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紙の本
きみ去りしのち (文春文庫)
著者 重松 清 (著)
幼い息子を喪った「私」は旅に出た。前妻のもとに残してきた娘とともに。かつて「私」が愛した妻もまた、命の尽きる日を迎えようとしていたのだ。恐山、奥尻、オホーツク、ハワイ、与...
きみ去りしのち (文春文庫)
きみ去りしのち
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商品説明
幼い息子を喪った「私」は旅に出た。前妻のもとに残してきた娘とともに。かつて「私」が愛した妻もまた、命の尽きる日を迎えようとしていたのだ。恐山、奥尻、オホーツク、ハワイ、与那国島、島原…“この世の彼岸”の圧倒的な風景に向き合い、包まれて、父と娘の巡礼の旅はつづく。鎮魂と再生への祈りを込めた長編小説。【「BOOK」データベースの商品解説】
幼い息子を喪った私は、前妻のもとに残してきた娘とともに旅に出た。かつて愛した妻もまた、命の尽きる日を迎えようとしていたのだ。恐山、与那国島、島原…父と娘の巡礼の旅はつづく。鎮魂と再生への祈りを込めた長編小説。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
「忘れる」のでも「乗り越える」のでもない、喪失感との折り合いのつけ方
2013/08/06 18:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
しかし重松さんはすごい。まずはその一言がどうしても言いたい。描写の仕方、表現の仕方、どんな人生経験を積んだら、こんな感性を持てるのだろうかと不思議にさえ思う。色んな作家の作品を読んだけれど、この人ほどそれを感じる人はいないかもしれない。文章を使った芸術家、の域まで達しているとさえ感じます。
本作品のテーマは決して軽くない。1歳の息子を、突然死症候群で失ってしまった夫婦が、その事実に向き合って何とか折り合いを付けて生きて行こうとする姿を描いた作品。なんて、簡単に表現してしまうと自分が悲しくさえなるのだけれど。何せ、テーマも構成も、描写の美しさも本当に素晴らしい作品と思います。
以前から私は、良作品は得てして最初と最後が素晴らしいと言ってきたのですが。九章からなるこの作品、ほとんどの章が「旅をしている」の一文で始まります。スパリと切り取ったようなこの一文、章を追うごとに意味が深くなっていき心に染みてきます。そして唯一九章だけは、少しだけ違う言葉になっています。それがまた、日本語の美しさを感じられる素晴らしい一言。思わず震え声で「やるなぁ・・・」なんてつぶやいてしまう。そして最後の数行はもう、こんな重いテーマでありながら、何ともさりげなく、それでいてとても力強く、前向きに締めくくってあって、正直鳥肌が立った。これしかない、これ以上ない素晴らしい締めくくり、構成。脱帽どころか髪の毛が逆立つ思い。命っていうのは、人生って言うのは、こんなにも凄い物なんだと思わされる一作。
色んな名所を旅するという展開も物語にとても広がりを見せるし、とても興味をそそります。大切な物を喪った夫婦、そして大切な物を喪った父娘がそれでもどう前を向いて行くのか。この作品を読み終えると、大事な人がいる日常に心から感謝し、大事だと思えなかった人もとても大事に感じられて、自分の人生も大事にせねばと感じられるはず。この時期にきっとぴったりの一作と思います。
紙の本
生きる
2016/02/13 03:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼い息子を失った父。前妻との娘を連れて旅に出る。その前妻も余命わずか。絶王的なシチュエーションだけに死が頭をよぎるが実は、生への望みがテーマになっていて救われる。しみじみと考えさせられる、重松氏ならではの作品。