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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
10人産めば、1人殺してもいい。だれでも殺したいほど憎いヤツはいるが、ユニークな発想で書いた点は評価されていい。4編が収録されており、いずれも性と生を独特の視点で書いている。芥川賞受賞作の「コンビニ人間」が気に入って求めたが、しばらくハマりそうな純文学作家だ。
内閣府によると、2050年には日本の人口は1億人を切るんだって
2020/03/15 15:51
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
内閣府のホームページを見ると、「我が国の総人口は、今後、長期の人口減少過程に入り、2026年に人口1億2,000万人を下回った後も減少を続け、2048年には1億人を割って9,913万人となり、2060年には8,674万人になると推計されている」という衝撃的なことが書かれている。もちろん、「殺人出産」のように10人産めば一人殺せるという世界などありえない。じゃあ、どうするのかということを政治家の皆さんは与野党関係なく誰も真剣に考えているようには思えない。日本に移住してもいいという外国の若者に移民してもらうしかないと思うのだが、「日本は神の国」と本当に思っている政治家が政権を握っているこの国ではそういったことも口に出せない状況が続いている。となれば、方法は「殺人出産」しかないのではないかと思ってしまう
令和の時代に現実味を帯びるか
2019/10/04 23:45
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投稿者:かにみそ - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺人出産システムをはじめ、トリプルや新しい結婚の形。一見とんでもない日常であるかのように思えるが、多様性が認められつつある世界において、本書の一部が意外と現実で起こるのではないか?と想像を膨らませながら読んでいた。村田氏の本は実に面白く、創造力に毎回関心させられる。
おもしろかった!
2022/01/31 22:10
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドキドキしながら読みました。すごくおもしろい設定なので、一気読みです。『コンビニ人間』より、こちらのほうが好きでした。
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
10人生めば1人殺せる、狂気の近未来に圧倒されます。育子・環の対照的な姉妹の目を通して、生と死の根元に迫っていました。
小説家は言葉を使って、
2020/11/18 19:26
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投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
自らの理想や伝えたいもの空想の世界を私たちが読めるように文章にしてくれるものだと思う。村田さんがこの小説で伝えたいものはなんだろう?って考えた時に、現代社会の中で皆が今生きることに精一杯で、あまり自分たちのことだと感じられていない社会問題とか本当にこのままだと100年後一体地球はどうなっているの?っていうことについてなんだと思った。私が考えつかないような理想を村田さんは表現することができて、それに対して私は自分の考えを改めて考えた。
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3篇からなる短編集だけど、どの作品も発想力がすごい。現実に起こりそうで怖くなった。
あらすじ(背表紙より)
今から百年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。命を奪う者が命を造る「殺人出産システム」で人口を保つ日本。会社員の育子には十代で「産み人」となった姉がいた。蝉の声が響く夏、姉の10人目の出産が迫る。未来に命を繋ぐのは彼女の殺意。昨日の常識は、ある日、突然変化する。表題作他三篇。
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ディストピアものに入るのかな?
殺人が罪ではなくなる世界。
その罪を正当化する方法として
10人産めば1人殺すことができる
という決まりができる。
人ひとりを殺した罪は10人を生み出すことでイコールになるのだろうか?
疑問はあるが、創作としては他作品も表題作同様作者のユニークな視点が楽しめた。
2017.3.16
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10人産んだら、1人殺せる。「産み人」としての「正しい」手続きをとらずに殺人を犯せば、女は埋め込んだ避妊器具を外され、男は人工子宮を埋め込まれ、一生牢獄の中で命を生み続ける、「産刑」という最も重い罰が下される。命を奪うものが命を造る「殺人出産システム」で人口を保つ日本。
これだけでもうひぃ…ってなる。
表題作他3篇。どれも世界の変化のなかで自分だけが異物になった気分。
目が離せない作家さん。
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今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。命を奪う者が命を造る「殺人出産システム」によって人口を保つ日本。会社員の育子には十代で「産み人」となった姉がいた。蝉の声が響く夏、姉の10人目の出産が迫る。未来に命を繋ぐのは彼女の殺意。昨日の常識は、ある日突然変化する。表題作、他三篇。
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以前本作が何かで紹介されていて、興味があった本。こないだ芥川賞獲った人か。
すごい発想力。作者はどんな頭の中してるのか。天才じゃなかったらひねくれてる(褒めてる)。
短編集だけど、どの話もぶっ飛んでる。何十年後かの仮想の世界。今の常識を覆す。
ぶっ飛んでる割に、設定がしっかりしていてついつい読んでしまう。決して共感はできないけど、なるほどね、と思わせられる。
100年後、結婚・出産・殺人に対しての価値観はどう変わってるんだろう。100年前には堕胎罪とかあったくらいだしね。
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introduction───
蝉の声が聞こえる。
会社が入っている灰色のビルの裏手にある街路樹には、毎年沢山の蝉が棲み着いて騒音に悩まされる。女子トイレはちょうどその木の真ん前にあるので、曇りガラスの窓ごしに、壊れた電子音のような喧しい声が響いてくる。
─────────
10人産んだらひとり殺せる。
ひとり殺すためには10人産めばいい。
産まずに殺人を犯した人間には産刑が与えられ、
死ぬまで産み続けることになる。
本来産む性ではない男性にも
等しくその機会が与えられる社会。
100年後の日本。
ある日突然に命を奪われる可能性はいまだって同じだ。
交通事故や自然災害、無差別殺人。
明確な殺意を伴う犯行。
この小説の不気味さは、第二次世界大戦中のそれを彷彿とさせる盲目的な価値観にあると思う。
常識とはなにか。
正義とはなにか。
生命とはなにか。
性と生と死について、この世界で当然とされている価値観は本当に正しいのか、誰にとって正しいのか、容赦なく問いかけてくる。
殺人衝動を満たすために産み人となった環。
彼女にとっての育子はずっと、獲物を連れてきてくれる人間だったのだと思う。
だから殺意を抱く相手ではなかった。
意図したものであるのかわからないけれど、最後の最後で、胎児は人間か否かという点にもさらっと触れているあたりがいい。
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性と命と死ぬことについての価値観ををガンガン攻めてくる。
再読したいかといわれると微妙だけど心には残るかも。
合法的かつ確実に殺せるということが救いになる人の気持ちも分からなくもなくもなく…(合法的に無差別殺人をする人の気持ちは共感できないわな)
出産して子供を手放す事、夫婦関で子供を作る事が減るということ、殺される側の理不尽さやら、倫理観のあたりを突き詰めるとうーん、とうなってしまう。
まあ、小説なのでね。現実に起こったら、ということをつい考えてしまうほどある意味リアル。余命は好き。
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ツイッターで書店員さんがツイートしていた内容に惹かれて思わずポチりました。
10人産んだら1人殺せるーーその設定がすごい。
今の少子化問題にざっくり切込む内容ですよね。
殺したい人間を自由に殺せる権利を手に入れるための出産。そして、その決まりを破って殺人を犯したら、産刑(死ぬまで子供を生み続ける)。
なんか、妊娠出産が「ペナルティ」「やりたくないこと」として描かれているのがすごいな、と。
途中まで中立的だった育子が、最後そっちに行くのかーというのもなんだか意外。
表題作のほか三編もまぁまぁ、いっちゃっててすごい。
「トリプル」も「清潔な結婚」も、どちらも性交渉=子供とならないのがある意味すごい。
グロいなーと思いながらついつい読んじゃう中毒性が高い作家さんだなー。
他の作品も読んでみたい。
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衝撃的な題名に、ずっと読んでみたいと思っていた作品。
想像よりも猟奇的で薄気味悪い。
10人産めば1人殺せる…
殺人は悪ではない。
みんな普通に殺したい人がいる。
その殺意を持って、10人子を産む。
そしてその殺される人は、死に人と呼ばれる。
いつ自分が死に人に指名されるかもしれない。
殺意を持つことが悪ではない。
が、死に人になることに恐れ、でも受け入れる。
人間の闇を見る。
男性も人口子宮をつけ、妊娠出産ができる。
全てが平等で正しい世界。
今の世界なら、出産は人生において最も幸せな体験。
愛情に溢れた体験なはず。
それが刑罰に値するとは。
背筋がゾッとする。
他三つの短編が収録されている。
どれもゾクッとするような違和感を感じる世界。
私は「余命」が好き。