件)
  • 星 4 (4件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (1件)
  • 星 1 (0件)
4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本

リアリティーを感じる在宅看護、終末医療の内容です。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:謙信 - この投稿者のレビュー一覧を見る

父の緊急入院、在宅看護、看取りを経験した後、本書を読みました。経験したから思えるのでしょうが、“もっと早く本書を読んで入れば・・・”と今は痛切に感じます。自身の後悔、医療現場への不信感、など作者や主人公の気持ちに共感する場面が多くありました。作者が医師である点が小説という形の中で存分に活かされており、作品のリアリティーさに感銘しました。また、結論に至る経過が本文にしっかり記載されていて、後から該当ページを参照することで納得できました。歯がゆさや悔しさは今後もなくなることはないでしょうが、ライフワークとして父と同じような症状の方がより良い形で人生を送れるような活動をしていきたいと思います。

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紙の本

一番のミステリーは・・・

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る

サングラスでスキンヘッドの男や、忽然と消えた遺体に、言葉を発しない身元不明の少女・・・。各エピソードには、見取りや安らかな最期といったメインテーマとともに、判然としないミステリー的なトピックも加えられています。もちろん最後には状況が明かされテーマとともに収斂していくのですが、重くなりがちな本書のようなテーマにささやかな軽みも添えてくれているように思います。
もちろん本書最大のミステリーは、決して唯一の正解が見つかることはないであろう、いかに安らかに死を受容するのか、そして最後を迎えられるのかでしょうか。各エピソードごとに異なる終わりの迎え方があってもいいのだと教えてくれています。でも一方で、どの答えがいいのか、結局自ら選ぶしかないぞと迫っているようにも思えます。

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紙の本

医療という概念を考えさせてくれる作品。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

医療という概念を考えさせてくれる作品。
医療といえば治る病気を治療するものと考えがちだが、限りある命を生きる人間にとって避けられないのがゴールとしての“死”。ゴールである“死”を中心に考え直すなら、医療とはひたすらゴールに向けて歩き続ける人間をサポートするものであり、終末期医療から臨終(看取り)まで含めて医療だと言える。
様々な看取りの形を具体的に描写することで自分自身の死生観を考えさせてくれる。特に、最後のブレス6で自分の親の臨終(看取り)を描くことで見事に読者自身の心に浸透する構成になっているのも素晴らしい。普段は敢えて考えないようしている事柄だけに、このような問題提起は実にありがたい。
 また、暗くなりがちな“死”を前提とした終末期医療であるが、少しいやかなり惚けたキャラクターやエーッ?と思うようなC級グルメが売りの“ケイズ・キッチン”など、暗さを緩和する息抜きも適宜配置されており、流石、緩和医療に精通したベテラン医師らしさを感じさせてくれる。

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紙の本

命とは

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:再び本の虜に - この投稿者のレビュー一覧を見る

人間の死がテーマの内容ですが読後感は何故か穏やかな気持ちです。ヒロインの女医先生の成長を読みながら見守っているような気持ちにさせられました。私自身も高齢なのでいろいろ考えさせられました。この本を選んでよかったです。

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