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商品説明
「鬼平」誕生から50年。逢坂剛、諸田玲子、土橋章宏、上田秀人、門井慶喜、風野真知雄、梶よう子が、新たに「鬼平」に命を吹き込んだ短編集。池波正太郎が自ら選んだ傑作短編も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
■池波正太郎が長谷川平蔵を主人にした短篇小説「浅草・御厨河岸」を書いたのは、昭和42(1967)年のこと。オール讀物12月号に掲載されたその短篇は大きな反響を呼び、「鬼平犯科帳」としての連載が始まった。
■2017年、「鬼平」誕生から50年。この記念すべき年に、7人の人気作家が長谷川平蔵を登場人物にして、「鬼平」へ新たな命を吹き込んだ競作短篇集。
■逢坂剛は「逢坂・平蔵シリーズ」の特別版、上田秀人は武家という官僚社会で生きる平蔵の立場を、諸田玲子は妖盗・葵小僧と鬼平の再対決、風野真知雄は人気シリーズ「耳袋秘帖」鬼平版、そして、土橋章宏は父譲りの料理人と鬼平との味対決、門井慶喜は、流行りものの鰻が嫌いで女が好きな木村忠吾がかかった罠、梶よう子は、平蔵亡き後、火盗改を仰せつかった森山源五郎の回想、と7人7様。これらの短篇に加え、池波正太郎が自らベスト5に選んだ鬼平作品の中から「瓶割り小僧」を特別収録。
■各作品に池波正太郎のカット画を使用。【商品解説】
「鬼平」誕生50年を記念し、7人の人気作家が「鬼平」に新たな命を吹き込んだ作品集。本家・池波も「瓶割り小僧」で特別参加。【本の内容】
収録作品一覧
せせりの辨介 | 逢坂剛 著 | 7−109 |
---|---|---|
最後の女 | 諸田玲子 著 | 110−164 |
隠し味 | 土橋章宏 著 | 165−207 |
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紙の本
珠玉の鬼平犯科帳異聞
2018/12/09 21:36
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
池上正太郎の名作、鬼平犯科帳に関して7名の作家にそれぞれ短編を書いてもらうという趣向である。いわば鬼平アンソロジーである。作家7名は、逢坂剛、上田秀人、梶よう子、風野真知雄、門井慶喜、土橋章宏、諸田玲子、そして池波正太郎という面々である。池波は、瓶割小僧を選んでいる。
登場する作家それぞれ池波の鬼平については何らかの思いがあるのだろう。逢坂剛は最近でも『平蔵の首』などを著しているし、池波版で挿絵を描いていた中一弥を父に持つ。その他江戸時代を描く歯科医の人気作家である上田秀人、女流時代作家の諸田玲子など楽しみにしつつ読んでみた。
いずれも甲乙付け難い出来栄えで、鬼平ファンとしては十分満足することができた。逢坂はすでに鬼平の小説を著しているが、与力、同心、密偵など自分のメンバーを確立しているが、それ以外の作家は、池波の与力、同心をそのまま踏襲しているので、また、懐かしさもひとしおである。
逢坂の『せせりの辨介』、諸田の『最後の女』はボリュームもたっぷりで力が入っているようだ。土橋の『隠し味』は、食通の鬼平に合わせて池波流の旨いものをテーマにしている。上田の『前夜』は官僚としての鬼平を取り上げ、父、本人、息子の三代の出世変遷を描く。
門井の『浅草・今戸橋』は池波でお馴染みの兎忠こと木村忠吾が主役である。鬼平や同僚の与力、同心にからかわれながら、ひどい目にあった後、お頭からの温情を受けるさまを描く。風野の『狐桜』は、他の旗本(南町奉行)から見た鬼平が描かれており、鬼平の人柄を偲ぶものとなっている。梶の『石灯籠』も鬼平自身ではなく、旗本が現役時代の鬼平の思い出を語るものである。
最後は、池波のお馴染み『瓶割小僧』で締める形式である。その順序といい、内容といい、実にうまくできている。特に、『狐桜』と『石灯籠』は少し距離を置いて鬼平を語るので、一層長谷川平蔵の人柄が浮彫りになり、見事に仕上がっている。是非、この種の試みが続けられることを願う。
紙の本
蘇える鬼平犯科帳 池波正太郎と七人の作家(文春文庫) 池波正太郎 (著)
2018/12/26 20:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雨読 - この投稿者のレビュー一覧を見る
池波正太郎の鬼平犯科帳は有名であるが、鬼平こと火付盗賊改方の長谷川平蔵を主人公に、池波正太郎と七人の作家が短編小説をそれぞれの持ち味を活かしながら書いています。
それぞれの題名と作家は「せせりの辨助 逢坂剛」、「最後の女 諸田玲子」、「隠し味 土橋章宏」、「前夜 上田秀人」、「浅草・今土橋 門井慶喜」、「狐桜 耳袋秘帖外伝 風野真知雄」、「石灯籠 梶よう子」、「瓶割り小僧 池波正太郎」である。
大出世は出来なかったが、与えられた仕事を思う存分熟して今なお慕われる人物、長谷川平蔵は立派な武士であったと思います。
電子書籍
再認識
2021/05/23 23:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつゆき - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の池波正太郎の『瓶割小僧』を読んで「これぞ鬼平犯科帳」と、痒いところに手の届いたような、ストンとハマったようなやっと落ち着いた気がしたのだ。
そこまでの話では、自分なりの鬼平犯科帳の世界観とは違うように感じる作品もあり、「これは鬼平犯科帳ではない」のだと寂しく感じていた。
多くの人間に愛された「鬼平犯科帳」を、こういう風に捉えている作家もいるのだな、と改めて人それぞれなのだと思う。
そしてやはり池波正太郎は凄い、鬼平ファミリーは大好きだと再認識したのだった。