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紙の本
読了後に私の心を覆った暗雲は
2003/09/05 13:00
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ころり - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終えてからしばらく、私は考えていた。さて自分ならどういう行動を取ったであろうか? いわれのない差別が人道にもとる行為である、と頭でわかっていても、その正しさを実際に発揮できるだろうか? 私は世間に迎合せずに正しいことは正しいと、間違いは間違いであると主張できるだろうか? 自分の心の片隅にある黒い染みのようなものを白日の下にさらされたような気分になった。
私のような極めて単純な者の中に思索を喚起した藤村の筆致! 議論の的にもなるクライマックスとラストのシーンも、私にとってはあれしかないように思われた。ああするしかなかった丑松。人の業の深さ。ああ、まだ私の心を覆う暗雲や去りゆかぬ。しかし読んでよかったと信じる。
紙の本
破戒
2021/10/10 20:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
被差別部落出身で、それを隠しながら教員をしている主人公が、父が死に際して残した「隠せ」という言葉に従いつつ、それを隠そうとしない思想家の猪子にあこがれる気持ちにも揺さぶられる。
読後は全身が感動に包まれていたが、色々と調べてみると、批判もあるらしい。たしかに被差別部落出身である丑松自身の、他の被差別民への目線が気になったりもした。
紙の本
破戒と部落解放運動
2003/12/28 21:25
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:妹之山商店街 - この投稿者のレビュー一覧を見る
島崎藤村の「破戒」は、明治39年に自費出版されました。
全国水平社の結成が大正11年ですから、部落問題を真正面から
見据えた「破戒」の先駆性は明らかです。
昭和14年に「破戒」の改定本が出版されました。島崎藤村と
全国水平社との協議による改定でした。
「破戒」の差別的表現を訂正したとのことです。
確かに初版「破戒」には、種々の差別的表現がありました。
「穢多、非人、かたわ、気狂い」等の。
しかし、それを訂正すると、かえって、部落差別を糾弾する
作品のインパクトが明らかに低下してしまい、改悪でした。
そして、昭和28年、初版本が復原されます。
しかし、部落解放同盟は、
1.何の解説もない、単なる初版本の復元はおかしい
2.部落民と解放運動を考慮してほしい
というものでした。
「破戒」には、確かに「差別的要素」は、あると思います。
・差別用語
・丑松が、穢多だということを隠していたことを、土下座して
謝る。アメリカへと旅立つ=逃避
・解放運動家の猪子連太郎の台詞:「いくら我々が無智な卑賤
しいものだからと言って」の問題点
しかし、まあそれは、何というか、無いものねだりという気がしてなりません。
まだ、部落解放同盟はおろか、全国水平社すら無かった時代のことですからね。
時代的制約というものが、時代的限界性というものが確かにあるでしょうね。
むしろ、その先駆性をこそ賞賛すべきだと思われてなりません。
紙の本
時を超える名作
2023/11/09 11:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
言わずとしれた名作だが、出自によっていまだ有形無形の差別や偏見、ヘイトがあるなか、今なお深く胸に響く物語だ。日露戦争の時代に書かれた物語であるとは!
紙の本
差別の苦悩
2022/05/02 20:35
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いえい - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代で差別のあった階級に生まれた人の苦悩を描いた