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  • 販売開始日: 2011/06/03
  • 出版社: 新潮社
  • ISBN:978-4-10-123731-2
一般書

しゃべれども しゃべれども

著者 佐藤多佳子 (著)

国分太一主演の映画原作。しゃべれどもしゃべれども想いは伝わらない――。若い落語家・今昔亭三つ葉は、前座より少し上の二ツ目。そんな三つ葉が話し方教室を開くことに。無愛想で失...

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しゃべれども しゃべれども

税込 660 6pt

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商品説明

国分太一主演の映画原作。しゃべれどもしゃべれども想いは伝わらない――。若い落語家・今昔亭三つ葉は、前座より少し上の二ツ目。そんな三つ葉が話し方教室を開くことに。無愛想で失恋ばかりしている美人、関西弁でクラスでいじめにあう小学生、野球解説がド下手な元プロ野球選手……人に教えている場合ではない先生のもとに、自分を表現できない不器用な生徒が集まり……。さりげない展開の中に絶妙のテンポ感があり、読み始めたら止まらない! 癒されたい人、必読。

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書店員レビュー

ジュンク堂書店天満橋店

落語の知識がなくても...

ジュンク堂書店天満橋店さん

落語の知識がなくても、ただとにかく読後「読んでよかったー!」と
すがすがしく思える作品。

緊張すると吃音が出てしまういとこに、劇団員で影のある女、
引っ越しでクラスになじめずにいる関西弁の少年、喋り下手な
野球解説者。自分自身スランプながらもそんな彼らに落語を
教えていくうちに見えてくる自分の答え。

それぞれがぶつかる壁へ一緒に全力で体当たりし、越えていくさまが
ホントにいい!

ほんのり漂う恋心に鈍感な彼は気づかないから「もぅ!」って
思ったりもするけれど、とにかく“男前”に出会いたいなら、この1冊!

天満橋店 文庫担当 坂本

みんなのレビュー539件

みんなの評価4.1

評価内訳

文句なしに「良い」。ただ一言「読むべし」といいたくなる一冊。

2007/01/10 20:38

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る

1997年に単行本で出版されその年の「本の雑誌」で年間ベスト1に輝いた作品。
前評があまりのも良いと期待し過ぎて逆に評価が下がることが
ありますが、この作品に限ってはそんな心配は不要です。
評判・話題になって当然期待以上の面白さでした。
読んいる間中楽しさと切なさとそして爽快さに包まれていて読
了後自然と笑みが浮かぶ作品なのです。
もしこの本を読んで悪評を書く方がいたらならば、それはただ
の偏屈としか呼びようがないのでは?と思うくらい兎に角一言
「良い」作品なのです。
本好きの方の中には社交性のある方もいますが、私にとっては
本の世界はいわば現実からの逃避行のようなものでこの本に登
場する話しベタで付き合いベタの4人の気持ちが実に良く分か
るのです。
五月が自分が周りと上手く付き合えないからこそ三つ葉のよう
な人に憧れつつも距離を置く、湯河原は優しさが表にみえない
から誤解される・・・。
人に嫌われて平気な者などいるわけがない、自信を持てという
時点でその人に対して「良し」と認めていないなど当たり前の
ことをサラリと語られ、そしてハッとさせられる場面が多いの
も佐藤さんの作品の特徴なのかもしれません。
いじめや対人恐怖症など決して明るいだけの物語ではないのに
何故こんなにも爽やかな読了後なのか?
それはきっと三つ葉のおせっかいと優しさが4人に向けられる
とともに読者の心にも伝わってくるからかもしれません。
皆の心に灯りをともしてくれる一冊です。

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小気味良さがうれしい佐藤多佳子『しゃべれどもしゃべれども』。

2011/09/30 23:26

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「しゃべれどもしゃべれども」はすでに映画にもなったが、何とも小
気味良く、しかも、ハートにグッと来る傑作小説だ。小気味の良さとい
うのは、主役の男、今昔亭三つ葉が二ッ目と言えども落語家だから。彼
の言葉で語られる小説なので、テンポが悪くてはどうしようもない。ポ
ンポンポンと短い言葉を放り出すように語っていく文体が素晴らしい。
これ、簡単そうだが、やはり「技」が必要。佐藤多佳子にはユニークな
観察眼や表現力もあり、物語は気持ちよく盛り上がっていく。

 まだぺーぺーの落語家である三ツ葉の元になぜか落語を習いたいと四
人の男女が集まってくるという設定がおもしろい。しかも、彼らはそろ
って問題児。一人は対人恐怖症でテニスコーチを辞めた男、一人は口べ
たで大失恋をした女、一人は大阪から転校しいじめにあってるらしい小
学生、そして最後はマイクの前だと本音でしゃべれない元阪神の野球解
説者。彼自身も壁にぶちあたってる三ツ葉は彼らを見事に更生させられ
るのか?

 これは会話が苦手で人とうまくつき合うことができない心優しき人々
の物語だ。そんな彼らが最後にたどり着くのは…。ラストにふたつの山
場があるのだが、どちらもなんだかジーンときて胸がいっぱいになって
しまう。しかも、自分もがんばらなくちゃ!という思いが激しくわいて
くるのだ。人間関係に悩む多くの人におすすめの一冊だ。

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最高の完成品

2008/06/15 13:50

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

しゃべれども しゃべれども 佐藤多佳子 新潮文庫

 100ページを過ぎて、この本は社会福祉の本だと判断した。文章表現に広がりがある。主人公の1人称による独語が効果的だ。文章が上手な筆記で感心する。達ちゃんと十河(とかわ)のほのかな恋愛話はかわいらしくほほえましい。会話が野球のトスバッティングのようだ。ピッチャーの投げたゆるいボールがバッターによって正確にピッチャーへと打ち返すことが繰り返されている。
 この作家のテーマは「支えあう尊さ」である。作品「一瞬の風になれ」(短距離走が素材)と今回の落語と素材は異なるけれどテーマは同じである。作家という職業人は自分がもつひとつのテーマで幾種類もの物語をつくることができる。一番重要なことは絶対的な自分のテーマをもつことだ。
 10歳男子小学生村林の個性作成がいい。こどもらしさを出さずにあえて大人のキャラクターで勝負している。
 落語は生き物。人生も生き物。いい1年であったという庶民のささやかな生活話だった。10年前に書かれた作品だが今でも生き生きとしている。

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言っても仕方ないだろうなということを抱えている人に贈りたい

2007/06/29 00:44

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けい - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今回は普通におしゃべりする感じではじめますが、ごめんなさい。文字で読むと読みにくいし、わかりにくいかもしれないですが、そこはご勘弁ください。話し言葉と書き言葉って違うんですよね。
 そうそう、なんの話かというと、韓流ブームにだいぶ乗り遅れて韓国の言葉、ハングルの勉強を始めたんですよ。でも、すぐ挫折しちゃいました。一応、一年間、教育テレビの韓国語講座はビデオに録画したんですが。たぶん、もうほとんど二時間サスペンスを重ね録りしちゃいました。ハングル語ってのが難しくて。丸とか四角とか、これが文字?って感じで。そのとき思ったんですよ、言語ってのは暗号だな、って。
 文字の表記、発音、単語の意味。そういうものにはルールがあって、その決まりごとがわかれば、不自由しない。逆に言えば、ルールをわかっているもの同士の意思疎通には便利だけれど、ルールを知らないものには意味不明。スラングとか符牒とか業界用語などもそうです。たとえば「ホシがうたった(容疑者が自白した)」、「ギロッポンでシースー(六本木で寿司)」。暗号も言語とは暗号だ、とはそういうことです。
 実は人間は言語情報ではなく、身振り手振り、表情などの非言語情報のほうを多く使っているという話もあるそうです。でも、言葉が便利なのはルールの明確化・共有化が進んでいるからだと感じます。「ごめん」と言われれば、とりあえずは謝っているのだな、ということは日本語を知っている人ならばわかります。
 でも、言葉が難しいのは口では「ごめん」と言っているのにこいつ謝る気なんか少しもないだろ、というケースが多々あるからです。口には出さなくてもわるいと思っている、でも、謝れないなんてことも。人はさまざまです。でも(だから?)、言葉という共通のルールがあります。
 前置きが長くなりました。本筋のこの本のことはあまり書くことがありません。とにかく、面白かったです。あらすじは落語家の青年のもとにいろいろあっていろいろな人が集まり、話し方教室のようなものをはじめることになる、というもの。いろいろな悩みを持ついろいろな人がいろいろなことをしゃべります。でも、厄介なことはすぐには解決しません。「しゃべれども しゃべれども」前には進みません。ときには後ろに進んだり。でも、人はしゃべることで深くなることができる。どこがよかった、という部分はいっぱいあるし、たぶん、それが読む人によって違うんだろうな、と思えるところがいいです。
 目は口ほどにものを言う、というのも、たぶん本当。でも、やっぱり、ちゃんとしゃべらないと伝わらないし、何も始まらない。思ったこと全部をちゃんとでなくても、本音を隠しても、嘘をついても、意地をはった強がりでも、そんなつもりはないのに傷つけるようなことを言ってしまっても、こころにもないことでも、調子にのりすぎても、しゃべれば、きっとわかってくることがある。

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この感動を、しゃべらねばしゃべらねば

2008/01/01 18:53

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

しゃべる、おしゃべりする、話す、語る・・・書ききれないほどある。この中で仲間はずれはどれか?   「しゃべる」である。
いや、本来はこれも仲間なのだろうが、今現在の使用方法としては、「しゃべる」だけは一人だけでできる行動だと感じるからだ。
自分の中だけで自己完結しまう彼らは、しゃべることは出来ても「相手と」話すこと…おしゃべりが出来ない、しゃべれどもしゃべれども相手につたわらない。そんな彼らが落語を覚え、小さな一歩を踏み出すまでの物語だ。

自分の落語が見つからないスランプ中の一本気な噺家、三つ葉。
人と満足に話せない口下手で失恋したツンケン女、十河。
大阪弁と意固地な態度からイジメにあっている小学生、村林。
対人恐怖症でドモッて自分のことを何もいえないイトコ。
口下手で態度も人相も悪くてどうにもならない野球解説者。

そして三つ葉は、自分を含めみな自分自身に「良し」をやれていないことに気がつく。良しがやれない、自分自身に納得がいかない、自信がない・・・自分にすら向き合えない彼らだから他人とも向き合えない、話せない。
しかし彼らは本当に一生懸命、皆真剣勝負でどうにか一歩を出そうとし続ける。
しゃべれどもしゃべれでも、自分の心に言葉はいつも追いつかない。けれど問題はそこじゃない。
私の「しゃべり」を待っている人がいるということ。とにかく一番大事なのだ。

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頑張るみんなの姿が心地よい

2001/03/19 07:56

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ごろんちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 緊迫のミステリーでも何でもないのに、読み始めたが最後、登場する五人の人物たちの行方が気になって、ラストまで目が離せなくなりました。

 皆なにかに迷い、傷つき、自信を失っている。それは純文学にありがちなテーマなんですが、この物語ではそれらを堅苦しく捕らえることはせずに、ある時は軽妙に、またある時はしんみりと、そうしてある時は感動をもってして、絶妙のバランスで物語が進められていきます。

 爽やかな読後感には、思わず「よし、私も頑張ろう!」なんて思ってしまったほどです。

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楽しんで読めた

2017/11/25 11:51

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポッター - この投稿者のレビュー一覧を見る

登場人物一人一人が、生き生きと描かれていて、ドタバタな話の中にも、ホロっとする場面もあり盛りだくさんの物語だった。
『自信とは、自分で自分を 良し と納得する』のフレーズは共感ができた。作者他の書も読みたくなる痛快な作品でした。

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読み始めると止まらない真性の青春小説

2002/09/22 09:48

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山本 新衛 - この投稿者のレビュー一覧を見る

▼人とのつき合いが最近うまくいかない。人前で話すのがとっても苦手、といったお方にお勧め。この本を読めば、勇気がプンプン湧き出てくる。また、登場人物の一人一人が、自分自身の分身であることに気付き、「愛すべきはこの弱き自分なんだなぁ」という思いを、シミジミと味わうことができる。▼著者は、1999年『イグアナ君のおじゃまな毎日』で路傍の石文学賞を受賞した児童文学畑の人。昨年『神様がくれた指』(新潮社)で、何と“本格的スリ師” の友情を描いて、いよいよストーリーテラーとしての本領を発揮した。本作は、著者の事実上のデビュー作である。▼作品は、売れない落語家に人間関係でつまずく3人が落語の教えを請うという単純なもの。しかし、これが読み始めると止まらない真性の青春小説なのだ。登場人物全員馬鹿がつくほど生真面目で、ブキッチョで。でも作者が旨いからついポロポロ泣けてしまう。▼修行途上の落語家を描いた、森田芳光監督のデビュー作「の・ようなもの」を彷彿とさせる人間愛の傑作である。

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この本の力

2002/04/08 19:08

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジャッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 自分はこの本のことをラジオの連続小説で知った。のどかーな雰囲気で流れていくこの物語は、この僕のとても好きなジャンルだった。この本を読んだらわかるが、この本を読んで居るときものすごく自分が変わっていくのがわかる。変わり方は人それぞれだが確実に読む前よりも「いい人」になっているはず! 読めばだんだんじぶんのことが好きになる…そんな本です。でも、この本のすばらしさは読んでからじゃないときっと分からないはず……

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読後感が最高でした

2021/09/17 23:24

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公が噺家の一人称小説ということもあり軽妙で洒脱な語り口が持ち味。しかしその中にも、進展しない恋のもどかしさが綴られていたりして切なくなります。
この作品のキモは、「自分に自信を持ち、ありのままの自分を表現することの難しさ」です。三つ葉に落語を教わろうとする4人は、それぞれ悩みを抱えています。そしてそれは「自分に無根拠な自信を持っていた」三つ葉も例外ではなく、他人に落語を教える一方で自らの落語に嫌気が差すなど苦悶し続けます。しゃべれどもしゃべれども簡単には心の距離が縮まらない5人ですが、落語を学ぶ会を通して様々な化学反応が生み出されていきます。ラストも圧巻。

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文句なしの1冊

2019/09/21 20:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る

落語を聞いてみたくなる1冊。自分の目標に向かって試行錯誤する主人公が爽快、茶道の先生である祖母もとっても素敵。気軽に読めてそれでいて深い、素敵な本です。

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いいですね

2019/07/27 11:50

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る

題名から勝手に、落語のお話かと思ってたら、そんなものではなく。
もちろん、落語家さんが主人公なんですが。
人の心の物語ですね。

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人付き合いが苦手な人は手にとってみてください

2003/05/21 10:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:和音 - この投稿者のレビュー一覧を見る

対人恐怖症の青年、いじめられている男の子など、皆人と話をするのに苦労をしている。そこで、噺家の今昔亭三つ葉が話し方を教える事になる。噺家だから、話は得意だろうという周囲の期待から。そして、3人に落語を教えてみる事にする。話し方授業はあまりうまくいかないが、なぜか3人はいつもやってくる。そして、落語が好きになっていく… 

途中で、元プロ野球選手も加わったり、色々と騒動が起きたりします。人にものを教えるという事で自分でも気づいていなかった事を気づかされたりと、プラスになることがあり、三つ葉自身もその事に驚くのです。これは、私も他の人も経験した事があるのではないでしょうか? 噺家が主人公で、口の利き方も粋で読んでいて、とても小気味よく、テンポ感のある作品だと思いました。いじめや、吃音が出るなどマイナス要因が多いにも関わらず物語全編を通してずっとあたたかみが感じられます。読み終えた後、表紙のイラストを見て妙に納得してしまいました。

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伝えることの難しさ、、、

2007/06/21 00:33

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぴぃたぁ・パンダ - この投稿者のレビュー一覧を見る

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
俺は今昔亭三つ葉。当年二十六。
三度のメシより落語が好きで、噺家になったはいいが、未だ前座よりちょい上の二ツ目。
自慢じゃないが、頑固でめっぽう気が短い。女の気持ちにゃとんと疎い。
そんな俺に、落語指南を頼む物好きが現われた。
だけどこれが困りもんばっかりで…
歯切れの良い語り口で、言葉に出来ないもどかしさと不器用な恋を描き、’97年に「本の雑誌選ぶ年間ベストテン」第一位に輝いた名作。
胸がキュンとして、思わずグッときて、むくむく元気が出てくる。
読み終えたらあなたもいい人になってる率100%。
内容(「MARC」データベースより)
しゃべりのプロだろ、教えてよ…
あがり症の従弟や口下手の美女から頼られて、話し方教室を開くハメになった若い落語家・三つ葉。
苛めにあった小学生や赤面症の野球解説者までが通ってきて…。
正直な人たちの胸キュン恋愛小説。
映画の公式サイトは、こちら 。
http://www.shaberedomo.com/
=======
落語家が主人公であるが、落語そのものの話ではない。
話すこと。 → 他人とコミュニケーションをこと。
話せないこと。 → 1人で閉じこもること。
話したいけど、話せないこと。 → 現代社会の中では孤立してしまう。
ひょんなことから、話したいけど話せない(相手とコミュニケーションをとりたいけど取れない)人に、話し方を教える羽目になった二つ目の話。
失恋した、女優崩れのOL
関西弁で、周囲に溶け込めない小学生
本当は毒舌家なのだが、表舞台では、口下手な野球解説者
(いとこで、吃音気味の気の弱いテニスコーチの大学生)←なぜか、映画では、ばっさりキャラが消えてる。
そして、主人公である噺家である三つ葉自身も、迷路へ迷い込んでしまう。
落語家が主人公ということで、落語のこともちょっと話の中に出てくる。
師匠と弟子、一門、寄席の風景、鳴り物等の説明を始め、他所お師匠との関係や、古典の「文七もっとい」「茶の湯」「火焔太鼓」等の古典落語の噺の名前だけは出てくる(笑
結局、問題は、しゃべること、しゃべらないことが問題の全てではない。
他人とのコミュニケーションの取り方の問題である。
と、切って捨てるのは簡単だが、この「コミュニケーション」というものが厄介である。
本人は、良かれと思ってやったことが、相手にとっては、ありがた迷惑というのは、よくある話だ。
そういう、コミュニケーション・ギャップを出るだけ起こさないように、他人と交わるというのは至難の業だ。
引きこもりたくなるのも、解る。
この作品は、根本的な解決方法は示していないが、コミュニケーションが取れない人たちに、「努力することは大切」「相手を母屋る想像力を持つ」「正しい自信を持つ」等の方法を示している。
それで、結果として、或いは、努力の過程において、他人と心が寄せ合えれば、いいじゃないか、世の中の良さも少しはわかるのではないか?と、一石を投じるような作品であると思う。
読み始めたら、特急列車のように、どんどん進まないと気がすまない感じで読めた。
結末は、読んでのお楽しみだが、それぞれに、100%ではないが、折り合いのつくハッピー・エンドが待っている、とだけ言っておこう(笑
映画に関しては、26歳にしては、年取ってないかな?<国分太一 クン(苦笑
だって、74年生まれだしねぇ(汗
まだ見ていないから、映画の出来に関しては、なんともいえないが、見てみようかな?という気にも、させてくれる原作である。
http://ameblo.jp/ye0329/entry-10037143959.html

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いい話です

2016/11/30 23:32

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る

作り物のような感じがする良い人は誰も出てこなくて、当たり前のようにみんな欠点とも言えるようなものを抱えて、躓いて、失敗して、足掻きながらもどうにか生きている姿は読んでいて勇気をもらえるものでした。
登場する人々のキャラの立ち方とても見事で、知らぬ間に自分の気持ちを添わせて情が移ってしまい、時にこみ上げてきました。

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