調べる技術・書く技術
著者 野村進
テーマの選び方、資料収集法、取材の実際から原稿完成まで、丁寧に教える。これがプロの「知的生産術」だ! 第一線のジャーナリストは、いかに原稿を仕上げるか。テーマの選び方、資...
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商品説明
テーマの選び方、資料収集法、取材の実際から原稿完成まで、丁寧に教える。これがプロの「知的生産術」だ! 第一線のジャーナリストは、いかに原稿を仕上げるか。テーマの選び方、資料収集法、取材のコツから推敲のポイントまで、具体的に教える。レポート執筆にも役立つヒントが満載の入門書。
目次
- プロローグ
- 第一章 テーマを決める
- 第二章 資料を集める
- 第三章 人に会う
- 第四章 話を聞く
- 第五章 原稿を書く
- 第六章 人物を書く
- 第七章 事件を書く
- 第八章 体験を書く
- あとがき
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一昔前ならここまで手の内はださなかったかも。
2008/06/28 10:08
14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノンフィクションの手法としてこれまで確立してきた「書き方のフォーム」をまとめたという本である。「記事」をまとめるための方法であるからインタビューの仕方などの特殊な部分もあるが、文章を書く場合すべてに共通する「基本心得」も入っている。なにか文章をまとめる必要があると思う方は一読して損はないだろう。きちんとした方法・手順をまとめた本で、読み応えはある。
・第一章 「テーマを決める」、第二章 「資料を集める」、第五章 「原稿を書く」などはノンフィクション記事だけでなく、一般に文章を書くための基本的な考え方として読める。第五章にはスクラップファイルの方法、索引やチャートなど、実際的なまとめ方の紹介があり、名作「知的生産の技術」を少し思い起させる「技術」が書かれている。ペン・シャープナー(文章を書く気になるためのきっかけ。興味がある方は是非読んでみてください)や「あれもこれも入れると締りが無くなる」という話は心当たりのある人には「確かに」とうなずきたくなるところであろう。このあたりは理系の作文にも共通する手法、考え方である。
・第三章「人に会う」、第四章「話を聞く」は、インタビューをして記事を書くというノンフィクションならではの技法についての部分である。対人的な部分だけあり、電話のかけ方、御礼の手紙文など、これってただの礼儀作法じゃないの、と思えることも結構書かれている。こういうこともマニュアル化しておかないといけない時代になったようだ。年寄りの繰言に過ぎないかもしれないが、そういうことは見ながら自分で学んだり工夫したりするものだと思っていた。分からないところは、まず見たり聞いたりしたことから自分で考えるという時代は過ぎ、「なんでも教えてもらう」時代になってしまったのだろうか。なんだかそれならコンピュータと同じみたいでちょっと寂しい。
・第六章「人物を書く」、第七章「事件を書く」、第八章「体験を書く」には実例として著者の文章が掲載されている。その文章自身もなかなか面白いし、具体的な題材を用いているので思考のポイントが分かりやすい。ちょっとした「メイキング」ものを読む感もある。そこまで書き方の手の内をみせてもいいんですか、と著者に効いてみたくなるほどであった。
著者は「常識とされていたルールが次世代に伝わっていない。p9」危機感を持ち、この本を書くことにしたという。どんな分野にもそれなりに確立されてきた方式があるのだろう。一昔前なら、それぞれの「記者」が自分のスタイルは自分のもの、後輩にも「みておぼえろ」というような職人気質の世界ではなかっただろうか。なんだか「後継者」がないので、とにかく文書にして残しておこう、という文化の一面を見るような気もした。
「プロ」です。そして「プロ」であることの条件がわかります。
2012/02/18 10:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノンフィクションライターの著者が、「書く」ために必要な「技術」を開示。本当に「技術」的な部分が半分、残りは「心構え」的なメッセージ。
個人的には、後者に響きました。書く、つまり伝えること、それ自体の意味・意義(What)、それをどのように伝えるか(How)、が、著者の独断とはいえ、ふんだんに記されています。
しかしながら、その技術を、たとえば箇条書きに項目を並べてくれる「フレームワーク」なものよりも、引用された著者の「ルポ」それを読んだ時の、「引き込まれ具合」が、まさに「伝える技術」として真髄を感じる瞬間でもありました。
プロを感じます。ホントに「技術の本を読んでいる」ことはすっかりアタマから遠のいて、すっかりその引用された事件、その文章に没頭している自分がいます。すごいですよ、一読したら分かるかと思います。
読み始めは、「自分はノンフィクションを書く機会はないからなあ...」というヒトゴト感から抜け出せない感じがするが、後半は実例がとにかくビンビンきます。もちろん現実に起きた事件、という事実があるにせよ、その切り口、アプローチ、ストーリー、結論、一気に流れに乗ってしまうんですね。事例として掲載されているのに、ライブで出た記事を読んでいるような感じになります。
そこにあるのは、本書のテーマの一つである「技術」もさることならが、その技術を最大限に活かすエネルギー源、すなわち、「関心・興味」「執着」「情熱」が必要なことなのだと強く思う。著者も触れているが、何にでも好奇心を持つことが「書く」技術の前提であると。
活字、映画、芝居、絵画、音楽.....あらゆる「表現ジャンル」に接すること。多少自分の興味、範疇から外であっても貪欲に接すること、これを続けることで、自分の中に「貯水池」ができる、と説く。このあたりは著者独自の表現方法であるが、イメージは伝わってきますよね。そこが貯まってきたとき、あふれた時に「テーマ」が決まると。
カラカラの貯水池でもいけないし、あふれるに任せているような状態でもよくない。うーん、さすがうまいなあ。
もちろん「ノンフィクション」に限らず「ライター」を生業としている人は、本書は読むに値するけれど、ライターでなくとも、なんらか「書く」ことで「表現」をしている人は、読んでみて価値は高いと思われます。
自分も「感想文」を続けて3年。これまで「人に読んでもらう」という心がまえがあまりできていなかったのかもしれない、これからは少しずつ意識を高めて...なんて思っちゃたりするわけだ。
この本を読んで、読んだだけで、「書く技術」が高まるかどうかは、その「意気込み」をどこまで持てるか、どこまで「しつこく」なれるか、という精神論的なものに、どこまで同意できるか、ではないかと思う。
自分にしてみれば「書く」ことはプロではないけれども、それくらいの気持ちで「表現」しないと何の進歩もないんだなあ、と思うことしかり。そして、本書の後半「感激」できたことは、少なからず自分の中に成長の可能性がまだ残っている...と信じる。
【ことば】「いま一瞬のこの時間、患者さんとの関わりを大切にしていけばいい。そう思えるようになってから、切り替えができるようになりましたね。」
身体機能が日々衰え、もう回復する見込みがない難病の患者さんに接する看護師の苦悩。やるせない対応の中で、「看護」 師としてどのように気持ちを維持するのか...答えがこの[ことば]。
現場のどうしようもない人生観、それがヒシヒシ伝わる中で、看護師さんの[ことば]は重い。
読んでよかった
2015/09/30 18:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たる - この投稿者のレビュー一覧を見る
これがプロの「知的生産術」だ!と断言した帯に誘われて手に取った。 本著は著者と先人のノンフィクション作家たちが蓄積してきた経験と技術を一般の読者に還元すること(=ノンフィクション執筆の標準化)を目的をしている。 僕が仕事柄興味を持ったのは「人物を見るときのチェックポイント」顔つき、体つき、服装、表情、しぐさ、視覚以外で感じたこと。と挙げていること。そして、相手と自分の対話を俯瞰する「第三の目」を持つこと。これらは対人援助職として共感できるところがあった。後半には著者が実際に掲載した実例をだし要点をまとめている。「現代」に掲載された「五人の少女はなぜ飛び降りたか」の最後の一行は思わず身震いした。これほどまでに血の通った生身の人物を描けるのか。 言葉を綴る人にとって本著は「ペンシャープナー」になりえる本だと思う。
まなぶべき古典的な取材法と執筆法
2008/05/08 22:17
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
「調べる技術」というと,最近ではまず Web をかんがえてしまうが,オリジナリティのあるものを書くにはいまでも取材が重要ということになるだろう.この本の中心は「わすれさられた」取材と執筆のルールを読者につたえることにある.古典的な取材法と執筆法,そして書くテーマも古典的なテーマのなかからあたらしさをみつけるところに価値をおいているのだろう.しかしそれにしても,変化がはげしくなった時代のなかで「あらゆるテーマがすでに書き尽くされているのではないかと思えてくる」と書かれているのを読むと,違和感を感じてしまう.取材の場を世界にひろげれば,あたらしいテーマはいくらでもあるはずである.
疑似体験できるわけである。
2022/05/08 10:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:FA - この投稿者のレビュー一覧を見る
『かつては常識とされていた取材と執筆のルールが若い世代に受け継がれていないのではないかという危惧を覚えるようになった』
その作者の危惧が、この作品を誕生させた。おかげでずぶの素人の私が、取材の現場を疑似体験できるわけである。ただ、技術とルールだけではあるのだけど。
作中に本田靖春氏の言葉として、『自分に関心のある分野でひとかどの人間になりたかったら、一月に、二三冊でいいから、その関連の本を読むことだ。それを三年続けたら、その分野ではオーソリティーになれる』
これは、なかなかに魅力的な言葉である。
お手本
2020/09/18 05:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
若い人がジャーナリストを目指すときに参考にする本。礼儀作法などは参考になる。しかし手法などは自らが築きあげるものなどであくまでも参考とすべき内容だ。
内容は詳細であるが
2021/04/01 10:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
単なるノウハウ本ではなく内容は詳細であるが、下調べをするべき、と書いてあったり、あえて下調べをしない、と書いてあったり、、、とても混乱してしまった。
たまざまな内容の中では、看護体験記が特に印象に残った。その他のトピックスはまあまあそんなものかという感じである。